• 蛍光管形LEDランプ点灯回路、変更の要点

    2017-06-19 23:25
     さて、LTspiceでシミュレーションしたとされる回路と実際の回路はいろいろと相違があります。シミュレーションや実際の製作であまりよくなかったところを直した結果ですが、忘れないようにここに書いておこうと思います。

    ↓初期段階、LTspiceで検討した回路


    ↓問題を潰しながらたどり着いた回路




    ・CONTROL(CV)端子にはコンデンサが必要(C7、3900pF)
     コンデンサがないとこの端子の電圧波形は0V⇔2/3VCCの間で振動する矩形波になります。一応それでもそれっぽく動くといえば動くのですが管電流が想定を下回り、この電流値に決まった経緯が今ひとつよくわからないという現象に見舞われます。
    コンデンサを入れることによってリップル成分を減衰させるとCV端子は比較的リニアに変動するようになり、電流制御が安定します。でもこのコンデンサの静電容量が大きすぎると異常発振を呼び出力電流がフラフラと揺れ始めるのでほどほどに。

    ・インダクタ(L1)を小型にしようとすれば発熱する?
     当たり前といえば当たり前なんですけどね。
     最初はTSL1315RA-680K3R0 (68uH、4.8A/3.0A)を使うつもりでいました。100kHz程度のキャリア周波数でデューティ比は85%以下で駆動する設計。シミュレーションではインダクタ電流1.9±0.6Aとなり、一応問題なさそうな感じです。
    https://product.tdk.com/info/ja/documents/wdcatalog/leaded_inductor_tsl1315_ja.pdf
     それで実際動いたことは動いたのですが、インダクタもMOSFETも発熱します。インダクタの発熱はある程度想定していたので深刻ではないとしても、MOSFETが放熱板なしで触れないくらい熱くなるのは不満です。そこで1~2Wくらい損失が出ているってことですからね。
     NE555ではゲート駆動能力が不足するのかもしれないという仮説を立てて発振周波数を下げる対策をしてみました。L1のインダクタンスを大きくすれば周波数を下げても動作するようになるはず。
     インダクタをボントンで買ってきた330uHのトロイダルコイルに交換しました。詳細はわかりませんがTSL1315よりは図体が大きいので同等以上の電流は流せそうな気はします。
     
     結果。
     インダクタは触ってほんのり温かい程度になりました。
     MOSFETの温度は下がりましたが、未だ無視できないレベルで発熱します。
     NE555単独でも経験的に30kHzくらいは普通に駆動できそうな気がするので、原因は他にあるんじゃないかと思います。

    ・真犯人はダイオードだった
     これだよこれ。
     数十kHz~数百kHzで電流の方向が変化する部分なので高速で動作する必要があります。
     漫然と手持ちのUF2010を入れていたのですが、これがまずかったようです。
     データシート読み返してみたらちっとも速くないし。
     マルツで100V耐圧のSBD、30GHA10を買ってきて入れたらすっきり解決しました。

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  • 今度はLED蛍光管を点けてみる

    2017-06-05 00:14
    国内の家電メーカーから発売されている直管LEDランプって、従来からある蛍光管と互換性のなさそうな電極形状を採用してますよね。L型ピンとかGX16t-5とかいわれるやつ。









    足が2本出ている方が給電端子で直流電源を接続するのですが、極性はどちらをプラスにしても差し支えないようにつくられています。内部にダイオードブリッジが仕込んであるのだろうくらいに考えておけばよいでしょう。
    足が一本だけの方は接地端子で、保安や雑音防止などを気にしなければ開放状態でも問題なく点灯します。
    で、この端子を採用しているLEDランプはすべて順方向電流が350mAに統一されていて、ワット数の違いはすなわち順方向電圧の違いであるということになっています。管内には定格順方向電流350mAのパワーLEDがいくつも直列につながったものだけが封入されていると思っておけばよく、制御回路とか電流制限抵抗とかの類は一切入っていません(あるのはダイオードブリッジくらい)。

    これがわかると、この手の直管LEDランプを点灯させるのはそう難しくありません。
    LEDモジュールと放熱板と透明カバーを用意して工作する手間が省ける分、直管LEDランプを買ってきた方が面倒くさくない場合があるかもしれません。

    今回は40W蛍光管と同サイズの19W直管LEDランプを点けてみます。
    電源は12V2A程度とします。12Vなら手持ちのACアダプタを使って実験したり車載したり、いろいろ応用が利きますよね。

    さて、LEDランプには350mAを定電流供給するとして、電圧はどれくらい必要でしょう。
    19Wなので、19W÷0.35Aでだいたい55Vくらい出せなくてはいけません。もう少し余裕をみて60V程度を昇圧目標としますか。
    趣味の電子工作で入手容易な昇圧コンバータICだと40Vくらいしか耐圧がないとかスイッチング電流が足りないとかいう制限に引っかかり、ちょうどいい品種がありません。
    仕方ないのでNE555と外付けMOSFETでそれっぽいものを仕立てることとします。

    まずLTspiceで検討。



    ・NE555で直接駆動できる程度の発振周波数にする
    ・CONTROL端子にフィードバックしない状態で電圧超過になる程度のデューティ比にする
    ・電流連続モードで動作させる方がインダクタは小さくできる
    あたりに気を付けて定数を決めていきます。
    このとき、下記項目は部品選定時に必要となるのでよく見ておきます。
    (1) L1にかかるピーク電流と平均電流
    (2) C2、C3の充放電電流(リップルの実効値)

    (1)のピーク電流はインダクタの規格における「直流重畳最大電流」、平均電流は「温度上昇最大電流」と対応します。ギリギリで決めると発熱に悩まされるので余裕を持たせた方が宜しいです。インダクタの外形サイズが同じならインダクタンスの小さいものほど電流定格は大きくなりますが、むやみにインダクタンスを小さくするとMOSFETの駆動が難しくなってそっちが発熱する事態に陥るのでバランスが大切。

    (2)なんですが、照明用の電源は出力電圧に少々リップルがあっても困りません。しかしながら電解コンデンサには充放電してもよい電流の最大値が決まっているので、結局ある程度の静電容量は必要とされ、またESRも低いことが求められることになります。

    これを回路図に起こすとこうなります。


    C3は日ケミのKZEやKZHが入手容易。C4はニチコンのCSとしました。
    KZEやKZHは25V~50V耐圧の低ESRコンデンサの定番。CSは高リップル対応品種。
    C4が意外に悩むところ。結局リップル電流耐量ってのは外形の大きさに支配されるので画期的には小さくならないっていう事実もあるのですが、100V耐圧のコンデンサ自体がパーツショップの店頭にはあまりないんですよね。

    L1は3A以上流せるもの。ボントンで売ってたトロイダルコイルが330uHでそこそこ外形も大きかったので使えるだろうと思って買ってきました。秋月には9Aのトロイダルコイルがありましたので、外形の大きささえいとわなければアレでもいいのではないでしょうか。

    Q1は100V耐圧でゲート容量がなるべく小さく、かつON抵抗が過大でないものとして選びました。以前D級オーディオアンプを作ろうとしたときに4個欲しくて買い求めたのですが、出荷単位が5個ということで1個余っていたのです。秋月で売られているものならFKI10531が比較的性能的に近いような気がします。

    D1は100V耐圧のSBDです。平均電流としては1A品でも耐えそうな気もしなくはないのですが、100V3Aの30GHA10をマルツで買ってきて使っています。

    D2とD3は出力開放時に過大な電圧が出ないようにする役割を果たします。
    35Vのツェナーダイオードがあったため2個直列にしていますが、70~100Vくらいの品種が手に入ればそれを1個入れればよく、低い電圧のものしかなければ必要なだけ直列にすれば代用になります。





    ユニバーサル基板で組んでみました。ちゃんと点灯します。
    GX16t-5ソケットの小売りがないところが問題点といえば問題点なのですが、どうせ寿命数年くらいはあるのですから、いっそはんだ付けしてしまってもしばらく困らないのではないかと思います。





  • 蛍光灯インバータ、小変更

    2017-04-22 01:263
    20W型直管蛍光灯を1本点灯するインバータを製作したわけですが。

    ちょっと改良してもう一枚作りました。
    主な変更点は下記の通り。



    ・デッドタイム中のエネルギーを逃がすスナバ回路を追加
    デッドタイムに入ると、680uHに溜まっているエネルギーが行き場を失うなどの理由で一時的に高いサージ電圧を生じることがあります。だいたいローサイドMOSFETのボディダイオードが受け止めたりして実際のところあまり致命的なことにはならないとは思うんですが、680pFコンデンサで受け止めてIR21531の電源に流し込んで有効活用するような機能を追加しました。
    スナバのようなチャージポンプのような動作をして低圧電源を確保し、ドロッピング抵抗(R2+R3)への依存度を下げて損失の低減を狙います。最初の回路に比べて損失が1/4くらいに減ったようなので、一般的な1/4Wカーボン抵抗2直列に変更することができました。

    ・低背化
    コンデンサとMOSFETを寝かせました。
    これらが立っていると結構邪魔になります。

    ・MOSFETの変更
    MOSFETはあっちを立てればこっちが立たない素子だという話はどこかでしたような気がします。
    オン抵抗を小さくするとゲート容量が大きくなり、ゲート容量を小さくするとオン抵抗が増えてしまう傾向があります。欲張ってオン抵抗とゲート容量を両方小さくしようとしたら速度が遅くなってしまい結局スイッチング損失が増えるとか、まぁMOSFETってそういうものです。
    いろいろ検討していると、オン抵抗を小さくする努力はそこそこでやめておいてゲート容量の小さいものを選んでおいた方が都合いいんじゃないか、ということに気付きました。
    そこで改良基板では2SK2417を使っています。
    オープンエアではほとんど発熱を感じられず、ケースに入れた状態で少しぬるい程度です。

    そして無理やり灯具に押し込んでみました。
    消費電力は19Wで明るさは十分、なかなかよさげです。