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記事 16件
  • 為替市場動向~やっぱりドル高?~

    2018-11-30 16:28  

     今週30日から開かれるG20首脳会議。そこで予定されている米中首脳会談を控えて、為替市場は会談結果を見極めようとするポジション調整も入っているようです。しばらく緩んでいたドルも上方へ戻し、今朝はドル全面高で始まりました。  米中首脳会談に関しては、米中協議再開に向けた合意といった小さな成果を得られる可能性はあるかもしれませんが、大きな成果は期待薄とする見方が大方と思われます。ただ、期待薄な分、万が一、重要な成果が挙げられれば、ポジティブ・サプライズでの反応は大きくなりますので、週末のポジション管理には気を付けておきたいものです。  11月8日に114円台を示現したドル円相場。主にドル金利高を背景に、米ドル全面高基調が続いてきました。12月のFOMC(連邦公開市場委員会)での今年4回目の利上げもほぼ織り込んでいました。ところが、昨今、FRB当局者からの利上げへの慎重な発言(慎重、と市場
  • 市場潮流

    2017-06-05 21:19  

     今週(5月29日~6月2日)の東京株式市場は、日経平均株価が週間で490円44銭上昇し(率にして2.5%の上昇)、2万177円28銭で取引を終えました。2万円回復は15年12月1日以来ほぼ1年半ぶりです。  イタリアやギリシャなど欧州情勢の不透明感の高まり、米国景気の減速懸念などから前週から31日(水)まで株式相場は4日続落しました。しかし、1日は国内外の機関投資家から資産配分見直しに伴う買いが幅広い銘柄に入り反発。2日は米株高や円安を好感した買いが入り、上記の通り日経平均株価は2万円に乗せました。  日経平均2万円が持続するかどうかですが、まずは日本時間で今夜発表される米国の5月の雇用統計が注目されます。米国では株式相場は堅調ですが、長期金利はむしろ低下基調にあります。  雇用統計が市場予想を上回るようであれば、米連邦準備理事会(FRB)の6月利上げが確実視され、長期金利も上向くも
  • 為替市場動向~いずこも政治が鍵?~

    2017-04-01 01:33  

     年度末になりました。今年の3月31日は金曜日。週末でもあり、年度末でもあり、4半期末と3つの末という区切りが重なります。  3月後半は、日本の期末要因による利益の里帰りや年度末でのポジション調整や資金待機で、為替市場では円高へ戻し、株式市場でも下押し圧力が強い冴えない展開が続いています。期末による調整は。ほぼ終わったとは見られますが、最終日の3月31日まで気の抜けない展開ではないかと思います。  3月15日に、昨年12月に引き続き、米FRBの追加利上げが行われました。  注目された今年の金利予想は、事前予想通りで残り2回と伝わり、一部にあった残り3回説を打ち消した格好に。発表をきっかけにドル安に戻されたのは周知の通りです。  FOMC直前に一時115円台半ばまで上昇したドル円相場が、直近では110円割れすれすれまでのドル安に反転しました。FRBの利上げで材料出尽くしに加えて、日本の期
  • 為替市場動向~混乱と共に?トランプ政権進行中~

    2017-03-03 11:01  

     注目されていたトランプ米大統領の議会での施政方針演説が今しがた行われました。演説内容は、事前に概ね出ていた為もあり、演説による大きな影響はなく、一応無事イベント通過といったところでしょうか。 今回の施政方針演説でのポイントは: ・1兆ドルのインフラ投資を議会に求めた。(アメリカ国土のインフラを一新) ・移民規制により米国民の雇用を拡大、給料も上昇させる。 ・古過ぎる規制は撤廃すべき。 ・防衛予算の歴史的増加を求める。 ・米国の指導力を発揮させるために、米国民に結束を求める。 ・オバマケアを全面見直しする。  インフラ投資額は予想通りで他にもサプライズない、税制改革について言及がなかったという失望も市場の一部から聞かれました。そんな反応もあってか、演説中、一時ドル円相場は113円台を割る場面も見られましたが、終了後には、ドル円も日本株も値を回復しました。  今日の演説の中で、「海外から
  • 市場潮流

    2016-05-23 18:16  
    今週(5月16~20日)の国内株式相場は、日経平均株価が週間で324円14銭(1.97%)上昇し、1万6736円35銭で取引を終えました。2週連続の上昇です。  週初から円安の進行、米国の株価堅調、安倍内閣の政策発動期待を背景に上昇。18日には、燃費データ不正が取り沙汰されたスズキが急落したことで、全体 も反落。しかし、19日は円相場が約3週ぶりに1ドル=110円台となるなど、円安が進んだことで、輸出関連株中心に反発しました。  国内主要企業の決算発表は一巡しましたが、16年度の会社計画は、全体で前年度比2%程度の減収、2%程度の経常減益となったようです。利益水準でウエートの高い自動車セクターが円高を主因に2桁減益となったことが全体の足を引っ張ったようです。  ただ、増益を見込む企業は全体の6割近くに達しており、過去最高益を更新する企業も少なくありません。  4月22日の当コラムでは、「楽
  • 為替市場動向~日本の正念場?仙台、伊勢志摩。6月正念場の英国~

    2016-05-19 15:55  
    米国の利上げ予想が再び浮上してきました。  直近で発表された住宅関連指数、小売売上、物価関連の指数等、経済指標好調だったことに加えて、一部連銀総裁(2名)から6月の利上げも排除しないという話が伝わったことによるものでした。  利上げ期待を織り込んでくる2年物米債利回りは8bpだけ微妙に上昇反応しただけでしたが、株式市場は嫌気しました。  直近の、エコノミストによる米利上げ予想では、6月の金利据え置きが9割近くで、利上げ予想が据え置き予想を超すのは12月以降です。ただ、今後の経済指標次第で早まってくる可能性はあります。  現在の10年物米国債利回り1.78%はインフレ率を考えても低位安定状態。原油価格の反発による期待インフレ率上昇や小売売上などの景気関連指標の堅調さが見られれば利上げ時期は早まる可能性もあってもおかしくないと思います。  4月の日銀の追加緩和見送り、米国の為替報告書に為替操作
  • 市場潮流

    2015-12-15 02:35  
    今週(12月7~11日)の東京株式市場は、日経平均株価が週間で274円00銭、率にして1.40%下落しました。2週連続の下落となりました。  先週4日に発表された米国の11月の雇用統計で、非農業部門雇用者数が市場予想を上回って増加したことを受け、米株式相場が上昇した流れを受け、週初の7日は反発して始まりましたが、その後は原油安、それに伴う海外株安、円高などを受けて、日経平均株価も続落。  しかし、週末11日は短期的な調整一巡感に加え、円安に振れたことで、輸出株中心に見直し買いが入りました。  基本的には、2万円に向けた上昇過程で裁定の買い残が急速に積み上がった解消売りがSQに向けて出たものと解釈しています。  中国など新興国の景気減速の影響が懸念された国内企業の業績も、第1四半期決算時に比べ若干ながら減額修正となりましたが、欧米などの主要地域の企業との比較的では高い増益率を維持しています。
  • 市場潮流

    2015-12-07 21:16  
    今週(11月30日~12月4日)の東京株式市場は、日経平均株価が週間で379円46銭、率にして1.91%下落しました。  中国・上海株式相場が前週に続いて大幅に下落したことを受けて、週初の30日は下落して始まりましたが、翌1日は財務省が朝方発表した15年7~9月期の法人企業統計で設備投資の伸びが加速したことが好感され、8月20日以来およそ3カ月ぶりに2万円を回復しました。  しかし、週末の4日は、前日(3日)の欧州中央銀行(ECB)が実施した追加緩和が市場の期待に届かなかったことを受け、大幅に下落。前日比435円安の1万9504円48銭で終え、約3週間ぶりの安値をつけました。  ECBの追加緩和については、先週も書きましたが、パリの同時テロの発生を受け、消費減退など景気の落ち込みを回避するため、「追加緩和の規模が思い 切ったものになる」との思惑が先走り過ぎたようです。むしろ、「さらなる追加
  • 為替市場動向~緩和期待外れた後のドル円相場は?~

    2015-11-05 13:05  
    10月後半の市場の注目は、主要国の中央銀行の動きでした。  先陣を切って、10月22日に市場にギフトを送ったのは欧州中銀でした。 ドラギ総裁が、定例理事会後の記者会見で12月の追加緩和を予告。続いて、そ の週末に中国人民銀行が利下げに動き、金融緩和姿勢を明確に示したことから、世界のマーケットは金融相場を期待するリスクオンの展開となりました。  翌週の米国金融政策決定会合FOMCで注目された声明文から、「国際情勢への配慮」が消され、「経済指標を見極めて、12月の会合で利上げを検討、判断する」等の文言が記されたことから、薄くなった年内利上げ期待に最終的には株高ドル高債券安で反応しました。  一方、一部に根強い期待があたハロウィン前日の日銀追加緩和が見送られたのは残念ではありました。  このような主要国の最新の金融政策姿勢に反応して為替市場では、欧州中銀の発表に反応してユーロ安ドル高、さらに中国
  • 為替市場動向~米利上げは遠のきリスクオン相場?~

    2015-10-08 13:14  
    今年も10月に入り、四半期が残されるのみになりました。今年も、様々な事象に振り回された市場でしたが、継続的に最も注目されてきたのが米国の金利正常化でした。  金利正常化は、金融引き締めというよりも、将来の金融政策の幅を確保するためにも必要と考えられてきました。  9月の政策決定会合でも利上げ決定は見送られ、先週発表された米雇用統計の9月のみならず、前月までの数字の下方修正もあり、利上げの来年以降へのずれ込みを予想する向きを増やしました。  世界は全て解釈で動いていると言われますが、先週末発表されたた米国の雇用統計への反応はまさに諸刃の解釈による反応でした。  市場は、まず失望でリスクオフに解釈して始まり、次に金融相場が続くとの解釈でリスクオンの株高、債券安、ドル安&円安に動いて週を終わり、直後の反応を見て眠った人たちにとっては土曜日の朝起きて見たクロージング値には目を疑ったものと思います。