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記事 57件
  • 相場環境のよさ

    2023-05-25 22:46  

     日本企業はよくも悪くも欧米企業に比べて横並びの傾向がありました。時代と共に日本の経営者の質も格段に上がってきており、最近では「競合他社はどうしているのか??」という質問をする経営陣はめっきり少なくなっています。 自社株買いと配当を合わせた総還元率では期間利益の半分程度を目安に還元するという企業が珍しくなく、昨年に続いて今年度も自社株買いの枠は兆円単位で相場を下支えしそうです。 積極的な投資家への還元の背景には、昔に比べて銀行借り入れなどのコミットメントラインの設定が長期化できていることもあります。かつてはコミットメントラインも1年の枠であったのが、3年を超える中期的な枠を提供できる銀行も少なくありません。コミットメントラインがあれば、M&Aや経済危機にも対応できるようになります。 しかし、そうはいっても、コミットメントラインには銀行に有利なブリーチ条項が多数ちりばめられており、たとえば
  • 人的資本経営と投資教育

    2022-12-21 00:12  

     億近読者のみなさんこんにちは。 金融教育のコラムを寄稿しています遠藤です。 本日は、「人的資本経営」について論じます。 「人的資本経営」という言葉は、日本でも当たり前にきくワードになりました。人をコストではなく、投資の対象として見る考え方です。 逆に、会社で働く人は「自分は投資の対象である」という考え方を持つ必要があります。 投資の対象であるということはリターンを生み出さないといけません。 株式投資でいえば、インカムゲインやキャピタルゲインを投資家が求めるように、企業が人財に対し、よりシビアにリターンを求めるようになるのが人的資本経営です。 たとえば、統合報告書で「社員にこれだけの研修費をかけました」と発表するだけでは投資家は満足しません。投資家は、その研修費がどのように収益や生産性向上に役立ったかを知りたいものです。 世に人的資本経営という考え方が浸透するほど、経営者は「これだけ人財
  • 参院選挙2022夏

    2022-07-05 12:35  

     先週後半から本格的な夏を感じる陽気になりました。梅雨明けも早かったです。 読者の皆様には是非ご自愛いただきたく存じます。 まず、選挙が近づくと財源無視のバラマキ発言や憲法9条などでの無責任発言が急増するのは毎度のことです(苦笑)。 今回はウクライナ侵攻を目の当たりにして社民党や共産党の自衛隊違憲発言は無くなりましたが、依然として具体性の乏しい選挙向けのスローガンに終始しています。 最近では「日銀の異次元緩和が円安を助長したために物価高を招いた、アベノミクスの失敗だ」と、これまた国民を小馬鹿にした無責任発言が増えています。異次元緩和がスタートして既に10年目を迎えているのに、今頃になって選挙演説用の無茶ぶりですから呆れます。加えてバラマキ発言のオンパレードとなっています。 一部には若年層を意識した「小出しの、笑」若者向けバラマキ論も併用していますが、いずれにしても大局観は感じられませんね
  • 子供にお金のことを教える時のコツ

    2021-10-18 22:30  

     億近読者の皆様こんにちは。 小学生の親御様のために、お金の教育論について寄稿させていただいております遠藤です。 私は、セミナーなどでお金や投資について小学生や中学生にお話する機会があります。 私たち大人にとってはお金の話は興味深いですが、子供達にとっては退屈だったり難しく感じたりするものです。 子供にお金のことを伝える際には、体験をもって教えるのが一番です。 例えば、10円玉が10個で100円という話をする場合、数字だけで説明すると子供にとっては退屈なものです。 子供がお手伝いをした時などに10円ずつお駄賃をあげて10個貯まったら100円に両替してあげる、ということをするだけで子供はお金の概念を理解し始めます。 10円玉10個と100円玉では数は10円玉10個の方が多いのに、価値は100円玉と同じ、というのはよく考えると不思議なものです。 このような、お金の不思議なルールに対して子供が
  • 経済は人、物、金で動いている

    2021-07-26 16:35  

     億近読者の皆様こんにちは。 小学生の親御様のために、お金の教育論について寄稿させていただいております遠藤です。 お金の仕組みを教えることは、経済の仕組みを教えることにつながります。 会社は「人、物、金、(+情報)」で動いていると言われています。 これは経済全体に話を広げた場合にも同じです。 会社では人が働くことで物やサービスが生産されます。その物やサービスは、人がお金を払うことで売れます。働いた人は売上の一部を給与として受け取ります。 お金は経済を回す血液のような役割を果たしています。 このように物やサービスが動く時に人とお金が一緒に動いている、ということを知ることはとても大切なことです。「お金は経済を動かす道具である」という事実を理解することで将来の働き方として2つの選択肢があることがわかります。 会社からお金をもらって働くという選択肢と、自分がお金を払って人に働いてもらうという選択
  • 【対談】鎮目雅人さんに聞く「そもそもお金とは何か?」-前編

    2021-07-16 16:19  

     今後2回にわたり早稲田大学の鎮目教授と小屋との対談をお届けいたします。 財務省は、2024年に1万円札に渋沢栄一、5,000円札に津田梅子、1,000円札に北里柴三郎を用いた新札(日本銀行券)を発行すると公表しています。 1万円札の顔となる渋沢栄一は、第一国立銀行(現在のみずほ銀行)など数多くの企業を設立し、日本の資本主義の父とされる人物。 1万円札の人物の変更は、1984年に聖徳太子から現在の福沢諭吉になって以来です。 各紙幣には最新のホログラム技術が使われ、紙幣を傾けても3Dの肖像が同じように見える偽造防止対策が導入されるとのこと。 でも、どれだけ高度な技術が駆使されても、考えてみると、紙幣は紙です。 火がつけば燃えてしまい、1万円の価値はどこかに消えてしまいます。 さらに言えば、どうして1万円札を出すと、1万円分の商品を買うことができるのでしょうか。 紙に価値を与えている信用の源
  • 現場が大事

    2021-03-03 01:35  

     リモートで自宅にいることが増え固定電話を取ることが増えましたが、固定電話にかかる電話は特殊詐欺?電話が多いです。ネットにも特定の地域の電話番号が載っていますから手当たり次第に電話しているようで、中には真面な業者からの電話もありますが大半は高齢者狙いの詐欺であり、手口も徐々に変化しています。 突然の電話で(如何にも怪しい)「○○警察の者ですが」が増えており、依然として多いのが「古い着物でもお皿でも何でも買い取ります!」、「電話代が安くなるご家庭に選ばれました!」、「外壁検査のため足場を組んで洗浄するまでを無料にします」とか。これだけでも50~60万円はかかる工事なのに、これを無料にして家屋の診断をします!などは詐欺以外に思いつきません。「要らないものがお金になる」「お得」が好きな高齢者狙いですが、屋根に登ってアチコチ壊してから「修理が必要です!」と言い出し、下手に任せたなら最後、法外な請
  • お金は貸してはいけない、借りてはいけない

    2021-02-10 11:41  
     億近読者の皆様こんにちは。 小学生の親御様のために、お金の教育論について寄稿させていただいております遠藤です。 子供向けのお金の教育については不要論を唱える方が少なくありません。 もちろん、投資理論については、子供のうちから学ぶ必要はありません。 積立投資の話などは、大人になってからで十分です。1時間もあれば、原理はマスターできますから。 しかし、お金の倫理観については、幼少から身につけておいた方が良いです。 例えば、「友達とお金の貸し借りをしてはいけない。」 このようなことも、子供は意外と知りません。 なぜ友達とお金の貸し借りをしてはいけないのか。その理由も子供はわかっていません。お金を貸してはいけない理由は、友達を失うかもしれないからです。お金を貸して返してくれなかったら、普通はその人のことを嫌いになります。 本来、お金を返すのを忘れただけで人間性をすべて否定する必要はありません。子
  • お金の3つの役割の教え方

    2021-01-27 00:51  
     億近読者の皆様こんにちは。 小学生の親御様のために、お金の教育論について寄稿させていただいております遠藤です。 最近お年玉シーズンだったせいか、お金の学びのワークショップのお申し込みが盛況です。 ワークショップでは、まずお金の3つの役割についてお話しします。 お金の3つ役割とは、交換、価値、貯蔵のことです。(順番は、私の独断でこの順にしています。) 交換についてお話しするときは、子供たちにこのような質問をします。「お金を使う場所、お金を持って行く場所ってどこだろう?」 当然子供たちはこう答えます。 スーパー、100円ショップ、お花屋さん、床屋さん、電車などなど。 ここで気づいて欲しいことは、お金は物やサービスと交換するためにあるよね、というお話しです。 次に価値のお話をします。 このような質問をします。「お誕生日会でテーブルの上に飴玉が置いてあるのと、ケーキが置いてあるのでは、どっちがう
  • 子供を動かすのは気合よりルール

    2020-11-21 11:39  
     億近読者の皆様こんにちは。 小学生向けのお金の教育論について寄稿させていただいております遠藤です。 今回は、お金の教育がもたらす家庭のルールについて説明します。 私は、仕事とお金の関係を教えるために、小学生になったら、「自分が使うお金は家の中で仕事をして稼ぐ。」というルールを敷くことを推奨しています。 実はこのような「ルール」を決めるだけで、他の子育ての悩みも解消される効果があります。■仕事とお金のルール まず、子供がお家の中でお仕事をしてお金をもらう、ということを習慣化するためにはルールが必要になります。 ●毎日行う ●完璧に行う ●何時までにやるなど「自分の仕事を決めた直後は結構頑張っていたのに、段々と飽きてきてしなくなってしまった。」ということが起きます。 しかし、社会人になって、「仕事に飽きたから辞める。」なんて甘い言葉は通用しません。自分でどう工夫して仕事を楽しくしていくかが重