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拉麺人インタビュー 千葉憲二
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拉麺人インタビュー 千葉憲二

2014-01-24 20:00
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     一杯のラーメンに込められた熱い想い。三人が今会いたいラーメン店主さんに会いに行き、お話を伺う企画「拉麺人インタビュー」。「ラーマガ」本誌では、毎月一人の「拉麺人」へのインタビューを3回に分けてお届けしていますが、ニコニコチャンネルでは中途入会の方は過去の発行分を無料で読むことが出来ませんので、インタビュー部分を再録して発行して参ります。

     記念すべき第1回目は「支那そば ちばき屋」店主、千葉憲二さん。和食の世界からラーメン界へ転身し21年。千葉さんのラーメンの原点とは何か、そしてラーメンへの熱い想いを伺いました。


    初掲載:「ラーマガ」#001〜#003(2013年10月発行)
    取材日:2013年8月24日
    インタビュー・文責:山本剛志

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    千葉憲二:「支那そば ちばき屋」店主。1951年、宮城県生まれ。「ざくろ」「江島」などの料理長を経てラーメンの世界へ。1992年、葛西に「支那そば ちばき屋」創業。2010年、銀座に割烹料理店「まかない㐂いち」を開業。2012年には新横浜ラーメン博物館に「かもめ食堂」を復活させた。2013年9月、東京ラーメンストリートに「牛タンねぎ塩ラーメン 㐂蔵」をオープンさせた。


    「忘れられない故郷の味、かもめ食堂」

    -千葉さんにとってのラーメンの原点を教えてください

    『俺が生まれたのは宮城県気仙沼市で、漁港の近くには夜になると支那そばを食べさせる屋台が立ち並んでいて、魚市場の周辺には食堂が立ち並んでいたんだよ。遠くからカゴをしょった人たちが朝から来て賑わってた。4歳の時に父に連れられ、初めて外食したのが、その魚市場にあった「かもめ食堂」だったんだよ』

    -千葉さんがラー博で復活させた、あの『かもめ食堂』ですね。当時はどのような雰囲気のお店だったのでしょうか?

    『おばあちゃん二人でやってる普通の食堂さぁ。ラーメン専門店じゃなくて、親子丼とかチャーハンとか、色々なものを出しているどこにでもある食堂。そこで食べた細縮れ麺の「支那そば」が印象に残ってたんだよねぇ。だから、俺にとってのラーメンの原点は『かもめ食堂』なんですよ』 

    -そんな千葉さんが料理の道を志したきっかけを教えて下さい。元々料理は得意だったのですか?

    『うちの実家は「千葉喜(ちばき)商店」といって、小売・卸・仲買といった水産業のいろいろをやっていたんだよね。家と仕事場が離れていたので、部活帰りには友達がうちに寄っていくことが多かった。冷蔵庫のご飯で、見よう見まねで炒飯とか作ったら友人に「お前うまいよ」とかおだれられたんだよな。もちろんタダで食べられるから言ってくれたと思うんだけど(笑)。料理を誰かの為に作る事の楽しさはそんなことで覚えたから、原体験だよね』

    -そして和食の修業のために気仙沼から上京されるわけですね。東京では和食の名店で修業を重ねられ、和食の料理人として大成功されましたが、なぜラーメンの世界へ転身を考えられたのでしょうか?

    『銀座の「ざくろ」で料理長になったんだけど、自分が考えた味じゃないし、名前を借りている感じがしたんだよね。他に支店を作る話が出てきて、そうすると他の支店と同じ味にしなくちゃいけない。本意でない料理を出す事もあったしね。自分の価値観でどこまでいけるかを考えていた時に「江島」の料理長にならないかという誘いが来たんだ』

    -いわゆる「引き抜き」ですね

    『「ざくろ」時代より高い給料を提示されたんだけど、金で動いたと思われるのもイヤだからさ、敢えて月給を下げてもらって「結果を出したら給料を上げてください」という条件を出して「江島」に行ったんだ。2年間必死に働いて繁盛させ、給料も上げて支店も出して、取締役総料理長になった。でも、目標が叶えられると次の事をしたくなる性格なんだよね。そんな時なんだよ、ラーメン店をやろうと思ったのは』

    「大勝軒の行列に刺激を受けた」

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    -そこでなぜ「和食店」ではなく「ラーメン店」だったのでしょうか?

     
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