• うにゅほとの生活2391

    2018-06-22 23:3815時間前

    2018年6月22日(金)

    「だるい……」
    ホコリひとつないフローリングの上で、ぐでーと横になる。
    「だるいし、暑い……」
    「だいじょぶ?」
    すんすん。
    うにゅほが、俺の首筋で鼻を鳴らす。
    「かぜじゃないとおもう」
    「原因はわかってるから、大丈夫……」
    「げんいん、なに?」
    「エアロバイク」
    「えあろばいく……」
    「さっき、久し振りに漕いだじゃん」
    「うん」
    「久し振りだから、気合い入れて、たくさん漕いだせいだと思う」
    「どのくらいこいだの?」
    「二時間で、40km」
    「いつもは?」
    「一時間で、20km」
    「ばいだ」
    「倍です」
    「◯◯、いつも、きゅうにたくさんする……」
    「そうなんだよなあ」
    久し振りなら久し振りで、半分くらいから慣らしていけばいいものを、いきなり普段の倍にしてしまう。
    こればかりは性格としか言いようがない。
    「極端から極端に走るというか、ゼロとイチしか存在しないというか」
    「なんぎだねえ……」
    「自分でも難儀だと思います」
    「あしもむ?」
    「お願いします……」
    うにゅほのふわふわマッサージなら、既に確定している明日の筋肉痛を、少しは緩和できるかもしれない。
    そんなことを考えながら足を揉んでもらっていると、いつの間にか寝落ちしていた。
    相変わらずのリラックス効果である。




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  • うにゅほとの生活2390

    2018-06-21 23:47

    2018年6月21日(木)

    久方振りに晩酌をすることにした。
    台所からくすねてきた父親の焼酎をタンブラーに注ぎ、ペプシで五倍程度に希釈する。
    お手製コークハイの完成だ。
    「──あれ、コークハイってウイスキーとコーラだっけ?」
    うにゅほが小さく首を横に振る。
    「しらない……」
    そりゃそうか。
    「おさけ、おいしい?」
    「美味しいけど、お酒だから美味しいってわけじゃない」
    「?」
    「この、コロコロ名前の変わるペプシって、安い焼酎と相性がいいんだよな」
    「そなんだ」
    「普通に飲むより、焼酎を割ったほうが、単純に味がいい」
    「へえー」
    うにゅほが、うんうんと頷く。
    「そもそも、俺、お酒の味嫌いだもん。ビールとか最悪。苦くて酸っぱくて……」
    「わかる」
    「××、飲んだことあったっけ」
    「ちょっとだけ……」
    「××が不良になった!」
    「ちがうよー」
    あわあわするうにゅほの頭を、ぽんと撫でる。
    「わかってる。覚えてる。父さんに飲まされたんだろ」
    「もー……」
    「ははは」
    「◯◯、よってる?」
    「まだひとくちしか飲んでないんだけど……」
    「そんなすぐよわない?」
    「スピリタスとかならすぐ酔うかもしれないけど、これたぶん3パーとか4パーくらいだし」
    「すぴりたす」
    「ウォッカの一種で、度数が95度くらい」
    「よくわかんない」
    「えーと──」
    消毒用エタノールのボトルを手に取る。
    「これよりアルコール度数が高い」
    「え」
    「消毒用エタノールは80度くらいだからな」
    「……これのむより、すごいの?」
    「単純に言うと、そうなる」
    「うへえ……」
    うにゅほが軽く引いている。
    「消毒用とか無水エタノールは有毒物質が入ってる可能性があるから、飲んじゃダメだぞ」
    「のまない」
    そりゃそうだ。
    読者諸兄も気をつけるように。




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  • うにゅほとの生活2389

    2018-06-21 00:05

    2018年6月20日(水)

    「はー、疲れた疲れた」
    母親が、五泊六日の旅行から帰宅した。
    「この大量の荷物って……」
    「ぜんぶ、お土産」
    「すごい」
    うにゅほが目をまるくする。
    どこの誰にどれだけ配るのやら。
    「豪華客船、どうだった?」
    「それがね、船なのに17階まであって──」
    西郷どんのクッキーを開封しつつ、母親の土産話に耳を傾ける。
    「ちょっとだけど、韓国の釜山にも寄ったのよ。ちゃんとキムチも買ってきた」
    「そう言えば、パスポート取ってたね」
    「生まれて初めて海外へ行きました」
    「すごいねえ」
    「××も来ればよかったのに」
    「わたしは、うん……」
    うにゅほが、困ったように笑顔を浮かべる。
    「××が残ってくれないと、男性陣は生活力ないから」
    「情けないなあ……」
    自分でもそう思う。
    「◯◯、そのうちどこか連れてってあげなさいよ」
    「日帰りなら……」
    「うん、ひがえりでいいよ」
    「夏のあいだにツーリングかな」
    「たのしみ」
    「出不精ねえ……」
    「旅行とは、家がいちばんであることを確認するための作業である」
    「誰の名言?」
    「いや、適当言った」
    「めいげんぽい」
    「じゃあ、俺の名言で」
    「まあ、ちょっとわかるけどね。旅行先で食べ過ぎて太ったし」
    「おかあさん、ばんごはんいらない?」
    「食べるけど」
    「食べるんかい」
    「わたしつくるから、おかあさんやすんでてね」
    「いい子いい子」
    「うへー」
    うにゅほは、このあとも、母親の土産話をとても楽しそうに聞き続けていた。
    つくづく聞き上手である。




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