• 10月百合新刊リスト(暫定版)

    2017-08-21 21:36

    10/3 山高守人「剣姫、咲く (2)」
    10/12 双見酔「ヨツコト(1)」
       桜井瑞希「いつか私は、君を裏切る(2)」
    10/27 サラマンダ「ゴブリンはもう十分に強い(1)」
       木野咲カズラ「ストロベリー・フィールズをもう一度」
       カヅホ「キルミーベイベー(9)」
       はなこ「しましまライオン(2)」


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  • 「ガレット」No.3

    2017-08-20 20:05



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    クラウドファウンディングを活用した資金支援により、定期的な発行はもちろん、執筆者にもしっかり原稿料が支払われるという、今までの「百合」を取り巻く情勢を勘案した運営体制の採用と実力派の百合作家さんを揃えた陣容により、「百合の期待の星」とも言える半同人百合専門誌「ガレット」の3号目が順調に刊行されましたね。

    巻頭カラーには、No.1に読み切りとして掲載された天野しゅにんた先生の「冬馬くん」が新連載として登場。
    「女子校の王子様」として「特別な存在」である冬馬くん。
    彼女と付き合うことで、自分も「特別な存在」になれると思い込んでいたゆきでしたが、そんなゆきの前に現れた少女が口にしたのは意外な言葉で。
    という、言わば「冬馬くん」を狂言回しにした百合群像が描かれていくのでしょうか。

    明日部結衣先生の「秘密の庭」は、双子百合!!!
    双子であることからくる、ちょっとしたスレ違いをさりげなく描いていて、好感が持てましたね。

    寄田みゆき先生の「ピリアーとエロスのあいだ」では、二階堂さんと付き合うことになったくるみたちの姿を、くるみの幼馴染みの響の視点から描いていました。
    果たして、くるみと付き合うことを快諾した二階堂さんの真意はどこにあるのでしょうね。

    乙ひより先生の「ナツメグ」では、夏目さんといつの間にか一緒にいることが多くなってきた相川さん。
    淡々とした調子で、無口な夏目さんの日常も垣間見えるようになってきましたが、相川さんとの距離が近付くことを懸念した夏目さんは…
    という、ひより先生らしい、ゆるやかでありながらダレない丁寧な展開は、やはり得難いものですし、多数とはズレてしまった少女たちに相応しいものだと思いましたね。

    やとさきはる先生の「二人のアルカディア」は完結編。
    一見クールなつつじの過去と、琴子との現在が対比されることで、お互いのわがままな気持ちがせりあがってくる様は、ドラマチックでないことが、却って切なさを際立たせ、二人の関係が一歩前進することへとつながっていくのはすごくよかったです。

    竹宮ジン先生の「マリオネット」は、短編を2部に分けて掲載。
    しかし、「百合」でNTRをやるのでしたら、これくらい徹底的にやったほうが、却って確信犯的ドス黒さが際立つと思いますし、2部に分けたことによるどんでん返しも効いていましたね。
    ただ、ぬるま湯人間の私とすれば、もし、お姉さんに靡かない一途な少女が二人の前に現れたら、などというのも妄想してしまうのですが(苦笑)

    袴田めら先生の「ふわふわ・ふたしか・夢みたい」では、先輩とちよとのなれそめ(!)が描かれていましたよ~。
    で、ちよはもちろんなのですが、先輩のほうも一目惚れっぽいところが最高でしたね~(満面の笑み)

    浜野りんご先生の「Cotton Candy」も最終話。
    一度は女の子同士で好きになることに不安をおぼえ、ひなこを拒んでしまったミイでしたが、文さんに背中を押されて、もう一回ひなこに自分の気持ちを伝えることに。
    という、文さんが少女たちの気持ちに寄り添える存在になったのは、文さん自身が辛い想いをしてきたからだと示唆されているのは、なんかジンとしてしまいました(文さんにも幸せになってほしいですね)

    橘田いずみ先生(?)+百乃モト先生の「リバティ」では、デザイナーの真生が偶然出会った謎の美女の正体は、人気ロックバンド「Liberty」のヴォーカリストLizであり、やはり真生の新しい仕事の関係者だったのでした!!!
    いや~、橘田さんの原作のおかげか、モト先生のよりコミカルな面が強調されるような、気まぐれ猫系美女(!)に翻弄される真生の可愛さ(?)がいいですよね~。

    後藤先生の「たからもの」は、女子大生の先輩後輩百合。
    男っぽいことにコンプレックスを抱く先輩の魅力を、滔々とまくしたてる後輩の押せ押せっぷりがナイスでしたよ~(笑)

    碧ちるこ先生の「カカオ80パーセント」は、教師と生徒の年の差百合をタイトルのチョコに絡めた、甘さと苦さ(年下と年上)の反転っぷりが見事(?)でしたね。

    宇野ジニア先生の「ゆきのかみかざり」は、ちょっと切ない感じのファンタジー掌編で、ジニア先生の儚げな絵柄とも相まって、不思議な感覚が味わえました。

    いと先生の「初恋」では、異端を美徳とする美術家志望の少女同士の心のざわめきを、淡々と掬い上げる様がとても素敵でしたね。

    きづきあきら先生+サトウナンキ先生の「咲き乱れる」は、一見何気ない女性同士の一夜(!)の後をコミカルに描いた、と思わせてのラストのコマの衝撃…
    この一刀両断な切れ味は、短編ならではの見事さでした。

    そして、締めは森永みるく先生の「私の可愛い子猫ちゃん」。
    捨て猫を拾ったことで、いきなり急転回するルームシェアする女性同士の関係でしたが、コミカルさも含めた緩急を付けながら、二人の距離感が変わっていく様をテンポよく見せてくれるところは、さすがみるく先生だと思いました。

    と、甘さ、苦さ、痛み、切なさ、そして喜びと、「百合」からブレずに多彩な魅力を引き出してくれる場として、今後とも期待大ですよね。

    さらに、特典の小冊子「ぷちがれっと」には、
    磯谷友紀先生、奥たまむし先生、胡散先生(小説)、yu-mo先生の短編が載っていて、それぞれ、王道(「なじみたい」って(笑))、おねロリ(!)、リリカル、コミカルと多彩な百合がさらっと楽しめて、よかったですよ~。

    で、次号では、なんと森島明子先生が新連載で登場され、四ツ原フリコ先生も読み切りで再登場と、もう、かつての「百合姫」ファンは狂喜乱舞(?!)するしかない顔触れで、この攻めっぷりはすごくイカしてますよね!!!


  • 岸虎次郎「オトメの帝国【12】」

    2017-08-19 08:052



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    普通の女子校を舞台に、少女同士の他愛ないジャレ合いから真摯な恋心まで、様々な想いの交差を描く、岸虎次郎先生の「オトメの帝国」第12巻(!)が発売になりましたね!!!

    今回も、様々な少女たちの関係が描かれていますが、特に亜衣とちえの巻末描き下ろしも含めたラブラブっぷりと、オト帝最長ページによる前後編で美緒と先輩のスレ違いの顛末を描いた「いつかきっと」が全巻のハイライトなんですが、それ以外でも冗談めかした遣り取りやしょーもないネタから芽生える「何か」をコミカルさを基調に取り上げていて、いい意味で肩ひじ張らずに楽しめるのがいいですね。
    但し、初見の方は、腐女子キャラ絡みでガチなBLネタ(!)も時々挿入(BLだけに(苦笑))されていますので、その手が苦手な方はご注意を。

    と、あのキス以前からこれだけ長期連載されている百合というと、(きらら系を除くと)「はやブレ」「咲」そして「オト帝」ぐらいだと思うのですが、「はやブレ」のチャンバラ、「咲」の麻雀に比べて、下ネタ、腐女子ネタを絡ませながらも、百合コメディ(時々シリアス)をメインとしてここまで続いているのは驚異の一言ですね。
    まあ、それは少女それぞれのキャラと関係が、淡々と積み上げられた結果として、より深い関係がすっと読者の側に入ってくるという長期連作ならではの妙なのでしょうね。

    で、ご存知の方も多いと思いますが、先日、岸先生ご自身のツイートによって、今回の単行本の売り上げ次第により次巻で完結(打ち切り!?)という話が出ているそうですので、是非とも紙媒体での初動売り上げ(残念ながら電子媒体や発売日から1週間以降の売り上げは出版側に考慮されないそうです)に貢献していただきたいと思います。
    岸先生ご自身も、まだまだ「オトシマエ」(!)を付けていない百合カプを放り出すことを憂慮されていますので、気になった方は是非ともよろしくお願いしたいと思います(「アフターアワーズ」という貴重な先例もありますから)