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為替市場動向~FOMCだけじゃない、BOJ会合も注目~
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為替市場動向~FOMCだけじゃない、BOJ会合も注目~

2019-09-19 16:46
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     台風15号による被害からの復旧が長引いている状況に、被害に合われた方々にお見舞い申し上げます。一刻も早く通常の生活に戻れることを心から祈っています。


     日本の連休明けのマーケットは、サウジアラビアの石油施設へのドローン攻撃により原油価格高騰を受けてのスタートでしたが、先週からのリスクオフ後退ムードが崩れることなく、日経平均も今年のGW連休直前以来の22,000円台でのクローズで10連騰。
     ドル円相場はGW時の111円水準までは戻せずでしたが、一時つけた105円割れから108円台までバック。

     株価反転の背景には、記録的な売り残の買い戻しあり、ドル円相場も短期の投機売りの累積があり、買い戻しに。
     これらの動きのきっかけとなったのは、米中関係とBREXITのリスク後退でした。
     米中貿易交渉の決裂が日本のGW最終日に伝わりましたので、株価は、それ以来の下落分を戻した格好になりました。


     これまでマーケットの目の上のたんこぶだった米中関係の悪化に、対話再開の方向性がみえ、関税実施を延期するなどの報が伝えられ、米中貿易問題への懸念が緩和。軍事面で強硬派だったボルトン大統領補佐官の更迭もリスクオフの材料ではありました。

     時期を合わせるように、もう一つのリスク、合意なきBREXIT強行が議会の回避法案成立によって合意なき離脱リスクが後退。債券に向かっていた資金の逆流と思わせる利回りの反転が起こりました。

     米国債10年物は、一時1.45%まで低下し、2年債との利回り逆転も見られましたが、直近1.8%台まで上昇。この急上昇の背景には、一種の債券バブル熱が冷め、お祭りが終わった? 或いは、金利低下局面へ継続する中でのスピード調整に過ぎない現象なのか見方が分かれるところです。

     そんな中で行われるのが9月のFOMCです。
     結果と声明発表と議長会見が行われるのは日本時間19日未明予定。直近の結果予想は、FF金利の0.25%下げが86%、0.5%下げは14%。 一カ月前の予想では、0.5%下げが41%ありましたから、利下げ予想が
    大きく変化しています。
     FRBのパウエル議長は、最近の講演の中で「アメリカ経済は良好だが、直面するリスクがあり、観察しながら適切な政策をとっていく」旨の発言をしていますが、今後も、選挙を控えたトランプ政権からの利下げプレッシャーもあるでしょう。
     ただ、8月分の物価指数がちょこっと上昇には注目しておく必要があります。
     また、原油価格高が続いた場合の物価への影響が出てきた場合、物価の低迷を理由にした利下げを言ってきたFRBとしては、利下げとの整合性がなくなるとも思われます。

     今回のFOMCでは、0.25%利下げならほぼ予想通り、0.5%下げは、かなりのサプライズ反応、現状維持もサプライズかと想像します。また、結果と同様に、FOMCメンバーによる今後の金利予想、更に、何よりパウエル議長のコメントを注目したいと思います。


     市場がFOMCを注目する中、日銀の政策決定会合も18~19日開催されます。
     こちらは、大きく注目されてはいませんが、何かしらの追加緩和策が実施される可能性も一部指摘されています。
     どうせカードは限られているから、大したことは出来ないだろうし、大事なタイミングまで温存しておくだろう、とも思いますが、先々週の土曜日(9月7日)日経新聞の黒田日銀総裁へのインタビュー記事では、具体的な追加緩和についてのコメントが掲載され、もしかしたら9月の会合で?との憶測も生まれます。その辺りも、最近のドル円相場の底堅さに繋がっているかもしれません。

     明日19日の木曜日の昼頃の発表。時間が遅れると更に憶測を呼ぶことになるでしょう。9月の半期末、10月からの増税前。追加緩和があれば、株高、ドル円相場(円安方向へ)へ相応の反応と考えられます。
     因みに、今朝の報道で、一部の信託銀行から、マイナス金利の深堀りがあった場合には、口座維持手数料を導入するとのコメントが伝えられました。


     9月月初来から直近、主要通貨の対米ドルの動きは、日本円とスイスフランだけが安くなり、その他の通貨は通貨高ドル安。リスクオフ反応の戻しの動きでした。
     ECBの緩和策は、債券購入の上限が撤廃されなかったことへの失望はありながら、かなりの所まで政策が出たという出尽くし感がありました。


     リスクオフ後退の中、今日明日は、FOMC、BOJ会合の結果待ちになります。ただ一方で、米中通商問題は一時的に解決できる問題ではなく、根深く継続的なリスクと思われます。今年最後の四半期を前に、気が抜けない展開は続きそうです。


     最後までお読みいただき、ありがとうございました。

    ※9月18日東京時間12時執筆
     本号の情報は9月18日東京市場始値ベースを参照しています。
     なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。


    式町 みどり拝


    (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)
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