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  • 佐藤まんが道 その49

    2015-01-21 07:301
    54pt

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    自伝的エッセイ「佐藤まんが道」第49回目です。


    前回までの一覧はこちら

    「その1」〜「その29」まで無料でお読みいただけます。

    *この文章はフィクションです


    「ブラックジャックにおまかせ」の第1話がM誌に掲載されました。

    「5週間後に連載開始」と一方的に言われ、準備をする間も無く言葉通りにスタートの鐘が鳴りました。
    連載が開始された時は、原稿はまだ3話目ができたくらいの所。
    ネームのストックはありません。
    3話目まではすべてカラーページがありました。
    それもネームができた後に、編集者が「おめでとうざいます。カラーページが取れました」と言ってくるので、少ない睡眠時間をさらに削って描き上げたものです。
    もはや髭を剃る時間がないどころか、服を着替える時間すらない程の忙しさです。
    僕は同じマンションの4階にある自宅と、1階の仕事場を往復するだけの生き物でした。

    制作体制はどうにもならなく心許ないものでした。
    僕の手元にあるのは資料本と、それを元に編集者が調べてきたわずかな医療情報だけ。
    その情報が正しいか間違っているかを精査する時間はありませんでした。
    僕は想像力を駆使して、実際には見たこともない医療現場の物語を組み立てます。
    僕が「魚猿」で培ってきたのは「見たことのない世界を見てきたように描く能力」です。
    真っ暗な部屋でわずかな部品だけを渡され、誰も見たことのないスゴイものを作れと命じられているような気分でしたが、他に選択肢のない僕は必死にその作業と格闘しました。

    スケジュールの厳しさもさることながら、1話目を見て驚いたことは、僕の書いたセリフが無断で変更されていたことでした。
    語尾のちょっとした言い回しが変わっているくらいであれば、まだ許容できる範囲ですが、主人公のモノローグや医療情報の説明文などがまったく違う意味の言葉に変えられています。
    それが4箇所。
    掲載誌を開いて、一瞬、何か起こったのか飲み込めませんでした。
    だって、これは僕の著作物で、僕が書いたいかなる言葉も誰かが無断で変えられる性質のものではありません。
    少なくとも法的にはそうです。
    前作の「魚猿」でもセリフの無断改変があり、そのことでは編集部と随分もめましたが、今度はいきなり第1話からセリフが改竄されています。
    説明的で余韻もセンスもない言葉に置き変わっているのです。

    すぐに担当編集者に抗議しましたが、暖簾に腕押しでした。
    「より良い作品にしようとこちらでも一生懸命考えているのに、佐藤さんは作品を良くしようという気持ちがないのですか?」と逆に責められてしまいました。

    「そういうことじゃなくて、これは僕の著作物でしょう?セリフを変えたいと思ったなら、まず相談してくださいよ。僕の漫画の主人公はこんな言葉遣いをしないし、セリフの意味が違ってしまったら、その後の展開にも影響が出るじゃないですか」

    僕がそう言い返すと、「どうしてわかりませんかね…。これは佐藤さんだけのものじゃないんですよ。」とため息をつき、気がつくと僕が分からず屋のような扱いになっています。
    「魚猿」でも繰り返されたやり取りです。
    どうして「セリフを勝手に変えてはいけない」というシンプルなことが編集者には伝わらないのか、宇宙人と会話しているような気持ちになってきました。
    担当編集者は社員編集Sさんと編プロTさんの2人組です。
    結局、数の論理で僕のほうがおかしいということになってしまいました。

    掲載誌が変われば何かいいことがあるんじゃないかと少しでも期待した自分がバカでした。
    「魚猿」の執筆を通して感じてきた編集部へのドス黒い思いと、今まさに経験している狂った状況へのドス黒い思いが、僕のガソリンです。
    怒りを原稿に焼き付けるのです。
    クソみたいな大人たちに汚されば汚されるほど、僕の漫画への思いは強く純粋なものになっていくはずです。
    そう思うしかありません。
    状況は切迫しています。
    とにかく時間がないのです。

    出来上がったネームは、取材で知り合った保健所の所長がチェックし、間違いがある場合には修正が入りました。
    写真資料は圧倒的に不足していて、数枚しかない写真を穴が開く程見つめては絵にしていきました。
    すでに週刊連載の経験があるとはいえ、言葉の通じない担当編集者たちと月刊連載まで抱え、限界を感じていましたが、列車は動き出してしまいました。



    果たして、第1話の評判は上々でした。

    雑誌の読者アンケートではいきなりの人気2位を獲得し、ほとんどすべてのテレビ局からドラマ化の問い合わせが来ました。
    新聞や雑誌に書評が掲載され、多くのメディアが話題に取り上げました。
    まさに一夜にして世界が一変しました。

    冷静に考えれば、まだ単行本も発売されていない第1話だけしか発表されていない作品について、そのような反響が起こることはあり得ません。
    だって、第1話が世に出て、記者が翌日に紹介記事を書いたとしても、その記事が世にでるまでには数週間かかります。
    テレビ局だって、そんなに素早く企画を立てて、オファーを出せるわけがありません。
    恐らく、編集部が事前に売り込みをかけていたのでしょう。
    そして、それが上手くハマったのです。
    担当編集者たちは満足そうでした。
    彼らの作戦が成功したのですから、さぞかし気分が良かったことでしょう。
    彼らは上手く作品を売り出しました。
    その点は認めるのです。

    でも、物語を作ったのは僕。
    それを売ったのは編集者。

    社員編集Sさんは、元編集長から届いたメールをわざわざ僕に見せ、「この人は編集者としてのオレの師匠なんだけど、こんなに面白い漫画が始まるのは、今の編集長が変わってから初めてだとさ。企画の立て方がいいって。あの人がこんなに褒めることはまずないから」と嬉しそうです。
    そして、「企画が素晴らしい=オレ達スゴイ」という話を繰り返しました。

    「まあ、1話目ができちゃえば続きは漫画家が描いてもある程度のものにはなるけど、最初の企画の段階からできるのは編集者だけだからね。漫画家がいなくても漫画はできるけど、編集者がいなかったら漫画はできないからね。0を1にできるのは編集者だけだから」

    そんな言葉が出てきた時は、何を言っているのか本気で意味がわかりませんでした。 
  • 「ブラックジャックによろしく」二次利用報告 2014 12/27〜2015 1/9

    2015-01-21 00:00
    54pt

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    この記事は2012年9月15日から二次利用フリーとなりました拙著「ブラックジャックによろしく」について、事後報告をいただいた利用事案を週イチでご紹介させていただく定例記事となっております。

    と言いつつ、今回も2週間分まとめてのご報告になります。

    二次利用規約はこちら

    フリー化から1年間のまとめ報告は下記

    「ブラックジャックによろしく」二次利用フリー化 1年後報告 前編

    「ブラックジャックによろしく」二次利用フリー化 1年後報告 中編

    「ブラックジャックによろしく」二次利用フリー化 1年後報告 後編








    ということで、引き続き「ブラックジャックによろしく」をご自由にご利用くださいませ。

    「いいね」と僕が思った利用例にはハンコが押してあります。

    f55190f8898688399c1ef8dce1b1e6dc2d40df14←こんなの。








    「ブラックジャックによろしく」

    二次利用報告

    2014 12/27~2015 1/9


    利用件数 11件





    01.声優男子ですが・・・(テレビ番組利用)

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    昨年12月20日放送のCS放送ファミリー劇場「声優男子ですが…?」という番組内で「アドリ部」という声優さんが漫画にアテレコするコーナーでご利用いただきました。
    こちらは放送は見逃したものの、動画で確認させていただきましたが、「ブラックジャックによろしく」のワンシーンの吹き出しのセリフを空白にし、そこに声優さんが思い思いのセリフを当てはめてアドリブでアテレコする内容で、なかなか面白かったです。
    くだらないセリフを声優さんが高い技術で読み上げるギャップが良かったですね〜。
    またご利用くださいませ。










    02.秋田スズキ新型ALTO(雑誌広告利用)

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    スズキのALTOの広告でご利用いただきました。
    秋田県内で配布される「marimari」というフリーペーパーに掲載されたという事です。

    最近、自分の車を修理に出していて(駐車時にこすって車体にキズがついてしまいました…。)、昨日戻ってきたところなのですが、車が無い間、レンタカーを何度か借りたんですよ。
    ALTOではありませんが、スイフトというスズキのコンパクトカーにも乗りまして、よく分からないんですけど、トルクが弱いっていうのですか…?
    上り坂ですぐにスピードが落ちちゃうし、コインパーキングでアクセルを踏まないとバーを乗り越えられないし、自分の車とは色々違って車によって性能が違うんだなぁということを初心運転者なりに感じていたワケです。

    いえ、こすった時はショックで数日間落ち込んでしまいました。
    12月に免許を取得し、初めての車を買ってすぐでしたので…。
    車が傷ついただけで誰も怪我などなかったことが幸いでした。
    車、怖いよ…。

    でも、乗り越えなきゃと思って、レンタカーを借りてさらに運転を練習しようと思ったら、性能が全然違うし、日産のnoteも借りたけど、あっちもブレーキがスカスカしていて怖かったなぁ…。
    ハンドブレーキも抵抗感があまりなくて、これでちゃんと引けてるのかなっ…って。

    今日は久々に自分の車で出勤しましたが、外国車なのでウインカーのレバーの位置が日本車と逆なんですよ。
    左折しようとして、間違ってワイパー動かしちゃったり、おきまりのミスを何度かやらかしながらですね…、車怖いよ…。
    でも、がんばる…。
    みんな乗ってるし、僕もできるはず…。

    そんな話は置いときまして、ALTOにも乗ってみたいぞ!
    同じスズキでもどう違うのか知りたい、知りた〜い!
    今度こすって修理に出したらALTOを借りよ〜 !!

    全然、利用例についての感想じゃなかったですね…。

     





    03.Cover Story(ブックカバー、HP利用)

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    オリジナルの背表紙をデザインしたブックカバーを作成出来る「Cover Story」というサービスでサンプルとしてご利用いただきました。
    こちら、面白そうなサービスですね。
    写真もオシャレで、僕の作品までオシャレに見えます。
    皆さんもご自分のイラストでカバーを作ってみてはいかがでしょうか。。






     
  • 厳ダイン(きびだいん)プロジェクト RAIL24

    2015-01-20 18:30
    今週も、彼(彼ら?)から記事が届きました。

    「厳ダインプロジェクト」とは、佐藤漫画制作所 作画スタッフの厳男子(きびだんご)と佐藤ダインが合体して進める読み切り漫画制作プロジェクト。
    毎週金曜日はプロジェクトの日と決めておりまして、2人は「特攻の島」の作画はお休み、プロジェクト漫画の制作にいそしんでおります。

    さて、今回は彼(彼ら)から悲しい(?)お知らせがあるようです。

    で、お知らせって何?

    え…?


    マジで……!?

    企画について、前回まではこちら

                                     佐藤秀峰



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    さ…………最後の……生放送…
    メ…ッセージ…で…す…
    これが…せい…いっぱい…です
    みなさん 受け取って…ください…
    伝わって………ください……






    え…?

    最後の生放送が行なわれるだって…!?

    最後ってどういうこと…?
    「これで最後!」と言いつつ終わらないパターンが、昨今、様々な業界で目立ちますが、最後って最後なの…!?
    て言うか、「THE LAST MESSAGE」って海猿じゃんかよ…。
    そう言えば、フジテレビとの交渉は先方から連絡がなく停滞中です。
    って、それは別のお話ですね。

    彼(彼ら?)からのラストメッセージをぜひ受け取ってくださいませ!
           
                                     佐藤秀峰