• 「ガレット」No.3

    2017-08-20 20:054時間前



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    クラウドファウンディングを活用した資金支援により、定期的な発行はもちろん、執筆者にもしっかり原稿料が支払われるという、今までの「百合」を取り巻く情勢を勘案した運営体制の採用と実力派の百合作家さんを揃えた陣容により、「百合の期待の星」とも言える半同人百合専門誌「ガレット」の3号目が順調に刊行されましたね。

    巻頭カラーには、No.1に読み切りとして掲載された天野しゅにんた先生の「冬馬くん」が新連載として登場。
    「女子校の王子様」として「特別な存在」である冬馬くん。
    彼女と付き合うことで、自分も「特別な存在」になれると思い込んでいたゆきでしたが、そんなゆきの前に現れた少女が口にしたのは意外な言葉で。
    という、言わば「冬馬くん」を狂言回しにした百合群像が描かれていくのでしょうか。

    明日部結衣先生の「秘密の庭」は、双子百合!!!
    双子であることからくる、ちょっとしたスレ違いをさりげなく描いていて、好感が持てましたね。

    寄田みゆき先生の「ピリアーとエロスのあいだ」では、二階堂さんと付き合うことになったくるみたちの姿を、くるみの幼馴染みの響の視点から描いていました。
    果たして、くるみと付き合うことを快諾した二階堂さんの真意はどこにあるのでしょうね。

    乙ひより先生の「ナツメグ」では、夏目さんといつの間にか一緒にいることが多くなってきた相川さん。
    淡々とした調子で、無口な夏目さんの日常も垣間見えるようになってきましたが、相川さんとの距離が近付くことを懸念した夏目さんは…
    という、ひより先生らしい、ゆるやかでありながらダレない丁寧な展開は、やはり得難いものですし、多数とはズレてしまった少女たちに相応しいものだと思いましたね。

    やとさきはる先生の「二人のアルカディア」は完結編。
    一見クールなつつじの過去と、琴子との現在が対比されることで、お互いのわがままな気持ちがせりあがってくる様は、ドラマチックでないことが、却って切なさを際立たせ、二人の関係が一歩前進することへとつながっていくのはすごくよかったです。

    竹宮ジン先生の「マリオネット」は、短編を2部に分けて掲載。
    しかし、「百合」でNTRをやるのでしたら、これくらい徹底的にやったほうが、却って確信犯的ドス黒さが際立つと思いますし、2部に分けたことによるどんでん返しも効いていましたね。
    ただ、ぬるま湯人間の私とすれば、もし、お姉さんに靡かない一途な少女が二人の前に現れたら、などというのも妄想してしまうのですが(苦笑)

    袴田めら先生の「ふわふわ・ふたしか・夢みたい」では、先輩とちよとのなれそめ(!)が描かれていましたよ~。
    で、ちよはもちろんなのですが、先輩のほうも一目惚れっぽいところが最高でしたね~(満面の笑み)

    浜野りんご先生の「Cotton Candy」も最終話。
    一度は女の子同士で好きになることに不安をおぼえ、ひなこを拒んでしまったミイでしたが、文さんに背中を押されて、もう一回ひなこに自分の気持ちを伝えることに。
    という、文さんが少女たちの気持ちに寄り添える存在になったのは、文さん自身が辛い想いをしてきたからだと示唆されているのは、なんかジンとしてしまいました(文さんにも幸せになってほしいですね)

    橘田いずみ先生(?)+百乃モト先生の「リバティ」では、デザイナーの真生が偶然出会った謎の美女の正体は、人気ロックバンド「Liberty」のヴォーカリストLizであり、やはり真生の新しい仕事の関係者だったのでした!!!
    いや~、橘田さんの原作のおかげか、モト先生のよりコミカルな面が強調されるような、気まぐれ猫系美女(!)に翻弄される真生の可愛さ(?)がいいですよね~。

    後藤先生の「たからもの」は、女子大生の先輩後輩百合。
    男っぽいことにコンプレックスを抱く先輩の魅力を、滔々とまくしたてる後輩の押せ押せっぷりがナイスでしたよ~(笑)

    碧ちるこ先生の「カカオ80パーセント」は、教師と生徒の年の差百合をタイトルのチョコに絡めた、甘さと苦さ(年下と年上)の反転っぷりが見事(?)でしたね。

    宇野ジニア先生の「ゆきのかみかざり」は、ちょっと切ない感じのファンタジー掌編で、ジニア先生の儚げな絵柄とも相まって、不思議な感覚が味わえました。

    いと先生の「初恋」では、異端を美徳とする美術家志望の少女同士の心のざわめきを、淡々と掬い上げる様がとても素敵でしたね。

    きづきあきら先生+サトウナンキ先生の「咲き乱れる」は、一見何気ない女性同士の一夜(!)の後をコミカルに描いた、と思わせてのラストのコマの衝撃…
    この一刀両断な切れ味は、短編ならではの見事さでした。

    そして、締めは森永みるく先生の「私の可愛い子猫ちゃん」。
    捨て猫を拾ったことで、いきなり急転回するルームシェアする女性同士の関係でしたが、コミカルさも含めた緩急を付けながら、二人の距離感が変わっていく様をテンポよく見せてくれるところは、さすがみるく先生だと思いました。

    と、甘さ、苦さ、痛み、切なさ、そして喜びと、「百合」からブレずに多彩な魅力を引き出してくれる場として、今後とも期待大ですよね。

    さらに、特典の小冊子「ぷちがれっと」には、
    磯谷友紀先生、奥たまむし先生、胡散先生(小説)、yu-mo先生の短編が載っていて、それぞれ、王道(「なじみたい」って(笑))、おねロリ(!)、リリカル、コミカルと多彩な百合がさらっと楽しめて、よかったですよ~。

    で、次号では、なんと森島明子先生が新連載で登場され、四ツ原フリコ先生も読み切りで再登場と、もう、かつての「百合姫」ファンは狂喜乱舞(?!)するしかない顔触れで、この攻めっぷりはすごくイカしてますよね!!!


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  • 岸虎次郎「オトメの帝国【12】」

    2017-08-19 08:052



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    普通の女子校を舞台に、少女同士の他愛ないジャレ合いから真摯な恋心まで、様々な想いの交差を描く、岸虎次郎先生の「オトメの帝国」第12巻(!)が発売になりましたね!!!

    今回も、様々な少女たちの関係が描かれていますが、特に亜衣とちえの巻末描き下ろしも含めたラブラブっぷりと、オト帝最長ページによる前後編で美緒と先輩のスレ違いの顛末を描いた「いつかきっと」が全巻のハイライトなんですが、それ以外でも冗談めかした遣り取りやしょーもないネタから芽生える「何か」をコミカルさを基調に取り上げていて、いい意味で肩ひじ張らずに楽しめるのがいいですね。
    但し、初見の方は、腐女子キャラ絡みでガチなBLネタ(!)も時々挿入(BLだけに(苦笑))されていますので、その手が苦手な方はご注意を。

    と、あのキス以前からこれだけ長期連載されている百合というと、(きらら系を除くと)「はやブレ」「咲」そして「オト帝」ぐらいだと思うのですが、「はやブレ」のチャンバラ、「咲」の麻雀に比べて、下ネタ、腐女子ネタを絡ませながらも、百合コメディ(時々シリアス)をメインとしてここまで続いているのは驚異の一言ですね。
    まあ、それは少女それぞれのキャラと関係が、淡々と積み上げられた結果として、より深い関係がすっと読者の側に入ってくるという長期連作ならではの妙なのでしょうね。

    で、ご存知の方も多いと思いますが、先日、岸先生ご自身のツイートによって、今回の単行本の売り上げ次第により次巻で完結(打ち切り!?)という話が出ているそうですので、是非とも紙媒体での初動売り上げ(残念ながら電子媒体や発売日から1週間以降の売り上げは出版側に考慮されないそうです)に貢献していただきたいと思います。
    岸先生ご自身も、まだまだ「オトシマエ」(!)を付けていない百合カプを放り出すことを憂慮されていますので、気になった方は是非ともよろしくお願いしたいと思います(「アフターアワーズ」という貴重な先例もありますから)


  • きららミラク2017年10月号

    2017-08-17 09:272



    (C) Houbunsha Co.,Ltd.
    久しぶりに雑誌の紹介です。

    というのも、表紙となっているとおり、タチ先生の「桜Trick」が今回で完結になってしまうのです(泣)
    春香たち卒業生はもちろん、美月たちOB一同も集まった、美里西高校の閉校(!)式典で、初キスをした思い出の空き教室でお互いの想いを再確認する春香と優の姿がしっかり描かれていましたよ~。
    で、完結巻である単行本第8巻は9/27発売です!!!

    新連載2回目の鴻巣覚先生の「がんくつ荘の不夜城さん」では、不夜城さんのお隣になったJKのあかりが、引きこもり気味な不夜城さんを何とか買い物に連れ出そうとするお話。
    何気に、不夜城さんの押しかけ飯スタント(GJ!)になっているあかりがいい感じですし、今後羊さんとの絡みとか、不夜城さんの以前のアシスタント少女の登場も期待したいところですね!!!

    あfろ先生の「mono」では、部員不足で写真部廃部というお約束な危機ですが、同時期に映画研究部も廃部となるのを知ったさつきたちは、映画研究部のゆる~い雰囲気な敷島さんに写真部と合併しての部活存続を持ち掛けますが…
    で、ドローンは無理なので、凧(!)で空撮に挑戦なさつきたちが楽しそうですね~。

    はりかも先生の「うらら迷路帖」では、いよいよ八番占試験開始ということで、各自思い思いの店を開く千矢たち。
    試験自体もなかなか難しそうですが、さらに厄介な邪魔者も現れたみたいで…

    描く調子先生の「広がる地図とホウキ星」では、お馴染みリンたち三人娘の前に偶然現れたのは、リンたちの学校の空飛ぶホウキでラクロスをやるという「プルクス部」のキャプテン。
    で、いつもの如く、誘われた「プルクス部」の試合を観に行って、またまた大活躍(?)なリンたちなのでした。

    はなこ先生の「しましまライオン」では、神様が無計画に動物たちを人間化してしまったため、サバンナの生態系が激変して大変なことに(トホホ)
    そのため、急遽まこたちに動物に戻らないかと神様からお誘いがきて、悩むまこたちでしたが…
    そして、次号でこちらも完結とのこと、まこといおんの関係はどうなるのでしょうね。
    あと、単行本完結巻は10/27になります。

    キキ先生の「ビビッド・モンスターズ・クロニクル」では、首都ロイゼル攻防のイベントもクライマックス。
    とここで、あんこさんがじょそ天さんに、ボンちゃんが探しているお姉さんはじょそ天さんではないか(!)、と問いかけますが。
    そして、こちらも今回で完結とのことです…

    ゲスト登場は、赤秩父先生の「すこやか世界征服日誌」。
    一応(苦笑)悪の秘密結社「ブラックプリズム」のアジト(アパートの一室(…))へ団員募集(!)の面接にやってきたのは、見るからに真っ当な女の子のみのり。
    ここでのトンチンカンな遣り取りはもはやお約束ですが、ブラプリ(略すな)のボスたちや強敵(!)の大家さんを含め、全員女の子というのはやっぱりいいものですね~(笑)

    こちらもゲスト登場の日向ばにら先生の「吸血きるてぃんぐ」は、なんか普通にヴァンパイアが共存というか、一種の有名人(!)になっている世界で、ヴァンパイアのフェリシアとクラスメイトになった少女しおりが一緒に洋裁部をやるお話。
    フェリシアにしおりだけでなく、洋裁部部員でしおりの幼馴染みなななせ、もう一人のヴァンパイアであるクロエなど、こちらもカワイイ女の子ばかりなので、今後も期待ですね。

    そと先生の「ラストピア」も今回で完結です(泣)
    リッタやエミさんの記憶も戻り、ひとまずライアに島を案内することにしたリッタたち。
    さらにこれからどうするかについて、リッタが出した答えは。
    ということで、こちらも完結巻である単行本第2巻が9/27発売です。

    うちのまいこ先生の「ななつ神オンリー」では、珍しく大黒が恵比寿だけでなく、福禄寿や寿老人たちとプールに行くお話。
    可愛い福やじゅろに何気に夢中な大黒って…

    飴色みそ先生の「空想ガールズ」では、変な(でもカワイイ)妄想少女おとぎの今日の妄想は「ハードボイルド探偵」(?!)
    で、そんなおとぎにメロメロな(笑)はなびに、おとぎたちが気になるひよことこいと、という少女たちのちょっと(?)ズレてる百合な遣り取りがいいですね~(連載化希望!)

    吉北ぽぷり先生の「また教室で」では、いきなり誰とも仲良くなる気がないと言い切る転校生るなが登場。
    でも、そんな子をひなたが放っておくわけがなく(苦笑)、なんとるなが転校してきた目的がきさらだと判明。
    また、きさらの周りが(いろいろな意味で)賑やかになりそうですね(笑)

    ゲスト登場三人目は、たかしな浅妃先生の「星守様におねがい」。
    黄道十二星座のシンボルとパートナーになることで、人々の願いを叶える星守を目指すものの落選続きな少女青。
    そんな彼女の前に現れたのが、弱った白蛇(!)で。
    という、蛇が苦手な青が無事星守になれるのか、期待ですね。

    そしてゲスト登場四人目のおみなえし先生の「ドルチェ✕ドルチェ」では、立派なピアニストを目指すものの、一向に上達しない奏が耳にしたのは、「魔女がやっている喫茶店のピアノで練習すると上手くなる」という噂。
    とりあえず、それらしき喫茶店を探してみることにした奏は、シズクという美人マスターとサナという少女がやっている謎の喫茶店を見つけますが。
    こちらも、喫茶店での出会いで奏がどう変わっていくのかがこれから楽しみです!!!

    ちろり先生の「お願い!ロイヤルニート」では、文化祭の後の舞踏会(!)にほたるが出ることを知ったロイヤルニートの面々が、ほたるに相応しいドレスを作ってやることになりますが。
    う~ん、相変わらず愛されガールなほたると、ズレているロイヤルニートの皆さんが微笑ましい(?)ですね(笑)

    いした先生の「鬼の寮母さん」では、鬼であっても気弱な寮母さんであるきさらぎさんが、寮生の琴葉たちにお弁当(キャラ弁!)を作ってくれるお話。
    クールだと思われがちな寮生のいつきの意外な面や凛子との関係も窺えて、グッドでしたよ~。

    上下先生の「魔王城のお姫様」では、メルルのイタズラへの苦情に業を煮やしたハルベルたちが、メルルにホラーなドッキリを仕掛けるお話。
    毎度、賑やかな女の子たち(?)によるドタバタが楽しいですね~(メルルも少しは懲りたでしょうか(苦笑))

    まえじま先生による「となり暮らしのねこめがね」では、レンのメロンパンのマイブームが再来という話から、何気に深い遣り取りをするレンとテイ、というさりげなさがまたいいんですよね(微笑)

    という具合に、今号で「桜Trick」「ビビッド・モンスターズ・クロニクル」「ラストピア」の3作が、次号では「しましまライオン」が完結ということで、非常にさびしいですが、新連載やゲスト登場もなかなかいい感じですし、何よりも雑誌全体で「ヘテロが皆無」(!!!)という、もう百合専門誌レベルなのは嬉し過ぎますので、これからもこの調子でいってもらいたいものです。
    また改めて単行本では紹介するつもりですが、タチ先生、本当にお疲れ様でした。