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「死後離婚」が10年で5割も増えた裏の理由
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「死後離婚」が10年で5割も増えた裏の理由

2017-08-21 14:00
    先日、ピクルスを作ったので、無理やりPPAPに当てはめてみました。
    行政書士の露木幸彦と申します。

    (P)パパッと(P)ピクルス(A)あっという間に(P)パーフェクト♪
    腕に自信がないので専用のビネガーをゲット。柚入りの一工夫で
    1日目は和風あっさり目、2日目はハンバーガー用、
    3日目はイタリアン店っぽい酸っぱさ。そんな感じで漬け具合の変化を楽しめました。

    さて、ここからが本題です。

    昨年から「死後離婚」という聞き慣れない言葉を耳にする機会が増えましたね。
    これは夫に先立たれた未亡人の妻が「夫の実家と縁を切る」ことで
    具体的には役所へ「姻族関係終了届」を提出するのですが、
    届出件数は10年前と比べ1.5倍に増えています。
    親戚付き合いをやめたい、一緒に暮らしたくない、
    そして何より「夫の両親を介護したくない」というのが主な理由ですが、


    妻が義両親の介護を続けるか否かの選択を
    迫られたとき、チェックリスト(5項目)のうち、
    前回は2つ目までを紹介しました。今回は3つ目からです。


    このメールのバックナンバーは「ブログ」で読むことができます。
    http://ameblo.jp/yukihiko55/



    3.離婚検討中もしくは協議中かどうか。

    ⇒離婚と死別の違いは前述の通りですが、
    離婚検討中や協議中の「死別」はどちらに
    当てはまるのでしょうか?


    ところで離婚したのに元妻が元夫の両親の世話を
    しているケースを私は聞いたことがないので、
    「夫との離婚」が頭をよぎった時点で、
    妻のなかでは「夫の両親に尽くす」という気持ちは
    消え失せているのでしょう。


    これは離婚の理由が「夫の両親の介護拒否」でも、
    そうでなくても結果的には同じことです。


    このように考えると離婚検討中や協議中に
    夫が亡くなった場合も、やはり妻は義両親の面倒を
    見るつもりはないでしょう。


    なぜなら、生前に夫と離婚が成立せず、
    検討中や協議中の段階にとどまっていたとしても、
    妻の心のなかでは「離婚したも同然」だからです。


    そして離婚ではなく死別で夫を失ったとしても
    姻族関係終了届を提出し、義両親との関係を
    絶ち切ることも視野に入ってきます。


    つまり、離婚検討中もしくは協議中の「死別」は、
    義両親の介護という点では離婚(=死後離婚のようなもの)と
    同じなのです。


    セミナーDVD
    『モンスターを退治して、一刻も早く「自由」と「お金」をゲットする6つの方法』
    http://www.tuyuki-office.jp/seminar0212-dvd.html


    4.過去に「もし夫が亡くなったら、
    (義両親のことを含め)どのように暮らしていくか」を
    個別具体的に検討したことがあるかどうか。

    ⇒妻が前もって用意周到な準備…
    例えば、法律等を調べたり、他の親戚に相談したり、
    自分の心を整理したりした結果、

    「夫が亡くなっても家に残る」
    「亡くなったら家を出る」の二択にうち、
    後者を選んだのなら、いざ夫が亡くなったとき、
    姻族関係終了届を躊躇せず提出することができるでしょう。

    逆に何の準備もせず、その日をむかえた場合、
    夫亡き後の生活について考えたこともなく、
    他の親戚への根回しもせず、そもそも姻族関係終了届の存在すら
    知らなければ、すでに手遅れです。


    なぜなら、夫の逝去後、妻が何も言わずに
    義両親の世話を続け、時間が流れていくと、
    親戚一同のなかで「今のままで」という
    暗黙の了解が出来上がってしまい、今さら
    「義父(母)さんのことなんですけど」と
    お伺いを立てるのは雰囲気的に難しいからです。




    5.義両親を任せられる兄弟姉妹等が他にいるかどうか。

    ⇒今現在、夫の両親と衣食住を共にし、
    身の回りの世話や介護を妻が行っている状態で
    夫が亡くなった場合、義両親を引き取ってくれる
    夫の兄弟姉妹等が他にいるかどうかです。


    引き取り手がいないのに、実家に要介護の義両親を
    残して出ていくのは現実的に難しいです。


    もともと妻1人で義両親の世話をしていたのだから、
    「(夫が亡くなったので)1人で面倒をみるのは無理」と
    頼み込んだところで、他の親戚は「最後まで看取りなさいよ!」と
    門前払いが関の山ですが、

    一部には遺産目当てで妻を厄介払いすべく
    「あなた(妻)に任せられない!」と猫をかぶるケースも。

    冒頭で述べた通り、「姻族関係終了届」の届出件数は
    10年前と比べ1.5倍も増えているのですが、
    「どうせ高齢化しているからでしょ!」と簡単に
    済ませるのは危険です。

    なぜなら、姻族関係終了届の増加は「離婚件数の減少」と
    紐付いているからです。これはどういうことでしょうか?


    世間の風潮では「離婚は増えている」と思われがちですが、
    実際のところ、10年前に比べ、年間の離婚件数は
    減っているのです。

    (2006年度は約25万件。2015年度は約22万件)



    『ゲリラ離婚』回避マニュアル
    ~周りの人間を心理誘導し、「昨日の敵は今日の味方」を実現する3つの方法~
    http://www.tuyuki-office.jp/gerira.html 


    ところで夫と妻が離婚する場合、妻は「姻族関係終了届」を
    提出しなくても夫の両親と縁を切ることができるので、
    同届出件数には含まれていません。


    問題は妻が夫と離婚せずに夫に先立たれた場合です。


    高齢化しているのに離婚件数が増えていないのだから、
    熟年離婚が減っているだろうと推測できますが、
    だからといって50代以上の夫婦の多くが仲直りし、
    関係を修復し、離婚の危機を乗り越えたとも考えにくい。



    現実的には離婚したくても離婚できない予備軍が
    増えていると考えるのが自然でしょう。

    例えば、経済的な理由(離婚したら生活できない)、
    体裁的な理由(親戚が反対している)時間的な理由
    (老い先が短いから)、心理的な理由(離婚の話で揉めたくない)
    などが考えられますが、


    これらの理由で離婚届を提出せず、戸籍上は「夫婦」だけれど、
    夫婦の間に信頼関係は存在せず、会話も成り立たず、
    喧嘩を繰り返し、すでに「夫婦」の形を成していないとしたら…


    夫婦の仲が悪ければ悪いほど
    夫が先立ったときに妻がすべて(義両親を含め)を
    捨てて逃げていく(姻族関係終了届を提出する)
    確率は高まるでしょう。

    つまり、「離婚予備軍の増加=姻族関係終了届の増加」だと言えるのです。



    (次回に続く)



    現在私が執筆しているダイヤモンドオンラインの連載
    『実例で知る! 他人事ではない「男の離婚」』ですが
    おかげ様で50回目が公開されました。

    今回は『医者同士の不倫でポイ捨てされた献身妻 
    娘の学費ピンチで狡猾ドケチ夫も完敗の一手』です。

    男性はもちろん、夫の作戦を守って知りたいという女性にも
    役立つ内容です。立場を逆にすれば、きっと応用できるはず?!

    ぜひぜひご覧いただければ嬉しいです。

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