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記事 5件
  • 夜ふけのなわとび 第1531回 林真理子「着物の夜」

    2017-11-16 05:00  
     最近対談や取材の際、
    「ぜひ着物でお願いします」
     と言われることが増えた。正直、
    「あーら、気軽におっしゃってくれちゃって」
     と内心思うこともある。
     まず着付けの人を頼み、美容院に出かけなくてはならない。それもそこらのサロンではダメ。今日び、若い美容師さんたちは着物用アップが出来ないのである。アップはアップでも、成人式の時によく目にするふわふわルーズアップ。私が密かに「キャバクラ・アップ」と呼んでいるあれだ。 
  • 夜ふけのなわとび 第1530回 林真理子「お祭り」

    2017-11-09 05:00  
     祭りがついに終ってしまった……。
     オペラ「狂おしき真夏の一日」が千秋楽を迎えたのである。
     四日間の公演中は本当に楽しかったなぁ。毎日ロビイは有名人でいっぱいだ。三枝成彰さんに加え、秋元康さんが演出であるからその華やかなことといったらない。ロビイはスタンド花で埋めつくされ、その数は東京文化会館始まって以来だという。
     ゲネプロから立ち会った私は、いつも開演の二時間前には楽屋に行き、差し入れのお菓子やいなり寿司を食べながらあちこちをうろうろした。 
  • 夜ふけのなわとび 第1529回 林真理子「真実はどこに?」

    2017-11-01 05:00  
     もはや主流となりつつある糖質制限ダイエット。
     これは本当につらい。わが家ではこの季節になると、新潟や栃木の知り合いから、新米がどっと送られてくる。すると同時に、北海道や東北から「ご飯の親友」もやってくる。筋子にタラコ、帆立貝のマヨネーズあえ。イクラの醤油漬け。佐賀海苔も。
     新米でご飯を炊き、筋子やタラコのお握りをつくる。それを最高級の海苔でくるんだらどんなにおいしかろう……。考えただけでも唾が出てくる。 
  • 夜ふけのなわとび 第1528回 林真理子「オヤジの時代」

    2017-10-26 05:00  
     ずっと昔のこと。成田の長い税関の列に立っていた。
     私の前に若い男性がいて、スキューバダイビング用の大きなバッグを持っていた。するとそれを検査台に置くように指示する係員。そしておもむろに開けた。中から出てきたのは、一冊の「プレイボーイ」。あちら製の修整無しのやつだ。
    「これ、持ち込むの法律違反だって知ってましたか?」
     大きな声をあげた。
    「別室に来てください」
     ひきたてられていく青年。
    「あのくらいのことで可哀想だよな……」
     という声が漏れたのを憶えている。 
  • 夜ふけのなわとび 第1527回 林真理子「見学OK」

    2017-10-19 05:00  
     最近お金持ちを主人公にした小説を書いているので、それらしき人を見ると目が離せなくなる。
    「この人は、いったい何をしている方であろうか」
     と問うてみたい欲望にかられる。
     つい先日のこと、ワインのオークションに参加した。その前にVIPの顧客だけを集めたランチパーティーがある。私はまるっきり買わないのに、お招ばれして素敵なフレンチをご馳走になった。
     これには理由(わけ)がある。この大手のワイン販売会社は、わが「3・11塾」に毎年売り上げの一部を寄付してくださっているのだ。私がいるのは、そのお礼のスピーチをするためである。東日本大震災から六年半、日ごとに人々の関心が薄れていく中、こういうご厚意は本当にありがたい。