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【連載】青木真也は本当に空気を読んでいないのか?〈vol.5〉青木真也本人が解説!「“超二流”とは何か?」(1)〈「田舎のプロレス」に関する一考察〉
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【連載】青木真也は本当に空気を読んでいないのか?〈vol.5〉青木真也本人が解説!「“超二流”とは何か?」(1)〈「田舎のプロレス」に関する一考察〉

2016-12-02 15:30

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    【連載】青木真也は本当に空気を読んでいないのか?〈vol.5〉青木真也本人が解説!「“超二流”とは何か?」(1〈「田舎のプロレス」に関する一考察〉


     最近、著書『空気を読んではいけない』
    (幻冬舎)をを上梓した青木真也。するとAmazonの売り上げランキングでもまさかの上位に食い込み、発売からわずかの期間で一気に2万部の増刷に至ったという。出版不況、格闘技は売れないと言われる中、なぜそんな奇跡のようなことが起こったのか。
     今回は『空気を読んではいけない』の著者・青木真也本人が初登場! その構造を解説します。
    果たして“バカサバイバー”は本当に空気を読んでいないのか――。(聞き手◉“Show”大谷泰顕


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    (⬆︎幻冬舎刊・青木真也著『空気を読んではいけない』)


    〈前回までの内容はこちら⬇︎〉
    【連載青木真也は本当に空気を読んでいないのか?の記事一覧
     ⬆︎『空気を読んではいけない』担当編集者・幻冬舎の箕輪厚介氏他が激白!



    ▪︎「田舎のプロレス」騒動を解析する


    ――えー、ついにこの『熱血道』に青木真也が登場してもらう日が来ました! 是非とも著書『空気を読んではいけない』について熱く語ってもらおうかと……。

    青木 大谷さん、それよりも今、凄え面白い話があるじゃないですか。

    ――えっ?

    青木 「田舎のプロレス」っていう言葉に関しての話ですよ。

    ――あー! 


    去る11月24日、萩生田光一官房副長官が衆院議院運営委員会の理事会で、野党の国会対応をめぐり「田舎のプロレス」「茶番だ」と述べ、その後その発言を撤回して謝罪した。


    青木 あれって、もの凄く事象として面白いと思うんですよ。

    ――そこに目が行ったと。

    青木 プロレスラーがここぞとばかりに売名して、「何が『田舎のプロレス』だ! オラ!」とか「プロレスをわかってねえくせに何言ってやがる!」って。

    ――そうやって数多くのプロレスラーが売名をしていると。

    青木 まず、それに対して、非常にしょっぱいっていうのがあるんですよね。

    ――わかります(笑)。

    青木 もうひとつ思うのは、そこからふたつに分けるんですよ。

    ――ふたつに!

    青木 「田舎」と「プロレス」に。

    ――なるほど。

    青木 それで、これはなんでもそうなんですけど、「田舎」とつけると、つけられたジャンルは炎上するんです。

    ――そういう方程式があると。

    青木 「炎上将軍」と呼ばれている、長谷川豊さんていう人わかります?

    ――あー、最近、地上波の番組の降板騒動があった方ですよね。

    青木 そうです。その方がよく「田舎の」を使うんです。

    ――へえー。

    青木 「田舎の公衆便所にたかるハエ」みたいなことを言ったりして。

    ――田舎の公衆便所にたかるハエ(笑)。

    青木 その「田舎の」って表現は、言ってしまえば「二流の」ってことなんですけど、それって田舎に住んでいる人に対する誤爆を生みますよね。

    ――ええ。

    青木 てことは、まずそれはバカにする仕方としては非常によろしくない。

    ――はいはいはい(笑)。

    青木 それともうひとつ、「プロレス」という言葉で言うと、ジャンルで言うとヒップホップとか。要は、コアな人たちがあって成立しているジャンルを口に出してディス(批判する)ったらダメなんですよね。

    ――確かに。

    青木 だからあれはもっと違う表現をすればよかったんですよね。


    ▪︎活字脳


    ――例えばどんな言葉ですかね?

    青木 「茶番みたいなことをやってるんじゃねえ!」とか「テレビに映るとこばっかカッコつけてるんじゃねえ!」みたいな言い方をしたほうがよかったんですよ。

    ――「田舎」とか「プロレス」を引き合いに出さずに。

    青木 そう。しかも「田舎」の「プロレス」っていう炎上ワードがふたつ入っているって言うのは、非常にもったいないなーって。

    ――今回の炎上騒動はそういう構造になっていると。教訓として覚えておかないといけないですね。

    青木 そうです。それから結論として言うと……。

    ――結論!

    青木 結局、「田舎の」っていうのは「二流の」になるわけですけど、今、ニュージャパン(新日本プロレス)以外は、「二流の」表現方法になっているじゃないですか。

    ――いわゆる暗黒期を脱して、独り勝ちになっている、と言われていますよね。

    青木 それは、俺らも含めて。

    ――青木真也も「二流」に入っていると。

    青木 そう! なので、ごもっともですよね、っていう話にはなってしまいますよね。

    ――まさにニュージャパン以外は「田舎のプロレス」だと。

    青木 そういうことです! だから「田舎のプロレス」話って俺らのことを指していると思わないと。それがみんなちょっとズレていると思ったんですよ。

    ――さすがは『空気を読んではいけない』の中で「現時点で僕の考える日本最強の男は、新日本プロレスの棚橋弘至」と書いていた青木真也ですね。

    青木 だってそうでしょう!?

    ――あのー、僕が「田舎のプロレス」の話を通じて思ったのは、「破壊王」じゃないけど、「いつまでやってるんだ、こんなこと!」っていう「またかよ」っていうのと、言った後に謝罪していたじゃないですか。

    青木 はい。

    ――あれがイマイチでしたよね。政治家だったら信念を持って「うるせえ! お前ら『田舎のプロレス』だろうが!」って開き直ってさらに炎上させるくらいでいてほしかったというか。

    青木 だから脇が甘いんですよね。そもそも民進党っていう稀代のクレイマーにかかったらああなっちゃいますよね(笑)。文句を言うことしか考えていないんだから(笑)。

    ――ひと昔前の社会党のポジションですよね。常に揚げ足を取って「反対!」を叫ぶっていう(笑)。

    青木 だから、あれはもったいなかったですよね。

    ――だけど、そうやって起こったひとつの事象に関して解析して話を組み立てられるのって、ターザン山本! が長州力のことを評した「活字脳」を持っているからでしょうね。

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    (⬆︎青木真也は、かつての長州力や前田日明同様、ターザン山本! 氏がが言うところの「活字脳」を持っている! ちなみに当サイトでは、元『週刊プロレス』編集長のターザン山本! 氏がUや長州力との確執を語った『喫茶店トーク!』を大好評連載中!)



    青木 みんなしょっぱいですよね、プロレスラーの語っていることって。それを見ながら、「あ、こいつらホントにバカなんだな」って思いますよね。僕ごときにそんなことを言われて。

    ――正直に言うと、現代的だなーとも思うんですよ。

    青木 どういうことですか?

    ――それは「田舎のプロレス」の話じゃなくて、青木真也についてです。

    青木 どういうことですか?

    ――僕は青木真也のことを、かつての長州力や前田日明のような「活字プロレスラー」だと思っていますけど、そうやって世の中で起こったことを解釈しながら理論を展開できるトップのファイターがその時代毎に必ずいるんです。

    青木 ええ。

    ――だけど、それがいいか悪いかは別として、そのレベルに到達できるプロレスラーって非常に少ないんですよ。

    青木 そうなんですかね?


    ▪︎自分から「田舎のプロレス」をした、と言ったら負け


    ――奇しくもそれは幻冬舎の箕輪厚介氏が話していたように、「五味隆典や川尻達也では2ページで終わってしまって本にならない」わけですよ。

    青木 「余白」がないんですよね。

    ――そもそも「行間」という概念が薄いというか。それが悪いって言っているわけじゃないんですよ。

    青木 わかります。

    ――これはファイターとしての実績とは、また別の論点の話だから。

    青木 鈴木秀樹さんがTwitterで「田舎のプロレス」を引用しながら、「今日は久しぶりにセコンドについた」「しかしフォークがバレてしまった。田舎のプロレスをしてしまった」ってつぶやいていたんですね。

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    (⬆︎鈴木秀樹のTwitterより)

    ――なるほど(笑)。

    青木 鈴木さんでも、まだそこまでしか見えてねえんだなって思いましたね。

    ――いや、それは鈴木秀樹の問題というよりも、青木真也の「活字脳」としての感度が良すぎるからですよ。

    青木 やっぱり「田舎のプロレス」って使われた時に、自分から「田舎のプロレス」をした、って言ったら負けなんですよ。

    ――負け(笑)。なんかわかるなー。

    青木 結局、外から言われるのは別として、中にいる人間が「田舎のプロレス」って言うのは違うんですよ。だって我々は元々、「田舎の」業界にいるわけだから。

    ――青木真也が言うところの「隙間産業」なわけだからね。

    青木 そう! だから言ってしまえば、さっきも言ったようにヒップホップとか、ああいう感じのものなんですよ。「超二流」みたいな。

    ――超二流! 

    青木 超二流業界なんですよ、僕らのいる世界は。もしかしたら超三流業界かもしれないけど、それはどっちでもいいんですよね。違います?

    ――言っている意味は非常によくわかります。

    青木 やっぱりそういう業界だからこそ、自分から「田舎の」とか言ったらダメなんですよ。

    ――自虐的に使うのは、青木真也的には「負け」だと。

    青木 そうなんですよ。その逆も最近あるんですよね。

    ――逆?

    青木 パンクラスの酒井正和代表が「スポーツMMA」という言い方をするんですよね。たまにバラさん(『RIZIN』の榊原信行代表)も言うんだけども。

    ――それって、本来は真逆の言葉をつなげて話していますよね。「男女」「上下」「左右」みたいな。どっちなんだよっていう(笑)。


    7e4a1b26663f1f930ce4f15ee4596a46ac83d51d(⬆︎年末の『RIZIN』には世界の強豪がズラリと集結! これは見逃せない! 果たして、“バカサバイバー”の出番はあるのか!?)

    青木 僕、この間、大谷さんにLINEして猛省したんですよ。

    ――なんでしたっけ?

    青木 プロとして稼ぐってことを公言したいというか、ジャンルのために公表していくべきなんじゃないか、みたいな。

    ――視点としては間違っていないんですよ、絶対。ただ、それってこの国の風土となかなか合わないというか。

    青木 そうなんですけど、そもそもこれが「プロ野球」だったら、自分から「稼ぐ」って言わないじゃないですか。

    ――あー、そういうことか。

    青木 だからこそ、僕らは「超二流業界」なんですよ。


    ▪︎アントニオ猪木こそ、まさに「超二流」

     

    ――「プロ野球」の場合はシステムが出来上がっているんですよね。数字さえ出せば稼げるっていう。

    青木 それもそうだし、それすら超越しちゃっているんですよね。「ちょっとカネが欲しいからやります」なんてヤツはいないじゃないですか。

    ――いないですよね(笑)。

    青木 例えば「超二流業界」を説明すると……。

    ――お願いします。

    青木 MMAやプロレスって、まさにWeb媒体だと思うんですよ。

    ――Web媒体?

    青木 要は、自分で記事を企画して、自分で書いて、自分で写真を撮って、自分で編集して、予算がトータルで20万円です、みたいな。全部やるんですよ。

    ――一人何役もこなすわけですね。

    青木 そうです。それが「超二流業界」の仕事の仕方なんです。

    ――なるほど。

    青木 これが少し大きな出版社になると、企画、編集、記者(ライター)、カメラマン……って役割が分かれているじゃないですか。

    ――はいはいはい。

    青木 それって、業界としてどっちが成熟しているのかわからないですけど、僕らは「超二流業界」なんですよね。だからこそ、自分で一人何役もこなすことができれば、その分、取り分が増えるみたいな。

    ――あー、そういうことですね。

    青木 だからこそ、やりくりのさせどころだと思うんですけど。

    ――それは例えば、青木真也に文才があるからと言って、ファイターの青木真也が記者(ライター)の仕事をしてしまうと、取られたほうは「取ったなー!」と被害を受けるし、それが元で誤解を受ける。「あいつはなんなんだ? ファイターじゃねえのか!」と。

    青木 だけど俺、『ゴング格闘技』の記事を自分で書きたいもん(笑)。絶対に俺のほうがこの人たちよりも面白いことを伝える自信があるし。ただ、そこで俺が書いてしまうとダメなんですよね。当事者じゃなくて第三者が書いたもののほうが価値がある場合があるから。

    ――また、誤解を受けることを(笑)。

    青木 だからこその「超二流業界」なんだと思うけど。

    ――猪木さんは、「この国でいうと、プロ野球は『読売新聞』がバックについている」と。それって読売グループの関連企業の業績を伸ばすためのシステムに組み込まれた一部だから、第二の国技みたいなもんだと言いたいわけですよね。

    青木 うん。

    ――猪木さんは「俺たちはそうじゃない」と。

    青木 猪木さんこそ、まさに「超二流」ですよ!

    ――ああ、まさしく“ミスター超二流”だ!

    青木 まさしくですよね。


     

    ▪︎『熱血道』の役割



    ――猪木さんは「超二流」の権化であると。

    青木 そう! そこで「超二流業界」の俺たちが、「一流」のジャンルに持って行こうとしているのが勘違いの元なんですよ。

    ――あらー(笑)。

    青木 そういうことを言っているヤツは、単なるバカなんじゃないの? って思って。

    ――なるほど(笑)。

    青木 だから「田舎のプロレス」と言われたって、こっちはそもそも「超二流業界」にいるわけで、ニュージャパンそのものが「超二流」の先頭を走っているわけだから。

    ――だけど、「しょせん超二流ですから」と言ってしまうことはダサいわけですよね?

    青木 いや!

    ――ええ。

    青木 なんだろう……。「超二流」っていうのは、二流をジャンルにまで昇華したものじゃないですか。

    ――わかります。厳密に言えば今は、なんとか頑張ってジャンルとして確立させようっていう段階ですよね。

    青木 例えば『熱血道』って大谷さんが「闘い」や「マット界のことをクソ真面目に考える」って書いたりしていましたけど、それって、「二流」というものをジャンルとして「超二流」として確立させるってことですよね。

    ――簡単に認めてしまうと、はい、そういうことです(笑)。

    青木 言いたいことは、まさしく。そっちなんじゃないかなーと思うんですよ、僕も。

    ――あのー、青木真也が猪木さんにまで遡って考えられたことは凄いと思うんですよ。普通は、猪木が好きだとか嫌いだとか。あれが許せない、これが許せないみたいな感情論になってしまって、客観視できないんです。

    青木 僕もねえ、猪木さんまでしか遡れていないんですよ。

    ――僕もまだまだ勉強が足りないのを前提に話をさせてもらうと、今の関係者や選手にしろ、当然、ファンもしそうだけど、圧倒的に「歴史」に対する勉強が不足していると思うんです。

    青木 僕も最近ですよ、いろいろと調べるようになったのは。そしたら、アントニオ猪木は凄えなって思う(キッパリ)。

    ――それは、何が原因だったんですか?

    青木 僕が好きな人やジャンルの本にも猪木さんが出てきたりするんですよ。

    ――いろんなところに登場するでしょうね。

    青木 例えば(カリスマ右翼活動家として知られた)野村秋介もそうだし。百瀬(博教)もそうですよね。猪木さんと野村秋介が揉めた時に、百瀬さんが間に入って手打ちになってまとめたっていう。

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    (⬆︎『空気を読んではいけない』を出版した幻冬舎・見城徹社長が、『プライドの怪人』を出版していた頃の百瀬博教氏と一緒に写ったもの。ちなみに当サイトでは、実録! 『PRIDE』の怪人・百瀬博教 を大好評連載中!)


    ――確かにそうだったみたいですよね。

    青木 俺、野村秋介を怒らせたっていう猪木さんに、ちょっとガチッと来ましたよ。

    ――妙なところでスイッチが入りますねえ。

    青木 そう思いません?

    ――いやあ、思いますけど、それを理解した「超二流業界」の人間が何人いるのかって思うと……。

    青木 だって下手したら何者かに殺(や)られているんですよ。


    以下、その内容の一部を紹介

    • 時代背景を知らないと本質が読めない
    • 「猪木さんは本当に野村秋介を怒らせたんですか?」
    •  なぜ青木真也は『ONE FC』王座を転落したのか

     



     
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