【艦これ】戦艦主砲の装備補正検証 その3  -16inch三連装砲Mk.7の1本積み命中率分析、大和改における試製51cmと試製46cmの命中率分析-
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【艦これ】戦艦主砲の装備補正検証 その3  -16inch三連装砲Mk.7の1本積み命中率分析、大和改における試製51cmと試製46cmの命中率分析-

2016-01-30 16:40
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結論


LV99赤疲労の実測データから以下の命中率分析を行った。
・16inch三連装砲Mk.7の1本積み命中率を比較した結果、381mm/50三連装砲改と同等もしくは381mm/50三連装砲改と41cm連装砲の中間に位置する命中装備補正であることが示唆された。1本積みでは顕著な差が認められず、比較対象が少ない艦もあるため2本以上で追試が必要である。
・大和改における試製51cmおよび試製46cmの命中率は、素手と差がないことからフィット補正および過積載補正はない。





要約

1. 16inch三連装砲Mk.7(以下16inchMk.7)1本積みの命中率を、LV99赤疲労にて前回の分析と同条件で比較した。
・霧島改二とBismark dreiで、16inchMk.7の命中率は、381mm改と差がないことが認められた。また16inchMk.7と41cmの命中率の差は、霧島改二において認められなかったが、Bismark dreiにおいて16inchMk.7の命中率が41cmと比較して上昇した。
・扶桑改二および長門改で、16inchMk.7の命中率は、素手および35.6cm、381mm改、41cmの条件間と差が認められなかった。
・これらのことから16inchMk.7の装備補正は381mm改と同等もしくは381mm改と41cmの中間に位置することが示唆された。1本積みの測定しかできなかったため明確な差が出ていない可能性があり、2~4本積み条件での追検証が必要であると推測される。

2.大和改の試製51cm2本積みと試製46cm3本積みの追検証データ(LV99赤疲労)を加えた再分析を行った。
・素手および35.6cm、38cm改、381mm改、41cm、46cm、試製51cmの2本積みの7条件間で、命中率の差は認められらなかった。
・素手、試製46cm3本積み、13号対空電探3つ積みの3条件間で、命中率の差は認められなかった。
・試製51cmと試製46cmの命中率は素手と同等であり、大和改には他の主砲を含め装備補正がないことが示唆された。

※データの分析は、投稿日時点までに確認された実測データを元に統計的検定を実施し、検定結果に基づいたデータ解釈をしております。今後、さらなる実測データを加えた再分析によって、データの解釈が変わる可能性がありますので御留意下さい。

※ 追記
2016/02/02 01:00ごろ 残差分析とBH法による調整されたp値による多重比較の違いの説明を追加しました。
2016/02/02 20:00ごろ 図1の記載に誤りがあったため差し替えました。この差し替えによる論旨の変更はありません。結論に16inchMk.7の分析の概要表を追加しました。
2016/02/09 23:00ごろ 表1に使用した命中率の基礎統計量のスプレッドシートを公開しました。伊勢改についてはデータを一部削除しました( 詳細はこちら)



 皆様、新年あけましておめでとうございます。今回は、昨年十二月作戦の褒章として1/22に先行配布された16inchMk.7の検証結果から、装備補正の分析を試みます。また前回までの分析に引き続き、大和改における試製51cmと試製46cmの検証結果を加えて再分析を行います。
 前回までの記事を読まれた複数の方から「全体的に長く、結論が分かりにくい」との御指摘を頂きました。今回の記事より、分かりやすさと記事分量の削減のため、試験的に結論→要約→本文の順に書式を変更します。



方法
 LV99赤疲労における命中率測定を、以下の点を除き前回までと同様の方法で実施した(詳細は前回の分析の方法を参照)。


・測定場所が従来の1-1-1に加え、1-2-1においても実施した。
※1-2の1マス目は2つに分岐するが、両方のマスで出現する敵艦が1-1-1の敵艦と同じ回避値である。また複数の敵が出現するので、1回の出撃で複数の艦による同時測定が可能となり測定効率化が図れる。


※残差分析とBH法を用いた調整されたp値による多重比較の違いについて



統計初心者にもわかる繰り返した検定結果が使えない解説ページ(ハンバーガー統計学にようこそ 6.1なぜt検定が使えないか)
BH法に関するより詳しい解説ページ(大阪大学大学院医学系研究科 老年・腎臓内科学 腎臓内科HP)



結果と考察

 前回までの測定データに今回の検証データを加え、各条件別の命中率と標準誤差、試行数を表1に示した。


表1 艦別、装備別、本数別の命中率と標準誤差





※最大サイズで投稿しました。読みにくい方は御手数ですが、画像をクリックして拡大して下さい。表1の基礎統計量を記載したスプレッドシートを公開しました。

1. 16inchMk.7、1本積み命中率検証データの分析
1-1.霧島改二とBismark drei
 霧島改二における素手および35.6cm、381mm改、16inchMk.7、41cm、46cmの1本積み6条件における命中率を図1に示した。 カイ二乗検定を行ったところχ2(5)=36.79(p=0)の有意差が認められたため、下位検定を含めたカイ二乗検定の分析結果を表2に示した。






図1 霧島改二における各装備(1本積み)の命中率

表2 霧島改二における各装備(1本積み)の検定結果












 残差分析より霧島改二の1本積み装備による命中率は、35.6cm(p<0.05)で上昇し、46cm(p<0.01)で低下することが認められた。BH法を用いた調整されたp値による多重比較の結果、16inchMk.7の命中率は、35.6cmより低い傾向(p<0.10)、46cmより高いこと(p<0.01)、素手・381mm改・41cmの3条件と差がないこと(p>0.10)、がそれぞれ認められた。


 Bismark dreiにおける素手および35.6cm、381mm改、16inchMk.7、41cm、46cmの1本積み6条件における命中率を図2に示した。 カイ二乗検定を行ったところχ2(5)=39.7(p=0)の有意差が認められたため、下位検定を含めたカイ二乗検定の分析結果を表3に示した。






図2 Bismark dreiにおける各装備(1本積み)の命中率


表3 Bismark dreiにおける各装備(1本積み)の検定結果














 残差分析よりBismark dreiの1本積み装備による命中率は、35.6cm(p<0.01)で上昇し、41cmおよび46cm(p<0.01)で低下することが認められた。またBH法を用いた調整されたp値による多重比較の結果、16inchMk.7の命中率は、35.6cmより低い傾向(p<0.10)、41cmより高い傾向(p<0.10)、46cmより高いこと(p<0.01)、素手と381mm改の2条件とは差がないこと(p>0.10)、がそれぞれ認められた。

 これらのことから、霧島改二に16inchMk.7を1本積みした場合、381mm改および41cmとほぼ同等の命中率であることが示唆された。またBismark dreiに16inchMk.7を1本積みした場合、381mm改とほぼ同等の命中率であることが示唆された。



1-2.扶桑改二と長門改
 扶桑改二における素手および35.6cm、381mm改、16inchMk.7、41cm、46cmの1本積み6条件における命中率を図3に示した。 カイ二乗検定を行ったところχ2(5)=19.9(p=0.0013)の有意差が認められたため、下位検定を含めたカイ二乗検定の分析結果を表4に示した。






図3 扶桑改二における各装備(1本積み)の命中率


表4 扶桑改二における各装備(1本積み)の検定結果












 残差分析より扶桑改二の1本積み装備による命中率は、46cm(p<0.01)で低下することが認められた。BH法を用いた調整されたp値による多重比較の結果、16inchMk.7の命中率は、46cmより高く(p<0.01)、それ以外の4条件との差は認められなかった(p>0.10)。


 長門改における素手および35.6cm、381mm改、16inchMk.7、41cm、46cm、試製51cmの1本積み7条件における命中率を図4に示した。 カイ二乗検定を行ったところχ2(6)=5.58(p=0.471)となり有意差が認められなかった。






図4 長門改における各装備(1本積み)の命中率





1-3.16inchMk.7に関する総合考察

 霧島改二とBismark dreiの検定結果より、16inchMk.7の命中率は381mm改と差がないことが認められた。16inchMk.7と41cmの命中率の差は、霧島改二において認められなかったが、Bismark dreiにおいて16inchMk.7の命中率が41cmと比較して上昇する傾向にあった。これらのことから16inchMk.7の装備補正は381mm改と同等もしくは381mm改と41cmの中間に位置することが示唆された。これは、扶桑改二および長門改の検定結果から比較して明確な矛盾は認められなかった。

 今回の検証で顕著な命中率の差が見られなかった要因は、1本積みの測定しかできなかったため装備補正の効果が2本積み以上の効果より小さく、500試行では検出できなかったことが推測される。解決策としては、1本積みで試行数を増やす、もしくは2本積み以上で再測定を行うことが挙げられる。ただし前者は標準誤差を1/2に抑えるために必要な試行数は理論上4倍となり、1500試行の追検証が必要となるため現実的ではない。また公式運営より16inchMk.7装備艦が今春以降実装予定であることから、2~4本積み条件での追検証の実施によって、更なる知見を得られると期待される。
 
 

※参考資料.Italiaと伊勢改の16inchMk.7分析結果
 Italiaおよび伊勢改においても16inchMk.7の1本積み命中率の分析を行ったところ、素手と差が認められないことが確認された。この2艦は、これまでの2本積みと4本積みの分析から命中率の差が出やすく、1本積み条件では比較対象が少ないため結論を先送りにした。

 Italiaにおける素手および16inchMk.7の1本積み2条件における命中率を図5に示した。 カイ二乗検定を行ったところχ2(1)=1.19(p=0.27)となり、有意差が認められなかった。




図5 Italiaにおける各装備(1本積み)の命中率




 伊勢改における素手および35.6cm、16inchMk.7の1本積み3条件における命中率を図6に示した。 カイ二乗検定を行ったところχ2(2)=2.81(p=0.24)となり、有意差が認められなかった。





図6 伊勢改における各装備(1本積み)の命中率




2.大和改における試製51cm、試製46cmの命中率検証分析

 大和改における素手および35.6cm、38cm改、381mm改、41cm、46cm、試製51cmの2本積みの7条件における命中率を図7-1に示した。 カイ二乗検定を行ったところχ2(6)=5.58(p=0.471)となり、有意差は認められなかった。





図7-1 大和改における各装備(2本積み)の命中率





 続いて大和改における素手および試製46cm3本積み、13号対空電探3つ積み(試製46cm3本積みと同じ命中補正の素手条件、43.61±2.00%試行数587)の3条件における命中率を図7-2に示した。 カイ二乗検定を行ったところχ2(2)=1.39(p=0.497)となり、有意差は認められなかった。





図7-2 大和改における各装備(3本積み)の命中率



 以上のことから、大和改における試製51cmと試製46cmの命中率は素手と同等であり、他の装備と含めても装備補正がないことが示唆された。


謝辞

 試行錯誤した末に「1-1-1赤疲労データ取得法」を確立し、今回の検証の礎を築かれた「したらば検証スレ」にて検証報告をしてくださった全ての提督の皆様、「艦これ検証共同」コミュにて貴重な時間と労力と資源を提供し、データ測定に協力してくださった提督の皆様に、前回に引き続き、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
 また統計処理で使用したjs-STAR 2012の開発者である田中敏先生、中野博幸先生に厚く御礼申し上げます。










ローデータリンク

16inchMk.7検証(順不同)








大和改検証
試製51cm 試製46cm のらたこ氏


今回の統計的検定で用いたRソース

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