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「せんせい、あのね」
コメ0 草の根広告社 64ヶ月前
先生からの連絡帳に聞いたことのない娘の言葉を見つけた。「せんせい、あのね」 毎日いろいろ話し掛けてくれるんです。おしゃべりがたのしいです。という先生の報告だった。一生懸命、先生に話し掛けている娘のうれしそうな顔が浮かんだ。
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「ノリでいいんじゃない?」
コメ1 草の根広告社 65ヶ月前
娘がコミュニケーションの難しさで悩んでいることを知ったのは「保育園に行きたくない」という彼女の意志を尊重し、仕事を半休して、地元の子育て支援施設で遊ばせていたときのことだ。
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「ぼくらはなぜ泳ぐのか」
コメ0 草の根広告社 65ヶ月前
意識だけがあった。 朧気な意識だけがあって、それ以外は何もなかった。光も、音も、香りも、触れるものも何ひとつ。何もないのに、何かがあった。感じられるようなものはひとつもないのに、包み込むような何かを感じていた。それが「ぬくもり」だった。やがてその「ぬくもり」を感じている意識こそが「わたし」であ...
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「2歳児の繰り返す日常」
コメ0 草の根広告社 65ヶ月前
「帰ったら何する?」 保育園の帰りに娘に聞いた。すると、こんな答えが返ってきた。「『おかあさんといっしょ』みて、ごはん食べて、おふろ入って、絵本読んで寝て、また起きてごはん食べて…」 淡々と答える娘は「何を分かり切ったことを聞いているの?」という冷めた目をしていた(ように僕の目には映った)。
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「コメディアンの背中」
コメ0 草の根広告社 66ヶ月前
僕の家には相模湾と富士山と江ノ島が一望できるベランダがある。この景色がこの家を買うことにした決め手だった。独身男の一人暮らしだ。ビール片手に夕陽に染まっていく海を見る、とか朝はコーヒー片手に夏の海辺のすがすがしい空気を、なんて姿を想像した。もちろんそういう時期もあった。結婚してしばらくの間もそ...
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「残せるものはなんですか?」
コメ0 草の根広告社 66ヶ月前
6月だというのにもう水着で泳いでいる。ジェットスキー。ヨット。スタンダップパドルボート。思い思いのマリンスポーツを楽しんでいる。二日酔い気味の僕はテントで波の音を聞いている。この浜は国道に面していないのでとても静かだ。ふと思いついてAFNにチューニングを合わせる。かつてFENと呼ばれていた米軍向けラジ...
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「父性が戦争に利用されるようなことがあってはならない」
コメ0 草の根広告社 67ヶ月前
先日、ラジオで「男の美しさ」であるとか「本質的な男らしさ」について話していて、頭の中にはある人物のことが浮かんでいた。
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「どうしてうんちもおしっこもトイレでするの?」
コメ3 草の根広告社 67ヶ月前
君が不満そうな顔をしていることが増えた。もともと愛想の良い方ではなかったけれど、その表情には明らかな不満があるような気がした。
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「いつか、このちいさな手で」
コメ0 草の根広告社 67ヶ月前
最近、娘の泣き顔を見るたびにふと頭を過る光景がある。結婚式場の末席で旅立つ娘を見守りながら「小さい頃はあんな風に泣いてばかりいたのにな」と目頭を拭っている自分の姿だ。誤解のないように書いておくけれど結婚だけが幸せだと言っているわけじゃない。結婚はあくまで人生の選択肢のひとつに過ぎない。就職だっ...
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「ちょっと寄り道だよ」
コメ3 草の根広告社 67ヶ月前
海沿いの国道から家の前を通り過ぎた先で右折すると里山に抜けていくトンネルだ。「どこいくの?」 後部座席の娘が水筒の水を飲みながら聞く。「ちょっと寄り道だよ」 保育園の帰りだった。「いーねいーね」娘がうれしそうに笑った。
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「出発する前の園児さんの様子はどういったものでしたでしょうか? いつもと変わらない様子でしたでしょうか?」
コメ2 草の根広告社 67ヶ月前
記者の会見での質問が激しく批判された。個人的には擁護も批判もする気はない。それでも記者がその質問をしなければならなかった背景だけは想像できる。
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「センスオブワンダー」
コメ1 草の根広告社 68ヶ月前
娘は「かきくけこ」がうまく言えない。「こども」は「とども」となり、「きいろ」は「ひいろ」になる。「かいじゅう」は「はいじゅう」だ。その至らなさを可愛いと思ってしまうのが親バカなのだろう。
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「まるで大人になったのび太がタイムマシンで過去の自分の世話を焼きに来ているみたいだ」
コメ2 草の根広告社 68ヶ月前
妻が出勤前に野菜うどんを用意しておいてくれた朝、起きて来た娘が開口一番「おむすび食べたい」と言った。悠々とうどんを温めながらこの後の予定を組み立てていた僕はまるで追突事故にでも遭ったときのように「えぇっ?」叫んでしまった。
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「人間、家と外、どちらかでちゃんとしていればそれでいい」
コメ0 草の根広告社 69ヶ月前
どうしても夏服がいいとか、どうしてもワンピースで行きたいとか。娘が気まぐれに自己主張を連発する朝もある。親の許容範囲を見ている、みたいな話も育児書にはあるけれど、一応、夏服じゃ寒いよ、とか、ワンピースは保育園では禁止されているんだよ、とダメな理由は伝えるけれど(言えば言うほど自分がつまらない人間...
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「子供を育てているようで、実は子供に育てられているんだな」
コメ1 草の根広告社 69ヶ月前
僕は登校許否児だった。同級生はみんな子供だとバカにしていたし、大人はみんな偽善者に思えて信じることができなかった。勉強なんてひとりで教科書を読めば家でだってできる。どうして学校に行かなければいけないのか。そう聞いたところで返って来るのは結局のところ義務教育だからという服従を強いられるような答え...