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記事 2件
  • 書評:種の起源(上)

    2018-01-12 13:54  

    書評:種の起源(上) チャールズ・ダーウィン 箸 光文社古典新書  http://amzn.to/2qOd4PD  1859年出版ですから、今から160年ほど前のことになります。  この年には、スエズ運河が起工(完成は1869年)され、この年に起こった太陽嵐において、リチャード・キャリントンが初めて太陽フレアを観測しています。  日本では、安政の大獄が起こり、吉田松陰が斬首刑に処せられています。  確かに、「昔」のことですが、アダム・スミスの国富論が出版されたのは、1776年ですから「種の起源」刊行の百年近く前。アイザック・ニュートンが『自然哲学の数学的諸原理』を刊行したのは1687年、さらに100年以上前の話です。  今ではごく当たり前になっている進化論の歴史は、他の自然科学などと比べると意外に新しいのです。  この原因は、キリスト教(ローマカトリックおよびその分派)が欧州を支配して
  • 書評:進化は万能である 人類・テクノロジー・宇宙の未来

    2017-10-12 08:18  

    「進化は万能である 人類・テクノロジー・宇宙の未来」  マット・リドレー 箸、早川書房  http://amzn.to/2kCSoXU  まず、読者にとって意外かもしれないのは、ダーウィン(1809年生まれ)はニュートン(1642年生まれ:ユリウス暦)よりも150年以上も後の時代の人間であることです。  そのため、万有引力の法則を否定する(アインシュタインの相対性理論によって修正が加えられましたが…)人はいなくても、いまだに米国のキリスト教原理主義者は進化論を否定し、学校で「地球は6000年前に創造された」と教えるよう強いプレッシャーをかけています。  何故進化論が人々になかなか受け入れられないのか?それは(神や人間などの)「意図」や「計画」をすべて否定するからです。  本書では、生物学的なダーウィンの進化論を「特殊進化論」、アダム・スミスに端を発する(ダーウィンも影響を受けた)社会・