• 「百合」における「王道」について

    2017-12-11 22:09

    さて、「百合」を含むエンターテイメントにおいては、様々なジャンル毎に「王道」と呼ばれる展開があります。

    例えば「時代劇」なら、悪人に虐げられた弱く善意の人たちを正義の主人公が助け、悪人の陰謀を打ち破り、叩きのめすといった単純明快なストーリー展開をいうわけですが、「百合」における「王道」といえば、「女性と女性が出会い、惹かれ合いながら、葛藤、すれ違い、圧迫などを経て、ついに両想いなハッピーエンドとなる」といった、「ガール・ミーツ・ガール」な展開がまず思い浮かぶのではないでしょうか。

    そして、これらの「王道」は、「王道」というだけで「ワンパターン」「陳腐」「ありきたり」「お約束」といった「お決まり」の批判に晒されることも多く、「現実」を無視した「楽天的なおとぎ話」「自己満足」に過ぎないという批判が含まれることもあるのですが、果たしてそうでしょうか(リニューアル後の「百合姫」のように、「売れない」の一言で「王道」を否定するのは論外として)

    「百合」はあくまでも「フィクション」であり、「エンターテイメント」でありますから、悲惨で理不尽な「現実」に対して、「不快な嗤い」ではなく「快い理想」「明るい希望」を対比させることに何か不都合があるとは思えません。
    もちろん、悲惨で理不尽な「現実」を無視してはいけないと思いますが、それは「ノンフィクション」「ドキュメンタリー」「ルポルタージュ」において成されるべきであり、「フィクション」においても「グロテスクさ」ばかりを見せ付けられる謂れはないですし、そのような「グロテスクさ」ばかりを高く評価するのも間違っていると思っています。

    「綺麗は汚い、汚いは綺麗」に対して、「綺麗は綺麗、楽しいは楽しい」と言い続けること。
    不機嫌ばかり蔓延する現実で、ご機嫌でいられるために(まさに「ご機嫌よう」)「王道」は不可欠であり、「現実」における「理不尽さ」「醜悪さ」を、見事に逆転してみせることこそが「王道」の真骨頂ではないでしょうか。

    たとえ、「王道」が「変革の力」とはならず、単なる「消費対象」「現実逃避」であるとしても(むしろ、「同性愛解放の道具」ではなく、「娯楽」に踏み止まり、甘んじるのが「王道」であると言えるのかもしれません)


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  • 2月百合新刊リスト(暫定版)

    2017-12-10 19:18
    気が早すぎますが、来年2月の百合新刊リスト(暫定版)です。

    2/2 山高守人「剣姫、咲く (3) 」
    2/27 ねこうめ「こはる日和。(3)」
       吉北ぽぷり「また教室で(1)」
       「スロウスタートアンソロジー(1)」

  • あさぎ龍「ガールズ♡ガールズ」(成年向け)

    2017-12-10 06:172

    H百合ファンにお馴染みのあさぎ龍先生による、初の百合オンリー短編集「ガールズ♡ガールズ」(成年向け)が刊行されましたよ!!!

    内容は、描き下ろしも含めて全9編(その内2編が続編となっていますので、実質)のH百合短編が収められています。
    最初の「私はそっと彼女のそこに…」というアラフォーOLとその後輩による社会人百合から、突然解雇(?!)されてしまったエステティシャンがお客だったキャバ嬢のアパートに身を寄せることになってとか、女性問題(!)で以前の場所を離れた京都の芸者さん(京都弁!)を世話することになった東京の芸者さんとか、近くに大学に進学(&同棲(!))している高校の部活時代から先輩後輩で付き合っていたJD同士が帰省する話とか、修羅場を生徒に見られた教師の話とか、両親の都合で預かることになったJS(!)の娘と関係を持つようになってしまった近所のお姉さんとのおねロリ一泊旅行とか、比較的年齢高めながらバラエティに富んだカップリングによる、あさぎ先生らしいしっとりとした様々なH百合が楽しめますよ。

    あと、制服&スク水とか、お漏らしとか、剃毛とか、お嬢様とメイドのイメプレとか、ちょっと(?)マニアックなプレイをスパイス的に(?)交えたHシーンもしっかり楽しめます(もちろん、道具もなし!!!)

    ということで、今時、ヘテロとは交互ですが、商業でH百合オンリーの単行本を出し続けてくれる貴重な存在となってしまったあさぎ先生ですが、萌えとは違いますが、エロ劇画ほど濃くない絵柄にマッチした様々な百合が載っていますが、葛藤よりも惹かれ合う感情の方が強く描かれていたのが印象的でした。

    さらに、今回は天凪青磁先生と2か月連続で百合単行本を発売することに、出版元は大反対したそうですが、それを押し切って刊行してくれた編集さんには大感謝したいとともに、やはりエロ業界ではまだまだ百合への抵抗が根強いことを実感させられましたので、成年百合ファンには是非とも買っていただきたいと思います!!!(帯にもしっかり「オール百合漫画♡」と明記されていますからね)

    オークスの百合シリーズが終了してしまって、すっかり少なくなってしまったH百合ですが、あさぎ先生ご自身はまだまだ百合を描き続ける意欲をお持ちだそうですから、これからも頑張っていただきたいものですね。