【最終回】15年勤めたドワンゴを退職しました。 【何故、大企業へと成長したドワンゴを辞めたのか】
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【最終回】15年勤めたドワンゴを退職しました。 【何故、大企業へと成長したドワンゴを辞めたのか】

2014-09-07 06:30
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最終回、「何故、大企業へと成長したドワンゴを辞めたのか」

2014/9/1 から "株式会社アークライト" で働き始めました。

入社初日の仕事はまたしても
"秋葉原で自分の PC を買ってくること"
15年前と変わったのは、今回は自作 PC ではなく SurfacePro3 を購入した点。
自作 PC のメリットは以前ほどは無くなってしまった。

さて、アークライトはどんな会社か簡単に説明すると。
主にアナログゲーム(非電源系と呼ばれたりする)のカードゲームやボードゲームを取り扱い
雑誌の出版、ショップ経営、ゲーム販売、企画、イベント運営をしている会社だ。
ここが自分の新しい職場となる。

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【自己アピール】

入社初日に職場で一風変わったことをやったところ、
予想以上に面白い結果が得られ、他の人にも役に立つかもしれないので本題からは外れるが書いておく。

入社初日の自己紹介の挨拶の後、社員全員の席を1人づつ回って
「入ったばっかりで周辺のゴハン処が分からないので、オススメのお店を教えてもらえませんか?」
と聞いて回ったのだ。

自分の存在を知ってもらうのと、社員と交流して顔と名前を覚えるのが目的の思いつきだったが、
これをやってみると色々な事が見えてきた。

基本的にみんなとても友好的に教えてくれて、
メモ用紙を取り出して「どこから教えようか」と会社からの地図を書いて積極的にお店の情報を教えてくれる人
席に戻ったらGoogleMapを印刷したものが置いてあり、それにはたくさんのお店の位置と評価が書き込まれたものをそっと置いていってくれる人
お弁当派、コンビニ派、スイーツ情報をくれる人、あの人はグルメだから情報が信頼できるよと教えてくれる人など。

傾向として
若い人はおかわり自由や量の多い中華が多いが、
年配の方は和食・魚といった体を労った食事が多い。
そして神保町・神田界隈は美味しいカレー屋さんがたくさんあるということ。

副産物として、
社内の人間関係がこのグループは一緒にご飯を食べにいっている。
こっちとむこうはあまり交流がない、など入社1日目にして色々と見えてきた。

みんなから教えて貰ったお店をまとめて Google スプレッドシートに書き出し
サイボウズに掲示して会社周辺のご飯情報を社員全員で共有可視化してみた。
すると、それを見てさらに載ってないお店を書き足してくれる人も出てきた。

おかげ様で、これから3ヶ月はランチを毎日違うお店に食べにいっても回りきれない量のオススメお店情報が集まった。


そして、これをやったことで
社内の色んな人が自分に話しかけてきてくれるようになった。
お昼に誘ってもらえたり、今度飲みに行く約束もした。
一緒にご飯を食べにいくと「実はネットを使ってこんなことがやりたいと以前から考えているんだけど、どうやったらできるかな?」
みたいな相談を引き出せるようになった。
これは大成功である。


我ながら、新入社員という立場を活かした、
ユニークなアプローチをかけることが出来た。
チャンスがあれば「一緒にご飯に行ってもいいですか」と積極的に声をかけていくし
今後もいいアイデアが思い浮かべばみんなを驚かす行動をしていきたい。
やりすぎて社長から怒られるくらいまでは色々とやっていこうと思う。


新しい会社ではそんな感じで意欲的に楽しんで取り組んでいる。

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【今後、何をやってくのか】

本題に戻ろう
どうしてドワンゴを辞め、
この会社に転職しアナログゲーム業界に飛び込もうと思ったか

それには、去年ドイツに行ってアナログゲームショーを体験したことにある。

自分はドワンゴでボードゲーム部に所属していた。
カタンしか知らなかった自分はそこで色んなボードゲームを知り、遊ぶようになった。
部員にはボードゲームにもっと詳しい人がいて、
その中でも Aban さんは海外のボードゲーム事情に詳しく、
「ドイツには世界中からアナログゲームが集まる東京ゲームショー級のビッグイベントがある」
と聞かされていたが、あまりにも非現実的でいまいちピンときていなかった。


自分にとって転機となったのは、
ワンナイト人狼の製作者、運営のメガネこと akidelic から
「まつおさん、一緒にドイツいかへん?」
と誘われたのが始まりだった。

ワンナイト人狼が国内で大ヒットとなり、
このゲームを海外向けに出品してみないか?と誘われたのだ。

それは"ヤポンブランド" という
日本の同人デームデザイナーを集めて1つの船として、
ドイツのエッセンシュピールに出展しようという試みの団体だった。(去年で8回目になる)



日本にも面白いアナログゲームがある、ということを
こうした草の根からの活動で、世界にアピールしているのである。
海外のゲームギークからも認められるようになり、年々日本のアナログゲームは世界で人気が高まりつつある。
その活動に参加するゲームデザイナーも増え、昨年はこれだけの大所帯となった
今年の10月に開かれる 2014 アナログゲームショー (Essen Spiel)にも当然参加する。


日本のアナログゲームの市場は拡大しつつあるとはいえまだ小さい
それに比べてヨーロッパの市場の大きさをドイツで知ることが出来た。
さらに近年ではドイツの15万人を超える勢いで、フランスのアナログゲームショーが拡大し続けているらしい。

向こうにいって分かったことはアナログゲームに対する文化そのものが違うということだった
日本というデジタルゲームの文化で育った自分にとって1番衝撃的だったのは
ドイツのデパートに行った時におもちゃ売り場をみたとき、
任天堂の扱いのあまりの小ささだった。

任天堂のコーナーは商品棚1つだったのに対して、
アナログゲームは壁4面、商品棚8つはあったのだ。
ヨーロッパにおけるアナログゲームの人気と普及に驚愕した瞬間だった。
※PSやXBOXは置いてすらいなかった、後で聞いた話だとおもちゃ売り場ではなく家電売場にあるらしい。

壁全部と手前の棚が全部ボードゲーム

Nintendo棚
このあと日本国内では売られていない 2DS を買って帰った。


欧州では基本的に "残業" をすることは"良くないこと"とされていて、みんなさっさと家に帰る。
そして家で自分の子供とアナログゲームで家族一緒に遊ぶのだという。
だからアナログゲームショーには老夫婦から小学生の子供まで幅広い年齢が見られた。

きっと家にかえったらおじいちゃんと孫がアナログゲームで対戦する風景が見られるのだろう。
昔は自分もおじいちゃんと将棋を指していたように。


インターネット全盛のこの時代に、
どうしてか今、日本でアナログゲームが流行りつつある。
しかし、このブームも放っておけばいつかは終わってしまうかもしれない。

そうなる前に、
アークライトに入った自分に課せられた1番の命題は
ゲームマーケットを今の規模よりもっともっと大きくすることだ。
※コミケのような同人アナログゲーム即売会、現在は7000人規模
それが日本のアナログゲーム業界を大きくすることに繋がると信じている


アナログゲームの魅力に魅せられた自分は
今後の仕事をアナログゲームの楽しさを広げていく事に挑戦していきたい。

ドワンゴで培ってきたネットの情報発信や人脈は間違いなくその役に立ってくれるだろう。
僕はドワンゴを出て、新しい挑戦へと旅立った。


"好きを仕事にする" ために。


ドワンゴ退職エントリは今回で終了です。
ここまで読んで頂き本当にありがとうございました。
最初、身内ネタを書いて笑おうというだけの狙いだったのが、予想外の大反響を頂き大変驚いてます。

今後このブロマガは、アナログゲームをいかに日本に広げていくかを書いていく内容に変わります。
興味を持って頂けたら、是非気軽に色んなご意見を下さい。お待ちしています。

matsuo@アークライト
ブロマガのコメント欄でも
Twitter: @nekon
ご自由に連絡どうぞ

余談
・ドワンゴにはボードゲーム部とは別にテーブルゲーム部(TCG)があり、その2つを別々に設立を許可してくれた会社は寛大だと思う。
・SurfacePro3にしたのは、自作PCが以前ほど価格面で有利ではなくなった事、(特にOfficeバンドルの場合)、また外出先でニコ生をする可能性があるため。
・昔から海外志向だったので、海外に出る仕事がしたいという願望があった。
・来年はフランスのアナログゲームショーを見にカンヌへ行きたい

ドイツのアナログゲームショー Essen Spiel 2014 の熱気が伝わる写真をどうぞ
前日準備、大手 AMIGO、HABA 社のブースが奥に。会場規模は幕張メッセと同等

こんなお祭りが4日間連続で開催されます

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私も新しい職場に就いたときは、似たようなことをやっています。喫煙者なので、喫煙所へおっさんが一人入って来るたびに挨拶をして昼ご飯の場所を聞いたり。そうしてお互いにわけのわからないうちに親しくなっておくと、いつかその縁がかすがいになると信じてます。
アナログゲームは、メンツがいないんですよね。好きなんだけど……。
22ヶ月前
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同じく日本でボードゲームが広がればと思っています。
私の場合は自分でゲームを作り、今までと違う手法であればたくさんの人の目に入るのではと思いクラウドファウンディングで出資を募集しています。
「三千世界の烏を殺し、主と朝寝がしてみたい」製品化プロジェクト」
http://camp-fire.jp/projects/view/1126
リンクを見て頂くと分かりますが、ドイツのゲームショップで衝撃を受けたのはゲームを作るようになった一つのきっかけです。
やはりあのインパクトは凄いですよね。
同じ事を感じる人を見つけて、「そうだよね」という感覚です。
22ヶ月前
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夢は早々に覚ませて現実を見るといいよ
22ヶ月前
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日本ではアナログゲームに関わる機会がないのでなんとんも言えませんが
なかなか面白い記事でした。
22ヶ月前
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旧本社時代のボードゲームのワークショップの時に楽しくされてましたよねー
19ヶ月前
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記事を読ませて頂いたでガオ!とっても面白かったでガオ!ありがおー!
10ヶ月前
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