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  • 【コラム】「ライバルはディズニーランド」藤田峰雄が本気で作り上げる“夢と魔法の王国”チンコプロレス

    2017-12-13 13:0214時間前
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    藤田峰雄の主催するチンコプロレス11.20新木場1stRING大会が、ニコプロで12月19日の20時から放送される。


    チンコプロレスは週刊プロレスの選手名鑑でも「チ●コプロレス」と、伏せ字で表記されてしまうため、下ネタ全開のコミカルな団体だと思っている人もいるだろう。だが、藤田はチンコプロレスを「夢と魔法の王国」と表現し、チンコプロレスはほかの団体と勝負しているのではなく、ライバルはディズニーランドだと公言している。

    藤田は元々人気も実力もある選手で、メジャー団体にも参戦経験が豊富だ。いつかは何かしらの“トップ”に立つ選手だと思っていたが、正直なかなか爆発することはなかった。
    気付いたら“チンチンの人”になっていたが、何もメジャー団体のレギュラーになり、ベルトを獲るだけがトップではない。自分のやりたいスタイル、自分が思い描くプロレスをやり、お客さんの支持が得られれば、それはある意味でトップに立つと言ってもいいだろう。いまや藤田のプロレススタイルは唯一無二であり、チンコプロレスのトップは間違いなく藤田峰雄だ。

    藤田はプロデューサーとしてもチンコプロレスで手腕を振るっている。ディズニーランドのイッツ・ア・スモールワールドやカリブの海賊にも実はストーリーがあったように、藤田vsザ・グレート・サスケにも「藤田はデビュー前にみちのくプロレスの入門テストを受けていた」というストーリーがある。
    色恋沙汰マッチに出場した田村和宏と竹田誠志も、STYLE-E解散以降はほとんど絡む機会がなかったのだが、このリングで久しぶりに絡んだ結果、予想の斜め上を行く展開となった。

    ストーリーを知らない人でも「チンコ」という実に分かりやすい魔法のアイテムを介すことで、プロレスを楽しむことが出来る。それでいて、チンコプロレスの真髄やストーリーを知ればより楽しめる。何回行っても飽きることがない夢と魔法の国をライバル視しているだけのことはある。
    プロデューサーとしての藤田のこだわりは細部にまでわたる。リング上のことはもちろんだが、マスコミに対する情報の出し方にまで独特のこだわりがある。

    ニコプロでも毎大会放送出来るとは限らないし、ニコプロ名物のコメンタリーに関しても「世界観を大切にしたい」という思いから、藤田本人とチンコプロレスに旗揚げ前からスタッフとして関わっている弥武芳郎リングアナのコンビ以外は考えられない。それだけにお二人のスケジュールが揃う日でないと放送出来ないのだ。
    世界観を大切にするが故の強いこだわり、この辺は“ライバル”のディスニーランドにだって負けないのだが、ディズニーランドの名前を出す度に「いくら何でもディズニーランドって」と笑う人もいるかもしれない。

    だが、「ありえないなんて事はありえない」……プロレス界ではよく聞く言葉だ。とにかくまだ見たことがない人は、一度チンコプロレスを見ていただきたい。本来危険だから“反則”として禁止している急所攻撃を解禁しているということを考えても、チンコプロレスが単なるコミカルな試合で終わらないことは分かるはずだ。
    藤田峰雄が男にとってとっても大切なもの、“チンコ”をかけて作り上げる夢と魔法の王国。「“せいし”をかけた闘い」というキャッチコピーは、実はシャレではない。藤田峰雄の本気を刮目せよ!

    文●佐瀬順一
  • 【コラム】世羅りさが本気で実現させた「“デスマッチでも”プロレスでもハッピー、アイスリボン」

    2017-12-06 12:08
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    ニコプロで世羅りさプロデュース興行第4弾『ラストデスマッチ』(2017年11月14日、後楽園ホール)を放送したところ、かなり評判が良かった。
    蛍光灯や画鋲を使った女子プロレスラーのデスマッチという、賛否わかれる内容なのは放送する前から分かっていたにも関わらず、タイムシフト予約の数も、当日の視聴数や書き込まれたコメントの数も悪くなかった。

    そして詳細については割愛するが、スタジオトーク部分で世羅りさがなかなかの衝撃発言をしていたにも関わらず、番組ラストでおこなった満足度アンケートでは「とても良かった」が100%だった。これはもう世羅がこれまで何度も「やりたい」と言い続けてきたデスマッチに対し、どれだけ本気で、覚悟を決めて挑んだことなのかを身体を張って証明した結果だろう。
    タイムシフトが12月11日(月)まで視聴できるので、ぜひ見ていただきたい。しかも中継後のスタジオトーク部分もご覧いただければ、世羅のデスマッチに対する想いが分かっていただけるはずだ。


    確かに引きカメの映像でも、思わず目をそむけたくなるようなシーンもあった。だが、それよりもやりたかったデスマッチを限界までやり抜く世羅の姿は、プロレスラーとして輝いていた。もちろん世羅が輝くのはデスマッチだけじゃない。いまやアイスリボンのシングルとタッグの二冠王者だ。
    いまのアイスリボンは所属選手もかなり増えたが、道場マッチをベースにしてビッグマッチや地方大会も定期的に開催。新人も着実に育て、充実していることがよく分かる。しかも最近では例えピンチに陥ったとしても、それを乗り切るだけの力があることも証明された。

    藤本つかさの抜群のリーダーシップのもと、皆が一丸となって「プロレスでハッピー、アイスリボン」を作り上げよう・大きくしていこうとしている。だが、プロレスというのは不思議なもので、全員が同じ方向を向いているよりも、異端児が出て来て波風を立てたほうが面白くなるのだ。
    世羅が最初に「デスマッチをやりたい」と発言した際、ものすごい反対にあった。「プロレスでハッピー」を掲げるアイスリボンだけに拒否反応が出て当然だ。それだけに世羅は退団することも考えたというが、プロデュース興行第1弾での“人毛デスマッチ”が終わった際、「私は退団なんかしません! アイスリボンでやっていくと決めています。一生アイスリボンに骨を埋める覚悟です」と宣言した。

    自分のやりたいことが出来ないのなら団体を出るという方向ではなく、一生アイスリボンでやっていくけど、自分のやりたいこともやりたい。そのためにトップに立つという方向に考えたのだろう。世羅はその後たまにプロデュース興行を開催して、ジワジワと自分のやりたいデスマッチに近づけつつ、アイスリボンではエースとして団体を牽引するまでになった。
    ちょうど12日にウエイトリフティング全国大会で3度優勝している、尾崎妹加の挑戦を受けたICE×∞王座7度目の防衛戦が放送されるので、エース世羅の姿もぜひ見ていただきたい。


    だが、これだけ大所帯で勢いのあるアイスリボンのエースとなれば、ストレスやプレッシャーもあるだろう。ケガをしたり、体調を崩すこともあるだろう。実際、世羅は今夏かなり体調の悪い状態でニコプロのコメンタリーをやったことがあった。当然「休んでいい」「やめておこう」という提案はしたが、本人が「やります」と言って、番組内で体調のことを言うことなく最後までコメンタリーをやり遂げた。責任感が強い選手だということはよく分かった。
    その後、入院もしたという世羅は、ある日突然プロレスが出来なくなってしまうかもしれないことを実感したという。さらに引退した豊田真奈美さんの助言もあって、「やりたいことはやれるときにやらないとダメ」だと思ったそうだ。

    だから「これを最後にする」という前提で、自分のやりたいデスマッチを11.14『ラストデスマッチ』に詰め込んだ。あれほど反対された蛍光灯もとんでもない数使ったし、頭部には画鋲や竹串まで突き刺された。それだけやって、すべてをやり切ったと思えた世羅だが、「満足した」でも「もう二度とやらない」でもなく「楽しかった」と言った。
    人間、楽しかったことはまたやりたくなるものだけに、今後もしかしたらまた物議を醸すようなことがあるかもしれない。そう考えるとやはり世羅はアイスリボンの中では、なかなかの異端児だ。

    まだ26歳で、舞台で女優の仕事もやっているし、グラビアをやることもある。しかも将来のことを考えると、デスマッチで身体が傷だらけになるのは……と思わず心配になるが、世羅本人はあっけらかんと「まあ、どうにかなりますよ」と笑った。画鋲や竹串が刺さり大流血した頭部はいまやすっかり綺麗になっており、回復力という部分でもデスマッチファイター向けなのかもしれない。
    世羅りさの場合「女優もやっているのに」とか「女子なんだから」というのはあまり関係ない。「デスマッチでもプロレスでもハッピー、アイスリボン」とまで言う心底プロレスラーの世羅を止めるには、リング上で倒すしかなさそうだ。

    文●佐瀬順一
  • 【コラム】阿部史典が目指す“ハイブリッドレスラー”の道のり

    2017-11-27 22:18
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    プロレスリングBASARAの木高イサミが、11・26BASARA成城ホール大会で関根龍一を下してユニオンMAX王座初防衛に成功した。
    残念ながらこの試合をニコプロで見ることは出来ないのだが、イサミが11月29日の『ニコプロ一週間』にゲスト出演が決定したので、恐らくこの試合についての話も出るだろう。それ以外にもタンク永井とのタッグでSTRONGEST-K TAG王座に挑戦した、KAIENTAI DOJOの11・12千葉BlueField大会も12月に放送する。


    大日本プロレスにも参戦しているし、BASARAが放送出来ないとはいえ、いまさらイサミについて説明は不要だろう。そこで今回取り上げたいのは、そのイサミに対して上記のBASARA成城大会で対戦要求をした若手選手、阿部史典についてだ。
    阿部は2015年に名古屋のスポルティーバ・エンターテインメントでデビューした選手で、現役僧侶という顔を持ち、ファイトスタイルが澤宗紀さん(引退)にそっくりなことで注目を集めた。最近ではどインディーからメジャーまで様々な団体に参戦している売れっ子レスラーなので、ニコプロで試合が流れる機会もかなり多い。

    よく「若いうちは経験を積んでナンボ」と言われるが、阿部の場合はとにかく経験を積みまくり、“売れる速度”に追い越されないように必死で成長しているような感じだ。
    実際、阿部の成長は各団体で“結果”を残しはじめたことで分かる。HEAT-UPではシングルリーグ戦『灼熱王』の中で兼平大介から勝利をあげた。ガッツワールドではTORUとのコンビでGWC認定タッグ王座を奪取。ちなみにこの阿部、初戴冠となった11・14新木場大会は近日ニコプロで放送される。


    ハッキリ言って、いま一番勢いのある若手選手と言っても過言ではないだろう。そして阿部は上記の通り、イサミに対戦要求した。阿部からしたらイサミは様々な団体に参戦する売れっ子レスラーの大先輩だ。しかも挫折を味わいながらも、己の体ひとつで現在の地位を築いたイサミに対して、「超えたい選手」という思いを抱くのも当然だろう。
    勢いのあるいまだからこそ、自分はどこまで通じるのか。いや、勢いに乗っているいまならイサミの首を獲れるのではないか。そう思ったからこその対戦要求だろう。イサミもそんな阿部に対し、自らベルトを懸けると言ったのは期待をしている証拠だ。BASARAの12・14新木場大会でおこなわれるイサミvs阿部のユニオンMAX選手権が楽しみだ。

    しかも阿部のチャンスはそれだけではない。阿部は佐藤光留が主催するハードヒットにもほぼレギュラー参戦している。阿部はハードヒットに対して思い入れが強い。光留はよく「蛍光灯を使うデスマッチや二階から飛んだりするのもプロレスならば、格闘技としてのプロレスがあったっていいじゃないか」と言っているが、阿部もそういう考えを持つレスラーだ。
    普段から鈴木秀樹らと“強いプロレスラー”になるための練習をし、ハードヒットは「自分にとって大切で大事な場所」だという。そんな阿部は12・30ハードヒット新木場大会で、青木篤志との対戦が決定している。阿部の先輩である岩本煌史がロッキー川村を破って大躍進したように、阿部にだって……いや、それ以上に阿部には光留が「Uの末裔」を自称してこのスタイルを継承したように、ハードヒットを光留の一代で終わらせることなく継承するくらいの存在になってもらいたい。

    イサミに対戦要求した際、阿部は「やっぱりレスラーである限り、超えたいっていう人間が何人かいて。もちろん澤さんがいて、イサミさんがいて、自分はそんな人をごちゃ混ぜにしたハイブリッドになりたい」と言った。
    阿部史典というレスラーは澤宗紀さんの影響を大きく受けながらも、木高イサミ、佐藤光留といったレスラーの影響も受けている。その辺がある意味で“澤さんのモノマネ”で終わらず、徐々に独自の阿部スタイルを築いている要因かもしれない。

    イサミと光留、そして多くの関係者やファンが期待をしている阿部だが、阿部本人は実に貪欲な男だ。坊主のくせに(失礼!)。阿部が理想としている“ハイブリッドレスラー”になるためにはイサミ超え、そして光留超えが必要かもしれない。しかもただ試合に勝つだけでなく、イサミのようなカリスマ性を身に付け、光留にようにUの精神やスタイルを継承していく。なかなか過酷な道のりだと思うが、選ばれし者の恍惚と不安、二つ我にありだ。

    文●佐瀬順一