• イギリスの野菜と果物のひみつ

    2018-09-17 19:004
    正確にはイギリスというよりはEU圏の話なのですが。

    イギリスで新しく生活を始めた日本人の多くが、イギリスの野菜や果物がおいしくて安いことに驚きます。自分も結構びっくりしました。
    もちろん、方向性が日本と違うモノもあるんですけど、例えばブドウは1房1ポンドとか2ポンドぐらいで、めちゃくちゃ甘いですし、ジャガイモも日本より種類が豊富で安いです。
    トマトも味が濃いし、アスパラガスなんて日本では特段魅力的でもなんでもなかったのに、こっちでは買いたい!と思わせるおいしさがあります。
    正直に言って、日本の方がおいしいと思える農作物は米ぐらいなもんです。

    コレ、原因は日欧の農業環境と政策の違いにあります。(たぶん)
    日本は国内の農家を保護するため、輸入される農作物に対して一定の関税がかかっています。
    海外の農作物を輸入する際には一定のお金が追加でかかるため、その分、商品の価格も上がってしまう、というヤツです。
    それに対して、EUは域内の輸出入に関して、一切の関税がかかりません。
    そのため、トマトがほしければスペインから輸入し、ホワイトアスパラガスがほしければフランスから輸入し、ブドウがほしければイタリアやスペインから輸入し…、ということが簡単にできて、それぞれの農作物が最適な場所から輸入されます。
    各国の農家もEU圏内全体という広い市場で勝負しなくてはならないので、競争力が必要になり、おいしい農作物を作るプレッシャーが強くなっています。
    もちろん、遠方になれば輸送費はかかるので、そんなに簡単な話ではないと思いますが。

    さらに、EUは農作物の域外からの輸入に対して、共通の関税を設定しているのですが、旧植民地国に対しては一定の枠を設けて優先的に農作物を輸入しています。(一定の支配権を確保しているともいう)
    そのため、これらの国から安くて質の良い農作物が多く輸入されています。
    例えばイギリスはエジプトの宗主国だったので、エジプト産のブドウをとてもよく見ますし、EU域内輸送に関税がかからないということは、ポルトガルが旧植民地から輸入したブロッコリーがUKにやってくる、なんてことも普通にあります。
    (逆にそのために加盟国間でもめたりもするのですが。例としてはバナナが有名で、バナナ産出国のスペイン等と非生産国だが旧植民地で作られる英国等と、植民地でも作れないけど国内需要が高いドイツ等でドロドロの争いがあったとか…。)
    参考:http://eu-info.jp/r/banana.html

    そうなると、域内の農家が価格競争に晒されてしまい、苦しくなるように思えるのですが、そうならないよう、農家に補助金を出しています。
    これは現在のEU予算の約36%を占めており、年間550億ユーロ(7.2兆円程度)が農業政策に割り当てられ、その7~8割が農家への直接払いに費やされています。
    つまり、イギリスのような農業を捨てている国にとって、このお金はEUに払いっぱなしになる一方で、スペインやフランスなどの農業国家にとっては、拠出額以上のお金が戻ってくることになります。
    その辺もイギリスにとっては少し不満があったようです(最もイギリスはこれらを踏まえた、British rebateという拠出金減額制度をEUに作らせたり、そもそもの金額がイギリス国家予算7700億ポンドに比べると小さいのですが)。

    欧州の状況を見ていると、発展途上国からの輸入=作物の信頼性が低いとは言いがたいと思います。
    とはいえ、欧州の場合は植民地と宗主国の関係上、歴史的に現地農作物を宗主国が管理してきた経緯があり、ある程度の品質管理体制が確保されているとも考えられます。(顕著な例がチョコレートで、欧州のチョコレートがおいしいのは現地に太いパイプを持っているからです)
    日本の場合、農作物を輸入するとなると地理的にアジアがメインになると思いますが、植民地支配をしてきたわけではないので、新たな品質管理体制の構築が必要になるかもしれません。
    また、気候的に西洋野菜が作れるわけでもないので、せいぜい果物の品質上昇と価格低下が見込めるぐらいかもです。
    ただ、これからドンドン農業人口も含めて人口が減少してしまうことを考えると、国内生産すべき作物を絞って、海外に信頼できる生産先を確保する、という方向性もあるのかなぁ~と、ぼんやり考えてしまいました。
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  • イギリスの飯マズはどこまで本当か

    2018-09-14 19:007
    イギリスで1年生活してみた結論から言うと、「歴史的、地理的に食材や調理方法が発達してきた国ではないが、ネタにされるほど現在はヒドくない」というレベルかと思います。

    歴史的な面から考えると、元々北国であるイギリスは植生が乏しく、たいした植物が育ちません。同じく北欧のスカンジナビア諸国などもそれほど食べものが有名でないのと同様かなと。
    あと、イギリスは基本的にお金大好きなので、お金にならない第一次産業はほったらかしになってる、というのもダブルパンチですね。

    な、わけですが、最近はEU諸国や旧植民地からガッツリ輸入しておりますので、食材のクオリティはとても高いです。この辺、EUの農業政策に関してはちょっと後日書いてみたいと思っています。難しいんですけど。

    また、調理法も大陸からいろいろ渡ってきてますので、結果的にロンドンにもおいしいモノはいっぱいあります。
    ただ、イギリスの食べもの共通の欠点として、「レストランの値段が異様に高い」というのがあるんです。
    これはロンドンの地価がめちゃくちゃ高い上に、消費税が20%追加されるためだと考えています。ちなみにチップがない代わりにサービス料が価格の10~12.5%上乗せされるので、これもかなりの負担です。
    そのため、どんなにマズイ店でもそこそこ値段が張るので、ハズレの店にいくとすっごい印象が悪くなりますし、いわゆる安くて美味しい店、とかお得なお店が存在しないので、満足感を得にくい結果になるんだろうと思います。

    ただまぁ、イギリスで避けた方が良い料理というのもあるので、軽く紹介しておきますと
    ・魚介類全般
    イギリスに限った話ではありませんが、欧州の魚介類は冷凍流通がしっかりしてないので、全般的に生臭いです。
    生臭さを大量のハーブで消してあればいいんですけど、あんまりそういうのないんですよね。
    生牡蠣は新鮮ですし、ニンニクたっぷりの甘酸っぱいソースがあるので悪くなく、スコティッシュサーモンは脂がのってて比較的おいしいのですが(生臭いことはある)。
    ・イギリス系の店で注文するパスタ
    全般的にアルデンテという考え方がないので、クニャクニャです。
    イタリア料理店ではちゃんと少し固めにゆでてあることが多いです。
    ・パイ類(店による)
    古くからあるパイは皮が厚く、中身がたいしたことないのでやめといた方が無難です。
    ・甘いお菓子全般
    基本的にアメリカと同じく甘すぎる傾向にあります。また、ケーキ類はパウンドケーキとバタークリームが主流で、フランスようなムース主体のケーキとは大きく異なります。
    食べれば、まぁコレもありかな、と思うんですけど、カロリーがね。

    おいしいモノ
    ・ラム肉料理
    イギリスで一番飼育されているだけあって、なかなかいけます
    ・牛肉料理
    こちらも赤身肉が中心ですが、割とおいしいです
    ・(高級な)多国籍の料理(特に旧植民地)
    日本では見かけないような国の本格的な料理が味わえます。ただ、お金はしっかり出さないと激マズイです。
    ・ジャム、乳製品
    マーマレードが有名ですが、元々北国は果物のジャム加工が盛んでしたので、なかなか良いジャムが多いです。乳製品はブルースティルトンをはじめとして、イギリスにも良いチーズやバターはいっぱいです。高級品はフランスやスイスの方がそろってますけどね。

    ということで、レストランで食べるのであれば相応の出費を覚悟、そうでなければ、Pret a Manger、Marks&Spencer、Waitroseなどのサンドイッチがお手頃でおいしいのでオススメです。(持ち帰りは消費税が軽減税率で低くなるため、多少安くなる)


    今後も引き続き、英国ネタを紹介したいと思いますが、ネタ切れが目に見えてますので、質問をゼヒお寄せください。
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  • ロンドンで1年が過ぎました

    2018-09-13 19:00
    ロンドンにきて1年とちょっと経ちました。
    渡英当初の新鮮な気持ちも失せてこちらの生活が日常になってしまい、ブロマガ熱も(予想どおり)落ち着いてきたわけですが適当に雑感を書いてみたいと思います。

    ネタが思いつかない部分もあるので、書いてほしいネタ等、ぜひ提案してください。
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    一応書いておきますが、内容に関しては自分の可能な範囲で正確を期すように努力しますが、保証はいたしませんのでご了承ください。

    1.英語は意外と上達しない
    よく言われることですが、英語圏で生活していても英語が大して上達しないんですよね。
    確かに英語を聞く機会も話す機会も増えるんですけど、わからんモノはわからんし、話すのもわかる範囲でしか話さないんで、「向上させよう」という努力をしないとサッパリです。
    一応、
    ・聞き取り能力は少し向上する
    ・日常会話能力(レジでの会話とか)は身につく
    ・聞き取れなかったときに聞き返す精神の強さが身につく
    ・聞き返してもわからなかったときに適当にごまかす技が身につく
    といったモノはあります。

    そもそも、スーパーにいってもセルフレジがあるし、ネットは日本語だし、ネット通販はあるし、テレビは持ってないし、こっちに住んでいても休日に一度も英語に触れない、なんていう事態も割とよくあるのです。
    あと、意味のわからない言葉を何度聞いても理解できないですし、ちゃんと正解を知って学ばないと向上しないですね…。
    未だにジェスチャーもなんにもない電話は本当に怖いです。

    2.ふつーに生活してるとできる友達はアジア人ばっかり
    別に人種差別とかいう話じゃないんですけど、まず英語ネイティブと仲良くなるのはかなり厳しいです。話す速度が違うので、追いつけません。
    一対一で話してたら、まだ相手もわかってくれますけど、ネイティブの中に混ざると、会話に入っていくのは相当厳しい。
    日本語で想像すればわかると思いますが、相手の言葉が少し不自由だと会話のテンポがずれますよね?そうなると、その話がよっぽど自分に興味がある話題でなければ、会話を維持するのが苦痛…と、までは言わなくても、めんどくさく感じると思います。
    おそらく、英語ネイティブの人も同じような気持ちなのではないかと思います。気が長く、日本のこと(or ボク自身)を知りたい、と思ってくれる人でないと会話が続かないです。
    こっちも話すスピードが速く、語彙力が豊富で婉曲的な表現も多いネイティブとしゃべるのはかなり疲れるので、なかなか継続的にお話しできないんですよね…。

    となると、同じ程度のスピードで話せる人が会話の中心になるのですが、欧州圏内の皆さんはどの国から来ていても、概ね(accentはありますが)英語のレベルが高く結局アジア人が中心になるのです。
    日本への関心もアジア人の方が高いですし、欧米圏の皆さんはアジア圏と文化が違ってノリが合わないというのもあるかもしれません。

    とりあえず、次回はイギリスの飯マズはどこまで本当か、を書きたいと思います。

    繰り返しになりますが、ネタ切れが目に見えてますので、質問をゼヒお寄せください
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