• 韓国では物事の因果関係が一致しない場合が多い

    2017-01-14 22:38117

    さて、本日は韓国を観察していると度々発生する、「原因に結びつかない結果」の問題について書いていきます。


    韓国関連の問題で良く目にする事として、発生した問題の原因が「どう飛躍してもその問題に関連付けられない」「原因の前提がおかしい」という事態が発生することが挙げられる。


    これには韓国独特の「恨(ハン)」の概念が関わっており、韓国独特の社会構造なども関係し、さらに韓国的価値観である「他者の劣等性から自己の優越性や正当性を導き出す」考え方との融合で、どんな事でも「口実になる」という状況になっていることが関係している。


    このため、韓国関連では「これが原因だからこの原因を解決すれば問題も解消される」という一般的な解決策が通じ難く、一つの問題を解決しても別の問題が同じ結果をもたらすといった事例になることが多く、これが韓国との間の問題解決を難しくしている。


    ※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
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    1:口実が「何でもあり」の状態



    まずはこちらの記事から

    外国公館前の少女像設置 「望ましくない」=韓国外相
    聨合ニュース 2017/01/13
    http://japanese.yonhapnews.co.kr/society/2017/01/13/0800000000AJP20170113004700882.HTML

    【ソウル聯合ニュース】韓国外交部の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官は13日、国会外交統一委員会に出席し、釜山の日本総領事館前に旧日本軍の慰安婦被害者を象徴する少女像が設置されたことについて、「国際社会では外交公館前に施設物や造形物を設置することは国際関係の側面から望ましくないというのが一般的な立場」との認識を示した。
    (中略)
     10億円の拠出を韓国が要求したのか、日本が提案したのかを問う質問については、「交渉では、拠出金が必要というのがわれわれの立場だった。金が出てこそ(日本)政府が責任を認め、謝罪したことになる」として、「私が要求した」と答弁した。

     尹長官は同委員会への新年業務報告で、「慰安婦合意が破棄されれば、韓日の両国関係や対外信用など、国益に深刻な影響が出る。合意の精神を尊重しながら着実に履行する」との姿勢を表明した。

     安倍晋三首相を含め日本側が批判を強めていることについては、「日本の国内世論などを勘案した強硬対応」との見方を示した。その上で、釜山の日本総領事館前の少女像問題に関し、「外交公館の保護に関する国際儀礼や慣行を考慮する方向でできるだけ努力する」と述べた。


    この記事なのですが、文中に「交渉では、拠出金が必要というのがわれわれの立場だった。金が出てこそ(日本)政府が責任を認め、謝罪したことになる」とありますが、これは一昨年の11月頃から韓国側が金銭的な保証を要求している記事が出ていました、つまりこの問題を追っていた人にとっては周知の事実だった事です。


    ここで重要となるのが、金銭の支払いを要求したのが韓国側だったからこそ、安倍総理は「10億円が無駄になった」という趣旨の発言をしたにも関わらず、韓国側はそれを「日本が金を払って終わりにしようとしている」と定義し、日本のいくつかのメディアがそれに同調している事です。


    [時論]10億円拠出に言及 少女像の解決迫る安倍政権 聨合ニュース 2017/01/09
    韓国野党「安倍に10億円返そう」 首相の発言に反発 朝日新聞 2017年1月10日


    少し調べればこんな事はすぐにわかるはずなのですが、こうして韓国政府が10億円支払いをめぐる前後関係をはっきりさせた後でも、韓国内では上記のような論調がそのまま続いているのです。


    また別の事例として、一昨年3月に発生した駐日韓国文化院放火事件、この件で韓国のいくつかの政治団体が「日本政府に謝罪を要求」する事例が発生した事があったのですが、そもそも個人レベルの犯罪でなぜ日本政府が公式謝罪をしないといけないのか、日本人の感覚からすると意味不明です。


    (※1)
    [オーマイフォト]"日本政府、駐日韓国文化院放火謝罪しなければ" OhMyNews(韓国語) 15.03.27


    上記事例だけだと、「反日だからだ」と解釈する人もいるでしょうが、実際にはそんな事は無くこうした「原因と結果の因果が関連付けられない」事例は対日本以外でも韓国で頻繁に発生しています。


    たとえば、一連の「崔順実問題」に関連して、汚職に関わったとされる韓国の大手財閥トップ達が国会で聴聞会を受けた事例が典型的です。



    【コラム】韓国国会聴聞会、証人に恥をかかせるより真相を究明せよ 朝鮮日報 2016/12/12 (1/2ページ) (2/2ページ


    記事にもあるように、この件で財閥幹部たちに対して実質的な「尋問」を行った政治家たちは、「選挙区にある桂陽山にロッテがゴルフ場を建設するために通行止めとなり、登山客たちの苦情が相次いでいる」「韓国と日本がサッカーの試合をしたら、韓国を応援するのか」など、全く問題と関係のない質問をしていました。


    そして記事では、「以前の企業への聴聞会を振り返ってみると、本質とは関係ないとんでもない質問を受けて慌てたり怒鳴り付けられたりするが茶飯事」と、以前からこうした因果関係不明の「尋問」が韓国国会で慣例化していたことを指摘しています。


    このように、韓国では韓国的価値観での「劣等性」が確定した相手に対して、因果関係の繋がりが全くないような「非難」を行う習慣がある事が解ります。
    要するに、相手を叩くことが出来れば動機は何でも良いようなのです。


    2:動機は何でも良い


    なぜこんな状態になっているのか、それを知るヒントとなる記事があります。
    それが以下の中央日報の記事です。


    【時視各角】韓国はなぜ放火王国になったのか 中央日報 2014年05月30日


    記事では「1:」で挙げた例と同質の、原因となった動機が放火された対象とまるで関係が無い事例が多数挙げられており、そうなる原因として「自尊心の低さ」「怒りの対象に立ち向かう度胸がない」「不満に対して怒りを抑えられない」などが挙げられています。


    自尊心に関しては、韓国人ほど(表面的な)自尊心の高い人々もそうはいないと思うので分析として少し疑問符がつくわけですが、残りの「怒りの対象に立ち向かう度胸がない」「不満に対して怒りを抑えられない」は非常に重要です。


    以前から書いているように、韓国は徹底した序列社会であるので、序列の高い人々は「下位の人々に何をしても許される」という状況が一般化しており、また下位の人々はこの序列社会を終わらせたいと考えるのではなく、「なぜ自分が序列上位ではないのか」と考える傾向にあります。


    その結果以前も何度か言及した「恨(ハン)」の蓄積が発生していくわけですが、序列社会であるため上位の存在(或いは何らかの理由で報復が出来ない相手)に恨の解消行動を行えず、その代償行為として全く関係ない対象に「放火」を行うわけです。


    この手の事例は先ほども書きましたが韓国では非常に頻繁に発生しており、つい最近も「彼女と喧嘩別れした」という動機で、なぜか「自分の父親の車」に放火して逮捕されるという事件が発生しています。


    (※2)
    ガールフレンドと別れた後、腹立ちまぎれに、父の車に火の大学生 清州CBS ノーカットニュース/NAVER(韓国語) 2017-01-07


    そしてここからが重要で、上記のように韓国では何らかの理由で効果的に恨の解消が出来ない相手には恨が蓄積され続け、場合によっては全く関係のない相手に「解消行動」を行う場合もあるわけですが、いざそうした解消行動に移せない相手の「劣等性」が少しでもみつかったのなら、そのときに一気に「恨」の解消を行おうとする傾向があります。


    最初のほうで挙げた韓国の大手財閥幹部に対する聴聞会などが典型例ですが、要するに普段出来ない相手に恨の解消ができるとわかった時点で、「ありとあらゆる恨の解消」を行おうとするわけです。


    そのため特定の原因の解決を目的とした行為ではなく、様々な形で蓄積された「様々な恨」の解消を行う」が目的であり、だからこそ因果関係が別々でも問題が無いのです。
    主観によって蓄積された恨を晴らしたいだけなのですから。


    最初の「10億円云々」に関しても同じです、そもそも批判する動機は別にこの10億円の件でなくてもいいのです、重要なのは蓄積された恨を解消する事、この件ならば慰安婦合意などで蓄積された日本への不満(場合によっては韓国社会に対する不満)=恨を解消しようとする行為の口実としてこの件が丁度目に付いただけなのです。


    3:日本的な基準では韓国を計れない


    今回書いたように、韓国ではその独特のロジックに基いてさまざまな行動を行うため、日本人的な考えで原因を見つけ出し、それを解決して行こうとしても結果として無意味になる場合が多いです。


    彼らが主張する「原因」はあくまで恨の解消のための動機の一つでしかなく、目的はそれまでに蓄積された様々な恨の解消であり、また彼らの価値観では恨の解消相手は必ずしも原因となった相手でなくとも良く、「矛先にしやすい相手」や「劣等性が見つけられた相手」なら何でも良い場合もあります。


    2015年11月に発生した靖国爆弾テロ事件や、去年発生した福島県の仏像等の破壊事件に関しても、犯人は「日本の劣等性」を感じていたからこそというのもありますが、どちらも所持金の殆ど無い無職の状態での犯行であったことから、個人的な動機の「恨の解消のはけ口」として行ったという背景もあります。


    重要なのは韓国社会では「相手の劣等性の指摘が出来れば自己の優越性や正当性が証明される」という独特の考えがあるので、私達の常識とはかけ離れた結論に行き着きやすい事と、恨とは私達の社会における「恨み」とは全く別物であるという事です。


    以前も何度か書いていますが、恨の蓄積とは「レストランで隣の席の人が自分よりも良いものを食べていた」これだけでも発生するのです。
    つまり予測不能です。


    また韓国では、年々「怒りを抑えられない」「怒りの矛先が多方面に及ぶ」事例が頻発するようになってきており、今後はこれまでにも増して今回紹介したような事例が増えていく事になるでしょう。


    一瞬の怒り抑えられず…カッとなる「衝動犯罪」昨年15万人=韓国(2) 中央日報 2015年02月04日
    怒りをこらえられない韓国人、人格・行動障害の受診者急増 朝鮮日報 2015/10/10



    ですから、今回の慰安婦像関連でも日本のいくつかのメディアがこうしろああしろと書いていますが、そんなものはまったくの無意味です。
    日本基準で原因を模索する行為そのものに意味が無いのです。


    私達の基準で問題を見つけ出してそれを解決したとしても、彼らの中に「何らかの恨の蓄積の原因」が残っていれば、また別の動機を見つけ出して同じ反応をしてくるだけです。


    結局は、以前も書きましたが韓国的表現での「情がない」態度、日本的な表現における「冷たい」態度を取ることで、韓国側に「取り付く島を与えない」事が最も効果的な対応となるわけですが。


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    以下は当ブロマガのお勧め記事マイリストです、もしよかったらこちらもどうぞ。








    (※1)
    [オーマイフォト]"日本政府、駐日韓国文化院放火謝罪しなければ"
    OhMyNews(韓国語) 15.03.27
    http://www.ohmynews.com/NWS_Web/View/at_pg.aspx?CNTN_CD=A0002093607

    愛国国民運動大聨合会員たちが27日午後、ソウル鍾路区(チョンノグ)の日本文化院前で駐日韓国文化院放火事件糾弾記者会見を行い、安倍晋三総理と旭日旗が描かれた垂れ幕を破っている。

    この日、これらは日本、東京、韓国文化院防火事件について"IS(イスラム国家)のように覆面をして相手国文化院に火を犯したことは厚顔無恥な行為だ"として"日本政府はうやむやにできると考えずに謝罪しなさい"と要求した。

    (※2)
    ガールフレンドと別れた後、腹立ちまぎれに、父の車に火の大学生
    清州CBS ノーカットニュース/NAVER(韓国語) 2017-01-07
    http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=shm&sid1=102&oid=079&aid=0002915533

    彼女と別れたという理由から、腹立ちまぎれに自分の父親の車に火をつけた大学生が警察に捕まった。

    忠北(チュンブク)清州(チョンジュ)上党(サンダン)警察署は7日、酒に酔って自分の父親の車に火をつけて、車3台を燃やした大学生のチェ某容疑者(21歳)に対し、一般建造物放火の疑いで検挙、取り調べていると明らかにした。

    チェ容疑者はこの日の午前0時20分頃、清州市(チョンジュシ)西原区(ソウォング)粉坪洞(プンピョンドン)の某空き地で、自分の父親の車に火をつけた疑いを受けている。

    この火で車1台が全焼、近くの車2台も一部が燃えて、2800万ウォン相当の財産被害を出した後、約20分後に消えた。

    チェ容疑者は火災発生現場近くの高さ3mの擁壁から飛び降り、骨折などのけがをして倒れた状態で発見されて、近くの病院に運ばれて治療を受けている。

    警察でチェ容疑者は、「彼女と喧嘩をして別れた事に火が起きて(頭に来て)、腹立ちまぎれに火をけて擁壁から飛びおりた」と供述した事が分かった。

    警察はチェ容疑者を相手に、正確な事件の経緯を調査している。


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  • 韓国における一般的な慰安婦像問題に対する認識と問題意識

    2017-01-11 23:24209

    さて、本日は一連の慰安婦像問題に関連し、韓国内でこの問題がどう考えられているのかや、この問題に関しての韓国の誤算についてなどを書きます。


    一連の慰安婦像問題に関連し、現在韓国では韓国的価値観における「易地思之」という考え方や「約束の概念の違い」、自己の優越性や正当性は他者の劣等性によって証明されるとする考え方によって、「日本が問題を起こしている」という認識が大勢となっている。


    また、こうした背景から韓国内ではこの件で韓国側の態度に否定的な意見を持つことが事実上タブー視されるようになってきており、更に「主観的・絶対的正しさ」に基いて「アメリカは韓国を助ける」と想定していたが、それが全く逆の結果になりそうだと気付き、激しい動揺と「(不当な扱いを受けているという認識から)頑なな態度」が加速している。


    韓国はこの状態であるため、この問題で「日本の態度を批判する」以外の選択肢が無く、かといって国際社会の支持を取り付けることが出来なければこれ以上何をすることも出来ず、今後は「日韓友好論者の支援で日本側を折れさせる」という方向へ持っていく可能性が高い。


    ※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
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    1:韓国的価値観だからこその反応


    まずはこちらの記事から


    専門家"「少女像」国際裁判所付託必要...勝訴の可能性高い」
    聨合ニュース(韓国語) 2017/01/10
    http://www.yonhapnews.co.kr/politics/2017/01/10/0503000000AKR20170110089400014.HTML

    (ソウル=聯合ニュース)イ・サンヒョン記者=釜山日本総領事館前慰安婦少女像の設置で日韓外交葛藤が増幅される中、国際法的対応を考慮しなければならないという専門家の主張が出てきた。

    イ・ギボン峨山政策研究院研究委員は10日のブログに掲載した文章で、「韓国政府は日本政府に向かって少女像問題の国際裁判所付託を提案する必要がある。少女像の設置が大韓民国の国際法違反として結論が出される可能性はほとんどない。」と明らかにした。

    この研究委員は、まず、「2015年の「慰安婦合意」で、私たちの外交長官は「日本政府が韓国少女像について公館の安寧を憂慮する点を認知し、関連団体との協議の下に適切に解決されるように努力する」と述べた」としながら「大韓民国政府が関連団体との協議などを通じて問題を解決するために最善を尽くして努力したにもかかわらず、少女像が設置されたとすれば、法的責任は存在しなくなる。」と指摘した。

    彼はまた、「接受国は公館の安寧を妨害したり、品位の損傷を防止するために、すべての適切な手順を踏む特別な義務を負う」という内容の「外交関係に関するウィーン条約第22条2項」にも大韓民国の国際法違反が認められにくいと見た。

    彼は「すべての適切な手順を踏む義務」は公館の品位が損なわれる可能性の程度に応じて、程度が可変である義務」とし「大韓民国政府は、日の丸が燃やされないようにするもっと大きな注意義務を与えられているが、少女像設置については、必ず設置されないようにする程度の義務を与えられていないことを意味する。」と強調した。

    この研究委員は、「現在の安倍の挑発的な言及は、日本政府内で国際法的争点を整理しないまま表現された政治的または外交的修辞に過ぎない」とし「日本が国際裁判所付託提案を受けると、大韓民国政府は、勝訴の可能性が著しく高い国際裁判を実行すればよい。」と主張した。

    彼はまた「もし大韓民国政府が少女像の問題を国際裁判所で解決しようとする場合、特に米国はこれに対して大いに歓迎するだろう」と付け加えた。


    この記事なのですが、色々と日本人から見ると不可解な部分が多いでしょうが、最も重要な部分はこの記事の通りだと仮定した場合、私達の一般的な常識の範囲で考えると「関連団体との協議の下に適切に解決されるように努力する」が具体的にどのような行為を指すのかを説明しないといけなくなるはずであることです。


    しかし、上記の記事ではその最も肝心な部分が説明されていないので本来は意味がありません。


    また記事では、「公館の品位が損なわれる可能性の程度に応じて、程度が可変である義務」とし、日の丸が燃やされないようにする等の努力をしているのだから、「少女像設置については、必ず設置されないようにする程度の義務を与えられていないことを意味する。」という理論立てとなっています。


    これに関しても、要するに「もっと酷いことにならないようにしているのだからこれくらいは大目に見ろ」と言っているだけであり、とてもじゃないですが「本来は」公館の品位や威厳が損なわれないようにする義務が守られているとはいえません。


    ではなぜ上記記事があのような結論になっているのかといえば、以前も記事で紹介した「契約や約束に関する概念の違い」や「易地思之の概念」「他者の劣等性によって自己の優越性や正当性が証明される」という価値観が関係しています。


    参照記事
    戦後70年談話と韓国人の易地思之という概念
    日本人と韓国人とでは「約束・契約」の概念が全く違う
    韓国人が日本人から嫌われる根本的原因


    以前の記事でも書いたように、日本と韓国では「約束」の概念が大幅に異なっており、彼らの価値観では約束とは「相手の話を聞いた」程度の認識であり、その認識であるため後から都合が悪ければ(仕方の無い理由があるのだから)「内容を変更してもかまわない」と考えるのが一般的です。


    また、易地思之の概念では、「相手は常にこちらの事情や気持ちを考えなければいけない」という考え方であり、この考え方では理論上は存在しますが実質的には「自身が相手の気持ちや事情を考える」という発想がありません。
    つまり自分がその件でどう感じるかが全てです。


    更に、彼らの価値観では自身の正しさや優越性は「いかに相手が劣等であるか」で決定されるという特殊な考え方があるため、自己の「正しさ」を主張する場合や実感する場合、持論がどう「正しいのか」よりも「相手がどれだけ劣等か」が重視されます。


    上記の記事にこれらを当てはめると色々と謎が解けてきます。


    記事中で「大韓民国政府が関連団体との協議などを通じて問題を解決するために最善を尽くして努力したにもかかわらず、少女像が設置されたとすれば、法的責任は存在しなくなる。」としているのが「理由」になります。


    つまり、自分達はこれだけ努力したのだから相手はその事情を考慮しないといけない=易地思之であり、また努力をした上での結果だからやむをえない事情があり、「大韓民国の国際法違反が認められにくい」という結論になっているのです。


    そしてそのうえで、これら事情を考慮せず韓国を攻撃する日本のほうが問題であり、だからこそ「韓国政府は日本政府に向かって少女像問題の国際裁判所付託を提案する必要がある」と劣等性の指摘を行い、そこから自己の「正しさ」を導き出しているわけです。


    こうして上記の記事では韓国独特の価値観やルールによって、「韓国は問題ないが日本は問題だ」という結論に至っているわけですが、今回の慰安婦像の件では他の事例でも同様のプロセスで「正しさ」が確定されているため、現在の韓国では慰安婦像問題における韓国側の態度に異論を挟むことが出来ません。


    このような背景から、流石に韓国政府は不味いとは考えているようですが、はっきりと「移動させろ」と主張することが出来ず、責任を釜山東区に転嫁しようとして拒否されたり、腰が引けた状態で「政府や該当の自治体、市民団体などが知恵を集められるよう期待する」という投げやりな態度を取っています。


    外交部の釜山少女像移転要求に、釜山東区庁長「自分でやれ」 ハンギョレ新聞 2017.01.10
    釜山の少女像 韓国政府が重ねて「適切な場所」に言及 聨合ニュース 2017/01/10


    「正しさ」が日本の劣等性や「(韓国的価値観による)やむをえない事情」によって確定してしまっているので、不味いと解っていてもこれ以上の反応はできないわけです。


    そしてむしろ韓国では、この「正しさ」を背景として「韓国政府が弱腰だ」という意見が大きくなってきており、最早「状況を改善する」どころか「更なる悪化を防げるかどうかすら怪しい」状態になってきています。


    安倍首相「10億円出した」…公式反論もできない韓国外交部(1) (2) 中央日報 2017年01月09日
    日本大使を呼んで「抗議」ではなく「面談」したと発表した外交部 東亜日報 January. 07, 2017


    つまり、日本のいくつかのメディアが言うように日本側の態度が問題云々ではなく、彼らはそもそも慰安婦合意に根本から納得しておらず、慰安婦合意破棄と慰安婦問題での日本への攻勢=日本の劣等性の指摘=韓国の優越性の証明を韓国政府に求めているのです。


    そして彼らは、このようなロジックを経て「日本による不当な圧力には対抗すべきだ」という世論を形成するに至っています。


    結果韓国では、次期大統領候補全員が何らかの形で「慰安婦合意の破棄或いは再協議」を主張しており、既に「不可逆的解決」が韓国内で機能していません。


    少女像設置問題 「10億円返そう」=韓国最大野党 聨合ニュース 2017/01/09
    試練の韓国外交 日中からの圧力に加え北朝鮮ICBMも 聨合ニュース 2017/01/09
    慰安婦:韓日関係改善、日本に反省を求める韓国大統領選有力候補者たち 朝鮮日報 2017/01/09 (1/2ページ) (2/2ページ


    多少保守系などから異論は出てきていますが、上記のように既に「正しさ」が確定しているため主張は弱々しく、また下手に批判すると「親日派」として攻撃される状態であるため、現状日本が何をしようとも将来的な合意破棄は変わりません。


    (※1)
    漫画家ユンソイン、「少女像」嘲笑論議"初めから日本料理店の前に置こう" イルヨ新聞(韓国語) 2017.01.10


    2:韓国の誤算と動揺


    上記のような状態であるため、一見すると韓国は現在「非常に強気な状態」であるかのように見えます。


    しかし実態は韓国内にかなりの動揺が広がっており、現在の攻撃的な世論はある意味でその裏返しから来るものです。


    なぜ韓国がこの件で動揺しているのかといえば、勿論日本政府が予想外に強硬な態度にでたという事もあるのですが、他にもう一つ大きな原因があり、そこには韓国独特の考え方である「イガン(離間)ヂル」というものが関係しています。


    朴槿恵、アンタは何様か! 否韓三原則で対韓不干渉を貫け【古田博司】 WiLL/yahoo 2014年1月20日
    韓国の「言いつけ外交」は民族的習性のせい? iza 2014.2.15 (1/4ページ) (2/4ページ) (3/4ページ) (4/4ページ


    このイガンヂルとは、詳しくはリンク先の記事を読んでもらうとして、要するに他者に対して気に入らない相手の悪口などを積極的に言って回る行為のことなのですが、先ほども書いたように韓国では「他者の劣等性=自己の正しさ」でもあるため、イガンヂルには「いかに自分が正しいかのアピールをする」という意味があります。


    慰安婦問題などでも、韓国は積極的にこの「イガンヂル(自己の正しさのアピール)」を行っていたわけですが、彼らは先ほども書いたように今回の慰安婦像の件で「韓国の正しさ」をその独特の価値観によって確定させていたので、アメリカは「韓国の正しさを理解する」と想定していました。


    しかし実際はその予想が覆されてしまい、次々と「(韓国人にとっての)予想外の態度」を取られてしまったのです。


    慰安婦:NYタイムズ「合意を崩壊させてはならない」 朝鮮日報 2017/01/08 
    駐韓日本大使の一時帰国 米国「外交官行き来は珍しくない」 聨合ニュース 2017/01/10


    その動揺はかなりのもので、それを良く表す事例が丁度先日発生しています。


    以下の中央日報の記事では、アメリカのバイデン副大統領が安倍首相に対して「釜山の少女像の設置に関連した日本の措置計画に対して状況の悪化を避けるように呼びかけようとした」としており、その事を日本政府や日本のメディアは都合が悪いため隠したと主張していました。


    また朝鮮日報でも、「日本がバイデン副大統領の警告を都合よく歪めている」と報じていました。


    バイデン米副大統領が安倍首相に話した内容を日本政府がわざと削除? 中央日報 2017年01月09日
    慰安婦:謝罪・反省しない日本、米政権交代期に乗じて大攻勢 朝鮮日報 2017/01/09


    しかしそもそもなぜ韓国の外交部が日本政府とアメリカ政府の電話会談の詳細を知っているのかということになるのですが、実は別の記事を読むとその真相がわかります。


    安倍首相「10億円出した」…公式反論もできない韓国外交部(2) 中央日報 2017年01月09日


    こちらの記事では先ほどの引用の断定的な表現と違い「外交部の関係者は「バイデン副大統領は安倍首相との電話で日本側の強硬な措置に懸念を表すことに傍点を打ったと理解しているが、日本メディアは別の方向で報道している」と憂慮した。」となっています。


    要するに、このバイデン副大統領の憂慮と呼ばれるもの自体が、韓国外交部の「願望でしかない」のです。


    つまり、国内向けに「アメリカも韓国の側に立ち日本を非難しているのだ」と政府がプロパガンダを行わなければいけないほど、アメリカが韓国側の行動に好意的になってくれなかったことがショックだったのです。


    要するに、イガンヂルによって「韓国の正しさ」をアメリカに証明したはずが、予想外に正しさが理解されなかったため韓国側はその状況が理解できず、韓国内に少なからず動揺が広がったわけです。


    韓国的価値観では、相手の劣等さを指摘できれば韓国の行いの正しさが国際社会に理解されるはずであり、これまで韓国は「それが上手く行っているもの」と考えていたからです。


    一見すると韓国はこの件で自信満々に見えていますが、このように内部ではアメリカなど国際社会に依存して状況を解決しようとしていただけであり、それが出来ないと徐々にわかってきたため、「単に頑なになっているだけ」という状態なのです。


    3:高まる日韓友好論者への依存


    今回書いたように、韓国は国内的には韓国的価値観によるロジックで世論の「正しさ」が確定し、それに反する意見はほぼ社会が許容しないという状態になっていますが、同時に韓国的価値観における「正しさの確定」が国際社会に通じず、社会的に動揺も広がっています。


    そしてここで注目すべきは、こうなってくると韓国では一般的に「日本に助けを求める」という状態になることが多いのです。


    そして実際、「誰なら助けてくれるのか」を彼らは既に吟味し始めています。


    例えば以下の記事では、良心的日本人(例1 例2)と韓国人達が呼んでいる、私が便宜上「日韓友好論者」と呼んでいる人々のうち自民党内の日韓友好論者へ目を向けていますが、どうやら無理そうだと気付いた記事です。


    慰安婦:日本政界の親韓派、連日の韓国批判 朝鮮日報 2017/01/09
    岸田外相「慰安婦合意、世界の多くの国々が高く評価」…国内外からの圧力 中央日報 2017年01月10日


    そして、彼らは今回の日本政府の措置に対し世論が、「評価する」50%、「評価しない」9%、「どちらとも言えない」32%という結果になっていることも知っていますので、直接世論に呼びかけるのも無理そうです。


    世論調査 安倍内閣支持する55% 支持しない29% NHK 2017年1月10日


    ではどうするかといえば、いわゆる親北朝鮮系の日韓友好論者への依存度が今後増えていくのです。


    たとえば、朝日も含め以下のように韓国側に立ってくれるメディアは幾つもあります。


    釜山の少女像 合意の崩壊を危惧する 毎日新聞 2017年1月7日

    日韓関係「逆風」 改善の流れを止めるな 神奈川新聞 2017年1月7日
    韓国外相、世論の険悪化懸念 少女像問題巡り駐韓大使に 朝日新聞 2017年1月7日


    しかしこうしたメディアはあくまで「北朝鮮や朝鮮総連の意向の延長」として韓国側に立っているだけなのですが、韓国ではそうしたことが「韓国で国内の親北系を批判している人々さえ」なぜか問題にしていません。
    完全に彼ら日韓友好論者はノーマークです。


    そのため、今後は以前にも増して韓国による彼らへの依存が強くなり、またこうしたメディアも韓国の望む通りに無責任な報道を繰り返すことになるでしょう。


    そして重要なのは、勿論国際社会へ向けて「日本の主張やスタンス」を周知していく事は重要ではありますが、韓国は今回書いたように自縄自縛で有効な対策が何も出来ず、ただひたすら過激な世論に流されるだけなので、実はあまり脅威ではありません。


    問題は今回書いたように親北系の日韓友好論者で、彼らはメディア内にも多くまたメディアと繋がりが強い人々も多いため、日本で韓国関連のミスリードや印象操作を目的とした記事が増え、更にそれを「外国へ輸出する」動きも加速するでしょう。


    今後注意していかなければいけないのはこうした人々です。
    勿論、日韓の価値観の違いを理解しないまま、安易な行動に出る人々も今後増えそうなのでそちらはそちらで問題ですが、重要度ではこの親北系日韓友好論者のほうが大問題です。


    なまじメディアとして国際的な発言力があるので、状況を引っ掻き回して足を引っ張ることが可能だからです。



    お知らせ
    前回の記事のコメント欄で黒猫三角さんという方がコメントをされていたのですが、同様の内容がtwitterでネリナナリネさんという方からも行われており、恐らく同一人物であろうとの判断から、twitterのほうにまとめて回答と質問を行っておきました。


    もし違っていた場合でも、回答と質問は同じですので黒猫三角さんはお手数ですが以下のリンクを参照し回答をお願いします。
    いずれにせよ回答をお待ちしております。


    回答はこちらのコメント欄でもtwitterでもどちらでも問題ありません。


    https://twitter.com/nerinanarineyo/status/818935976038834177



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    (※1)
    漫画家ユンソイン、「少女像」嘲笑論議"初めから日本料理店の前に置こう"
    イルヨ新聞(韓国語) 2017.01.10
    http://ilyo.co.kr/?ac=article_view&entry_id=225388#close_kova

    漫画家のユン・ソインが少女像を嘲弄して物議を醸している。

    9日、ユン・ソインは自分のFacebookに、「いっその事、我らの少女像を日本食専門店の前ごとに建てよう」と書き込んだ。

    彼はまた、「少女像が寒くないようにマフラーと靴とコートは基本、ピザも注文してあげて、退屈しないようにスマートフォンも1個ずつ与え、ハンサムな少年像も横に建て、健康検診CT撮影内視鏡もしてあげよう」と少女像を嘲弄した。

    ユン・ソインは、「このような銅像を百万体建てると我が民族の悲痛な恨みが癒される。そのまま早く国交を絶って攻め込もう。いや、そんなに嫌だと罵詈雑言を書きながら、なぜ戦争はできないんだ」と述べた。

    引き続き彼は、「そんなもの聴聞会・国政調査にならない。今すぐ宣戦布告しよう。作戦名“少女の祈祷”、胸がジンとする」と嘲弄した。

    ユン・ソインの書き込みに対してネチズンは、『少女像』を嘲弄したと不快に思った。

    ネチズンは、「こういう論理がどこから来るのか分からない」、「ユン・ソインの言葉に共感する者がいるのが恐ろしい」、「ユン・ソインの極端な態度が非常に不愉快だ」などの反応を見せた。



  • 慰安婦像問題の原因と日本のマスコミの不可解

    2017-01-07 23:11376

    さて、今回は一連の慰安婦像問題の原因は何なのかと、この問題に関連した日本のマスコミ報道で私が感じた不可解さについて書いていきます。


    現在日韓の間で話題となっている、韓国の慰安婦像問題や慰安婦合意破棄議論が発生する根本的な原因は、要するに日本と韓国で慰安婦の定義が異なっているからであり、韓国の定義する慰安婦を日本側が認めないからこそ発生している。


    また、合意を行った韓国政府側にしても、「本来は韓国側の望む定義を認めさせたい」が、それが出来ないため「日本は軍関与を認めた」とボカした表現を使っているが、結局そのごまかしが韓国内で通じず、だからこそ慰安婦像設置にも強く反対できないという背景がある。


    要するに、日本側が「軍や政府の命令で軍人や警官が組織的に行った拉致」を慰安婦の定義とし、この法的責任を認めて「謝罪し続ける」以外に、韓国側が納得する事は無いわけだが、そんな事実は存在しないため問題が消えることは無く、今だからこそ本来伝えるべきこの対立部分を伝える日本のメディアがなぜか存在していない。


    ※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
    ※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブやウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。


    1:「強制連行」を認めさせたい韓国



    まずはこちらの記事から

    日本との慰安婦合意交渉文書 公開命じる判決=韓国地裁
    聨合ニュース 2017/01/06
    http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2017/01/06/0400000000AJP20170106003100882.HTML

    【ソウル聯合ニュース】韓国の弁護士団体「民主社会のための弁護士会」が外交部を相手取り、旧日本軍の慰安婦問題をめぐる2015年末の韓日合意の交渉に関する文書の一部を公開するよう求めた訴訟で、ソウル行政裁判所は6日、文書を公開するよう言い渡した。

     団体が公開を要求した文書は3件。両国が合意の発表で「軍の関与」との用語を選択し、その意味を協議した文書、強制連行を認めるかどうかについて協議した文書、「性奴隷」「日本軍慰安婦」などの用語使用について協議した文書だ。

     岸田文雄外相は15年12月28日、ソウルで行った韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官との共同記者会見で、「慰安婦問題は当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題」として、「責任を痛感している」と表明した。だが、強制連行問題については言及しなかった。

     団体は昨年2月末に訴訟を起した際、「日本は(合意の)発表後も強制連行や戦争犯罪を否認し、両国が日本の立場を前提に問題を最終的に解決したかのように発言し、『軍の関与』は性病検査など衛生管理との意味だったと一方的に説明している」と批判していた。


    上記記事は一連の問題で非常に重要な要素となっています。


    記事では「軍の関与」をどう定義しているかを問題としているわけですが、背景として一昨年の慰安婦合意が締結されて暫く、韓国政府や保守系の韓国メディアは「日本は軍の関与を認めて謝罪した、これで解決なのだ」と宣伝していたことが関係しています。


    しかし、以前も何度か紹介した事のある以下の記事で日本側が「慰安婦の強制連行は資料で確認できなかった」と、要するに韓国側が望む「軍や政府の命令で軍人や警官が組織的に行った拉致」を否定していた事が韓国内で発覚します。


    国連委で日本が慰安婦問題説明 韓国「被害者癒やす行動を」 聨合ニュース 2016/02/17


    朝日や毎日など、いわゆる韓国側から良心的日本人(例1 例2)と呼ばれている、私が便宜上「日韓友好論者」と呼んでいる人々が主張するような慰安婦問題での関係悪化の説明は全て(意図的な)的外れで、問題の本質はここにあるのです。


    少女像設置団体、勝利叫ぶ 靖国参拝が後押しとの見方も 朝日新聞 2016年12月30日


    私が繰り返しこの問題を取り上げるのも、慰安婦問題においてこれが最も重要であり、日韓の間の対立点はこの部分に集約されるからです。


    そしてもう一つ重要な要素として、この問題で鍵となるのがいわゆる韓国内の親北左派系なのですが、彼らは過去日韓友好論者と共同でこの定義の慰安婦問題を煽った経緯があり、現在も率先して煽っているのも一側面として事実です。


    「慰安婦問題は民族の痛み…南北間の連帯が必要」 ハンギョレ新聞  2017.01.05

    (※1)
    正しい解決 大邱新聞(韓国語)  2017-01-02
    チュ・ミエ"韓日慰安婦合意無視すること" SBSニュース(韓国語)  2016.12.30


    しかし問題はそう単純なものではなく、実際には多くの韓国人、特に10代~40代くらいまでの韓国人はこの定義を慰安婦問題の本質であると信じている人々が圧倒的な多数派であり、親北左派系はあくまでこの世論を後押ししているに過ぎないのです。
    (50代~の韓国人の中には、過去韓国が売春を外貨獲得の国策としていた事などの実態を知っている人が多いので、この定義を信じていない人も一定数存在しています)


    つまり、この問題は「右派が」とか「左派が」というイデオロギー的な問題などではなく、韓国社会でこの定義が社会的な共通認識となっているからこそ、彼らは「日本が問題を認めていない」と認識しているのであり、慰安婦合意に対する不満も慰安婦像問題も、根本的な原因はここにあるわけです。


    だからこそ韓国政府や保守系は、「日本は軍関与を認めた」という事を強調することで事態を誤魔化そうとしたわけです。
    イデオロギー的なものだけならば、「北朝鮮の陰謀だ」と親北系を攻撃すれば良いだけですから。


    また、これも以前から書いていることではありますが、彼らの価値観では「被害者が最も偉い」という序列社会に根ざした考え方と、「他者の劣等性を指摘できれば自己の優越性や正当性が証明される」という独特の価値観があります。


    そのため、日本側がこの定義を認めて謝罪すればそれで「終わる」わけではなく、半永久的に謝罪し続け「日本の劣等性を認めること」を要求しており、彼らの望む解決そのものが私達の想定する「解決」とは大幅に異なっている事も重要です。


    関連記事
    韓国では被害者が一番偉い
    韓国人が日本人から嫌われる根本的原因


    つまり、この問題は突き詰めていくと人権問題やイデオロギーの問題ではなく、日韓の価値観の対立に行き着くのです。


    そしてだからこそ、日韓の間でこの問題を「話し合いによる解決」で決着をつけることは不可能であり、安倍政権が過去に何度か行ったように、国際社会へ向けて「日韓の対立点は何か」を伝えていくことが重要となるわけです。


    2:慰安婦像は決して撤去されない


    日韓の間にある慰安婦問題の対立点は上記の通りなのですが、先ほども書いたように一応「渋々」ではありますが、現在の韓国政府や保守系はこの慰安婦の定義を曖昧なまま「解決した事にしたい」という意思があります。


    なぜならそもそもこの定義を客観的に証明することは不可能であるばかりか、それを否定する資料も山のようにあり、韓国側がこの定義のよりどころとしているのは突き詰めていくと「慰安婦の証言」しかないからです。


    つまり、この定義を前面に出して日本と国際社会で争った場合、韓国側の行う慰安婦関連の政治活動そのものが破綻してしまう可能性が高く、そうすると韓国人の望む「日本に対する道徳的優位性」までも破綻してしまいかねないからです。


    この事は日韓友好論者の側も同じであり、一部の先鋭的な親北系日本人を除き基本的には韓国政府と同じスタンスを取っているわけですが、これを前面に出した世宗大学の朴裕河教授は韓国で名誉棄損で訴えられ検察から懲役刑まで求刑されています。


    その背景には、韓国では法の上位に「国民情緒」とか「民族情緒」と呼ばれる、法や憲法よりも「その時の感情」を優先する考え方があり、世論の多数派が「そう感じている」のならば、法であれ憲法であれ簡単に捻じ曲げられるポピュリズムが社会を支配しているからです。


    <Wコラム>ゴネるが勝ち、あなたは本当に「韓国」を知っている? WoWKorea 2017年1月4日

    関連記事
    非常に厄介な韓国人の国民情緒・民族情緒


    そしてだからこそ、韓国では慰安婦像の設置が多くの韓国人から支持され、支持されているからこそ行政もそれに逆らえず、韓国政府と釜山の自治体や保守系メディアは「その行為を強く批判できない」という背景があります。


    少女像問題で韓国政府「当該機関で判断」 釜山市東区に丸投げ 産経新聞 2017.1.3

    【社説】釜山慰安婦少女像めぐる韓日葛藤…国益中心に解こう 中央日報 2017年01月07日


    また、これは何も「対日本だから起きている特殊な事例」ではない事も重要で、アメリカが韓国に設置を進めている対北朝鮮の核抑止用の「THAAD(終末高高度防衛ミサイル)」問題でも発生しています。


    普通に考えれば、北朝鮮の核の脅威に対抗するためのTHAADの設置は韓国にとって「悪くない選択」のはずなのですが、中国がこれに反対しており現在韓国は中国から「経済的な嫌がらせ」を多数受けています。


    それだけなら「中国が韓国に不当な圧力をかけている」と、「被害者になること」で国際社会にアピールする、いつもの韓国の外交方針で済むはずなのですが、現在韓国では一連の崔順実問題に関連し、朴政権の行った政策は「全て崔順実のせい」と全否定される傾向にあります。


    そのため、THAAD問題も崔順実の指示だという噂が親北系によってかなり広まっており、本来この問題では韓国的価値観で中国が加害者に定義されるはずが、「朴大統領と崔順実のせいで中国が経済制裁をしてきた」という世論を形成してしまっています。


    結果、既にレームダックどころか事実上国家運営能力すら失った韓国政府は何もすることが出来ず、韓国野党が中国と「二重外交」を行う状態になってもそれを止める手段がありません。


    THAAD:中国が仕掛けた「離間の計」にはまった韓国最大野党 朝鮮日報 2017/01/05 (1/2ページ) (2/2ページ
    【社説】中国の内政干渉、共に民主党にはひとごとなのか 朝鮮日報 2017/01/05
    1/2ページ) (2/2ページ

    韓国政府「THAAD配備撤回はない、力によって屈すれば悪い先例になる」 中央日報 2017年01月06日


    しかも世論の後押しが無いため、何も決められず現在韓国はTHAAD設置反対の動きに対して政府までが「様子見」という有様になっています。


    [社説]THAAD対策のない外交安保業務報告、次期政権様子見 東亜日報 January. 05, 2017


    これは慰安婦像関連と根元が全く同じで、国民情緒・民族情緒という「皆がそう考えている」という曖昧なポピュリズムによって政治が動く韓国らしい反応なのです。
    慰安婦問題でも政府は原則的に「様子見」するしかないのです。


    そしてだからこそ、今後韓国で慰安婦像が更に増える事はあっても撤去される事はまずありえませんし、慰安婦合意もTHAADも次の政権で撤回される可能性が極めて高いです。


    3:日本のマスコミ報道の不可解さ


    今回書いたように、この慰安婦像や慰安婦合意を巡る一連の日韓の間の問題では、日本と韓国で大幅に異なる慰安婦の定義や価値観の問題を根底として、そこに韓国独特の「その時の感情が何よりも優先される」国民情緒とか民族情緒と呼ばれる現象が関わった結果、問題が拗れに拗れているという背景があります。


    そしてだからこそ、この問題を伝えるのならばこの「日韓で慰安婦の定義が異なっている」という事を何よりも優先して伝えないといけないはずなのですが、なぜかこの問題を重点的に扱う日本のメディアがどこにもありません。


    朝日や毎日などの日韓友好論者は、元々北朝鮮や朝鮮総連との繋がりが強いですし、慰安婦問題は「今後も問題にし続けたい」のですから「なぜ」が抜けているのは当たり前であり、実際この2社の記事は「その方向」で一貫しています。


    韓国との外交 性急な対抗より熟考を 朝日新聞 2017年1月7日
    インターネットアーカイブ
    釜山の少女像 合意の崩壊を危惧する 毎日新聞 2017年1月7日


    しかし不可解なのは読売や産経で、どちらも過去に「安倍政権の動き」として多少は伝えたことがあるにはありますがそれが主題になったことが無く、本来は今この状態であるからこそ「日韓の慰安婦の定義の違い」が重要であるにも関わらず、それをまるで伝えていません。


    しかも読売の場合、「どういった意図があるのか」がまるで読めない意味不明な記事まで出てきています。
    それが以下です。


    元慰安婦支援をメディア黙殺、合意理解広がらず 読売新聞 2016年12月31日



    この記事なのですが、私は何度か読み返しましたが意図も意味もさっぱりわかりません。


    なぜかといえば、この記事では慰安婦合意によって韓国政府から慰安婦認定を受けている人々の7割が既に見舞金を受け取っているにも関わらず、そのことがまるで韓国メディアで伝えられておらず、それが韓国側の無理解を生んでいるとしています。


    しかし、この件は韓国内で保守系メディアを中心に去年何度も報じられている上に、去年末にも聨合ニュースがしっかりと報じています。
    (ちなみに聨合ニュースは公共放送のKBSや全国紙最大手の朝鮮日報に次いで韓国で影響力の強いメディアです)


    現金受け取り表明の慰安婦被害者 5人増え34人に=韓国財団 聨合ニュース 2016/12/23
    「慰安婦白書」刊行は追って検討 まず研究報告書=韓国女性相 聨合ニュース 2016/12/26


    上記のような背景から、慰安婦合意によって見舞金を受け取った人々がいる事は大半の韓国人が知っています、知っていて「不満がある」のです。


    こうした内容を「最近日韓問題を知った人」が、ここ数日の韓国発の記事を読んでそういった印象を持ったのなら解りますが、読売はまかりなりにも日本トップの全国紙であり、明らかにそのアンテナの精度は「私個人よりはるかに上」のはずです。
    また韓国政府関係者との直接のパイプも、読売クラスならいくらでもあるでしょう。


    そんな大手メディアがなぜこんな記事を書くのか、そもそも慰安婦合意が拗れている背景は「日韓の慰安婦の定義の違い」である事は、韓国メディアや韓国政府の公式発表、また韓国野党や挺対協の公式コメントなどを見ていれば一目瞭然なのにです。


    産経がこの問題を重点的に報じないのも意味が解りませんが、読売のこの記事はあまりにも不可解で、論点がズレ過ぎていて「何か公になっていない裏事情でもあるのか?」とも考えましたが、いくら考えをめぐらせてもこの記事の結論になる事情が見えてきません。


    対立点をボカして韓国の保守系メディアに気を使っているのかとも考えましたが、ここまで状況が悪化して対立点が一目瞭然な状態でそれをする意味がありません。
    しかも親北系日韓友好論者の論調とも明らかに性質が異なっているので、余計にわけが解りません。


    もしかして日本のメディアはこの程度の認識しかないのかと勘ぐりたくもなります。
    だとしたら今年の日韓関係は更に無駄に拗れ、「しなくても良い苦労」をすることになるでしょう。



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    (※1)
    正しい解決
    大邱新聞(韓国語)  2017-01-02
    http://www.idaegu.co.kr/news.php?mode=view&num=215179

    (前略)
    安倍総理は繰り返し韓日日本軍‘慰安婦’合意で日本軍慰安婦問題が「最終的かつ不可逆的に」解決されたと明らかにした。いったい誰の思い通りに解決されたのか。日本政府は被害当事者らにどんな謝罪もしなかったが、安倍政権は日本軍慰安婦の強制動員に対して、日本政府の責任を認めた河野談話さえも否定しようとして、どのように日本軍慰安婦問題が解決できるというのか。

    延辺で亡くなった筆者の叔母も「処女供出」を避けて14才の若さで満州に嫁に行った。日本軍慰安婦強制動員を筆者の母は「処女供出」という単語で表現した。「処女供出」という言葉の意味は日本軍慰安婦が日本帝国主義によって組織的に強制動員したことを反証するものだ。

    映画‘鬼郷’でも見られたように、被害者らは海辺に貝を拾いに行ったり、あるいは畑で仕事をして日本軍に無茶苦茶に引きずられて行かなければならなかった。日本政府はその様な強制動員の責任をまだちゃんと認めずにいる。

    去る7月、韓日日本軍‘慰安婦’合意に対する被害生存者と国民の怒りに充ちた反対にもかかわらず、政府は日本軍慰安婦被害者支援のための和解・治癒財団なるものをスタートさせた。その過程で被害生存ハルモニたちをこっそりこっそり訪ねて、彼らが行った見せ掛けの姿勢は被害ハルモニたちをより一層挫折させ憤怒させた。

    真の容赦と和解は加害者の犯罪事実認定と真心に充ちた謝罪、そしてそれにともなう賠償で可能になる。そしてその様な過程を通じて日本軍慰安婦生存ハルモニらの治癒ははじめて始まることができる。

    歴史を忘れた民族に未来はない。韓日日本軍‘慰安婦’合意の撤回は新しい時代のために歪曲された歴史を正しく立て直すことであり、それがすなわち正しい解決だ。



    チュ・ミエ"韓日慰安婦合意無視すること"
    SBSニュース(韓国語)  2016.12.30
    http://news.sbs.co.kr/news/endPage.do?news_id=N1003965228

    チュ・ミエ共に民主党代表は1年前、韓国と日本政府の間でなされた慰安婦被害者問題合意は無効という価値さえないので無視すべきだと話しました。

    チュ・ミエ代表は今日、SBS歳時ニュースブリーフィングに出演して慰安婦強制動員に対する日本政府の責任を明らかに規定しなかった合意はそのまま看過できな問題と強調しました。

    民主党が執権すれば韓日慰安婦合意はなかったことになるという点も明確にしました。

    チュ代表は仮称改革保守新党が過去の政府の負債を清算し、国民のために新しく出発する覚悟ならば改革保守新党とも協力できると明らかにしました。
    (後略)