• このエントリーをはてなブックマークに追加
安倍首相のお礼ツイートが見せた『真・民主主義』の潮流(その4)〜革命なき革命〜
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

安倍首相のお礼ツイートが見せた『真・民主主義』の潮流(その4)〜革命なき革命〜

2017-02-22 23:45

     安倍首相のお礼ツイートが見せた『真・民主主義』の潮流(その3)〜政治の産直〜  のつづきです。

     真・民主主義における選挙戦

     このように、これからの政治家は、自分の政治活動をつぶさに直接有権者に届けることで、直接その力を評価されるようになります。不透明なやりとりが生まれる支援組織に頼る必要はありません。もちろんその政治活動の成果がたいしたことない、あるいは多くの市民に支持されるものでなければ、次は落選するかもしれません。

     しかし、一方ででは新しく立候補する人はどうやって戦えばいいのでしょうか。現職はその活躍ぶりを自分の任期の間ずっと有権者に伝え続けています。その現職を新しい候補者が破るにはどうすればいいのでしょうか。

     たとえば、なぜ地方の自民党があれだけ強いか。それは、ぶっちゃけ、「あの道路はあの議員が作った」と言われるようなわかり易い実績があるからです。昔はITが発達していなくてもそういった公共事業で政治家としての成果をわかりやすく示せたのです。

     今のその手腕は健在で、地元の自民党の小林議員とか、ニコ動まわりだと自民党オープンカフェスタジオ cafesta とかで露出多いし、漁業に熱心に取り組んでるとかよく知られてるし、あー仕事したはるなあというのがわかり易いのです。

     小渕優子議員、以前政治資金規正法違反で大臣を辞任しましたが、その直後の選挙でダントツで当選しています。地元は、小渕優子議員守らなきゃってむしろ盛り上がったんじゃないでしょうか。現職中の成果の見せ方が上手なんです。地方の自民党は。

     選挙でそんな現職議員たちに勝つにはどうすればいいのか。それが真・民主主義の新たな課題になるかもしれません。

     まずは次の都議会選挙が大いに参考になることでしょう。小池新党の躍進が予想されますが、トランプ氏や小池氏のように、当選したらすぐこれやるっていう施策を明確に打ち出すんでしょう。個人的には「透明化」の一点突破でいいと思います。組織の後ろ盾でなく、市民の直接の支援で勝てば、しがらみもありません。

     しかし、一巡すれば、ようはそういう議員だらけに、現職で自らの政治行動を可視化しながら活動する議員だらけになるわけですから、そこに新人が入り込む余地があるのかということです。

     まあぼんやりと想像することはありますけれど、まだかなり未来の話ですし、それよりは今この新ポピュリズムによって生まれた議員たちによる真・民主主義がどんな政治になるのか、まずはそれが見たくてたまりません。

     易きに流れた先の真・民主主義

     この流れはおそらく一気に来ます。何故なら、真・民主主義「易きに流れ」た先にあるからです。

     最近の小池劇場で印象的だったのは、私立高校無償化の提案です。都議会自民党は「議会復活枠」を使って、私立中高協会に予算を配分し、私立中高協会は自民党の組織票を作る、そんな関係にメスを入れています。都議会自民と私立中高協会のもたれあいは、旧・民主主義において「易きに流れ」た結果として育まれたものでしょう。

     しかし、時代は変わりました。そんなもたれあいは、暴かれてしまえばとてももちません。その一方で議員には自身の活動を可視化するという新たな票集めの方法があります。組織票なんて危ういものに頼らず、実直に活動の可視化をしたほうがよほど楽です。そうやって議員は「易きに流れ」ますます真・民主主義に移行することになります。

     今後多くの票集めのための組織が崩れていくことでしょう。それは組織と議員によって作られていた既得権益が破壊されるということです。

     国会で、各議員は、通常党が決める投票をすることになっていて、いわゆる党議拘束というものですが、それだってなくなるかもしれません。議員は組織に縛られなくなっていくのです。

     真・民主主義が機能するのか、心配されるような衆愚政治になってしまうのか、それはまだわかりませんが、少なくとも不透明な既得権益は相当破壊され、その点でもっと風通しの良い社会となることでしょう。

     革命なき革命

     そして最後にこれが一番すごいことだと思うのですが、こんな大きな変化が、現在の選挙制度を変えることなく進行しているということです。今までの民主主義は未来から見れば未熟だったと言われるかもしれませんが、それでも制度自身は理念に基づいた強靭な安定性を持つ制度らしいのです。ITなどの発達によって、今それが理想に少しずつ近づいているのではないでしょうか。

     これはものすごく幸運なことです。もし民主主義がどうしようもなければ、新しい政治制度に移行しなければなりませんし、それにはときには革命といった大きなコストがかかりますし、しかも移行した後の新しい制度が必ずしもいいとは限らないのです。このまま現制度の枠組みの中で、より進化した制度に変われていけるのは、先人の先見の明に感謝しつつ、私たちの運の良さを祝福するほかありません。

     これからの選挙は楽しくなりそうです!

    《ワンポイントミライ》(

    ミライ: 真・民主主義、うまくいくんでしょうか??

    フツクロウ: ドキドキじゃの。

    ミライ: もう言い訳効きませんからね。
     
    この記事は有料です。記事を購読すると、続きをお読みいただけます。
    ニコニコポイントで購入

    続きを読みたい方は、ニコニコポイントで記事を購入できます。

    コメントを書く
    コメントをするにはログインして下さい。