NicoHack! 第四回 イラレっぽい無料のInkscapeを使おう!
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NicoHack! 第四回 イラレっぽい無料のInkscapeを使おう!

2013-03-23 23:13
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Inkscape

Inkscape(インクスケープ)はPhotoshop(フォトショップ)と双璧をなすグラフィックスソフトIllustrator(イラストレーター)と互換性を持つフリーウェアです。

Photoshop互換のフリーウェアの中にはGIMP(ギンプ)やPixia(ピクシア)、PictBear(ピクトベア)、Peint.NET(ぺいんとどっとねっと)など多数の人気フリーウェアがありますが、Illustrator互換フリーウェアという範疇ではInkscapeが事実上のデファクトスタンダードになっています。

何故、そのような状況になっているかと言えば前述したPhotoshopとIllustratorでは機械的に画像表示するための概念が違うからです。

ベクターグラフィックス

一般的には聞きなれない言葉ですが、これは線によって画像を描画する方式を指しています。

IllustratorやInkscapeはこのベクターグラフィックス方式なのです。

逆にPhotoshopやその他互換フリーウェアはラスターグラフィックス方式という、点で画像を描画する方式なのです。

ベクターグラフィックスの利点は実データが線で構成されているため、どんなに拡大しても画像が粗くならないことが挙げられます。

欠点はグラデーションなど頻繁に画像内容が変わるデータは苦手です。

ラスターグラフィックスの利点は点で実データが構成されているため、グラデーションなどが得意であり、欠点は拡大すると画像が粗くなるというもの。

全く逆の特性を持つベクターグラフィックスとラスターグラフィックスですが、今回はInkscapeを使ってベクターグラフィックスを学んで行きましょう!

何が出来るの?

ぶっちゃけココだと思います。ラスターグラフィックスで何とかできていたのだからベクターグラフィックスを使う意味は?と。

さっそく答えから言いますとベクターグラフィックスを使う利点は拡大縮小に強いってことですね。

これの何が良いかと言えば近年のコンピュータガジェット関連は高解像度化が著しいです。

AppleのRetinaディスプレイや総務省がスーパーハイビジョンなる現在のフルハイビジョン映像以上の解像度を持つ規格の実験を行なっていますが、ベクターグラフィックスは一度制作すればどんな高解像度にも画像が粗れないので対応できます。

つまり例えば紙芝居動画のセリフ枠などベクターグラフィックスで作れば技術が先進しても再び作る必要が無くなるんです。

ギャルゲの一枚絵書き下ろしなど一度しか使わないデータならまだしも、何度も高頻度に使いまわす素材はベクターグラフィックスで作っておいたほうが後々が楽なのです。

当然、気合いさえあれば一枚絵をベクターグラフィックスで制作することも可能で、ベクターグラフィックスのみで構成されたゲームは後方サポートの必要が画像に関してはほとんどなくなり、長く楽しめるものになります。

ただベクターグラフィックスの制作は、紙へ描く感覚で制作できるラスターグラフィックスとは全く違うので制作期間の長期化しやすいというデメリットがあります。

そのあたりは各自の思想と情熱を加味して決定してください。

両方使えたほうが良い

私個人の考えですが、絵師はラスターグラフィックスもベクターグラフィックスも両方使えたほうが断然良いです。

そして絵師だけじゃなく動画職人やプログラマもUIやらなんやらをするときに使えると誰かに頼まなくても良いので非常に楽です。

「画像編集覚えたいなあ」なんて感じたときは両方とも視野に入れておきましょう。

まあ本当にぶっちゃけて言えば画像だろうが音楽だろうが映像だろうがプログラミングだろうができる何でも屋最強なんですけどね!w

10年あれば何でも屋になれますので暇な学生は何でも屋目指してみようぜ!www

ダウンロード/インストール

それでは以下のサイトからご使用のOSに合わせたファイルをダウンロードしインストールしましょう。

インストールは普通に進めれば完了するのでここでは説明しません。

ちなみに多くの人が対象になるであろうWindows版は.exeインストーラーです(解凍できるなら7zipでも可)。

Inkscape
http://inkscape.org/download/?lang=ja

MacとかLinuxとかはパッケージ管理システムとか使うと楽です。その辺は各自調べてください。

起動

インストールしたら取り敢えず起動してください。

InkscapeのUIはお世辞にも使いやすいUIではありません。これはフリーウェアではありがちなことなので諦めてくださいw

余計な情報ではありますが最近GIMPがシングルウィンドウモード搭載して多少は使いやすくなりましたね(マルチディスプレイなら従来通りのほうが使いやすいけど)。


さて今回の講座で試しで作るものを決めなくてはなりませんね。

本当にたまたまなんですが前回の記事『フリーウェアで作り続けるという心構えと実体験からのアドバイス』で公開した私がノートに描いた妄想ガジェットが練習には良い材料なので、これをInkscapeで制作してみましょう。

こういう下書きやイラストからベクターグラフィックスへ起こせるようになると仕事でも普通に活用できるようになります(会社のロゴとか商品説明画像とか縁日祭りに使うウチワのイラストとか)。

しかしあまり粋がって会社で色々なもの作ったりすると上司から無茶振りが飛んできたりするのでやり過ぎには注意ですと経験談から言っておきますw

アイディアノートはこういう時に役立つので表現者・制作者なら持っておいても損ではないわけです。

実際、この講座記事を行えるきっかけをアイディアノートは与えてくれてるわけですしね。これもまたエンターテイメントなわけです。


制作開始

それでは左側の色々ならんでるやつから丸いアイコンをクリックしましょう。

これは真円・楕円を描画するものです。


キャンバス上でドラッグすると円を簡単に描画することが可能です。

しかし真円を描こうとすると大変ですよね?皆さんも何度か円を描画して可能な限り真円へ近付けてみてください。1つ前に戻るはCtrl+Zです。


皆さんが苦労して真円を描いている最中、私は一発で真円を描けますw

そして限りなく真円に近付けてもそれが本当に真円かわからないですよね?

実はInkscapeには真円などを一発で描ける機能があります。

Ctrlキーを押したままキャンパスを斜め45°でドラッグしてみてください。これで真円が描けます。


更にCtrlキーを押したまま各角度へ向かってドラッグすると特定の比率の円を描くことができます。


これは円形ツールの上の方にある矩形ツールの場合でもCtrlキーを押しながらドラッグすると正方形が作れたり同じことができます(矩形は"くけい"と読みます)。

そしてShiftキーを押しながらドラッグするとマウスをクリックした部分を中心点として図形が描画されるってことも覚えておいてください。

当然、Ctrl+Shift+ドラッグでマウスクリックを中心に真円を描くとかそういうことも可能です。

Inkscapeの使いこなしのコツは、まずこれらの挙動を覚えることです。


覚えることが物凄く大事なので次の項目へ進む前に各自何度もCtrl+ドラッグやShift+ドラッグ、Ctrl+Shift+ドラッグを試してみて挙動を体感してください。


ガジェットのボリュームを作る

円筒のデザインな音楽プレイヤーな妄想ガジェット。その円筒デザインを活かすために設けたのが上部を回転させることでボリューム調整できるという機能です。

ここは無段階でリニアに音量が変わるのではなく、誤作動防止と操作確認のためにカチカチとクリック感のあるスイッチを採用したところですね。

円筒形なので選択するのは円形ツールです。

Ctrlキーを押しながら多少長細く楕円を描いていきます。


続いて筒の筐体を表現するために、矩形ツールを選択しCtrlキーを押しながら楕円の幅に合わせて描いていきます。

この場合も正方形ではなく多少長方形になるように描画してください。


続いて左側の一番上から選択ツールをクリックしキャンパス上の楕円をクリックします。


そして上部から選択オブジェクトを前面にをクリックしてください。

描かれた図形の並びが変わり、楕円が一番手前へ来ます。ちょっとだけ円筒っぽくなりましたね。


更に円筒を再現するために楕円を右クリックしてコピーします。


コピーしたということは当然ペーストして楕円を1つ増やします。


増やした楕円を長方形の下へ配置してください。


配置した楕円を1つ後面へ下げます。


左側からノードツールをクリックし、長方形をクリックします。


上部のタブからパス→オブジェクトをパスへを選択し適用します。


長方形の下部境界線を下へドラッグしてください。

オブジェクトをパス化すると自由に形を変えられるようになるのです。


そして右下または左下の◆をクリックしてください。何か線のようなものが出ます。


この線のようなものの先にある●をドラッグして、長方形が後面にある楕円の上へ重なるように持っていきます。

ちなみにこの変形にもCtrl+ドラッグが効くので適時使用してくださいね。


これでキレイな円筒形になりました。後面のペーストした楕円はもう要らないので右クリックなどから削除してください。

ベクターグラフィックスはこうして様々な図形を組み合わせて複雑な図形であっても正確に描画できることが挙げられます。

この手法を高度化すると家電などの取扱説明書に描いてあるような家電図を描けたりするのです。

極めればガンダムや戦車だって描けるようになるのでメカ好きは習得しましょう。


素材を使いまわす

工業製品の多くは自然物と比べて同様の形状や比率を持っている部位が多いです。

制作の効率を上げるためすでにある部位からコピペして使い回してしまいましょう。

選択ツールで描いてる図形全体をドラッグして全てを選択します。


全部選択されたらコピーして貼り付けましょう。


貼り付けた図形を元からある図形の上へ移動し最も奥へ移動します。


私の描いた円筒ガジェットにはセクシーなくびれがあるのでCtrl+ドラッグで段階的に縮小しつつ位置を調整してイラストの雰囲気を再現します。


今度は更に下部の長い円筒を描画していきます。既に先程コピーしてクリップボードに円筒データが入っているので再びペーストして円筒を描きます。


こちらも最も奥へ移動しイラストを再現するような位置へ持っていきます。


今度は下矢印をドラッグして長い円筒を作ります。

Ctrl+ドラッグをすると全体を拡大しちゃうんで注意してください。Ctrl押さずにドラッグです。


続いて短い円筒を作った時のように楕円をコピーしてペーストします。


ノードツールをクリックして長い円筒を選択、パス→オブジェクトをパスへとし長い円筒の下部の形を作っていきます。


調整が終わったら使わなくなった楕円は削除しましょう。円筒プレイヤーの大まかな筐体が作れました。

イラストよりも短い気がするので各自イラストを再現するように調整してみてくださいね。


LCDを付ける

フルカラーでも良いのですが前提として音楽を聴くガジェットなので省電力化するために2色LCDにします。

それでは矩形ツールでLCDを載せたいところらへんで長方形を描画します。


ノードツールから上部タブのパス→オブジェクトをパスへを選択。


楕円のカーブへ沿わせるように曲線を調整していきます。上部を行ったら下部も調整してください。


選択ツールをクリックします。


上下方向の長さを調整してイラストのLCDを再現するように努めましょう。


ちなみに選択ツールを使用している時に下部のカラーパレットをクリックすると色を変える事ができるので、見にくかったりしたら色を変えて作業しやすくしてくださいね。


更に選択ツールで動かしたい図形に対し2度クリックすると回転モードへ移行します(矢印の形状が変わる)。


回転モードでは図形を回転させることができ、これもやはりCtrl+ドラッグでは一定の角度ごとに調整できるようになります。


画像は図形を全選択して回転モードで回転させたところです。


小物を配置

星型ツールをクリックし上部から頂点の数を調整してボタンを配置していきます。

今まで学んだものを活かしコピペしたり拡縮したり回転したりしていい感じに仕上げて行きましょう。


続いてイヤホンジャックの挿入穴を設けます。

楕円に合わせればバランスよく作れそうなので選択ツールで頂点の楕円を選択しコピペ。


コピペした楕円を頂点へ移動しCtrl+Shift+ドラッグで図形の中心を基点に縮小します。


更に楕円をコピペ縮小して挿入穴みたいな感じの色にすればおkです。


質感を高める

このままで完成でも良いですが寂しいので質感を高めようと思います。

今回はグラデーションをかけてみましょう。

グラデーションをかけたい図形を選択ツールでクリックをし右クリック、フィル/ストロークを選択します。


フィルのタブから線形グラデーションを選択します。

そして右下の編集をクリックしてグラデーションエディタを表示します。


続いてマウスポインタのある場所をクリックします。

2つの帯みたいなのが出るので下の方を選択します。


HSLタブをクリックしLを255、Aを255にしてください。


うまく設定できると画面へこのようなグラデーションがかかります。


まだちょっとダサイのでより質感を高めようと思います。

選択ツールでLCDをクリックしてグラデーションエディタを出してください。

色フェーズを追加をクリック。


するとグラデーションの段階を1つ加えることができます。


試しに真ん中の灰色を赤にしてみましょう。このようになります。


更に色フェーズを追加し、追加した色フェーズを青にするとこうです。

つまり色フェーズで並べた順番(例では黒→赤→青→白)にグラデーションがかかるというわけです。

このグラデーションを利用しLCDの質感を高めます。


色フェーズを4つ作り、黒→黒→白→黒というグラデーションを設定しましょう。

HSLタブのLで明るさを調整すると楽です。


先ほどの2段階白黒グラデーションよりLCDへの光の映り込みがいい感じになりましたね。

工業製品のイラストレーションではこういう映り込みっぽい効果を付けれるようになると一気にイラストが映えるので色々試してみて覚えておくと良いです。

ちなみにオフセットのスライダーを動かすとグラデーションがかかる位置が調整できるので試してみると面白いです。


筐体の他の部分も選択ツールでクリックして今まで学んだものを駆使して映り込みを作って行きましょう。


小物を調整

ボタン類の小物を調整して行きましょう。

調整したい小物を選択ツールでクリックしフィル/ストロークを選びます。

表示されているスライダーを調整しお好みの色に変えて行きましょう。

ストロークのスタイルタブをクリックすると図形の枠線の太さや線種を変える事が出来ます。

今気付きましたが少年向けロボアニメに出てくるアイテムっぽい気が何となくしますねw


文字を入れる

これは非常に簡単です。

左側のツール一覧からテキストツールを選択して文字入力してください。

当然こちらも選択ツールで移動したい回転したりが可能です。


上部からフォントやフォントサイズを選択可能です。


完成

長々とやってきましたがこれで完成です。

色々と端折ってる部分はありますので、質問があれば応えますし、更なるステップアップに興味が出たら自分で調べてみてくださいね。


以上です。長文にお付き合いいただきありがとうございました。




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説明不足すぎだろ
こんな説明で作れる奴おらんぞ
46ヶ月前
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確かに説明不足ではあるけど、完璧に同じものを作るっていうより作り方の過程が見れるだけでも勉強になるけどね。
36ヶ月前
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