• 韓国における「道徳」の意味

    2017-08-09 22:59235

    始めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。

    ブロマガ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由


    さて、本日は日本とは大きく異なる韓国の「道徳」について書いていきます。


    韓国発の情報や韓国人の発言を観察していると、かなりの頻度で「道徳」に関する言及があり、韓国においては「道徳性」の有無が社会において重要である事がわかるが、実態としては状況によって同じ行為が道徳的だったり不道徳的だったりと規則性がない。


    これには理由があり、元々道徳に関しては個々の内面問題であるため非常に主観的なものであり、その判断に個人差があるのは当たり前であるが、概ね私達の社会では結論に至る過程と方向性に規則性が求められるのに対し、韓国の場合には結論に至る過程に規則性はあるが結論そのものには規則性が重視されないという特徴がある。


    これは道徳の元となる「基準」や「規範」が、韓国社会における「正しさ」と同じでその時の感情に強く左右される概念である事が関係しているからで、このため韓国では客観的に見て「同じ行為」が状況や属性によって道徳的であったり不道徳的であったりする現象が度々発生する。


    ※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
    ※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブやウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。

    1:「道徳」に規則性が無い


    まず道徳に関していくつか事前説明が必要となるので書いておくと、元々道徳と呼ばれるものは絶対的に見えて実は流動的な概念であり、地域や時代、或いは世代によってその基準に差異があり、共通するものもあるにはありますが多くは普遍性が無いというのが私の考えです。


    ただし、こうした「道徳観の違い」が存在することで意見の対立があったとしても、多くの場合には「納得は出来なくとも理屈は理解できる」というのが、道徳観の違いに対する一般的な認識ではないでしょうか。


    例えば、日本では父親が小さな娘と一緒に風呂に入る行為は、中には異論のある人もいるでしょうが一般的には日常です。しかし欧米などではその行為が性的虐待と認識され嫌悪の対象(=不道徳)とされるわけですが、その事に日本人の多くは納得できなくとも、「理屈は理解の範囲内」という具合です。


    ※ちなみに余談になりますが、社会学的には道徳に関して学習による後付けであるとする経験主義と、人は生まれながらにして一定の道徳性を有しているという生得主義があるようですが、この記事では前者の経験主義を前提に話を進めて行きます。


    これが「道徳観に違いはあっても規則性や方向性は同じ」という事です、この事にわざわざ説明は必要ないでしょう。
    しかし韓国の場合にはこの法則が通用しません。


    韓国の場合、社会的に「道徳性」が非常に重視される傾向にあり、あらゆる行為を「道徳的か否か」で判断する「道徳を基準とした社会」である事がわかりますが、日本人の目から見ると多くの場合でその道徳の基準に規則性があるように見えません。


    例えば以下の事例を

    慰安婦:謝罪・反省しない日本、米政権交代期に乗じて大攻勢
    朝鮮日報 2017/01/09
    1/2ページ) (2/2ページ

     安倍晋三首相は8日、釜山にある日本総領事館前の慰安婦を象徴する少女像設置問題に関連し、自ら「韓国にしっかり誠意を示してもらわねばならない」と韓国側に圧力を加えてきた。韓日の確執が悪化しているのを受け、米国の各メディアは「米国による仲裁の必要性」を取り上げたが、退任を控えているオバマ政権は韓日の確執に介入する時間がなく、次のトランプ政権は仲介役をする準備ができていない。韓国の国政空白や米政権交代期を狙った日本の奇襲攻撃に韓国政府がやり込められている様相になっている。
    (中略)
     問題は、大統領権限代行の体制下にある韓国政府が、日本の波状攻勢に対して適切な対策を講じられていないことだ。強硬対応で慰安婦合意や韓日関係を破たんさせることもできず、かといって世論に支持されている釜山の日本総領事館前の少女像を政府が強制的に撤去することもできない。高度の政治的判断が求められる状況だが、そうした決断を下す主体がいないのだ。韓国外交部(省に相当)の実務担当者らは事実上、お手上げ状態だ。外交消息筋は「日本は慰安婦合意の義務を誠実に履行したと主張しているが、その過程で謝罪・反省の真摯(しんし)な姿勢を見せず、『最終的かつ不可逆的な解決』ばかり強要し、韓国の国民情緒に火をつけた。韓日の政府は両国関係の重要性を考えて状況の鎮静化を図る方向で解決策を見いださなければならない」と語った。


    この記事の最後のほうに、「『最終的かつ不可逆的な解決』ばかり強要し、韓国の国民情緒に火をつけた。」という文章が出てきます。
    これは要するに慰安婦合意に対して韓国人が「情緒的に納得できていない」という現在の韓国政府の主張と全く同じものです。


    要するに韓国では、国と国とが合意はしたが、それは朴大統領という道徳的に劣った存在が締結したものであり、また日本が韓国の望む慰安婦の定義を受け入れ法的責任を認め謝罪していないので、「心情的」に納得できないという意味です。


    ここで問題となるのは、これは国民情緒とか民族情緒と呼ばれる概念で、この概念について韓国では法や憲法よりも上位に来る韓国の悪徳・悪習として度々批判されてきた過去があるのです。


    【噴水台】 国民情緒法 中央日報 2005年08月12日


    にもかかわらず、この「韓国人は合意を情緒的に受け入れられない」という主張は、国民情緒や民族情緒を批判してきた当の保守系メディアでも受け入れられており、「国家間の合意を安易に反故にすべきではない」としながらも、合意は「情緒的に問題がある」とする論調を支持しています。


    これは私達の一般的な常識からすると矛盾に見えますし、国民情緒や民族情緒を「悪徳」と定義しているのになぜ慰安婦合意ではそれを支持し合意の履行こそ悪徳とするのか、全くもって理解の範囲外であるため、最初に言及した「道徳観に違いはあっても方向性は同じ」が通用しません。


    この件なのですが、実は視点を変えると韓国の道徳には「結論に至る過程に規則性は存在するが結果に規則性は無い」という事がわかります。


    どういう事かといえば、それは先ほど引用した中央日報の国民情緒を批判する記事にその答えがあります。


    この記事を読んでみると、実際のところ中央日報は国民情緒そのものを批判しているのではなく、当時の盧武鉉政権が韓国の保守系を「親日派の子孫」として弾圧し、その口実として「親日派財産没収法」を制定したことに対する反発である事が解ります。


    参考記事
    韓国の親日派財産没収法のとんでもなさとその背景


    つまり彼らは、「情緒」という主観的な感情によって法が歪められる事を批判しているわけではなく、それを口実にイデオロギー対立によって彼らが被る不利益を批判しているのです。


    日本人の常識からはかなりかけ離れていますが、これが韓国における「道徳」の実態です。


    その行為そのものを「道徳に反する」としているわけではなく、その行為によって得られる結果を「道徳に反する」と認識しているのです。
    だから「結論に至る過程の規則性は存在するが結論には規則性は無い」わけです。
    結果は受け取る側によって変わってくるから当然です。


    そして彼らは、そのうえで「道徳性」を規範とし重視する社会なのです。


    2:韓国における「道徳的対立」


    こうした私達の社会から見ると矛盾にしか見えない現象は、韓国内でも頻繁に発生しています。


    例えば現在の文在寅大統領は、就任後「韓国の積弊を清算する」という公約の下、政府の高官人事に関して「偽装転入」「不動産投機」「脱税」「論文盗作」「兵役逃れ」の「5大不正」に抵触した人物を完全に排除するとしていました。


    そして彼はこの公約を名分に前政権より優れた道徳性がある事を訴えていたわけですが、実際の人事ではこの5大不正に接触する人物を次々と閣僚に登用したのです。


    【社説】他人に厳しく自分に大甘、金相坤氏に良心はあるのか 朝鮮日報 2017/06/161/2ページ) (2/2ページ


    この事例からも、彼らにとっての道徳とはその行為ではなくそこから発生する結果によって判断が変わっていることが解るわけですが、それに対して上記の朝鮮日報ではこの文政権の人事を「また最近は「自分がやればロマンス、他人がやれば不倫」という言葉もある」と、文政権の道徳性に言及し批判しています。


    しかし先ほど挙げたように、その朝鮮日報も「国民情緒」での対比では「自分がやればロマンス、他人がやれば不倫」をやっているわけですから、私達の「道徳観」からすれば「どちらもただのご都合主義」となります。


    このように韓国では、極論を書けば道徳と自己の利益が直接的に結びついており、私達のように「行為によって道徳性の有無が決まる」のではなく、「自己の行為が道徳的正しさと常にイコールの関係にある」わけです。


    つまり、「ウリの行いだから道徳的に正しい」という結論に至るためのロジックが存在しているのです。


    参考記事
    韓国人独特の「ウリ」と「ナム」という概念


    こうした事例は民間でも見られます。


    例えば、以前から書いているように韓国では大企業の労組が非常に強い力を持ってある種の貴族化し「労組人事の世襲」まで行われており、更には「会社を潰してでも利益を得ようとする」事態まで発生した事も書きました。


    そして現在、韓国ではまた同じ事が発生しようとしています。


    韓国自動車業界8月危機説が拡散() () 中央日報 2017年08月08日


    現在韓国は自動車業界が輸出不振に陥っているうえに、そこに中国によるTHAADに関連した実質的な経済制裁まで重なり、かなり厳しい状況に陥っています。


    にも関わらず、韓国の自動車業界の労組は大幅な賃上げを会社側に要求し、受け入れられない場合には大規模なストをすると予告しているのです。


    これも要するに、韓国内における「道徳の対立」です。
    先ほども書いたように、韓国ではあらゆる行為を「道徳的」に判断するわけですが、その基準が自己(ウリ)の利益と直結しているため、労組側からすれば賃上げ要求は「道徳的に正しい行為」であり、会社の不振は「不道徳な言い訳」なのです。


    そして更に、韓国の保守系メディアからすれば、労組の行いは「会社を潰す不道徳な行為」なのです。
    ポイントは、実利や現実主義による判断ではなく、否定も肯定も「道徳性の問題」と定義されている事です。


    だから溝が埋まらず、結果的に「会社が潰れるまで賃上げ要求をする」という事態まで発生するわけです。


    3:「道徳観の違い」から来る問題


    今回書いたように、韓国では私達の社会において現実的な利害で判断される事例が、「道徳性の問題」と定義され、あらゆる行為が道徳的に正しいか間違っているかで判断される傾向にあります。


    だからこそなのですが、韓国では自己(ウリ)の利益と道徳の間に境界が無く、そのために度々自己(ウリ)の不利益になる行為を「道徳性よりも利益を優先した、なんて不道徳なんだ」と批判する傾向にあります。


    (※1)
    [記者手帳]道徳より実利選んだ日本…私たちは? イーデイリー(韓国語) 2017.06.06



    要するにこの事例は、「安倍総理は韓国にとって不利益だから失脚して欲しい」という実利の問題なのですが、先ほども書いたように韓国では道徳性と自己(ウリ)の利益に境界が存在していないため、この記事のように「日本国民は道徳性よりも実利を選んだ、なんて不道徳なんだ」となっているわけです。


    これがあるため、韓国との間の問題には決着が見えない面があります。


    要するに、韓国ではあらゆる事象が個人の心情に強く左右される「道徳」によって判断されるため、「客観的な利害による決着」が殆どの事例で期待できないのです。
    常に道徳性に基く心情の問題で白黒つけようとするからです。


    だからこそ、対北朝鮮で必要なはずの軍事情報包括保護協定(GSOMIA)すらこんな事になるわけです。


    日本との軍事協定 59%が反対=韓国世論調査 聨合ニュース 2016/11/18


    現実的に見て、韓国にとってこの協定は利益はあっても不利益はないのですが、「道徳性」で判断しているので「不道徳な日本と軍事協定など結べない」となっているのです。


    日本と韓国では、このように道徳という単語一つ取ってもここまでの違いがあります。
    日本人から見ると首を傾げたくなるような韓国の振る舞いは、このように物事の判断を行ううえでの「大前提が異なっている」事が原因となっている事例があるわけです。



    ・次回更新について
    動画のほうでもお知らせしましたが、ニコニコのブロマガ、動画、FC2ブログの更新は12日14日16日とお休みし、次回更新はそれぞれ動画版が19日、FC2ブログが21日、ニコニコ動画のブロマガが23日とさせて頂きます。



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    (※1)
    [記者手帳]道徳より実利選んだ日本…私たちは?
    イーデイリー(韓国語) 2017.06.06
    http://www.edaily.co.kr/news/NewsRead.edy?SCD=JH11&newsid=01748246615959096

    今年に入って日本は安倍晋三総理をめぐる醜聞が絶えない。今年はじめ、安倍総理夫妻と縁がある私学財団・森友学園が政府敷地を安値で買いとったという容疑が提起された。この容疑がまだ進行中に安倍総理の友人が理事長である私学財団・加計学園が特典を受けたことが明らかになった。このため総理室傘下の様々な部署が介入したという文書が登場した。安倍自らこの学園の役員だったことも確認された。

    ここまでいけば容疑ではない。安倍総理は議会でこの事実を否認したがこれを信じる国民は殆どいない。日本国民はしかし相変らず安倍を支持する。支持率は相変らず50%を越える。去る5日日本JNN放送の調査で54.4%を記録した。問題がふくらむたびに減るが大幅ではない。2012年12月に始まった安倍政権はいつのまにか4年半のロングランになてしている。すでに1945年、第二次大戦後三番目に長い内閣になった。歴代のどの政権よりも日本国民の粘り強い支持を受けている。安倍が来年秋、自民党総裁選挙で3選に成功すれば初代朝鮮総督府総監でもある伊藤博文元総理の在任期間を越える歴代最長総理になりうる。

    日本国民は政界の道徳性より実利を選んだ。日本は1990年代に始まった20年長期低成長を経験した。また、安倍第二次内閣直前の6年間、総理が6度も変わる政治的混乱も体験した。こうした中で選択したのが安倍だ。安倍総理は本人と自身の政権をめぐるスキャンダルを背にして「ベノミクス」とよばれる経済優先政策を力強く押し通している。アジア周辺国の反発を押し切って軍国化、自国優先主義を推進する。保守自民党が好きではなかった若い労働者層もしかたなく安倍内閣を支持している。

    これを見守る最近の私たちの総理・長官の人選過程に視線を転じれば気がつくことが多く有る。政界が突然、道徳潔癖症に陥った。現行法違反でもない小さな傷一つ一つを言葉尻を捉えて政争する。国民が本当に知って判断しなければならない政策の方向性に対する論争は消えた。道徳性に目をとじてしまった日本が良いというのではない。私たちが道徳的優位を越えた潔癖症に陥る程、余裕はないということだ。すべき仕事が多い。憲政史上初の大統領弾劾という政治的混乱の終わりにできた政権だ。沈滞した経済も生かさなければならない。

    複雑な国際情勢の中に私たちの生きる道を探さなければならない。






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  • 【動画投稿】【マスコミ問題】毎日新聞記者ヨルダン国際空港クラスター爆弾事件 前編

    2017-08-05 22:08102

    今回は2003年5月に発生した毎日新聞記者によるヨルダン国際空港クラスター爆弾爆発事件についてとなります。
    ただ、前編はほとんどが概要説明となるため、本題は後編となります。

    元となった記事
    2003年に起きたマスコミ不信 毎日新聞記者アンマン空港爆発事件
    http://ooguchib.blog.fc2.com/blog-entry-5.html




    youtube版
    https://www.youtube.com/watch?v=qph5CPqHTVg


    今回の動画のテキスト版です。

    レイム マリサ
    ゆっくりしていってね


    マリサ
    今回はマスコミ問題なので私が解説をするわけだが、その前にまたうp主から前回の動画についての説明があるぜ。


    大口
    えー、前回の動画で「韓国ワールドへようこそ」の部分で解説したネタについて、「解り難い」というコメントが結構あったのでここで改めて解説します。
    まず、あれはネタ表現が多く含まれていたのであまり難しく考える事はありません。


    大口
    要するに、根拠を重視しない韓国社会では根拠を前提とした反論と「劣等性の指摘」が同じ価値しか持たないため、日本側の反論の中身が全く重視されず「日本が韓国の劣等性を指摘している」という認識しかなく、結果「日本の劣等性を指摘し返す」という反応になったのがあの状態です。


    大口
    だから韓国側は反論されても同じ主張を何度も繰り返し、そのため日本側の反論があたかも「未来へ向かって反論している」ように見えたり、韓国側が「日本以外の別の何か」と対話しているように見えたという「ネタ」です。


    レイム
    というわけよ。
    まあ、思考ロジックが私達と全く違うから慣れるまでは大変かもしれないけど、こうした事例が今後多数出てくるのでなれることをお勧めするわ。


    マリサ
    あれって慣れようと思って慣れることが出来るようなものなのか?


    レイム
    重要なのはあまり難しく考えない事よ。
    裏も何も無く、表現された内容そのものの意味と受け取ってしまえばいいのよ。
    実際、韓国では本人も良くわかっていないのに勢いだけで主張している記者とか学者多いしね。


    マリサ
    そんなもんなのか。


    大口 レイム
    そんなものです
    そんなものよ


    マリサ
    まあそんなわけだそうなので本編へいくぜ


    事件の概要

    レイム
    今回はマスコミ問題となるわけだけど、この事件って発生が5月だから前回の玄界灘海難事故よりも前よね。
    なんでこの順番なの?


    マリサ
    これなんだが、この件は事件から10年後に毎日新聞とTBSが「事件を美化しようとした」ので、単体の事例ではなく続きがあるんだぜ。
    一連の事件として扱うならこの並びの方が良いと判断したわけだ。


    レイム
    なるほどね。


    マリサ
    で、肝心の事件なのだが、2003年の5月1日(日本時間2日午前0時50分)、ヨルダンのクイーンアリア国際空港出発ターミナルでチェック中の手荷物が爆発、手荷物の持ち主で出国予定だった毎日新聞の五味宏基記者(36)が容疑者として逮捕されたんだぜ。


    レイム
    手荷物が爆発?爆弾テロってこと?


    マリサ
    いや、どうも五味記者は当時いわゆるクラスター爆弾の小爆弾を「日本へのお土産」として持ち帰ろうとしており、それが荷物検査中に爆発したようなんだぜ。
    で、何の罪も無いヨルダン人が1名死亡5人が重軽傷を負うという悲惨な結果を齎したんだぜ。




    現場の画像



    被害者を見舞うアブドラ国王


    レイム
    は?


    マリサ
    これだけでもかなりとんでもない事件だろ?
    ただ、この件色々と複雑なので最初に時系列がどうなっているかを知ってもらいたいんだぜ。

    5月1日 事件発生
    5月5日 毎日新聞の伊藤芳明・東京本社編集局次長がヨルダンのアドワン情報相を訪ね、事件について謝罪するとともに、アブドラ国王に宛てた斎藤明・毎新聞社長の親書を手渡した。
    5月8日 斎藤明社長現地入り、アブドラ国王と面会
    6月1日 ヨルダンの裁判で禁固1年6ヶ月の有罪判決
    6月2日 毎日新聞社長室と弁護側が「判決を尊重し控訴はしないこと」、及びアブドラ国王への「特赦申請をヨルダン政府に提出する方針」を発表
    6月15日 アブドラ国王、特赦を求める上申書に署名
    6月16日 ヨルダンへの168億円にのぼる債務救済措置が外務省から発表
    6月17日 アブドラ国王による特赦で帰国


    その他
    ・2003年と2004年のヨルダンへのODAが倍増
    ・ウィキペディアの編集合戦で該当項目が削除されるインターネットアーカイブなどの毎日新聞の「該当記事の」キャッシュも著作権を理由に次々と削除される
    ・事件の記録の表現が次々と都合の良いものに偏向される 例「小爆弾」→「金属片」など



    レイム
    ちょっと待って、特赦?それに「ヨルダンへの168億円にのぼる債務救済措置が外務省から発表」って何?日本政府からの賄賂?


    マリサ
    まあ普通は真っ先にそこに注目が行くよな。
    ただ、その件は後ほど説明するのでまずは当時の毎日新聞の非常識さについて説明するぜ。


    整合性のない情報


    マリサ
    それでだ、最初の初報のうち朝日の記事が残っているのでそちらを見て欲しいのだが、この記事で五味記者は小爆弾を「土産としてバクダットで拾った」としており、また「既に使用済みで爆発はしないという認識だった」となっているんだぜ。

    ヨルダンの空港で毎日記者の荷爆発、死者 イラク戦の武器か?
    朝日新聞 2003/5/1
    http://www.asahi.com/03-04/top10/no25.html

    ヨルダンのアンマン国際空港の手荷物検査場付近で1日午後6時20分(日本時間2日午前0時20分)すぎ爆発があり、警備員1人が死亡し、3人がけがをした。ヨルダン当局は毎日新聞東京本社写真部の五味宏基記者(36)の荷物に爆発物があったとして五味記者を拘束、事情聴取している。日本外務省によると、五味記者は面会した在ヨルダン日本大使館職員に、バグダッドからみやげとして持ち帰った金属装置が手荷物検査中に爆発した、と語ったという。毎日新聞社によると、装置はイラク国内で拾った「釣り鐘形の物体」で、五味記者は爆発に使用されるとの認識はあったものの「使用済みで爆発しない」と判断し、持ち帰ったという。

     爆発があったのは、チェックインカウンターの手前にある手荷物検査場付近。ヨルダンの国営ペトラ通信はムハンマド・アドワン情報相の話として、アンマン発カイロ行きのエジプト航空機に乗る予定だった五味記者の荷物に入っていた「金属製の物体」を警備員が調べようとして、爆発が起きたと伝えた。

     この物体はイラクで取材していた五味記者が「土産品」として持ち帰ったものとされ、爆発性のある武器のような物と見られる。警備員は即死し、負傷者には一般搭乗客もおり、うち1人は重傷という。

     AP通信によると、アドワン情報相は、五味記者はアンマンで裁判を受けることになると語り、ヨルダンで刑事訴追手続きを受ける可能性を示唆した。また、アンマンの空港当局者がAP通信に語ったところでは、五味記者は「金属製物体」のほかにも敷物や古美術品、絵画などの土産品を持っていたという。

     五味記者は、バグダッド陥落後にイラク入りし、28日に陸路でヨルダンに入り、カイロ経由で帰国する予定だった、という。

     現場ではヨルダン当局による現場検証が続けられ、空港職員が床についた血痕や割れたガラスの破片の清掃に当たった。

     イラクの政権が崩壊して以来、ヨルダンは美術品などの密輸を防ぐため、出入国の際の荷物検査を厳重に行っている。

     ○拘束され「土産」と説明

     ヨルダンのアンマン国際空港で1日、検査中の手荷物が爆発して数人が死傷、毎日新聞の写真部記者が拘束された事件で、在ヨルダン日本大使館の職員が現地時間の1日夜、空港内で記者と面会して事情を聴いた。

     外務省邦人保護課によると、大使館員が現地時間の1日夜(日本時間2日未明)、空港内で行われていたヨルダン当局による取り調べに立ち会うとともに、記者から直接、事故の様子を聴いたという。

     記者が大使館員に説明したところによると、同日午後6時20分ごろ、カイロ行きのエジプト航空便に乗るために出発ゲートで手荷物検査を受けていたところ、金属片が探知機に反応した。空港職員に「これは何だ」と聞かれたのに対し「おみやげだ」と答えたという。そこで職員が手荷物を調べていたところ爆発が起こったという。記者は「おみやげ」について「バグダッドから持ち帰った」と話したという。

     ヨルダン当局は「手榴弾(しゅりゅうだん)のようなもの」との見方を示しているという。外務省邦人保護課では「本人も『おみやげ』が何なのかはわからないようだった。意図的に爆発物を持ちこんだとは考えにくい」としている。

     ○毎日新聞、概要認め謝罪

     毎日新聞社は2日午後、アンマンの空港で起きた爆発事故が同紙記者の手荷物によるものだったと認め、「亡くなられた方におわびします」という談話を発表した。

     同社によると、爆発したのは、五味宏基記者の手荷物に入っていた釣り鐘形の物体。4月11日、アンマンから陸路イラクへ入り、イラク国内の道路脇に放置された車の周囲に散乱していた物体を拾ったという。

     五味記者は現在も身柄を拘束されており、4日にはヨルダンの検察官の取り調べが予定されている。


    マリサ
    毎日新聞も含め、その後の日本のメディアでは「そういう事」で話が進んでいくんだが、実は当時の外国メディアでは「全く違う話」が掲載されていたんだぜ。


    レイム
    どういう事?


    マリサ
    まず、毎日含む日本側の記事では小爆弾を入手した経緯を「バグダッド入りする途中の11日、道路上で寝た。その時に見つけて拾った」としているんだが、当時のイギリスのガーディアン紙では「イラク人から購入した」となっているんだぜ。

    Bomb at Jordan Airport Kills Guard
    Guardian Friday May 2, 2003
    https://web.archive.org/web/20030622115205/http://www.guardian.co.uk/worldlatest/story/0%2C1280%2C-2628676%2C00.html
    (該当部分抜粋)
    The journalist, identified as Hiroki Gomi of the Mainichi newspaper, told authorities he picked up the metal device as a ``souvenir from the remnants of war on Iraq,'' Adwan said.

    Adwan later told the official Petra news agency that the man said he bought the metal device from an Iraqi citizen in Baghdad and that he crossed Jordan's eastern desert border overland from Iraq on Monday.


    レイム
    これって、ガーディアンの方が間違っているって可能性だってない?


    マリサ
    それなんだが、その後の裁判で毎日側は「偶然拾ったもので爆発するという認識が無かった」「クラスター爆弾に関する知識がなかった」としているんだ。
    でも、「イラク人から購入した」ではこの説明は成り立たないだろ?


    レイム
    あー…
    裁判を有利に進めるために手に入れた状況を変更した可能性があるってことか。
    でもそれだけじゃ状況証拠としても弱いわよね。


    マリサ
    これだけならな。
    実は、「心象をよくするため」に行われた改竄らしき痕跡もあるんだぜ。
    毎日の当時の記事に掲載された五味記者の証言では、「私は人々の叫びで、爆発が私のせいだということに気が付きました。」となっているんだ。


    マリサ
    でもな、当時のCNNの報道では事件直後に事情を聞かれると「Not me, not me」 と訴えていたと書かれているんだぜ。

    Jordanian guard killed in airport blast
    CNN May 1, 2003
    https://web.archive.org/web/20030507030753/http://www.cnn.com/2003/WORLD/meast/05/01/amman.airport/

    AMMAN, Jordan (CNN) -- A small explosion -- apparently caused by a security guard's own grenade -- went off in the baggage screening area of Amman airport Thursday, killing the guard.

    CNN correspondent Rula Amin, who was standing nearby, said authorities first believed the explosion had occurred in a piece of luggage as it went through a baggage screening machine. They had detained one man, who said he was Japanese.

    Security officials said the man was a newspaper reporter returning from Iraq. They would not disclose his name and when Amin attempted to speak with the man, he said, "Not me, not me."

    But later, passengers who were standing near the guard said he was holding what appeared to be a grenade that was apparently part of his own equipment.

    They said he was twisting the pin while talking on a cell phone. Sources told Amin that it appeared the guard set off the device.

    Passengers standing near the guard said he suffered severe injuries to his head, chest, right shoulder and right arm. He was killed instantly, airport authorities said.

    Amin said passengers who were standing nearby were not hurt.

    Authorities evacuated the immediate area around the blast and temporarily halted the boarding of flights, she said.


    レイム
    これは、ちょっと看過できないくらい怪しいわね。


    五味記者は政治活動家?


    マリサ
    さらにこの五味記者、単にイラクに取材へ行ったのではなく、「人間の盾」に参加という政治活動を行っていた可能性が高いんだ。

    ★グローバル・ピース・キャンペーン★
    OPEN-J BOOMERANG 298【それぞれの立場で とめよう】
    https://web.archive.org/web/20030428133202/http://www.bekkoame.ne.jp/~tetz/diary/kafka/devil4.html

    ★グローバル・ピース・キャンペーン★
    OPEN-J BOOMERANG 298【それぞれの立場で とめよう】
    ************************************************************************
    ■転載・転送・大歓迎■

    以下は、ジャーミーラ高橋さんがイラクへの国際市民調査団に参加される方へ送
    られた文章です。

    □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

    出発まで、あとわずかです!《第二次イラク国際市民調査団》参加の皆さんへ

     ジャミーラです。これからの方針を簡単に説明します。

    (1)以下の30名が第二次のメンバーに選ばれました。
    イラクのビザ取得は14日(金)午後です。パスポート、写真1枚を持って、
    来られる方は来てください。都合の悪い方は結団式の11日に持参して、ジャミ
    ーラに預けてください。あるいは簡易書留でお送りください。

    (2)16日出発で、帰国はAは25日、Bは3月1日でお知らせの通り。Cは、
    人間の盾というつもりで、戦争を見届けるまで3ヶ月間の滞在を予定してくださ
    い。
     #ジャミーラについては、戦争が3月に無いという見通しならBと一緒に帰り、
    第三次を用意したり、その時に日本の医師2名を連れて行くのでその準備。
     #不幸にしてアメリカの爆撃が始まったなら、AとBグループは直ちにイラク
    脱出。ジャミーラは国境まで同行しても帰国せず、イラクに留まる。なぜならば、
    戦争の状況をしかと見とどけ、戦後の援助の方針を立てなければならないためで
    す。

    (3)受入れはPeace & Friendship solidarityです。NASYOのイベント参加は日
    本人は40名以上らしいので、そちらは彼らに任せ、20日のデモだけに参加し、
    独自のプランで滞在します。プランは11日までに作ります。

    (4)CグループはSolidarityがお世話するというので、今から考えなくてもか
    なりスムーズに行くと思います。但しいざという時は、自分の力を最大限に発揮
    しましょう。用意が必要です。

    (5)通訳はイラク人のMr.アリ・イスマイールに頼むつもりです。多少日本語が
    つたないけれど、イラク人なので他の面でカバーしてくれると思います。具体的
    なことは明日会って決め、その後皆さんにお知らせします。

    ************************************

    調査団メンバー:

    【Aコース】
    *1-豊田護(49歳 地方公務員)
    2-山浦邦子(56歳 パートタイマー)
    3-秋吉隆雄(61歳 日本基督教団牧師)
    4-益子玄一郎(28歳 米穀(有)自営)
    5-小野万里子(48歳 弁護士)
    6-田中孝枝(20歳 立命館大学学生)
    7-大江厚子(47歳 パン屋)
    8-末木沙織(18歳 横須賀高校生)
    9-後藤礼子(39歳 病院職員)

    【Bコース】
    *1-市川美紗(28歳 保育士)
    2-小林善樹(69歳 アマチュア百姓)
    3-吉村成夫(37歳 朝日新聞社)
    4-相澤泰行(31歳 サーティーンデザインズ(有)役員)
    5-吉村誠司(37歳 NPOスタッフ)
    6-小野正春(65歳 百万人署名活動家)
    7-又木咲子(38歳 イラストレーター)
    8-五味宏基(36歳 毎日新聞写真記者)
    9-杉本祐一(46歳 民宿経営)
    10-森元修一(32歳 トイショップのスタッフ)

    【Cコース】
    *1-若林徹(34歳 高校教師)
    *2-竹村元一郎(34歳 自動車会社勤務)
    *3-安田純平(28歳 アラビア語学生)
    *4-神崎雅善(23歳 フリーアルバイト)
    *5-神崎雅明(23歳 派遣社員)
    6-シャミル・常岡浩介(33歳 ハッジのムスリム)
    7-谷澤壮一郎(19歳 宇都宮大学学生)
    8-村岸由季子(31歳 ダンサー/ジャパンダンスアート)
    9-久保田弘信(35歳 平和活動家) 
    10-高橋千代(62歳 アラブイスラーム文化協会)
    11-通訳:Mr.アリ・イスマイール(イラク人)

    ************************************

    ★いよいよ具体的なことを用意する時期になりました。皆さんの意見をどしどし
    お寄せください。

       アラブイスラーム文化協会 & 
    アラブイスラームの子どもたちを助ける会
         代表:ジャミーラ・高橋
       Tel/Fax:03(3332)1265
       携帯:090-8081-1311
       E-mail: jamila@gray.plala.or.jp


    レイム
    これって、個人としての参加だから、怪しいっちゃ怪しいけど批判するような事ではないのでは?


    マリサ
    甘いぜ。
    もし、問題のない活動ならなんで毎日の説明にはこの件が抜けているんだ?
    しかもだ、さっきのガーディアンの情報とこの件を総合すると、政治活動に利用するために小爆弾を持ち帰ろうとしていた可能性があるんだぜ。

    “毎日新聞:橋本常務が重ねて謝罪 アンマン爆発事故で ” 
    毎日新聞 2003-05-02
    http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20030502k0000e030026002c.html(リンク切れ)

    ヨルダン・アンマンのクイーンアリア国際空港の出発ターミナルで1日夕(日本時間2日午前0時50分)、手荷物が爆発し、持ち主の毎日新聞写真部記者、五味宏基容疑者(36)が治安当局に逮捕されたことを受け、毎日新聞の橋本達明常務、伊藤芳明東京本社編集局次長、武田芳明東京本社写真部長が2日午後4時過ぎ、東京都千代田区の毎日新聞東京本社で会見し、「本人の軽率な行動が原因であり、亡くなった方とご遺族に哀悼の意を表しますとともに、負傷した方のご回復をお祈りします。またご迷惑をおかけしたヨルダン政府や空港関係者にもおわび申し上げます」と重ねて謝罪した。その上で、伊藤編集局次長を早急にアンマンへ派遣し、事実関係の確認などを行う意向を明らかにした。

     橋本常務は五味記者の供述内容を説明した。

     五味記者は4月10日(現地時間)、車2台に特派員の記者2人、ヨルダン人助手一人とともにヨルダン・アンマンを出発。陸路、バクダッドを目指した。同夜、イラク・バクダッド近郊で車内に宿泊。その際、近くにパンクした車が放置されているのを見つけた。周囲には釣り鐘形の物体が散乱していた。うち2個を「記念品」としてカメラバッグに入れ持ち歩いていた。

     橋本常務は物体について、「クラスター爆弾の破片という情報もあるが、確認できない」と説明。さらに「他の3人は五味記者の行動には、まったく気づかなかったようだ」と述べた。また空港の手荷物検査の際には、バッグの中に1個しか入っておらず、残り1個について「所在不明になっている」と述べた。「行方は確認中」としている。

     橋本常務は「なんでこんなものを、国内に持ち込もうとしたのか。当社としても信じられない思いだ。直接本人に問いただしたい気持ちだ」と述べた。

     また橋本常務は「(被害者への対応は)記者個人の軽率な行動が引き起こしたものだが、社としても責任を痛感している」と、誠意をもって対応する姿勢を示した。

     また、五味記者に対する処分とともに、会社としても「厳正に、責任を問いたい」と社としても責任を明らかにする考えを示した。


    レイム
    あーなるほど。
    単なる「お土産」ではなかったと。
    印象の悪くなる情報は毎日の報道からことごとく排除されていたのね。


    マリサ
    更にまだあるぜ。


    爆発すると思わなかった?

    アンマン事件:「爆発するとは思わなかった」 五味記者・公判
    毎日新聞 2003-05-26
    http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20030527k0000m040070002c.html  (リンク切れ)

    ヨルダンの首都アンマンのクイーンアリア空港爆発事件で、爆発物所持などの罪で起訴された毎日新聞元写真部記者(現在、編集局付)の 五味宏基被告(36)とヨルダン人の前助手、アブドル・サラーム・ヒルワ被告(32)の第3回公判が26日、アンマンのヨルダン国家治安裁判 所(ボコール裁判長)で行われた。
    検察側の証人4人の尋問に続き、五味被告への尋問が行われた。五味被告は爆発物について「4月11日にイラク領内で2個拾い、武器の 一部と思ったが形状から爆発するとは思わなかった。(戦場取材経験を共にした)友人である助手に記念品として1個をあげた」と述べた。
    裁判官の「不思議な物体とは思わなかったか」との質問に対し「カンボジアの戦場取材で見たことがあると思った」と語る一方、「爆発する爆弾かどうかの識別経験はあったのか」と聞かれ「(正確には)知らなかった。爆発する爆弾とは思わず、そうした爆弾を扱う経験はなかった」 と答えた。「過ちを犯したと思うか」の問いには「分からない」と答えた。
    イラクからヨルダンに陸路入った国境の税関検査については「(爆弾の入った)バッグを示したが指摘されなかった」と話し、弁護側の「作動するとは思わなかったか。助手と一緒に爆弾で遊んだか」の問いには「思わなかった。一緒に爆弾で遊んだ」と述べた。
    検察側証人尋問では、負傷したエジプト人実業家、ダルウィッシュさん(37)ら4人が爆発現場の状況や、けがの状態などを証言。重傷で入 院中のアルグエリ軍曹(29)は出廷できず、軍曹の調書が朗読された。

    毎日・五味記者、初の被告人質問
    TBS 2003年5月27日
    http://news.tbs.co.jp/20030527/headline/tbs_headline756141.html (リンク切れ)

     ヨルダンの国際空港で起きた爆発事件で、爆発物不法所持などの罪に問われている毎日新聞カメラマンに対する初めての被告人質問が、現地時間の26日、ヨルダンの国家治安法廷で行われ、五味被告は、「爆発物との認識はなかった」と主張しました。

     五味被告は公判で、爆発物について「武器の一部と思っていたが、 爆発物との認識はなかった」と繰り返しました。その理由として、五味被告は「物体の中が空洞になっていた」と述べました。
     
     また、過去に取材で訪れたカンボジアで同じ形状のものを見たことがあると応える一方で、クラスター爆弾については「聞いたことはあったが、 見たことはない」と話し、所持していたものが、クラスター爆弾の一部であるという認識がなかったことを示しました。
     
     また、この日の公判では、爆発事件の被害者らが、五味被告に対し、賠償金などは必要だが、刑事責任は求めないと述べました。
     
     「五味被告に罪はないと思う。 爆発させようという意図があったわけではない。だから我々は、彼に刑事責任を求めることはできない」(証人尋問を受けた 負傷者の1人、ダルイシュさん)
     
     事件の被害者らが、公判で一様に刑事責任を追求しない考えを示したことで、五味被告の刑が大幅に軽減されることは間違いなさそうです。


    マリサ
    五味記者は「兵器の一部だとは思ったが、使用済みで爆発はしないと思った」とか「中身が空洞で爆発物とは思わなかった」と主張しているんだが、五味記者の拾ったとされるM77成形炸薬弾の形状はこんななんだぜ。








    マリサ
    円錐状にえぐれているので「空洞部分」があるにはあるが、それは全体の半分程度で他は火薬は詰まっているのが解るぜ。


    マリサ
    またこの抉れた部分はモンロー/ノイマン効果というものを利用した形状で、とても「中身の無い空洞」には見えないんだぜ。


    レイム
    あー、たしかに。
    空っぽの金属筒と中身の入った金属筒、そんなの持てば誰でも判別できるわよね。


    マリサ
    そういうこと。
    この件、とにかくこんな情報ばかりが出てくるので、毎日の伝える情報は全く信用できなかったんだぜ。


    不自然な特赦


    マリサ
    そして当然のことだが、五味記者のそんな言い訳が通じる事は無く、ヨルダンの国家治安裁判所は「爆発物との認識があった」として懲役1年6ヶ月の有罪判決を言い渡したんだぜ。


    ヨルダン空港爆発 毎日記者に実刑禁固1年6月 特赦申請へ
    読売新聞 2003年6月2日
    http://www.yomiuri.co.jp/features/gulf2/200306/gu20030602_01.htm (リンク切れ)
     【アンマン=久保哲也】アンマンの国際空港爆発事件で、爆発物不法所持、過失致死、過失致傷の罪に問われた毎日新聞元写真部記者(編集局付)、五味宏基被告(36)に対する判決公判が1日、ヨルダン国家治安法廷(軍事法廷)で開かれ、ボコール裁判長は「爆発は被告の不注意によるもの」と述べ、過失致死、過失致傷の罪で禁固1年6月の実刑判決を言い渡した。爆発物不法所持については無罪とした。


     毎日新聞社長室は同日、弁護側が「判決を尊重し、控訴はしないこと」、及びアブドラ国王への「特赦申請をヨルダン政府に提出する方針」を明らかにした。

     五味被告は、イラク戦争取材中に拾ったクラスター爆弾の子爆弾を記念品として持ち帰ろうとしたが、5月1日夜(日本時間2日未明)、クイーン・アリア国際空港の手荷物検査所で、この子爆弾が爆発、職員1人が死亡、近くにいた5人が負傷した。検察側は、五味被告が子爆弾を爆発物と認識していたと主張。五味被告側は、爆発物との認識はなかったとして無罪を主張していた。

     ボコール裁判長は、3罪のうち、最も量刑の重い爆発物不法所持(懲役15年―7年6月)については無罪とした理由について「(被告に)爆発の危険性についての認識はなく、使う意思もなかった」と説明した。

     裁判長はまた、五味被告とともに爆発物不法所持の罪に問われていたヨルダン人助手(32)については無罪とした。

     王室筋によると、国王は、五味被告に特赦を与える意向で、早ければ近日中に釈放されるとの観測も出ている。

     毎日新聞社は判決に対し、「判決を厳粛に受け止め、亡くなられた方、負傷者らに深くおわびする。法的責任に加え、記者として、職業人としての倫理上の責任があると考え、死傷者を出した結果の重大性から(五味被告に対し)厳正な処分をする」とのコメントを発表した。


    マリサ
    が、この記事にもあるように毎日新聞側がヨルダン国王に特赦申請を行い、それが通って6月17日に釈放、帰国する事になったぜ。


    レイム
    それがおかしいんだけど、何があったの?


    マリサ
    この件なんだが、まず当時の毎日新聞の斎藤明社長の妻の妹が福田康夫官房長官(当時)の妻、要するに親戚同士なんだぜ。


    レイム
    政治家の口利きで特赦を得たって事?
    でもこの関係だけじゃ問題とまでは言い切れないわよね。


    マリサ
    そうだな、単に「親戚だから」なんて理由で黒認定できんわな、誰とは言わんけど、そういう漠然とした関係で黒認定する連中いるが、私はやらないぜ。
    ただし、「これだけ」ならな。
    最初に言及したけど、まず特赦直前にヨルダンに対する168億円の債務救済があったと指摘したよな。


    ヨルダンに対する債務救済措置について
    外務省 平成15年6月16日
    http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/15/rls_0616b.html


    レイム
    この手の措置なら、日本はヨルダンに限らずやってるけど?


    マリサ
    まずこの4年前にも政府はヨルダンへの債務救済措置を行っているけど、その額は90億円で今回とは規模がまったく違うんだぜ。


    ヨルダンに対する債務救済措置について
    外務省 平成11年12月2日
    http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/yojin/arc_99/jo_sochi.html


    マリサ
    しかも、平成11年の事例ではヨルダンの副首相が日本にやってきて交渉を行った結果なのに対し、今回の事例では日本の駐ヨルダン大使とヨルダンの財務大臣がヨルダンで交渉したとなっており、その背景が違うんだぜ。


    マリサ
    更に、この当時「この後ヨルダンに対する支援が増えるのではないか」と噂されていたんだが、実際に「その通りになった」んだぜ。


    外務省政府開発援助ODAホームページ
    政府開発援助(ODA)国別データブック
    2004~2008年度
    http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/kuni/04_databook/ex_top.html
    http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/kuni/05_databook/pdfs/04-16.pdf
    http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/kuni/06_databook/pdfs/04-16.pdf
    http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/kuni/07_databook/pdfs/04-16.pdf
    http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/kuni/08_databook/pdfs/04-15.pdf


    レイム
    資料を見ると、2002年と2003年ではODA額が倍違ううえに、2005年に一気に減額して2006年に元の水準に戻ってるわね。
    1999年と2000年がそれぞれ59億円と53億円だけど、それを差し引いても何か極端ね。


    マリサ
    そういう事。
    色々とおかしいことが多数あるんだぜ。
    ちなみに、2004年にはヨルダン国王が訪日しているぜ。



    マリサ
    でさ、こういう状況の場合、本来はマスコミが問題の検証取材を行うべきだよな。
    政府も関与した不正の可能性があるわけだから。


    レイム
    まあそうね。
    これだけ疑わしいと、結果がどうあれ調査はすべきよね。


    マリサ
    でもそんな動きは当時一切無かったんだぜ。


    レイム
    最近の加計学園や森友学園問題の報道姿勢とずいぶん扱いが違うわね。


    マリサ
    そもそもマスコミは普段説明責任とか任命責任とか色々言ってるけど、この件で毎日に対してそういう指摘を行ったメディアも皆無なんだぜ。


    マリサ
    その辺りの事は次回の後編で詳しくやるがな。


    マリサ
    では今回の本編はこれで終わるぜ。


    レイム マリサ
    ご視聴ありがとうございました。


    レイム
    なんか今回もだいぶヘビーね。
    もうちょっと軽い話は無いの?視聴者の人疲れちゃうよ。


    マリサ
    あるにはあるんだが、一応時系列でやっていかないといけないしな。
    なかなか難しいぜ。


    レイム
    そうそう、うp主から次回更新についてのお知らせがある事を忘れてたわ。


    大口
    うぉい!忘れないでくれ。
    次回更新なのですが、12日土曜日の更新はお休みとさせていただき、次回更新は8月19日とさせていただきます。


    大口
    また、こちらは該当ページのほうでも改めて詳しくお知らせしますが、14日の「暇つぶしにどうぞ」の更新と16日の「日韓問題(初心者向け)」の更新もお休みとさせていただきます。


    マリサ
    さぼりだな。


    レイム
    さぼりね。


    大口
    なにその無駄な辛辣さ。
    毎年お盆と年末年始はブログの更新を休んでるんだから、今年も休むってだけだよ!


    レイム マリサ
    ゆっくりさぼりを満喫していってね!


    大口
    「さぼり」とか印象悪くなるからやめて~


    マリサ
    まあそんなわけで、後編はうp主の「個人的都合」で一週間開いて8月19日になるぜ。
    そんなわけで、今回はこれで終わりとなるぜ。


    大口 レイム マリサ
    またさらいしゅ~


    お知らせ。
    このニコニコのブロマガの仕様上、コメントが新たにあった事は解るのですが「どの記事にコメントがされたのか」を確認することが困難です。
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  • 軍艦島を巡る問題について書いてみる

    2017-08-02 22:433410

    さて、本日は最近何かと話題の軍艦島を巡る問題について書いて行きます。


    現在韓国では「軍艦島」について「日本が朝鮮人を奴隷として酷使した地獄の島」という宣伝を行う映画が公開され大ヒットしているが、その広告に使われていた写真が捏造されたものであったり、「時代考証が全くされていなかったり」と、いわゆる「トンデモ映画」となっている。


    更に、この映画は単なる娯楽作品ではなく、韓国の特定の政治団体や政府与党などがかなりの支援を行っており、娯楽作品というよりプロパガンダ映画としての性質が強く、特に韓国政府が国外向けの宣伝に利用している事が大きな問題となる。


    一見すると日本はまた後手に回り不利な状況に追い込まれているように見えるが、「根拠を重視しない」価値観の韓国が国際的な広報を開始し始めたこのタイミングは、実際には反論をするのに最も適した時期であり、対応を間違わなければどうとでも対応できる。



    ※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
    ※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブやウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。



    1:一切「考証」がされていない映画


    まずはこちらの記事から

    軍艦島広告写真の人物は日本人? 韓国人教授「確認後差し替える」
    聨合ニュース 2017/07/26
    http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2017/07/26/0400000000AJP20170726004200882.HTML

    【ソウル聯合ニュース】韓国の広報活動に取り組む誠信女子大の徐ギョン徳(ソ・ギョンドク)教授は26日、米ニューヨークのタイムズスクエアに設置されたスクリーンで流した広告映像「軍艦島の真実」に朝鮮人強制徴用労働者として登場する写真の人物は日本人だとの産経新聞の報道について、「資料を直接確認するため、知人を通じて資料を要請している」として、「(日本人であることが)事実と判明すれば、別の写真に差し替える」と述べた。

     徐氏は写真に関し、「これまで強制徴用を象徴する代表的な写真として多く使われてきたもの」とし、「今回の機会に写真の人物を正確に確認し、朝鮮人ではなく日本人であることが確認されれば、誤った内容を正すようにする」と表明した。

     その上で、「写真一枚を問題とし、本来の趣旨がねじ曲げられないよう、慎重に慎重を重ねていく」と述べた。


    この事例なのですが、そもそも韓国ではあたかも今回初めてこの写真に写る人物が日本人である事を知ったかのように報じていますが、実際には違います。


    どういう事かといえば、実はこの件は今年の2月に韓国のテレビ局であるMBCがニュース番組に使用した映像にも使われ、それに関して4月に産経新聞がMBCに対して「問い合わせ」をしています。


    軍艦島、荒唐無稽な印象操作 別の炭鉱写真使用…韓国テレビ、誤り認める 産経新聞 2017.4.12 (1/4ページ) (2/4ページ) (3/4ページ) (4/4ページ


    このときにMBCが「強制連行の証拠」として使用した写真について、産経は

    ・明治時代の貝島炭鉱(福岡県)の露天掘り
    ・大正15(1926)年9月、北海道の旭川新聞が報じた道路工事現場での虐殺致死事件(朝鮮人一切関係なし)
    ・「端島炭坑の内部壁から『腹が減った』『故郷に帰りたい』『母に会いたい』とハングルで書かれた落書きが発見された」というものは、昭和40年に朝鮮総連傘下の団体が映画作成のために書いたでっち上げ


    と指摘しており、MBC側は全ての誤りを認めています。
    ただし「たとえ場所は違っても朝鮮人たちが強制動員され被害を受けたという脈絡でみれば、歴史の一断面をみせてくれる貴重な資料」とも主張していますが、それを裏付ける資料などは提示されていません。


    また、韓国では強制連行された朝鮮人が最も危険な地下1000m地点で過酷な作業を強要され、中には9歳の子供もいたとか、監視員がいてサボっていると見なされると鞭で打たれたとしています。


    「軍艦島」の生存韓国人、「そこは幽霊島、監獄島だった」 中央日報 2017年07月26日


    そしてこの件に関しては、既に2月の時点で日本側は反論を行っています。それに対して韓国側は「反論があったこと」を認識しており、そのうえで「一切の反証資料」の提示を行っていません。


    呆れた反日プレリュード 慰安婦問題は序の口? その1 Japan In-depth 2017年2月9日 (1/2ページ) (2/2ページ
    「軍艦島は地獄島…」韓国映画・絵本が強制徴用の少年炭鉱員を捏造 憤る元島民たち「嘘を暴く」 産経新聞 2017.2.8 (1/4ページ)(2/4ページ)(3/4ページ)(4/4ページ

    「『軍艦島』の内容は捏造」 産経新聞が韓国映画に難癖 朝鮮日報 2017/02/08

    (※1)
    [SCフォーカス]「軍艦島」牽制する日、これがまさに韓映画の力 スポーツ朝鮮(韓国語) 2017-02-09
    (※2)
    軍艦島も「韓日葛藤」の兆し...リュ・スンワン「捏造ではない」 デイリーの(韓国語) 2017-02-09


    唯一この映画の監督が

    これに対してリュ・スンワン監督は8日、MBC「イブニングニュース」で「「少年坑夫を徴用したことがない」、このような内容があるようだが私達が取材した人々がいる」とし「多くの証言集を通じて、本当に事実と言わざるを得ない資料がある」と主張した。


    と主張しており、このことから彼らの主張する証拠とは裏付けの取れていない証言のみであること、また「産経とMBCの一件が広く知られていること」が解ります。
    まあ、韓国が資料をろくに調べずに「歴史の創作」をするのはいつもの事ですが。


    問題は、「自称」広報専門家の徐敬徳教授はあたかも7月に産経から指摘されて始めてこの件を知ったかのように主張しており、韓国メディアもそれに追従していますが、今年の2月と4月にこれだけ騒ぎとなり、しかも監督自身がこの件でコメントまでしているわけですから、「知らないほうが不自然」なのです。


    当時捏造を指摘されたMBCや映画監督は明らかに「開き直って」いますから、当時徐敬徳教授も他の韓国メディアもそれに追従して反論を無視したと考えるのが妥当でしょう。
    これ自体が韓国側の問題点を指摘する上で重要な要素となります。


    しかも彼らは、指摘された問題が「貝島炭鉱」の件のみであるかのように振舞っており、この件は彼らにとって「触れられると困る」部分が多数ある事が解ります。


    2:韓国側の説の致命的な欠点


    先ほど挙げた日本側のいくつかの記事で指摘されていますが、そもそも「最も危険な1000m地点で奴隷のように働かされていた」という主張、「ありえない」のです。


    炭鉱作業は危険ですが、同時に「事故が起きればそれだけ会社の損失になる」面もあります。
    事故が起きればそれだけ作業が滞るわけですし、落盤事故などが起きれば損害は膨大になるわけですから、企業としては「事故は無いほうが良い」のです。


    そのため先ほどいくつか引用した記事の中の端島(軍艦島)の元住人の証言によると、最も危険な場所での作業は「最も熟練したベテラン」が担当しており、「ただ連れてこられただけの素人や子供」が任されることなど絶対になかったそうです。


    これは資料などを出すまでも無く当たり前の事です。
    炭鉱は「利益を出すために企業が運営している」わけですから、わざわざ事故を起こす可能性を高めて自社の損害になるような事などしません。


    彼らの主張通りならば、日本企業は自社の損失もお構いなしに朝鮮人を虐待する事を優先していたという事になります。
    事故が起きても損失にあまり繋がらない環境ならばそれもあり得ますが、炭鉱での「それ」はあまりにも非現実的なのです。


    またもう一つ問題があります。


    軍艦島に限らず、最近韓国メディアで流行っている徴用関連の記事を読むと、明らかに史実と異なる記述が頻繁に登場しています。


    強制徴用被害者手記「死地を越え帰郷まで」 第2版発行=韓国 聨合ニュース 2017/06/05
    http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2017/06/05/0400000000AJP20170605003700882.HTML

    李氏は1943年11月、15歳のときに上山田炭鉱に連行され労働を強いられた。先月26日に亡くなった

    強制徴用被害者 軍艦島での過酷な労働を証言 聨合ニュース 2017/07/27
    http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2017/07/26/0400000000AJP20170726004700882.HTML

     1943年に徴用されたチェさんは、「海に囲まれた端島で3年間、『監獄生活』を送った。下着だけ着て作業した。残酷だった当時を思いだすと息が詰まる」と語った。

    公式の記録によると1939~1945年に約800人の朝鮮人が軍艦島に連行され、134人が亡くなった。

    水底1000メートルで窒息死・圧死…日本軍艦島は「地獄島」そのもの(1) 中央日報 2017年07月03日
    http://japanese.joins.com/article/797/230797.html

    日本は1938年「国家総動員法」を制定・公布した。戦争に必要な資源の強制徴発を可能にしたこの法を通じて、日本は植民地だった韓国から人的・物的資源を確保した。

    日本側の資料によると、1939年から45年3月まで日本・サハリン・南洋群島などに強制動員された韓国人は72万人余りに達する。徴用された人々は主に作業環境が劣悪な炭鉱・建設現場・工場の職に従事していた。

    「日帝強制占領期、祖父も兵役拒否で監獄に行ったが…」 ハンギョレ新聞 2017.07.09
    http://japan.hani.co.kr/arti/politics/27866.html

    故オク・レジュン氏夫婦は1939年、徴集など軍国主義日本の戦争に反対して投獄された。


    まず史実では徴用がいつから朝鮮半島で行われたかなのですが、日本と台湾では1943年4月からでしたが、朝鮮半島では1944年9月からでした。
    この時点で彼らの主張はおかしいのですが、彼らはこうした反論に対して「民斡旋や官斡旋も実質的な連行だった」と主張します。


    そこで「民斡旋の目的」について当時の陸軍省の資料があるので見てみると、実は「朝鮮ニ於ケル技術水準ノ向上ニ資スルコトヲ以テ目的トス」と書かれており、また仕事もいわゆる技術習得を目的とした業種に限定されており、更に契約期間は2~5年、期間が終わればその後の再雇用は自由意志であり、帰郷したい場合には雇用主と国がその費用を負担するとも書かれています。


    朝鮮工場労務者内地移住幹施に関する件
    (大日記甲輯昭和15年)
    国立公文書館 アジア歴史資料センター蔵
    https://www.jacar.go.jp/
    レファレンスコード
    C01001832500




    ※民斡旋と官斡旋と徴用の朝鮮における開始時期
    民斡旋
    1939年~1942年 昭和14年~17年
    官斡旋
    1942年~1944年 昭和17年~19年
    徴用
    1944年9月~1945年3月 昭和19年~20年


    そしてこの当時陸軍省戰備課が作成した民斡旋の目的に関する資料には「極秘」という判が押されており、これが外向けの宣伝ではなく内部文書である事がわかります。
    彼らの主張は当時の「内部記録」と矛盾しているのです。


    つまり韓国側が主張する「軍艦島」や「強制連行」を巡る問題の致命的欠点とは、当時の軍艦島で働いていた日本人炭鉱夫の証言と企業の方針に整合性があり、「特別苛酷な環境で労働に従事させられた」という主張と矛盾する事。


    もう一つは、「当時の日本の陸軍省」が作成した部外秘の内部文書の内容と、韓国側の主張に矛盾があるという事です。


    この2点は非常に重要です。
    韓国側はこの件をはっきりと明言しておりその記録が多数ある事と、そしてその間違いを指摘できる明確な「客観的資料」が存在しているからです。


    3:韓国側は政治的意図でやっている


    今回書いたように、彼らの主張は矛盾だらけであり、根拠を重視しない彼らの価値観内ではそれが問題になりませんが、国際的に広報する場合これが彼らの致命的な欠点となります。
    彼らは「何を問題とされているのか」を把握し難いからです。


    そしてもう一つ重要な事として、韓国は現政権が国策としてこの軍艦島の映画の広報を行っているという事です。


    最近も韓国政府主催により、パリでユネスコの職員やパリ在住の外交官などに対して軍艦島の放映イベントが行われています。


    韓国映画「軍艦島」 パリで外交官向け試写会=国際的関心訴え 聨合ニュース 2017/07/31


    この映画が「単なる民間の映画」ではない事がこのことからもわかります。
    また、韓国の現政権の支持母体である民主労総と韓国労総などが、韓国内でこの映画の動員支援を行っていた事も判明しています。


    「慰安婦問題」に代わる「強制連行」という新たなカード WEDGE Infinity 2017年8月2日


    しかも、韓国の与党議員を中心に映画の宣伝活動なども行っているようなのです。


    映画『軍艦島』を団体観賞、政治利用に懸念の声も 朝鮮日報 2017/07/28


    そして更に、映画の内容に韓国の親北左派系の意向が非常に強く、そのため韓国内で政治対立が発生しているようなのです。


    映画『軍艦島』、歴代最高の滑り出しも厳しい道のり 朝鮮日報 2017/07/28 (1/2ページ) (2/2ぺージ


    「高が知れた反日映画」「強制徴用問題への関心を呼んだ」 映画「軍艦島」を解剖する 東亜日報 July. 31, 2017


    つまり、この映画は極めて政治的な意図で作られた映画であり、だからこそ韓国内でも「対立するイデオロギーの側」の反発が発生し、賛否が分かれているという傾向にあるわけです。
    韓国三大紙のうち、朝鮮日報と東亜日報がこの映画に比較的否定的なのはそのためです。


    この映画の監督は「民族主義の感情に頼るより普遍的人類愛に基づいて企画された映画」とか「この映画は極端な民族主義に依存したり、“クッポン”(盲目的な愛国主義者)に依存した映画ではない」と主張しており、それを対外的な広報の根拠としていますが、背景を見る限り実際には政治的意図と民族主義に根ざしたプロパガンダ映画なのです。


    映画「軍艦島」リュ・スンワン監督、日本記者による日韓関係の質問に忠告 「映画は本質的な人間の物語」 WoWKorea 2017年6月15日


    そして現在日本では、当時の端島(軍艦島)住人が中心となり、韓国側への反論動画を作成しているようですが、それに限らず軍艦島の件で今回ここで書いたようなことをポイントにすると効果的です。


    なぜかといえば、まず韓国側は「根拠や整合性を重視しない」ため、今回書いたようなことを重要とは考えません、また先ほども書いたように「(根拠を重視する価値観の社会では)誰でも客観的に確認可能」な証拠が多数あります。


    そして何より、実は韓国人は一般的に「打たれ弱い」傾向にあり、味方がいて「他者を攻めているとき」はかなりの強気になりますが、防戦になると激しく動揺し自ら墓穴を掘る場合が多く、はっきりと根拠を提示して公的に第三者の前で強く反論した場合、意外とあっさりと「ぽっきり」行く事があるのです。


    そして今のように、韓国側が政治利用で国際的な宣伝を始めたタイミングというのは、まさにこの状況を作り出すベストのタイミングなのです。
    徐敬徳教授や韓国メディアが産経の反論に即反応したのも、日本側が公的な反論(韓国人から見た場合の劣等性の指摘)の準備に入ったため動揺したからです。


    彼らは自らの正しさを信じて疑わないため、元々反論が来る事そのものを想定していない場合が多く、更に今回のように「味方になってくれる相手」がまだ少ない状態だと、自身が矢面に立たないといけないためどうしていいかわからずうろたえるわけです。


    韓国的価値観では、相手の劣等性を指摘することでしか自己の優越性や正当性を確認できないため、裏を返すと自身の劣等性が指摘され、それに対して「劣等性の再指摘」ができないと対処法が無いのです。


    このように、実は韓国関連は彼らの特徴と傾向をしっかりと把握していれば、「正攻法で充分対応可能」なのです。



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    (※1)
    [SCフォーカス]「軍艦島」牽制する日、これがまさに韓映画の力
    スポーツ朝鮮(韓国語) 2017-02-09
    http://sports.chosun.com/news/utype.htm?id=201702100100086180005908&ServiceDate=20170209

    2017年最高の期待作「軍艦島」(リュ・スンワン監督、外柔内剛制作)が製作段階から話題を集めたところで、最終的にアジアを通してブームになった。尋常でない「軍艦島」の雰囲気を事前に察知したのだろうか?まだ封切りもしいていない作品につべこべと牽制を始めた日本だ。

    産経新聞は、先月25日、韓国メディアに初公開された「軍艦島」のローンチトレーラーと子供用絵本「軍艦島 - 恥ずかしい世界文化遺産」を紹介し、「韓国が端島(軍艦島)のユネスコ世界文化遺産登録を控えて官民を動員し端島のユネスコ世界文化遺産登録に反対している。リュ・スンワン監督の新作「軍艦島」は、端島のユネスコ世界文化遺産登録に反対する運動の一環である」と主張した。

    「軍艦島」は、リュ・スンワン監督の次期作で製作段階からお墨付きをもらっており、それにファン・ジョンミンが日本に送ってくれるという言葉にだまされて軍艦島に来た京城ホテル、アクダンジャンイガンオク役を、ソ・ジソプが鍾路一帯を平定した京城最高の拳チェチルソン役を引き受け、ソン・ジュンギは、独立運動の主要人物を救出するために軍艦島に潜入する独立軍パク・ムヨン役に扮する。そして、イ・ジョンヒョンが軍艦島に強制的に連行されてきた朝鮮人の晩年役で合流してしっかりとしたキャスティングラインを構築した。国内4大投資・配給会社のCJエンターテイメントが「軍艦島」の心強いサポートを引き受けて順風満帆に航海を開始した。早くからリュ・スンワン監督は「民族主義の感情に頼るより普遍的人類愛に基づいて企画された映画」という制作意図を伝えた。

    このように盛んに「軍艦島」の熱気が熱くなった状況だ。ところが、とんでもない日本の極右性向の報道でトラブルが起きた。リュ・スンワン監督をはじめとする「軍艦島」の関係者は怒り、大衆も荒唐無稽な主張を行った産経新聞に叱責を浴びせた。

    リュ・スンワン監督は「多くの証言を通して事実だと言わざるを得ない資料があり、私たちの映画は、歴史的事実に基づいていている。軍艦島内部を描写するセットも徹底的に考証に基づいた。明るいことと暗いこと全てを堂々と明らかにしたとき文化遺産としての価値がある。産経新聞の報道は、そのような点で残念だ。過去の歴史が明らかになれば文化遺産に不利になるため、今、このような主張を続けているようだ」と複雑な心境を表わした。

    韓国広報専門家として活躍中のソ・ギョンドク誠信女子大教授も、本紙とのインタビューで、「極右新聞である産経新聞は、常にそのように世論を糊塗する役割をする。誤った歴史を自ら恐れているので、このような浅知恵を働かせているようだ。軍艦島は歴史的に明らかな事実だが、自分たちに不利な部分を誤った内容だと主張している。ユネスコが世界文化遺産に端島を登録する際に説明文の注釈に強制徴用の事実を含めたほか、日本は今年末までにユネスコに付随する経過報告書を提出しなければならない。日本政府が登録当時、日本植民地時代の歴史を除いて申請してユネスコ諮問機関で「歴史の全ぼうを知ることができるような解釈を加える準備をするように」と勧告した。もちろん、当時の日本政府は、案内板などを通して徴用の歴史を共に伝えると約束したが、これまでいかなる措置も行われていない」と鬱憤を吐いた。

    各種海外映画祭マーケットを通じて口コミを得て、国内で早くも1000万映画に挙げられている「軍艦島」。全アジア的に関心を受けて先行販売の問い合わせが増えている「軍艦島」の動きを恐れたのだろうか。映画をまともに見ずに根拠のない主張で「軍艦島」を傷つけることに汲々とした産経新聞の行動はどう考えても納得できない。

    娯楽的楽しみだけでなく、強烈な社会的メッセージを同時に込めて、大きな共感を与える韓国映画だけの魅力。全世界に共感を届けて愛されることができる韓国映画の力である。今回の「軍艦島」も全世界に韓国映画の強みを誇ることができる絶好の機会。産経新聞の誤った牽制のおかげで「軍艦島」の神髄がさらに光を放つことができるようになり、盛んに編集に没頭していたリュ・スンワン監督はさらに強固な「軍艦島」を作るために切歯腐心するきっかけを抱くた。

    (※2)
    軍艦島も「韓日葛藤」の兆し...リュ・スンワン「捏造ではない」
    デイリーの(韓国語) 2017-02-09
    http://dailian.co.kr/news/view/611529

    日本極右性向のメディア「産経新聞」が映画「軍艦島」の内容について、「捏造」と反発し、リュ・スンワン監督が直接反論に乗り出した。

    「産経新聞」は8日、「映画「軍艦島」と子供の絵本が歴史を捏造している」と主張した。特に韓国系日本人鄭大均首都大学東京名誉教授の言葉を引用して、「日本の炭鉱に朝鮮人少年坑夫など存在しなかった」と報道した。

    また、軍艦道路の知られた端島がユネスコの世界文化遺産に登録されることを韓国が反対し、映画「軍艦島」が、その運動の一環と解釈した。端島住民は「産経新聞」を通じて、「欺瞞と虚偽と誇張」と怒りを爆発させた。

    これに対してリュ・スンワン監督は8日、MBC「イブニングニュース」で「「少年坑夫を徴用したことがない」、このような内容があるようだが私達が取材した人々がいる」とし「多くの証言集を通じて、本当に事実と言わざるを得ない資料がある」と主張した。

    続いてリュ・スンワン監督は「映画は、歴史的事実に基づいており、軍艦島内部を描写する美術セットも徹底的に考証に基づいている」と付け加えた。

    日本のマスコミの態度も強く批判した。リュ・スンワン監督は「明るいことと暗いこと、すべてを堂々と明らかに出した時に文化遺産として本当に価値があるではないか」と反問した後、「「産経新聞」の報道もその点で、残念だ」と話した。

    一方、「軍艦島」は、日本植民地時代、日本の軍艦島に強制徴用された後、命をかけて脱出しようとする朝鮮人たちを描いた作品である。ファン・ジョンミン、ソ・ジソプ、ソン・チュンギ、イ・ジョンヒョンなどが出演して、7月封切り予定だ。