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記事 5件
  • ヘンキョウ探検家 高野秀行のヘンな食べもの 第54回 「ワニは鯨の仲間だった?!」

    2017-09-14 05:00  
     広島県三次(みよし)市で伝統の「ワニ(現地で鮫のこと)料理」を食べた話の続き。刺身は一見、新鮮なミンククジラによく似ていたが、生姜醤油で食べてみると、なんと味もそっくり。
     臭くないどころか、魚に一般的な青臭さや繊維質もない。マグロやカツオから臭みを消し去り、もっと食べやすくした感じ。さっくりした歯ごたえ、鶏のささみのような味わいで、ちゅるんと喉を通る。いくらでも食べられてしまうのもミンククジラと同じだ。 
  • ヘンキョウ探検家 高野秀行のヘンな食べもの 第53回 「ニッポン古来のワニ料理」

    2017-09-07 05:00  
    『古事記』に「因幡の白兎」という有名な物語がある。兎が海を渡るのにワニを騙して水面に並ばせ、その上をひょいひょい伝って歩くが、最後の最後で嘘がばれ、怒ったワニに皮を剥ぎ取られてしまうという話だ。私は昭和四十年代にこの伝説を絵本で読んだのだが、そこでは本当に爬虫類のワニの上を兎が歩いていた。
     あとで考えれば、日本にワニは生息していない(海にも棲んでいない)。ワニとは「和爾」と書き、古語で「鮫」のことなのだ(今でも出雲地方では「ワニ」)。 
  • ヘンキョウ探検家 高野秀行のヘンな食べもの 第52回 「恍惚のアリ食」

    2017-08-31 05:00  
     前回までアリの卵を食べた話を書いたが、アリの成体も食べたことがある。
     学生時代にアフリカのコンゴへ行ったときだった。コンゴで昆虫食といえば、イモムシの類いが一般的でアリ食は聞いたことがない。一匹が小さすぎて腹が膨れないのだろう。私が食べたのもアクシデントに近い。
     
  • ヘンキョウ探検家 高野秀行のヘンな食べもの 第51回 「赤アリ卵はタイ・ワインによく似合う」

    2017-08-23 05:00  
     タイ東北部の研究所で開発された「虫の缶詰」のつづき。
     農家から集められた虫は研究所で調理する。だが、その方法は一般家庭とは異なる。なぜなら、ここで作っているのはあくまで「ワインのつまみ」用だからだ。
     まず、よく水洗いして鉄鍋でカラ焼きにする。このときにレモングラス、ショウガ、コブミカンの葉などの薬味も一緒に入れて、材料のもつ臭みをすべて消してしまう。軽く火が通ったら、自然乾燥させ、さらに塩、ナンプラーなどで味つけし、今度はオーブンで蒸し焼きにする。六十度の低温で三十分加熱するという。こうすることによって、しっとりと柔らかい仕上がりになるのだそうだ。 
  • ヘンキョウ探検家 高野秀行のヘンな食べもの 第50回 「謎のタイワインと虫の缶詰」

    2017-08-09 05:00  
     ヒアリが話題なので、本欄もアリ食について書いてみたい。
     アリの成体を常食する場所は知らないが、アリの卵はタイやミャンマーなどで食されている。私も何度か食べているが、印象に残っているのはタイ東北部だ。彼の地は世界でも最も昆虫食のバリエーションが多く、「昆虫食のメッカ」とも呼べる地域なのだが、「新たに『虫の缶詰』が開発された」というニュースを聞きつけ、バンコクから列車とバスを乗り継ぎ十時間以上かけてサコーンナコーンという田舎町へ取材に行ったのである。二〇〇〇年代の初めのことだ。