• マヂカルラブリーを絶対に許さない

    2017-12-08 02:42185
    もう皆さん今年のM-1のこととか忘れたころかと思います。せいぜい「シャケと牛肉どっちが勝ったんだっけ?」くらいのもんでしょう。よかったですね。僕はいまだに引きずっています。マヂカルラブリーとかいう大好きなコンビが最大の晴れ舞台で大人にめちゃくちゃ怒られたせいです。

    僕は数年前に友人のすすめでマヂカルラブリーを知ってめちゃくちゃ気に入って推してきた者で今年のM-1を結構楽しみにしていました。それは期待でもあるけどそれ以上に不安でもある「何が起こるんだろう」という気持ちでした。とりあえずなんか起こるだろうとは思ってたわけですが、起きたのがアレですよ。上沼恵美子に叱られて野田くんが服脱いでスベった瞬間から僕の記憶は壊れており、今は「シャケと牛肉どっちが勝ったんだっけ?」みたいな状態です。壊れてしまった人

    マヂカルラブリーが色々考えて決勝であのネタをやったんだということは、そんなに古参ファンでもない僕でも想像できます。でも、あれで「つまんね」って言われるのはやっぱり本意じゃない! 許せない! マヂカルラブリーのバカ! ってなって寝込んで僕は翌日会社を休みました。日本で5人くらいいたであろう「マヂロス」になった者です。

    ということで愛ゆえにメンヘラの元カノみたいになった僕が今から「マヂカルラブリーのどこが面白いのかを丁寧に解説する」という、芸人に一番やっちゃいけないことをします。恨むなら恵美子を恨んでください。

    1、つかみが面白い

    マヂカルラブリーの魅力は一言でいえば「狂気」なのですが、最も端的に表しているのがつかみの挨拶です。
    基本パターンは「村上でーす」に対して本来は「野田でーす」と言うべきボケが「その残像でーす」「でっかいエビでーす」「なにぃー!?」などと続き、村上の「マヂカルラブリーです」にもそれらの言葉をかぶせるというものです。村上があわせやすいようにゆっくり「マ、ヂ、カ、ル、ラ、ブ、リ、ー、です」と言ってるにも関わらずわざわざ同じリズムでゆっくり「エーービーーです」みたいに言うちぐはぐさが面白いところで、ファンは「今日の野田でーすは何かな?」などと楽しみにしています。面白いですねえ。

    この「漫才の基本パターンを壊す」は多くのコンビがやってる手法で(「とろサーモンでーす」「僕もです」など)、マヂラブの狂気の中でもかなり王道の部類だから本番でもやってほしかったんですが、準決勝くらいから置きに行って「野ーー田ーーです」に戻してしまいました。あと村上の「マヂカルラブリーです」も緊張なのかあえてなのかわかりませんがテンポが速くていろいろもったいなかった気がしました。

    2、フリが面白い

    漫才の入り方は野田くんが「〇〇がしたいよー」などと急に叫ぶというものです。それに対して村上が「なんだって野田くん、そしたら今日は僕が〇〇をやるから~」などとフリを始めるのですが、それを無視して野田くんが「俺に、話しかけるな」とか好き勝手な言葉をかぶせていき、フリを喋り終えたところで野田くんが「セイッ」とネタに入るというのが定型です。面白いですねえ。



    あとはフリにあわせて野田くんがその特質系なボケを披露してはツッコまれるのですが、ツッコミの最中もふざけていたりネタに戻る際も「太ってるねー」などと関係ないことを言ってたりと一切まともに絡まないというのがよかったです。最近フリで普通にちょっと会話しちゃったりするのですごい違和感があります。でもそうやってスタイルを微修正したおかげで決勝に出れたというのもあるんだろうなあとは思います。

    3、実はツッコミも狂ってる

    野田光だから芸名が「野田クリスタル」というのはわかりやすい狂気なのですが、実はツッコミは本名が鈴木崇裕で芸名が「村上」です(下の名前とかない)。タカトシのタカの本名と被ってるから芸名は変えた、ということらしいんですがこの芸名ひとつを見てもわかるようにツッコミもまともそうに見えて実は全然おかしいです。

    昔のM-1敗者復活戦でやってた「いじめっ子になりたいよー」のネタとかもそうなんですが、村上の「じゃあ野田くんは僕をいじめちゃって!」というフリとか「言えよー、悪口!」っていうツッコミとかいろいろ根本的におかしい言い回しがマヂラブの世界観におかしみを生んでいます。普通なら野田くんの強烈な狂気を制御する役回りなんだけど、村上もある程度受け入れちゃってて一部ツッコミ不在になってる。相方が明らかにイカれてるのに「ダメだよー」みたいになぜかわりと優しい。ということはツッコミも結構狂ってるわけです。

    笑い飯の「ダブルボケ」ならぬ「ダブル狂気」こそマヂラブの魅力で、この妙なズレに快感を覚えるとマヂラブのことが好きになります。今回の決勝でも「野田ミュージカルが行われるんだけど……見てく?」「……見てく」みたいなやりとりとかはその片鱗があってよかったです。

    4、大体のネタは尻すぼみになる

    渡辺リーダーとかもネタの展開の幅を指摘してましたが、今回みたいにずっと「客じゃねーか」のボケ1本で押すようなネタがマヂラブは非常に多いです。



    昔話にスサノオノミコトが出てくるネタとかめっちゃ好きなんですけど、最初のボケの「うさぎとかめとスサノオノミコト」がすごい面白いだけに2個目の「スサノオノミコトと3匹のこぶた」が同じパターンでちょっと弱い。野田くんのインパクトが強いだけに見てるほうはやっぱりより強い裏切りを期待しちゃうとこがあると思います。

    それでも「野田ミュージカル」という野田ありきなネタで勝負に行ったところは、「俺達にはこれしかない」というマヂラブの勇気であり今回の決勝に賭ける思いだったんじゃないかと思います。「同じボケを何度も繰り返す」というのもある種の狂気であり変に伏線を回収したりするネタを始めたらせっかくの狂気がかすむ気もする。「繰り返しの狂気」はハマればものすごい爆発をするし(某にゃんこなど)、マヂラブの戦い方としては正しい路線だったのかと思います。失敗はしましたが。


    などなど、上空4000m目線で好き勝手言いましたがただのお笑い好きとして僕が一番悔しかったのはやっぱり「マヂラブが置きに行ってM-1に出たこと」でありそれを見て「つまんね」って言われたことに他なりません。ロン毛でタンクトップ着て「ジーパン破れすぎ君です」と言ってた野田くんのギラつきに惚れた者としては、スーツと筋肉をまとって「野田です」と言ってるネタだけを見て恵美子に公開処刑されるのは我慢ならんのじゃとなるわけです。

    「あれはむしろおいしかった」という意見はよくわかるし、マヂラブの2人も早速ネタにして上手く立ち回っててよかったなと思います。でもやっぱあの瞬間の2人の落ち込みは相当なものがあったと思うし、僕も「決勝に出るためにいろいろ捨ててきた結果が『なんで決勝上がれたかわかんない』ってなんだよ! 泣くぞ!」ってなんか勝手に共鳴してしまって気絶したわけです。アイドルのコンサート会場とかで異様に感情移入してるヤバイ人とかいるでしょう。あれが僕です。

    僕はディープに劇場とかに足を運ぶお笑いファンでもなんでもないし、たまたま「僕は好きだけど賞レースとかで決勝に来ることなさそうだな」と思ってたコンビが初めて大舞台に立って興奮して見てて無事爆死しただけなのですが、それによってマヂカルラブリー絶対許さない君に悪魔進化してしまいました。今後もマヂラブを見るたびに「あ、爪あとを残してくれるのを期待してたら傷あとをつけられた人だ」と思うでしょう。僕をこんな体にしたマヂカルラブリーを、売れるまで絶対に許しません。
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  • アダルトVRとかいう脅威の映像革命のおちんちんシンギュラリティについて

    2017-11-11 04:0531
    最近「シンギュラリティ」という言葉が世間ではめっちゃキテるワードになっています。日本語では「技術的特異点」のことで、要するに人工知能が近い将来人間よりすげーことになって世界がやべーことになるという話。SFって今さ、みたいなことです。

    今んとこITの意識高い人が「これはすごいでござるよ……」「ござるな……」ってメガネズリ上げで盛り上がってる程度の話で、ITの末端でぼけっと生きている僕には「ふーん。メガネっすね」ってピンと来ない話だったんですが、最近PS VRを買ったんです。「Rez」っていうVR界隈では有名な超面白いゲームがやりたくて買ったんですが(超面白いのでおすすめ)、「VRのエロ動画はやべーぞ」という話も聞いてたので試しにDMMでVRエロ動画を見てみたわけです。そこで唐突に到来しましたね。僕のおちんちんシンギュラリティが。一気に「ピン」と来ました(激ウマダブルミーニング)。

    今から僕は「お夜食カンパニー」というメーカーの「王様ゲーム」というシリーズについて熱く語りますが、変にリンクとかするとBANが怖いので詳しくはググってください。未成年のよい子は「YouTube ヒカキン」とかでググってこの場を去るように。



    「ヒカキン」でググって最初に出た動画(結構面白かった)

    さて、本題ですがVRエロ動画の何がすごいかというと、実は「エロ」的にはまだ発展途上なところが多いです。確かにすごいとこはすごい。一番すごみがあるのはエロ動画に「距離感」の概念を導入できたところで、DMMのおしまいおじさん達のレビューを見ればわかるようにエロ動画なのに「キスシーン」に対する言及がやたら多いところです。

    例えばお乳が近づいてきたり離れていったりといった立体感、臨場感は最初はかなりのチンギュラリティを感じます。これはマジですごいのですが、現状はまだ固定カメラで撮影してるという物質的制約があり、画質も限度があったりするため意外とそこはすぐ慣れちゃうのです。よってVR的に一番リアリティが出るのは女性の顔がめっちゃ近づいてくるキスシーンだという事情がある(バイノーラル録音だと確かに臨場感は一番すごい)。真のチンギュラリティにはまだ数年から数十年の時間を要するだろうというのは、メガネ的シンギュラリティとそう変わりません。

    しかし、新技術の普及は常にエロから起こる、とこち亀も言っていました。その意味で現時点最大の革命を起こしているのがこの「王様ゲーム」シリーズなのです。数千円のVRゴーグルとかもあるらしいのでぜひ一度試してみてほしい。

    この動画の設定は「イケメンの友人が女の子をナンパしてうちに連れてくる」というものです。そして全てのエロ動画に言えることですが、その世界観にいかに没頭できるかが「ピン」と来るかに多大な影響を及ぼします。これは「盗撮もの」「素人もの」が生む「リアリティ」に強い思い入れのある筆者の主観ですので、ピンと来なかった方は紗倉まなのVRとかを見ていただいてもらってこの記事はもう読まなくて結構です。

    VRエロ動画の中でも異様に評価の高い「王様ゲーム」の特徴はその「リアリティ」にあります。

    例えばその1つは異様な長尺です。イケメン友人が女の子を連れてきても「まず飲もっか~」とだらだら飲み会が始まり、「好きなタイプは~?」などのくだらねえ雑談が何十分も続きます(目線的には女子のパンチーが見えるなどのサービスはある)。そしてこの友人は最初に「こいつ俺の親友なんだけど超無口なんだよ~」とその場に座ってるだけのVR主観者に対するフォローを入れて世界観を補強します。この友人がパリピ的トーク力を滅茶苦茶に発揮して場を回してくれるため、主観者たる僕はVRゴーグルをつけたまま完全にそのよくわからない飲み会の世界に没頭できるのです。

    ここが一番伝えたい部分なのですが、「王様ゲームVR」で僕は初めてエロ動画の前振り部分だけ全部見て絡み部分をスキップするという経験をしました。

    話の流れとしてはだんだん酒が進んできて「王様ゲームやろう」となって、ポッキーゲームをやったり徐々に服を脱いだりと過激になっていくテンプレなんですが、そのへんの塩梅が絶妙なのです。おそらくある程度ガチでくじを引いてる部分があって、「王様が女子のお乳をつつつく」みたいなちょっとエッチな流れになったあとに僕(主観者)と男の友人がキスをする、みたいなエロ的には無駄なシーンが入ったりします。当然VRなので兄ちゃんの顔がめっちゃ近づいてきて僕(主観者)が「マジで気持ち悪い!」ってなったりする流れがあって、女の子たちが「今のよかったね~w」みたいに盛り上がるテンションとかがマジでキモい流れを経てる分すごいリアリティあって「マジで王様ゲームしてる感」がすごくて楽しいのです(BL好きの女子とかにはおすすめです)。ディフェンス的に言っておくと僕は王様ゲームをしたことはないです。これだけは真実を伝えたかった。

    最終的には「王様の王様を1番が舐める!w」とか「な、なんか私たちもドキドキしてきたね……(ジュン)」みたいなご都合展開に入って、僕(主観者)は「急にどうしたんだよ……」みたいになったりするんですけど、過程的にはかなりよくできています。一般向けに「合コンVR」みたいなのが出ても僕は買うと思う。臨場感を持って飲み会に参加してる感の楽しさはかなり普遍的なものがあるので、やがては「孤独のグルメVR」みたいなのが出てくると思います。

    VRって来る来ると言われて意外とまだ浸透してない文化だと思うんですが、これはマジで体験しないとなんにも分からないやつなので別にエロじゃなくても一度やってみるといいと思います。そしてそのへんの進歩はやっぱりエロ業界が結構先を行ってるところもあるのかなと。絡みのシーンで「あの棚に飾ってあるトロフィー、なんだろう」みたいなの観察するの、すげえバーチャルリアリティ感あってだいぶ楽しいです。
  • 30代以上のめんどくさい音楽ファンのために「踊ろうマチルダ」のダイマをする

    2017-09-03 06:45116
    こないだ夏フェス行ってきたんすよ。SWEET LOVE SHOWERってやつ。山中湖のロケーションが好きで毎年行ってるんですけど、今年も楽しかったんですけど、僕ももう31歳なわけで。もうすぐ32歳なわけで。やっぱだんだん最近の音楽がわかんなくなって、フェス行っても「天気よくてビールうまくて楽しいな。あと音楽とか流れるし」って感じになってくるわけですよ。楽しんでるメインがピクニックになってる。

    SLSは新旧のいいアーティストが出るいいフェスなんです。今年は大トリがゆずで、何を隠そう中学のときにゆずを聴いて音楽を聴き始めた僕的には初めて生ゆずを見れて感動したわけです。でも僕がファンだった時のゆずは「もうすぐ30歳」とかいう曲を歌ってたころのゆずなわけで、わしもう30過ぎとるがな、みたいな。ゆず40歳になっとるがな、みたいな。そりゃフェスのバンドたちに「まだ踊れるかー!」とかアジられても「腰痛いっす……」ってなるわ、みたいな感じで切なくなったわけです。

    これは僕のノリが悪くなったというより腰が悪くなっただけなのでオドループしてる若者たちには怒らないでいただきたいのだけど、そんなベガ立ちでフェス見るマンの私が近年愛しているミュージシャンの1人があんまりフェスとか出ない「踊ろうマチルダ」なのです。



    5秒くらい聴いてもらえればわかるけど、声がもうド渋い。「マチルダ」の響きで女性アーティストを連想する人もいるかもしれないけど「踊ろう」とシャルウィーしていることからわかるようにおじさんです。基本弾き語りのソロ。元ネタはオーストラリア民謡の「Waltzing Matilda」。

    表題曲(?)の歌詞がいい。日本とも外国とも取れる世界観で10代の労働とか失恋とかの物語を歌ってる。せっかく希望を抱いて都会に出てきたのに、こんな日々だとマチルダと手を取り合っていないと道に迷ってしまうから「踊ろうマチルダ」というわけ。「目的地までは程遠い」からとマチルダを誘ったのに最後は「目的地なんてどこにも無いさ」と着地する。いいよね。

    ちなみに元ネタの「ワルチング・マチルダ」も切ない放浪者の歌で、寂しいから毎日抱きしめてる毛布に「マチルダ」って名付ける話。今日はこの話だけでも覚えて帰ってください。



    僕がマチルダで1番好きな曲。理由は「見ようと思って見た空は空じゃない」「行き先なら風が決める じゃあその風すら道に迷ってしまった時は誰が風向きを教えるんだろうか?」とか僕の心のやらかい場所を締め付けるフレーズがギュンギュンだから。

    1番好きな曲と言ったけどそのへんは季節によって変わります。そういう歌なんだと思ってる。



    唯一出てるライブDVDのラスト曲(この動画とは違う)。「もう少しだけ君といたいと言っちゃ駄目かい もう少しだけ夢見てたいと言っちゃ駄目かい」って歌を最後に歌うのが最後っぽくてよい。別にそういうエビバディ的な歌じゃなくてむしろ微妙な関係の恋人との1on1な感情を歌った真逆の歌なんだけどフェスで「踊れー!」って言われると「今は大丈夫っす……」って冷めちゃうひねくれおじさん的にはそういうとこも好きです。「落ち着かないならシガレットに火をつけてやるよ ついでに冷めた君の冷めたハートにも火をつけてやるよ」って言われると「つけてー!」って言います僕は。



    そのライブDVDの一部が紹介されてる動画。ギター、ウッドベース、アコーディオン、フィドルっていう絶妙な編成がよい。いいお客さんとメンバーに囲まれてマチルダがめっちゃノってるのでみんなギネス飲みながらこのDVD見てほしい。



    マリッジブルーの逆の歌。いい歌なので自分の配信とかでよく流してたら「オイラと結婚してくれ」を「ゴリラと結婚してくれ」に空耳した皆さんが喜んで「ゴリ婚」とか言い出した曲です。この場で全員踊ろうマチルダに謝罪してください。

    これはマチルダが知り合いの結婚式に送った映像らしい。全体的に酔っぱらっててめっちゃピースフルでいい。楽しそうな人たちを見るのが好きです。


    いかがでしたか?
    そんな踊ろうマチルダの7年ぶりの新譜「新しい夜明け」が9月20日に発売されます! これは今すぐ買わないとですね!!!


    などとGoogleの検索結果で3番目くらいに出てくるクソアフィサイトみたいなまとめでこのダイマを終わります。「踊ろう」と言われると素直に踊れない、そんな人に「踊ろうマチルダ」を聴いてほしい。なんて正直に言うのはダサいし恥ずかしいので。