「ONE PIECE」から考えるオカマの在り方について
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

「ONE PIECE」から考えるオカマの在り方について

2015-12-20 01:10
  • 71
  • 10
私は子供のころから、「オカマになりたい」と思っていました。
こうしたことを言うと結構な頻度で「えっ、じゃあ男が好きなの?」みたいなことを言われるのですが、別に私は同性愛者でも両性愛者でもなく、性的な対象になるのは女性だけです。
そのため、厳密に言うと「オカマ」という存在のキャラクター性と、「オネエ系」と呼ばれるようなファッションが好き、と言うのが正確なのだと思います。
昔から「女装男子」なんてジャンルは存在しましたし、最近では「男の娘」というジャンルが流行した(?)ことがありましたが、私はこうしたジャンルはオカマとは違って好きではない、と言うかハッキリ言って嫌っています。

元々、私が「オカマ」という存在に憧れたのは、漫画やゲーム等の作品におけるオカマのキャラクター達が、多くの場合において非常に能力の高い人物として描かれていたためです。
高い身体能力と知性を持ち、裏社会の事情なんかに妙に詳しかったりして、さらには人格者。男性の力強さと女性の淑やかな上品さを併せ持ち、まさに男と女、二人分の人生を生きてきたような、強く美しい人生の熟練者。そんな人物像が、私にとっての「オカマ」なのです。
一方で、「男の娘」と呼ばれるようなキャラクターには、ちっとも力強さを感じません。男としての魅力で戦う事を放棄し、女として男に媚びる存在。けれど、それなら女でいいじゃないか。何のために存在しているんだ、このゴミは。そういう感情しか持てないのです。
そういった意味では、私は本来「オカマが好き」と言うよりは「能力のある人が好き」だったのだと思いますが、そうして「オカマは有能」というイメージを持つにつれて、次第にオカマという存在そのものや、オカマ的なファッションに対しても好感を持つようになったのです。



そんな中で、私が最も理想としているオカマが、「サモンナイト3」というゲームに登場したスカーレルというキャラクターです。
彼は、主人公の仲間となる海賊カイル一家のご意見番、及びムードメーカー的な存在であり、おどけた調子で周囲を盛り上げる事もできれば、シリアスな場面では落ち着いた大人としての意見を述べる事もできる。さらには恋愛小説やスイーツなんかの情報にも詳しい上に戦闘の技術も高いなど、とにかく何でもできて、どこか掴みどころのない人物です。
そんな彼は、過去に「紅き手袋」と呼ばれる暗殺者集団に所属しており、「珊瑚の毒蛇」という異名を持つ凄腕の暗殺者でした。組織を脱走して以降、素性を隠したまま海賊たちの世話になっていたのですが、後には組織の人間と再び相対する機会があり……と、それから色々とシナリオが展開してゆくのですが、とにかく私は、そんな彼がキャラクター性もビジュアルも、最初にこのゲームをプレイしたときからずっと好きで、憧れていました。

また、それ以外で他に思いつく「優秀なオカマ」のキャラとしては「クレヨンしんちゃん」に登場したスーザン小雪などが存在するのですが、おそらく多くの人が「オカマのキャラクター」と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、以下のキャラクターではないかと思います。



漫画「ONE PIECE」に登場するMR.2 ボン・クレーです。
裏組織であるバロックワークスに所属し、多くが男女一組のペアで行動している中、彼だけは「男で女」だからと一人で行動している異色の存在。
一方、その実力は本物であり、名前の通り組織の中ではボスを除くと上から二番目の実力者。それも悪魔の実の能力の強さではなく素の身体能力だけでこの地位を築いている上、「マネマネの実」の能力を活かした変装による撹乱戦術なども得意としています。
作中ではその実力でルフィたちを苦しめますが、後に仲間となって海軍の追っ手からルフィたちを逃がす、死にかけたルフィを必死に元気付ける、大監獄からの脱走を手助けするなど、かなり長期的に活躍をしたキャラクターであり、その外見も相まって強く印象に残っている人も多いと思います。

しかし、自らをオカマと名乗り、「オカマ道」を掲げ、「オカマ拳法」で戦う……と、しつこいくらいにオカマである事が強調されている彼ですが、私は個人的に、このキャラクターを「オカマ」としては見ていません。
と言うのも、私の中における「オカマ像」というのは、前述の通り「男性の力強さと、女性の淑やかな上品さを持った人物」であるためです。
言ってみればこのキャラクターは「ギャグマンガ等における、ブサイクな厚化粧の男」の像であって、私の求めている「強く美しい人生の熟練者」ではないのです。
このボン・クレーというキャラクターが嫌いかと言えばそうではなく、男のキャラクターとして見れば好きな方ではあるんですけど、少なくとも私にとってのオカマとは違うのです。

ここで「ONE PIECE」の話をすると、この漫画、「オカマ」が結構たくさん登場します。
上記のボン・クレーに加え、細かな場面でもチョイ役として何度かオカマが登場し、さらには「オカマばかりの国」として「カマバッカ王国」なんて国まで登場します。
しかしながら、「ONE PIECE」の中で、私の理想に近いオカマは一切登場していません。
作中には、前述の「カマバッカ王国」の女王としてエンポリオ・イワンコフというキャラクターが存在し、最初にその存在が明かされたとき、私はここに来てようやく「美人のオカマ」の登場か?と期待したのですが、その結果はこれでした。



もう男とか女とか言う以前に、お前人間じゃないだろと言いたくなるようなビジュアルです。
まあ、奇抜なビジュアルのキャラクターは「ONE PIECE」において珍しい事ではないんですが、私の抱いていた希望は塵も残らないくらいに消し飛びました。
繰り返しますが私にとって理想のオカマは強く美しい人生の熟練者」であって、ギャグ漫画的なブサイクな厚化粧の男ではないのです。そのため、「オカマの国の女王」という大役のキャラクターが、こうして化け物のようなデザインだったことは少なからずショックでした。

ここで私は「作者はオカマをバカにしてんのか?」と思ったのですが、それは違うようです。
このイワンコフというキャラクター、「いまむらのりお」という役者がモデルらしく、作者の尾田栄一郎氏が「彼こそ本物のオカマだ!」と感銘を受けてデザインしたとのことで、アニメでの声優もいまむらのりお氏が担当していました。(ただ、後に逮捕されて降板されます)
そうしたことを考えると、別に尾田氏がオカマをバカにしているとか、蔑如する目的で醜く描いているのではなく、彼にとってはこれが「理想のオカマ」の姿なのでしょう。
「ONE PIECE」において、オカマのキャラクターは総じて「珍獣」とか「変態」のような扱いです。前述のカマバッカ王国の住人についても「ブサイクな厚化粧の男」ばかりでした。
つまり、尾田氏にとってオカマと言うと「ブサイクな厚化粧の男」のことであって、美形のオネエとか、男の娘みたいなキャラクターは、別のものとして判断されているのだと思います。



事実、作中に「デリンジャー」という中性的なキャラクターが登場し、彼は一人称が「あたし」で喋り方も女性っぽいところがあり、ハイヒールを履いているなどオカマっぽい要素も多いのですが、彼が作中でオカマとして扱われる事はありません。

この点からも、やはり尾田氏にとっての「オカマ」に対する認識が見えてくると思います。
こうして、「オカマと言えばブサイクな笑い者」みたいな扱いでしか描かないせいで、私は「ONE PIECE」という漫画がいまいち好きになれないのですが、別に「ONE PIECE」のオカマの描き方が悪いのかと言えば、そうでもないのでしょう。あくまで尾田氏は尾田氏なりに誠意を持ってオカマを描いている。ただ、それが私のオカマのイメージとは違うだけです。
考えてみれば、「オカマ」と一言で言っても、それに対する認識は様々なのです。
例えばインターネットを見ていると、「オカマ」と「ゲイ」が同義語だと思っている人が結構いて、私はその度に、いやいやそれは違うだろと思っていたのですが、実際のところ厳密な「オカマ」の定義が存在しない以上、それを私が「違う」と言い切る権利もありません。

ここ最近では、ビジュアル系バンドの人気なども相まってか、「男性が化粧をする」という行為の風当たりについては昔より和らいでいるように感じます。
化粧品のコーナーに「男性用化粧品」が並んでいるのを見るのも珍しくなくなりました。
テレビ番組において「オカマ芸人」が当然のように出演する事も増えてきており、オカマが「異常」として見られることは、過去よりは減ってきているのではないかな、と感じます。
ですが、そうして身近な存在になってきているからこそ、オカマという存在の認識の差による差別や無意識な蔑視などを目にする機会も増加しているように思います。
オカマという人種について、「気持ち悪い」と感じる人がいるのならば、それもまた一つの率直な意見だと思いますし、私はそれを矯正すべき悪と見なすつもりはありません。
しかし、そうでないのであれば、無意識な蔑視を行わないためにも、一度しっかりとオカマという存在について考えてみてはいかがでしょうか。
広告
他61件のコメントを表示
×
おそらくだけど、この記事の人が望むようなオカマが出ないのは
尾田の意図的なものだと思う
尾田は腐女子に媚びて人気を得たと思われたくないからその否定としてベタなキモいオカマばかり描くのだろう
腐女子好みのキャラも登場してますけど、全体の腐女子バランスという意味の話ですね
ちなみに俺はこの漫画は苦手です
6ヶ月前
×
漫画でもテレビでもオカマに求められるのは『ギャップ』『バラエティ性』だからね。そんなもので理想を語るよりも新宿二丁目にでも行った方が勉強になるんじゃない(適当)
少なくとも、リアルで会ったことのあるオカマの人は強いとか熟練したとかズバズバモノを言うとか、そういう超越した存在とは程遠い、ただの気の良いおっさんだったよ。むしろ弱さを肯定する人だった。
6ヶ月前
×
スカーレルと言うキャラについては詳しくないですが、絵を見る限り中性的と言うだけでオカマと言うよりイケメンの感じですし、主様の紹介を読む限りだと「冴羽獠+七夜志貴」のような万能キャラの印象を受けますね。おそらく主様の書いている通り、単に能力のあるキャラが好きなだけなのでしょうけど。それであれば、オカマの中でどれが嫌いと言う言い方でなく「美形で万能な優男っぽい男性キャラが好き」と言い換えた方がよろしいかと。
6ヶ月前
×
記事主の認識しているような「男性の力強さと女性の淑やかな上品さを併せ持ち」というキャラクター性はおネエ系と名称されているのであって、それをオカマと呼んでしまうのがそも間違った混同ではないか? 名前の間違い。

「男の娘」ってのはシコリティのジャンルであって、それを「自分がなりたいとは思えないゴミ」とか言われたらそりゃあ炎上する。他人のセックスを笑うな(建前)なりたいなんて思ったことねーしふざけんな俺のちんこに謝れ(本音)って感じで。
6ヶ月前
×
ふつうにおもしろい記事だった
6ヶ月前
×
デリンジャーが男なの知らなかったw
6ヶ月前
×
んー、正直、タイトル詐欺かなー、と何処か思ってしまう内容でしたね。
男の娘に関してあまりに辛辣な言葉はその文字を読み取っただけでアンチを呼びますし、ONEPIECEのオカマキャラからオカマを読み解くのかと思えば、どうやら筆者様の理想のオカマ論と尾田栄一郎様のオカマ論の差、また、尾田栄一郎様のオカマ論に対する筆者様自信のオカマ論主観による、指摘。
・・・・何処か、尾田栄一郎様のオカマ論は「オカマ」論ではないと言っているようにも取れる記事だと思います。
勿論千差万別、価値観は人それぞれ、あなたの言う言葉が間違いとは言いません。
しかして、持論との差をただ引き出す為に、大作のキャラクターに白羽の矢を立てるのは、いかがな物なのでしょうか?
ONEPIECE、その文字に釣られてしまうファンの気持ちも汲み取った上で記事にしていただけたら、もっと素敵だったと思われます。
6ヶ月前
×
でも、実際のオカマ達からしたら「あんたの勝手なオカマ像をオカマに押し付けんじゃないわよ!」ってとこだと思う
6ヶ月前
×
オカマキャラはこうあるべきってのを固執せずもうちょっとギャグでまとめれば普通に面白い題材の記事なんだよなぁ
6ヶ月前
×
ワンピースを読んだこと無い人知らない人がこの記事を読んで、「ワンピースってこんなにオカマを侮辱的に書いてるんだ…ワンピースあんまり好きじゃないかも…」とか言いだしてくる人居そう。

でも、ワンピース中でのイワンコフは「ニューカマー」男女を超越した存在である革命軍として登場します。
尾田先生は革命の意味と「ニューカマー」のカマをかけてオカマ設定にしているんだと思いますが…
あと、
雀村さんも書かれているように革命軍という有能な感じの意味も含めてですかね…

でもオカマって言ったら
容姿が派手で厚化粧の男の人などのイメージは、漫画やTVなどのメディアでどうしてもそう扱いがちですよね… オネェ系タレントと言われる人たちもTVにたくさん出演するようになりましたし。
なので世間一般の方々もそのようなイメージを持っている人が多いと思うしオネエ、オカマ、ゲイの違いが分からない…って人も沢山居ると思います。

尾田先生はそこを考えた上で、みんなに分かりやすい゛オカマキャラ゛を描いたのでは無いでしょうか?
少年漫画ということもあると思います。

でもその扱い(容姿が派手で厚化粧の男とか)に悪意は無いと思っています。
今回で言えばイワンコフの様なバケモノにも見える描かれ方ですね。
それはただ単にオカマだからオネエだからキモいなどの侮辱的な意味でキャラを描いているわけではなくて、雀村さんがおっしゃっているように有能キャラ、善者であり絡みやすい馴染やすいといった様な意味で書かれていると思います。イワンコフに関しては尾田先生の感性で明るく楽しいキャラ(革命軍ですしね)を描かれていると思いますので、そこをショックと言われても雀村さんとの感性が違ったかな?と思います。
上手く短文で説明出来ず言葉足らずでごめんなさい。

私自身もセクシャルマイノリティですが、
ワンピースを読んだことがあり熱狂的なファンでは無いですが普通に好きですし、読んでいて不快感を持ったことはありません。
世間のオカマやオネエのイメージやワンピースでのオカマの扱われ方にも不快感を持ったことはありません。

それでも、このワンピースの一コマを見ただけで「こんなにオカマを侮辱的に書いてる…カマバッカ王国??不快だなぁ…」
と感る人は居るのでしょうね…

難しいです。
長々と失礼しました。
6ヶ月前
コメントを書く
コメントをするには、
ログインして下さい。