• このエントリーをはてなブックマークに追加
株価上昇に向けた新視点
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

株価上昇に向けた新視点

2017-06-21 16:07
    37ad9fb0d605fff9f3519b292ad740fe_s.jpg


     株式相場に限らず相場には上がるか下がるしかない2つの世界、2つの局面が存在します。


     いや待てよ・・。横ばいだってありうるのではないかと言う方もお見えになるかも知れません。

     仰せの通り横ばいもあり得ますが、それは滅多にない局面で長く続くことはありません。

     相場の上げ下げがあってこそ株式運用は面白い。売りたい投資家と買いたい投資家の出会いの場が株式市場であり、そこで形成される相場には上げ局面と下げ局面があって当然です。


     基本的に株価にしろ為替相場にしろ上がるか下がるかしかないのでその先行きを考えるにおいては上がる背景、下がる背景を吟味していく必要があります。

     相場の上げ下げを占うには過去の経験則が活きてきます。株価はまるで生き物のような動きを見せますが経験によってある程度の判断はできることになります。


     相場には過去、現在、未来の3つの関係があり、そうしたデータを蓄積することで未来予測するAIの世界には株式相場はとても魅力的な存在なのかも知れません。

     未来において上がるにしろ下がるにしろこうしたパターンで株価が動けば近未来の株価はこう動くという想定が考えられるのであればそれは有効な運用ツールになるものと思いますが、まだまだそうしたツールを完成させるには先は長そうな気がします。この場合は、AI同士の戦いが繰り広げられるのでしょうか。

     そうした未来の運用がどうであれ、運用者である皆さんは絶えず当面の相場に目を向けておられるかと思います。

     日経平均という指数が2万円台に乗せてからの上げ下げに関心を寄せながら今後の相場展開を予想されているものと思います。今後上がると想定される投資家が多いから相場は上昇トレンドを描くのでしょうし、下がると想定される投資家が多くなると相場は下落トレンドを描くことになります。

     日経平均はアベノミクス相場で2015年6月に20952.71円の高値をつけましたが、その後2016年6月に14864.01円でボトムをつけ現在は19943.26円と2015年6月高値に接近中です。これを超えるかどうかに関心が集まっているかと思います。
     超えるという意見が多いので現状の株価が成り立っていると考えられる一方で、もう高値圏にあるからまたいつ何時大きく調整するか分からないとの考えもあってしかるべきな水準になりつつあります。


     先高感はあっても決め手に欠けるのが現状の相場水準。日経平均の今期予想PERは14.2倍でPBRは1.27倍。配当利回りは1.78%。これには安いか高いかの判断がつきにくいこともあって一気の株価上昇にはつながっていないと冷静に考える必要があります。

     東証1部市場の予想PERは15.6倍でPBRは1.3倍、配当利回りが1.7%となっていますのでこれもまた中途半端な位置にあるためなかなか急上昇にはつながらない状況ですが、こうした指数動向には為替変動の行方も関わりますので、円ドル相場に関心を向ける必要があります。


     為替を加味したドルベースの日経平均は2015年の6月当時167ドル(日経平均2万900円、ドル円相場1ドル=125円)の水準でしたが、現状は180ドル(日経平均は1万9943円、ドル円相場110.86円)の水準となっており、現状は既に高値圏で推移している点に注目したいと思います。

     ドルベースの日経平均は為替が円高に振れても日経平均が下がらず、むしろ底堅く推移していることが直近の強さの背景になっています。
     日本株のおよそ半分は海外投資家によって売買されていますので、メディアではあまり取り上げませんが、外国人投資家の目線に沿ったドルベースの指数の変動にも関心を寄せておきたいところです。


     株価の上昇には過去から現在までの相場の潮流があり、未来につながるリスクテイクを行うお金の運用者の意向が働きます。投資家は目先使うことのないお金を用いてリターンを上げようと運用努力をします。

     職業的な国内外の運用者に一般の大口、小口の投資家、経験豊富な投資家に始めたばかりの経験の浅い投資家、企業同士の株式持ち合い投資など投資の動機は様々。その売り買いの一瞬に見ず知らずの他人同士が売り買いを行い、粛々とお金の流れを醸成していきながら経済活動の一翼を担うことで産業発展に貢献することが資本主義社会の投資家の役割となっている訳です。


     日本の経済にとって現在大きな問題になっているデフレの克服を株式市場に参画する消費ニーズのある若い投資家(=サラリーマン)の視点から考えると賃金の上昇にも増して資産インフレの波に乗るか、株式投資による運用成果の向上に行きつきます。
     およそ30年前に繰り広げられた株式バブルの再燃を期待するにはまだまだ厳しいマクロ経済の環境ではありますが、そうした条件は徐々に整いつつあるように思われます。


    【国に求められる次の施策】


     アベノミクス第1の矢では金融緩和、ゼロ金利、マイナス金利という思い切った施策が打ち出されましたが、第2の矢である積極的な公的投資増はプライマリーバランスの達成の見えざる要求が働いてかおろそかになっています。
     そこに従事する人員不足という点もネックとなり、なかなか予算配分がままならない状況の中で、教育予算や防衛予算に配慮される国家運営がなされようとしています。
     事が起きて初めて動き出す日本国の為政者のいつもながらの施策がデフレ経済からの脱却を遅らせているように感じられる昨今ながら、株式相場の長期上昇トレンドを次世代の資産形成に有効活用することが大いに求められているように思われます。


     そこで就活中の学生さんや若いサラリーマンの皆さん、広く投資家の皆さんに一言、提言。


    1.従業員持株会を充実させる企業に注目しよう。

     就活前の企業選定のポイントに従業員持株会の充実を図っているかどうかを確認しよう。

     入社後のサラリーマンにとってお給料から天引きされる持株会はやっかいな存在のように思えるのかも知れませんが、従業員のやる気があってこその業績向上であり、業績向上と株価の上昇が連動していく好循環を未来に向けて構築していくことを目標にしていかれるのは意義のあることかと思います。

     投資家の皆さんも従業員持株会の存在に注目してはいかがでしょうか。
     人手不足の昨今、従業員持株会が上位株主となっている企業は従業員との関係緊密化の表れでもあり、今後の銘柄選定にとっても重要な要素になるかと思われます。


    2.若手サラリーマンは自己責任で資産形成の努力を

     若手社員にとっては楽しみな夏のボーナスシーズンが接近していますが、目先使わないボーナス資金は銀行にため込むだけが能ではない。一定額が貯まればNISA活用の株式投資などで資産形成を図ってはいかがでしょうか。

     自社株だけに留まらずご自身で調べた結果を踏まえた株式投資でリスクマネーを有意義に継続的に運用していかれてみると運用ノウハウが知らないうちに身につくかも知れません。

     優待制度の活用、高配当利回り銘柄への分散投資など様々な工夫を凝らしながらの運用をライフワークの一つにされることをお奨めします。


    (炎)


    (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)



    honoh_01.jpg
    コメントを書く
    コメントをするにはログインして下さい。