『コスプレ少女』新装版 185-188頁        ★お風呂タイム③
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『コスプレ少女』新装版 185-188頁        ★お風呂タイム③

2016-12-18 17:49
    ちょっと心に傷あるコスプレ少女たちの物語。
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    【連載小説 コスプレ少女】 今までのあらすじ

    コミュ障で友達が出来なかった中学生のルミは、イベントで年上の美少女レイヤー滝沢エリカや同じ歳で萌え可愛い人気レイヤーの白銀(しろがね)リンと出会う。
    三人は リンのセレブな邸宅のゴージャスなお風呂を楽しむ……

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    07~09年に商業誌の新人賞に応募も落選した「コスプレ少女ルミ」シリーズと「ソニックボイス」の作品を
    再編集して、書き直したものです。先に当ブログに掲載していましたが、ルミの一人称形式を改め、
    設定(携帯⇒スマホ)修正、加筆しての新装版です。

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    *****

    【登場人物紹介】                
     主人公の本田ルミ
    この春、中学生になったばっかりの女の子。
    ゲームオタクでプチ引籠り、コスプレをきっかけに
    コミュ障からリハビリ中。
     ツインテールのメガネっ娘のゲームキャラ
    「賢者のルミ」のコスプレイヤー。   



    イメージイラストは はじめとみかん様提供。

                       
                        滝沢エリカ
    ポニーテールにティアラを着けた「エリカ姫」

    コスプレイヤーで中学三年生。
    イジメにあって、リストカットした過去がある
    ちょっとワケありの美少女。

    ルミをダンス動画作りに誘う。







                        白銀(しろがね)リン
    ルミ
    がイベント会場で出会ったベレー帽が
    トレードマークの萌え可愛い女の子。
    本名は坂本サキ

    「天使のリン」をイメージしたオリジナルコスプレイヤー。
    実は狂犬サキの異名をもつ、街の不良からも一目置かれるほどの喧嘩猛者だった。

     
    イメージイラストは ゐてぃ様提供。

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     当ブログ内のイラストの著作権者は、各絵師様に有りますので転載等はご遠慮願います。

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       185-188頁目です。

    リンがクリーミーなシャボンのスポンジで、エリカの背中をリズミカルに洗う。

    湯船にいるルミからは、リンの小さなお尻が目の当たりだ、
    白いお尻が背中を洗う動きに連動してプルプルと揺れている。

    上手ねえ、スゴく気持ちいいわ
    エリカがそう言って、気持ちよさそうに目を細める。

    いつも、パパの背中を流してるからですゥ
    さも当然という風に話すリン

    ええっ! お父さんの背中を?
    驚くエリカ。コスプレではロリキャラを売りにしている白銀リンだが、
    彼女は もう中学一年生だからだ。

    子供が親の背中を流すのは、当たり前のことですゥ

    まさか、お風呂も一緒に入っているとか?

    もちろんですゥ、一緒に入ってるですゥよ。
    小さい時からずうっと『洗いっこ』してるの
    ですゥ~

    洗いっこって! 恥ずかしくないの?

    恥ずかしい? だって 家族同士ですゥよ?

     キョトンとするリンわたし何かおかしな事を言ったかしら? という表情だ。

    二人の会話を湯船で聞いていたルミは、湯に浸りながら子供の頃を思い起こす。
    家族、そう言えば血の繋がった家族なのに、
    父親に裸を見られて恥ずかしいと感じ出したのは、いつからだろう? 

    小学校四年生くらい?

    父親と自分とは『性』が違うのだと意識し始めたのが、多分そのくらいだっただろう。

     リンは今の父親と幼い時から一緒に暮らしているが、は全く繋がっていない。

     母子家庭で 実の父親を知らないリン

    母親を早くに亡くしている彼女にとって、義父は『異性』であるというより
    『親』であるという意識の方が強いのかも知れない。

    の繋がっていない父親と中学一年生の娘、
    微妙なこの親子は、実の親子以上に『親子』である事を大事に思っているのだろう。

    こんな可愛い娘に背中を流してもらえて、リンの父親は さぞかし幸せなことだろう。

    そんな幸せを邪魔しては悪い、ルミは心の中でエリカが これ以上『洗いっこ』のことについて掘り下げないようにと願った。


    エリカの背中を流し終えたリンが、今度は自分の体を洗いにかかった。

    風呂イスは使わず、エリカの後ろでペタンと座ると、胸からスポンジを滑らせた。
    起伏こそないが、その上半身はローマの彫像のように滑らかで美しい。

    その様子をルミは、湯船からジッと観察していた。
    シャボンで包まれた白い肢体、時折伸ばす細い腕は
    宗教画にある天使の白い羽根のように見えた。

    そう、裸のリンはまさしく天使そのものだ。
    すっかり見とれてしまいのぼせそうになる。

    ルミはバスタブに手をかけると、ホラー映画で テレビ画面から女幽霊が出てくる
    有名なシーンみたいに、四つん這いになって揚がってきた。

    そして、ペタン座りしている天使の背後からのしかかるように抱きつきにいった。

    リンちゃ~ん

    な、なんですかルミちゃん! ちょっと重たいですゥよ

     ルミがシャボンの着くのも構わず、リンの背中にのぼせた体をピッタリと重ねる。

    うひゃあ、リンちゃんの体って気持ちいいなあ

     そう言って体を上下にすりすりして、リンの肌の感触を楽しむルミ

    ルミちゃん、離れてほしいですゥ。 うち、これからシャンプーするですゥよ!

     嫌がられてもルミは離れようとはしない。
    それどころかリンの肩に顎を載せて、脇から伸ばした手で胸をまさぐりだした。

    あわわ、うちの胸になにセクハラしてくれてるですゥか!

     リンは軽く肘打ちをして逃げようとしたのだが、ピッタリと背中にくっつかれているので
    全然ルミには効いていない。

    いや~、育ち具合が気になって

    ムウ! ルミちゃんだって変わんないじゃないですゥか!
     頬っぺを膨らませて怒るリン

    そうそう、わたしとおんなじだよ、同志!

    ん~ん、ちっとも嬉しくない同志ですゥ~

     カエルの交尾のように体をくっつけてじゃれ合っているルミリン
    そこへシャンプーを流
    し終えたエリカが、二人の頭の上からシャワーの冷たい水を浴びせた。

    キャーっ

    アハハハ

     同時に転がる二人を見て、大笑いする悪戯なエリカ

    リンちゃん、エリカさんにやり返そう

    おう!

     二人の逆襲が始まった。

    冷水シャワーで応戦したり、エリカの胸を触ったりと、大理石に囲まれたゴージャスな浴室に破廉恥な悲鳴が響きわたった。

    そんな賑やかなお風呂タイムも終わって、三人はバスタオルとドライヤーで体を乾かす。
    まだキャンプは続いている、今晩は庭に張っているテントの中で寝るのだ。

    だから、ルミエリカはTシャツとジャージに着替えた。

    何だか修学旅行に来ているみたいですね

    そうねえ

    そんな感想を話している二人の前にリンがお洒落なミニのワンピース姿で現れた。

    昼間のレンジャー隊員みたいなアウトドアした格好から一変、
    胸に飾りリボンの付いた水色のノースリーブ、清楚かつキュートで
    別荘地のお嬢様を絵に描いたようなコーディネートだ。

    わあお! 凄く可愛いよ。でもリンちゃん、その格好で寝るの?」 

    コレは部屋着なのですゥ。テントで寝る時は、また着替えますですゥよ
     そう言って、短いスカートの裾をちょっと摘んでくるっと廻ってみせる。
     廻った勢いで彼女の柔らかな髪もふんわりと肩に舞い降りる。

    そ、そうか。寝るまでの僅かな時間でも服装に拘るなんて、お洒落さんは違うなあ

     天使のような萌少女とは別に、狂犬との異名まである喧嘩猛者の白銀リン
    天使と狂犬という両極端な顔を持つミステリアスな子だ。


    お風呂上りは咽が渇く。リンが大きなスイカを一玉、胸に抱えて持ってきた。

    あら、気が利くわねえ。 あたし、スイカは大好きよ

     エリカ細い指先で愛しげにスイカを弄りながら、貼られている産地ラベルに
    『大中すいか』と書かれていることに気がついた。

    だいちゅうすいかって何? サイズがブランドなの?

    違いますですゥ。


    コレは、だいなか(大中)って読むですゥよ。

    近江八幡市にあるスイカの産地ですゥ

    聞いた事ないわねえ、スイカって言えば、
    鳥取産とか、熊本産とかはよく見るけど、
    滋賀県の隠れブランドなのかしら? 

    ルミ、あんた知ってた?

    んにゃ、知らな~い。ずっと京都に住んでるけどさあ、滋賀県産のスイカ自体を
    見かけた覚えがないんだけど

    ルミは首をすくめて、そう答えた。

    失礼な! 食べてみたら分かるですゥよ

     地元滋賀県愛の強いリンが憤慨する。

     ビニルシートを敷いたテーブルに、ドンっとスイカを置いて、切る準備をする。

     そして、持ち出してきた包丁は …… ごついサバイバルナイフだった。

    それは昼間、ウサギの首を撥ねた時に使っていたのとは違う、
    刃渡りだけでTVのリモコンくらいもある大きなナイフだった。

    それで切るんかい! 露店級のタープ買うくらいなら、西瓜包丁だって用意しとけよ!
    そうルミは心の中だけで激しく突っ込んだ。
    うっかり口に出したら、刺されそうな気がしたからだ。

    昼間見たウサギの首ギッチョン、ルミにとって一生もののトラウマになりそうだった。

    テーブルの中央にボーリング玉のようにドンと置かれた滋賀県産の『大中すいか』
    リン『さあ、切るぞ』という感じでノースリーブのワンピースを着ているのに、
    腕まくりするような仕草をした。

    リンちゃん、無い袖は、まくれないよ

     ルミの茶々にチロリと舌を出して照れ隠しの愛想を浮かべるリン

    その愛らしさとは不釣合いなごついサバイバルナイフ彼女の小さな手に握られている。

    えーとですねえ。このナイフは映画でも有名になった
    アメリカ特殊部隊が愛用しているタイプのレプリカなのですゥ~

    誰もナイフの説明なんか訊いてないわよ。 早く切ってくれないかしら
     そう言って、エリカリンのナイフ講釈をバッサリ切って捨てた。

     エリカは長い黒髪を頭の後ろで束ね、口に咥えていた輪ゴムで
    髪をクリンクリンと二回潜らせると、たちまちいつものポニーテールに結い上げて、
    食べる身支度をした。
    好物のスイカを食べる気まんまんだ。

     テーブルに置かれたスイカに刀身の厚いサバイバルナイフが突き刺された。

                    (つづく)

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