• 【雑記】古参ボカロリスナー:コバチカ氏の主張について

    2017-08-17 01:3315時間前1



     つい先日、ハチとsupercell・ryoが対談した記事が出た。

     この記事は、ボカロシーンで大変な話題を呼んだ。なぜか。大ブレイクを飛ばしている話題の楽曲『砂の惑星』の、普通では語られないような製作についての部分や、二人のボカロシーンに対する考えがつまびらかに書かれていたためだ。
    初音ミクの10年~彼女が見せた新しい景色~|第1回:ハチ(米津玄師)×ryo(supercell)
     ある者は、「老人達から見れば、どうやら僕たちは草でも木でもなかったらしい」と明確に反発し、ある者は対談の文章を細部にわたって読解しポジティブな結論を導き出していた。

     私自身は、この反発した人の気持もとても分かるし、また文章からポジティブな部分をすくいあげた人のそれは、とても好ましい反応であり文章も強く共感するところがあった。

     ただ、こうした反応のなかに看過できない1つの記事があった。

     それが古参ボカロリスナーで有名なコバチカ氏の記事だ。一部文章を引用させていただく。

     一読して二人とも正直だなと思った。特に3ページ目はもう「あけすけに」と言ってもいいくらい。二人ともエンタメ業界で食いぶちを稼ぐアーティストであるわけだけど、(中略)後進にエールを送るほどの余裕がある。つまり、二人にとってここ数年のボカロシーンのヒット曲はなんの驚異にもなっていないということだろう。(中略)ニコ動やボカロシーンが現状のままである限り自分たちは安泰だと。当分の間は第一線だと。僕は行間含め以上のように読んだけど、ネガティブすぎだろうか。でも当たらずも遠からずだと思うよ。彼らを「時代遅れ」にすることができず、(中略)現在のボカロシーンって本当に優しすぎ=ぬるすぎ。投げ掛ける言葉は「おかえりなさい」ではなく「おめーの席はもうねえから!」であったはず。作り手も受け手もナメられ放題、言われ放題のインタビュー記事でした。

    http://cobachican.hatenadiary.jp/entry/2017/08/12/233000 より

     私はこの文章を読んだときに、言いようのないモヤモヤ感を覚えた。

     そのモヤモヤを言葉にするべく、以下の三点に原因があると纏めてみた。
    ① 無責任な「上からの受け手目線」であること
    ② ボカロシーンへの考え方が独善的であること
    ③ ネガティブな印象を受けること
     仔細な内容になるが、以降各内容について書いていこうと思う。
     

     ① 無責任な「上からの受け手目線」

     これは『彼らを「時代遅れ」にすることができず』や『現在のボカロシーンって本当に優しすぎ=ぬるすぎ』から感じた。

     私はここで「上から目線だ!」とコバチカ氏を糾弾をしたい訳ではない。問題は、本質的に音楽家の創る作品を意識的に「時代遅れ」にさせるべきだった、と言うような口ぶり・考え方や、かつそのキバが「ぬるすぎ」と一般のリスナーにまで及んでいる点である。

     私はこれは傲慢であると思う。

     いわゆる「もっと評価されるべき」や、「なぜ評価されるか分からない」のような問題は、ずっと議論されてきた。しかし、それでも評価される作品というのはどの年、どんなジャンルでもあった訳で、ニコ動の投稿者/視聴者たちはみんな、自分たちの意思で自分の好きなもの、ニコニコできるものを作った/選んでいたはずだ。

     そこに手を突っ込むからには、それ相応の書き方があるのではと思う。コバチカ氏は数多くいるリスナーでも歴戦の猛者だ。それだけにこの文章は、おそらく自分自身でも気付いていると思うのだが、安直で投げやり・無責任すぎる。

     自分自身、こういう音楽が良いのではと紹介したり、ボカロの記事を書いたりした身、昔に書いた文章を「もっとこうすれば伝えられたのに」と悔やむこともある。もしコバチカ氏が、ボカロを、ひいては音楽を愛するのならば、この書き方は撤回してほしいと願う。


     ② ボカロシーンへの考え方が独善的

     これは『投げ掛ける言葉は「おかえりなさい」ではなく「おめーの席はもうねえから!」であったはず』から感じた。

     ここは考えを整理しておきたいと感じる。

     まず、元となった対談はryoと米津玄師の二人だ。しかし、実際に焦点が当たっているのは誰だろうか。私は米津玄師、ハチ『砂の惑星』だと考える。ここでは時期の観点から、楽曲の最新の話題性の観点からも、ryo『罪の名前』はあまり関係していないだろう。

     コバチカ氏は恐らく、『砂の惑星』のブレイクヒットを受けてこう書いていると思われる。しかし、そもそも米津玄師とは何者であろうか。Youtubeでは『アイネクライネ』が、2017年8月17日時点で、5,700万再生という脅威の数値を叩き出している。名実ともに、今の日本の音楽シーンの頂点に立っている音楽家だ。

     「おめーの席はもうねえから!」どころか、米津玄師のためだけに席が用意される世界に、もうなっているのだ。そのような日本最高の音楽家の曲が熱烈にヒットすること、私はなにも問題はないと感じるし、むしろ健全だと思う。

     もしかしたら投げ掛ける言葉は、「おかえりなさい」ですらないのかもしれない。その言葉は、それぞれが違ったものを抱えているはずなので割愛させていただく。


     ③ ネガティブな印象を受けること

     最後に、文章全体から感じる印象について。とりわけ、『作り手も受け手もナメられ放題、言われ放題のインタビュー記事でした』から感じるが、この最後の一文は蛇足だろうと思う。

     とかく、このコバチカ氏の文書からは投げやり感、厭世的なネガティブさがただよう。ネガティブにも色々あると思うが、ちょっと気怠さの感じられる文章で、やや斜に構えたような、一体どういう感情から来ているものなのだろうか。私には分からないが、コバチカ氏にとってこのインタビューは気持ちの良いものではなかっただろう。

     しかし、いささか言葉足らずに思える。ネガティブさは伝わるが、その伝え方が言葉遣いも内容もふくめて足りない。私はコバチカ氏の意見を首肯するだけの材料を得られなかった。


      まとめ

     簡単に纏めさせていただくが、こういった様々な反応が得られることじたい、ボカロシーンがまだまだ発展途上なのだなと感じる。誰かの意見が気がついたら先頭にたって、選ばれて、ひとつの大きなうねりになっていく。

     私は私の意見。それは以上でも以下でもないのだろうと思う。

     「ぶっ飛んで行こうぜもっと エイエイオーでよーいどんと」ではないが、どこがスタートになるのか、誰がスタートになるのか、それは一人ひとりの考えのなかから、一番時代に適したものが自然に残っていくのだろうと思う。

     もっと楽しめるかたちで、この世界と向き合っていたいなと感じた。


    (2017/8/17)

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  • EYES [歌詞]

    2017-08-06 00:00

    EYES

    [Sagishi]
    樹氷を重ねる満月の音たち
    ストーブの中で温める顔立ち
    玄人してる気取り
    逃走する空想はパンク寸前のFUNK
    終末への燭台(ランプ)
    位(ランク)を付けてる身勝手な生物
    芸術とか言ってご破産な計画
    惰眠を慾るあらゆる強欲
    結局一人では生きられないホモ・サピエンス

    室(へや)で本を読む時間があった
    下らない談笑をする時間もあった
    けれど変わらない毎日の日常
    どこで失われてたの怪奇詩の城牆
    我意識どうしょうもなくなって浮き世開き
    次のステージまであと半歩後ろは無い
    口を開く間もなく 跡形なく変わる
    年輪を重ねていく不治の病

    [GERESNA01]
    終わり告げる鐘の音 朽ちた屍
    落ちた日差し満月の夜
    怪しく見下ろす残月
    終末の時は誰も知らず近づく
    いらつく 謎のエニグマ
    まるで頭上火だるま
    だから全てを破壊したい
    敗退的な世の中
    何も見えぬ真実
    まるでスモーク
    みちたような視界深い霧の中に
    ハルマゲドンやばすぎる
    最終戦争やばすぎる
    誰も止める事はできずに
    あれもこれもやばすぎる思想
    あれもこれもやばすぎる武装
    この国完全に標的 弱すぎる防壁
    情け容赦ない
    鬼畜やばい所業 慈悲はない

    [HeadNho]
    抄訳された未来 余剰分の死骸
    視界は廃貨の反射光を拒む
    琥珀色の空に嘶く 鳥で満たす聴覚
    東側で産まれる 弛緩的な時間に
    身を任せた郊外 七の音を唱歌し
    戯れてる兄弟 浅く眠る猫の寝言
    絵空事は云わない 形而上のテラトマ体
    探した アカシア 辺りは 花びら ばかりだ
    咲いた後に私達は亡いと朝に撒いた種に語りかけた
    なぜか泣いた土に堕ちた涙風は凪いだ「明日晴れるかな」
    暢気を糧にした寝台列車の声が響いた心ここにあらずを
    絵に描いた様な世界がそこには広がってた
    雨が降り 後に芽吹く命
    荒廃を癒やす緑のひとりになる事を願い
    捧ぐ祈りは 裂けた空への憎悪に似ていて
    安らかさを得た何かでありたい
    敬虔ではない町 それに靠れて海を眺めた
    今際

    [Sagishi, GERESNA01, HeadNho]
    (((EYES))) 夜に光る金字塔
    (((EYES))) まじでくそな世界だから
    (((EYES))) 茹る胞子に響く第九
    (((EYES))) あたらしい 世界を 迎えて…

  • 【音楽紹介】VOCALOIDを愛する"感性の反乱β"好きな若者にオススメの音楽

    2017-07-28 02:20

     はじめましての方ははじめまして。サギシです。

     いつものひとはいつもよろしく。本日は『VOCALOIDを愛する"感性の反乱β"好きな若者にオススメの音楽』ということで、記事を書いてみました。

     10年の歴史をきざみ、さらに前進する広大なVOCALOIDの野。この広い土地の音楽の中でも特に厳しい"感性の反乱β"という、過剰で、奇異で、尖った、非常にパワーのある電子音を愛してしまった人たちに、一緒にこの広い土地にまだまだどんな音楽が眠っているのか共に楽しむべく、オススメの音楽を紹介します。

     どうぞ最後までお付き合いいただけたら最高です。



     01. 南ゆにP『Paradise Song』『SwallowS』
     
     何處でもないここを愛して。南ゆにさん。
     絶叫のような音楽『Paradise Song』、宝石のように美しい『SwallowS』、オススメです。


     02. 宮沢もよよ『植物園』
     
     ハイパーエレクトロニカの完成を夢見て。
     電子の世界の愛をすべて詰め込んだような音の玉手箱を開けてみましょう。


     03. whoo『トラベリングムード』『虹』
     
     s10rwのwhoo。光かがやく音。
     透き通る音でどこまでも行けそう。最高にきれいな音楽がここにあります。


     04. KTKT(ケティケティ)『12月32日β』『あの街は死んだ』
     
     音の引き算の世界。
     片耳にしか聞こえない音が全体を造り上げる不思議。感受性を密かに爆発させて。


     05. sansuiP『ボーカロイド・デーモン』『バラバラポータブル』
     
     ※大音量による視聴注意※
     耳に聴こえる音はすべて"初音ミクの声"。原初のVOCALOID過激派。音の暴力の世界。



     ……いかがでしたでしょうか。あなたの知らない世界が広がってましたでしょうか。

     もしそうでしたら、これからもこの音楽の世界を共に楽しみましょう。

     では、またお会いする機会まで。


    (2017/07/28)