• このエントリーをはてなブックマークに追加

記事 10件
  • 半導体と地政学リスク

    2023-02-02 23:55  

     米国からの半導体規制も厳しい。 ファーウエイに続いてYMTC(半導体メモリー)が米国のターゲットとなった。 1月22日放送のNHK特集は「半導体100兆円市場」でしたが、SCREENが取り上げられていました。米国の規制は、ねじ一本まで及んでいるので、1万点以上の部品から組み立てられる製造装置にはどうしても米国の技術が使われている。それが厳密には「アウト」になるということは非常に大きな影響を及ぼす。米国技術者が装置の保守や修理をすることさえ禁じている。 こうした米国の対中政策によって、中国市場の依存度が高い日本は打撃を受けるのだろうか。 中国とは付き合うな。 なにか、年頃のお嬢様に厳格なお父さんが交際禁止令を出したかのような。米国:お父さん。日本:年頃のお嬢様。中国:お嬢様とお付き合いする男性。 単なる家庭問題なら、「お父さん、それは無理筋よ」とお嬢様は我が道を行けばよい。 国家は同盟関
  • 日本の半導体業界復活の鍵となる企業

    2022-11-04 15:09  

     かつては日本の半導体業界はDRAMで世界を席巻したことがあるが、メインフレームがPCに置き換わる中で米国との半導体摩擦、半導体の低コスト化、微細化の潮流についていけずに凋落。韓国勢や台湾勢に市場を席巻され、今や活躍する企業は大手企業同士の寄せ集め連合体やパワー半導体などの日本が優位性を保てる可能性のある企業が活躍する状況でデータセンター向けや様々な電子機器、自動車向けなどに必要な産業のコメと言われる半導体は引き続き日本にとっても重要な産業の位置づけにある。 ただ国際競争に勝てるかどうかが問われており競争上、優位に立つことができるのかに関心が集まっている。 ネット上に流れている半導体に絡む情報ではテレ東ビズのコンテンツがわかりやすかった。そこでは日立出身の専門家から意見を聞いていたがその専門家いわくこれからは設計中心のファブレス半導体企業が復活の鍵を握っているとしていたが、そうした中で出
  • 市場潮流

    2021-07-13 13:08  

     今週(7月5~9日)の東京株式市場は、日経平均株価が週間で842円86銭下落し(率にして2.93%の下落)、2万7940円42銭で取引を終えました。2週連続の下落です。 東京都議選(7月4日投開票)で自民党の獲得議席が思いのほか伸びなかったことに加え、東京五輪の開催を控えた段階での新型コロナの感染再拡大、ワクチン接種の進展のスローダウン、緊急事態宣言の再発動などもあり、週を通じて売りが優勢となりました。 先週、「8、9日に上場投資信託(ETF)の決算が集中し、両日で分配金を支払うための大規模な換金売りが8000億円程度に達すると試算されている」と述べましたが、8日の日経平均株価が前日比248円安と下落したのに続き、9日も朝から急落。一時は同700円安近くまで売り込まれましたが、後場に入って急速に持ち直し、同177円安で取引を終えました。日銀によるETF買いの観測もありますが、さすがに広
  • 出遅れハイテク株礼賛

    2021-01-20 15:51  
     1月もはや後半に入りました。ここからの投資作戦について思いを馳せてみたいと思います。 全体相場は主力銘柄、とりわけ半導体関連銘柄や電子部品メーカーの活躍が顕著ですがこうした潮流はまだまだ継続すると見ておられる投資家が多いかと思います。 半導体の中でも自動車用などのパワー半導体へのニーズが高まっているとされますが、富士電機、サンケン、日新電機、新電元、京三、三社電など関連銘柄への関心が集まっているのかも知れません。 このほかトレックスセミコン(6616)など業績は停滞気味ながら新規参入を計画している企業にも注目する投資家が出てきそうです。 ただ、成長分野だけに台湾企業などとの競合もあり、この先の投資対象は難しい面があります。 本日は相川さんから丸順(3422)についてのコメントがあるかと思いますが、半導体不足が自動車の生産拡大のネックとなっている点が株高を妨げている面はあるとしても出遅れハ
  • 株の玉手箱 製造業への回帰が見えてくる

    2020-10-20 16:22  
     COVIC-19により製造業はもとよりラーメン、レストランなど外食はホテルの稼働率は大幅に低下し、大変な苦労をされたと思う。個店の閉鎖に加え、蕎麦のような立ち食いチェーン店、コレド日本橋の裏にある銀だこ店舗まで9月で閉鎖していたとは驚きだ。それだけ固定費を捻出するのも難しくなっていたことなのだろう。 反対にドラッグストア、ホームセンターはアルコール除菌、マスクから始まり、在宅勤務でDIYまでが活況となり月次売上は大幅に向上し、株価も年初から大幅な値上がりとなっている。 だがDCMの9月既存店売上高は前年より11.6%減少しており、客数が4.1%減、客単価も7.9%減で、同グループのケーヨーでは18.7%減と結構なマイナスに陥っている。 前年は10月からの増税で駆け込みのあった9月既存店売上高はDCMで8.9%増、ケーヨーで20.2%増と高い伸びの反動減が主な理由だが、それだけではない。 
  • 大魔神のアンテナ 9月相場

    2020-09-30 13:51  
     9月相場はいろいろと変化に富んだ株式市場になっています。 菅政権が発足、早々に今まで菅首相が提唱していた「携帯電話料金の大幅引き下げ」および「地方再生」に関した銘柄群が物色され上昇しました。 携帯電話料金値下げでは、携帯電話大手三社が軒並み売られ(NTTドコモは年初来安値を更新、9月24日)それに反して「楽天」は(9月23日に年初来高値を更新)大きく上昇(菅新首相誕生をいち早く察して買われていたようです)、「アイモバイル」も同様に上昇し、真逆の動きを演じている。 地方再生においても地方銀行が物色対象になり、短期的ではあったが急上昇する銘柄もかなり出た。ちょっと叩かれていた「ソフトバンクG」も急上昇した。地銀との提携を進めていることで買われていた。 9月初めは新型コロナワクチン開発が成功したことを想定した中で、今まで売られていた金融・素材・電鉄・海運・空輸などが物色されて、一時、大きく上昇
  • 株の玉手箱

    2020-04-27 00:21  
     新型コロナウィルスの感染拡大は日に日に増していますが、足元の日経平均の動きは戻り高値を更新して来ました。 日経平均が安値を付けた3/19の16358円時に比べて感染者数が拡大しているにも拘わらず株価が上がっているのは何故か。 現在はコロナ収束期待と業績回復期待で上げ、現実悪材料(景気指標や感染数)で売りを繰り返しているからです。 日経平均は3/19の16358円まで下記の悪材料を織り込んで売られました。★相場は不透明感が漂っている時が一番売られます。・オリンピック中止・延期(いつになるのか)・コロナウィルス感染者の急拡大(どこまで増えるのか)・非常事態宣言(首都封鎖)(いつ発表なるか)・ボロボロの3月期企業業績(どこまで落ち込むのか) これらの悪材料を織り込むと各国の中央銀行の金融緩和や政府の財政出動の対策が出て相場は反転しました。 今回のコロナショックによる実体経済の影響は4-6月期が
  • 市場潮流

    2019-10-21 17:50  
     今週(10月15~18日)の東京株式市場は、日経平均株価が週間で693円81銭上昇し(率にして3.2%の上昇)、2万2492円68銭で取引を終えました。2週連続の上昇です。 米国と中国の両政府が11日(金)まで開催した貿易協議で部分的な合意に達したことを好感し、連休明けの東京株式市場は大幅に上昇。ただ、週末にかけては、短期的な過熱感も浮上し、上値が重くなりました。 週初の15日(火)は上記の要因により、短期筋による株価指数先物の買い戻しなどを交えて株価は上昇。日経平均株価は前週から3日続伸し、前週末比408円高となり、約3週間ぶりに心理的な節目である2万2000円台を回復。続く16日(水)も前日比265円高となり、日経平均株価は年初来高値を更新しました。17日(木)は、さすがに21円安と小幅反落。18日(金)は40円高で取引を終了しました。 国内主要企業の19年度2Q決算が発表されつつあ
  • 大魔神のアンテナ 閑散相場に売りなし

    2019-04-17 10:40  
     閑散相場に売りなしとよく言われますが、今はまさにそのような相場ですね。 海外メディアの報道で、東京株式市場の時価総額が世界第3位から4位に後退したという記事がありました。今までは米国、中国と並ぶ3大市場でした。しかし、今は「香港市場」に抜かれました。 昨年12月の下落以来、外国人投資家は日本市場を無視する姿勢が続いており、国内投資家においても模様眺めの姿勢です。 閑散相場中では大型株への投資も控えめ、その分、中小型株・新興市場銘柄が今でも活況を呈しています。 3月まで活況であった「バイオ」株が、今週再び活況を帯び「キャンパス」が3日間のストップ高。また、「オンコリスバイオ」も再浮上して2日間のストップ高を演じました。また、同様にIPO銘柄等も、2月ひと相場を作りましたがこちらも再び盛り上がりを示しています。 全体感から見てやや寂しさを感じますが、そんな中でも株式市場はお仕事をしているので
  • 温故知新 back to the future その2 伝説のレポート ~山一證券経済研究所の月報より~

    2017-08-04 13:21  

    伝説のレポート ~山一證券経済研究所の月報より~  個別株、個別産業の研究 [要旨]  1984年山一證券経済研究所のアナリストT.Iさんは月報に超純水製造装置について執筆した。  T.Iさんは、33年前にすでに半導体向け超純水製造装置への深い洞察を行った。  当時、栗田工業の株価はいまの10分の1であった。 ::::::::::::::::::::::::::::::::::: ==古きを温ねて、新しきを知る==  このコーナーは、古き良き時代の証券レポートを紹介し、現在の証券業界への警鐘を鳴らします。 ==▼山一證券 伝説のレポート YRI 山一證券経済研究所発行の証券月報 1984年8月月報より== ::::YRI 山一證券経済研究所アナリストT.Iさんの超純水製造装置業界の調査レポート:::: 【調査】  需要急拡大の超純水製造装置。  超純水は、原水をさらに高度に処理し、理論