• 【エイリアスエイク】RPGアツマールのフィードバックのお返事&新作『アブセントエイジ』近況

    2017-04-18 22:33
    おはようございます、
    お店でサンプルでもらったハンドソープをハンドクリームだと間違えて授業中に使ってしまい、両手がヌルヌルのまま手も心も濃厚な90分を過ごした経験を持つterunonです。


    先月末、制作中の新作『AbsentAge:アブセントエイジ』のBGM『落丁と絵空事』の試聴版を投稿しました。
    小ネタですが、楽器構成のうちベースが落丁していて、代わりにアコースティックギターが本来出せない絵空事の音域で補っています。本記事のBGMにでもどうぞ。



    アツマールのフィードバックキャンペーンにて、アツマール版エイリアスエイクにたくさんのフィードバックをいただきました。ありがとうございました!
    ここでは、いただいたご意見についてお返事します。そして、「続編を遊びたい!」というフィードバックを多数いただいてるので、続編アブセントエイジについてもちょこっと触れさせていただきますね。

    【ゲームのよかった、面白かったところ】項目
    ・ストーリーが非常に良かった。
    ・ストーリーの完成度が高い etc.



    ストーリーに対するお褒めの言葉を、かなりたくさんいただきました。実はエイリアスエイクは、わたしが初めて作った非短編の物語でした。それに対して良い評価をいただけたことは、今後の作品作りの自信とエネルギーに繋がります。ありがとうございます。
    中でも中盤以降の展開の感触がよく、作った甲斐がありました。

    余談ですが、コメントダウンロードだと、主にプロローグで「茶番は良いから早くして」的なコメントがちょいちょいあったんですよね。それですっかりストーリーはダメダメだと思ってたのですが、最後まで遊んでくださった方はストーリーに高い評価をつけてくださっていることがわかり安心しました。
    ストーリーの序盤の引き込みについては次回作の課題に持ち越します…!


    ・ダンジョン生成、ボス戦のアクションやギミック、相棒との連携など、ゲーム性が良い

    こだわった部分がプレイヤーさんに届いて嬉しいです。ツクールの界隈では、ゲームは物語性の話題が中心になりやすいですが、本来ゲームはそれと同じくらいか、それ以上にアトラクション性が大事と考えています。新しい場所に行くたびに新鮮な気持ちになってほしいという願いです。
    このへんはRPGというより、むしろカービィさん、ゼルダさんのような任天堂製アクション・アドベンチャーゲームのアトラクション性を意識してみました。

    ・音楽、イラスト、テキストのセンスが調和していて良い
    ・絵が綺麗。BGMも非常に良く、ゲームの雰囲気ともマッチしていた。

    実は、制作時には一切調和は考えていなかったんです。もともと自作曲の宣伝を目的にしていたので……。ただ、BGMを楽しんでもらえるような工夫は色々してきたので、うまく調和できたのかもしれません。
    あ、絵はテーマカラーとして、一貫して「ピュアブルーの影・ピュアマゼンタのハイライト」で着色しました。
             この配色にエイリアスエイク
               
    感じてくれたなら
    嬉しいです


    ・独特な戦闘システムが新鮮だった。
    「戦局判断」「頼りになるCPU」をテーマに作りました。ヘタレにならないAI仲間は、わたし自身がすごく作ってみたかったんですよね。
    ソードワールド2.0、キングダムハーツシリーズ、マリオRPG、FF11(からくり士)などを参考にしています。


    【ゲームの改善してほしい具体的な個所】
    ・エンチャントライトによる確実な先行大回復により瀕死時の緊張感が損なわれている。
    気づいてたけど直せなかったポイントでした。「頼りになるAI」がマックススピードで裏目に出た形ですね……。
    「生死をAIに預ける」のって、その手のに慣れてないと、かなり勇気が要るんですよね。なので、「大丈夫、クロロがなんとかしてくれる」って強力に感じさせるために、敢えてすごい安定感を持たせていました。次回作ではこういうスキルは燃費悪めのTP消費にしようかなと思っています。

    ・エンチャントアイスの実際の運用性の低さ。



    想定している運用は、「強敵シンボルとの戦闘」でした。強敵シンボルがあんまり強くないくらいまで成長してくると要らない子になる感はありますね…。
    (初見の公園魔境・路地裏魔境ではかなり強いです。)
    でもでも、敵の範囲攻撃に合わせてアイスクロロを出すとクイックドローで止めてくれたりと
    ピーキーな活躍ができる子なので、是非活躍の場を作ってあげてください。

    ・アイテムをたくさん持っているとセーブ容量が圧迫する。
    リザルトのときに不要なデータのお掃除がかかりますので、魔境の外でセーブするとセーブ容量はけっこう小さくなります。なので、複数ファイルにセーブするときは魔境の外でセーブするのがおすすめです。
    でも、となると燭台でアイテム処分したときもお掃除入れた方がいいかもですね……。検討します。

    ・エンディングを何度でも観れるようにしてほしい。


    何度も遊んでもいいんじゃよ……(・∀・)
    回想できるのはいいんですけど、やっぱり簡単に見られないのがエンディングですからね!

    ・(超個人的要望)各ステータス、スキルの威力などが具体的にどのように戦闘に影響するのかを数値で表示してほしい
    タケチ ヤトさんという方が、以前その辺を検証されててツイッター上で公開されてましたよ! いろいろ検証してもらえるのは作者冥利に尽きます。

    ・ダンジョンで装備を拾ったとき、それが良い装備なのか悪い装備なのか分からないので、わかりやすくしてほしい
    対応として、装備品が現在着けているものより性能評価値が高い場合、取得SEが若干変わる演出を考えています。まず新機能を作りやすい新作で実装して、それからエイリアスエイクに逆輸入しようと画策中です。

    ・装備のパラメータ毎ソートを作ってほしい
    うっ……。できなくもないですが難しめの処理ですね。余裕があれば検討します……。

    ・謎解きをもっと欲しかった
    パズルを楽しんでいただけたようでうれしいです。新作でいっぱい作れるよう頑張ります。

    ・路地裏の魔境ボスへの攻撃判定がやや難しく感じました。
    下手すると戦闘にも入らずに殺されてしまう難所ですね! クライマックスなのでがんばってほしいところです。某助っ人は、ノゾミはんの位置取りに合わせてワープするので、動きを読めるようになると意外と簡単になりますよ!(具体的にはステージの中央より左にいると右に、右にいると左にワープしてきます)


    ■新作『アブセントエイジ』について
    シナリオは書き終わっており、イベントやゲーム部分を作っています。(今年は国家試験があるので、少し低速気味です…。お待たせしないよう両立してがんばります)

    新作の要素について、サプライズを奪わない程度に少しだけお話しします。
    ・前衛と後衛
    新作では最大4人の戦闘になる予定です。それにあたり、各キャラは味方の後衛になることができ、後衛は自動でキャラ固有の援護行動をとります(実質操作キャラは2人まで)。陣形並べ替えは戦闘中もできるので、前作のエンチャントによる戦闘スタイル変更が、前衛後衛の入れ替えで行われる感じです。

    ・仲間呼び出し
    新作は仲間キャラが多いです。それぞれが固有特徴と固有のマップアクションを持ちます。ギミックの攻略もキャラによって変わってくるかもしれません。

    ・固有特徴
    キャラ固有の強力なパッシブスキルです。例えば、主人公サツキは、致死ダメージを受けたとき残HP率*2%の確率で被ダメージを半減し、次の行動が一発逆転の威力になる「運命変転」を持っています。他にも、ランダムフロアの通路内で戦うとクリティカルヒット率+60%の「狭所戦術」、先制攻撃の威力が2.5倍になる「急襲」など、いろいろあります。


    お楽しみに!
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  • 【エッセイ】絵と作曲とゲーム制作:増えた選択肢が殺した「絵が描きたい」という感情の回想

    2017-03-13 23:261
    おはようございます、まもなく春ですが、ちょうちょがでる季節になるといつも何故か道端でちょうちょに襲われるため若干の恐怖を感じていますterunonです。


    アイコン絵が新しくなりました! メイキングをツイッターのモーメントにしているので、良かったら見ていってくださいね。


    2日ほど春休暇をいただいたので、気分転換と今後の文章書きの練習を兼ねて、ちょっとしたエッセイ的なのを書きました。わりと長いので、お暇な方だけどうぞ。共感してくれる方がいると嬉しいです。
    ※こういうのを急に上げるケースって、本人が病んでたりすることが多いですが、この文は本当にただの練習に書いたよみものですので、ご安心ください。





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    今晩、わたしは久しぶりに外食だけを目的に外へ出た。
    というのは、普段のわたしの選択肢は「自炊しないときはコンビニ」で決まっていて、言うならば行動ルーチンに組み込まれていなかった。 お店にもよるけれど、なんとなく外食は服もメイクも最低限しっかりしていないといけない気がしていたから。

    その点コンビニは楽だった。適当な服装に、必要あればマスクもつけて、お弁当なり何なりをカゴに突っ込んでレジにドンと置く。あとは、スマートフォンに集中しているふりでもして、「お箸要りませんか」以外の言葉や視線のやり取りをシャットアウトしていれば、その日の食糧にありつける。


    「無駄な行動は嫌い」。それが行動規範であるわたしにとって、外食だけを目的に外に出ることは無駄そのものだった。時間と手間とお金を余分に消費して、かといって自炊のスキルが上がるわけでもなく、ただお腹を満たす行為。 そんな考えのわたしがあえてそれを行う気になったのは、他でもなく、いま制作している新作のゲームのストーリー作りで煮詰まっていたからだろう。

    わたしは特に何の主張もしないワンピースに、これまた何の主張もしないコートを着こんで、歩いて10分しない程度の、何の主張もしない定食屋で夕食を何事もなく済ませた。3月の街中は、少し小雨の気配があったけれど、本当に何の主張もしない天気だった。



    その帰り道。
    普段のわたしなら、今流行りの歩きスマホか、歩き国試対策ノートか、歩き新作ゲーム妄想に興じるところなのだが、わたしはどういうわけか唐突に景色を見ようと考えた。
    そのときのわたしは、たしか「絵の着想の引き出しを増やすため」なんて理由をつけていたっけ。この文章を書いている今となっては、なぜそんなことを考えたのか我ながら理解もできず、「この時間で国試の勉強をした方がよかったのでは」なんて、わたしは性懲りもなく頭によぎらせている。ただ、そのとき確かにわたしに景色を見るという行動をとらせていたのは、そんな揮発性の思慮だった。

    熊本の街は路面電車が走っていて、道が広く、電停があり……よく見てみると、街灯が時々おしゃれだったりする。不思議なことに、わたしが見た景色は、妙に鮮やかだった。
    わくわくするような、少し胸を締め付けるような、そんな得体の知れない感覚だった。けれども数年前、わたしはこれと同じ感覚を、しょっちゅう感じていたように思った。そしてわたしは、その正体について思いを巡らした。


    わたしは時々絵を描く。時々ボーカロイドの音楽を作り、自分でそのPV動画を描き……最近はRPGツクールMVなる新兵器を使ってゲーム制作も始め、ニコニコ自作ゲームフェスだとか、レジェンドツクラーだとか、少しずつ成果を上げるようになってきた。

    4年ほど前になるか――
    当時のわたしは、絵が活動の大半だった。音楽は今ほど手の込んだことはしておらず、ましてゲーム制作など「ゲ」の字もなかった。ただ、19歳の大学1年生だった「わたし」は、研究室やら何やらで多忙な今と比べると、時間だけは余裕を持っていた。

    19歳の「わたし」は、髪は伸ばしていつも帽子をかぶっていて、自分の色だと決めた服しか選ばず、母親が使っていたちょっとランク高めの香水を強引にもらい受けて使っていた。やたらイヤリングの数が多く、よく片方だけ失くしてはピアスを付けさせろと親に悪態をついた。
    わたしの自意識過剰気味なツイッターアイコンは、その頃の「わたし」がモデルだ。いつも自信満々な顔をしている。かなりデフォルメ、もとい誇張が入っているが、少なくとも「何の主張もしなく」なった今のわたしには、たとえ外見は似せられても、本質的なところで似せることはできないものがある。

    19歳の「わたし」は、景色をよく見ていた。
    目に入るものに対し、いちいち「こんな雰囲気の絵を描きたい」と思っていた。よく写真を撮っていた。ステレオタイプ的な女子大生を謳歌したことは一度もなかったが、自分なりに人生を楽しんでいた。一言で言うなら、感受性が豊かだったのだろう。

    わたしが外食の帰りに感じたのは、そんな久方ぶりの「こんな雰囲気の絵を描きたい」という感情だったわけだ。感情の正体がわかったとき、わたしは動揺した。だって、わたしは絵を描くのが本当に好きで、数え切れないくらい絵を描いてきて――それなのに、わたしに降りかかった「久しぶりな」感情の正体が「絵を描きたい」だったのだから。



    じゃあ、今までわたしが描いてきた絵は何だったのだ。



    わたしは、いつも楽しんで絵を描いていた。それは事実だ。だが、どうやらわたしは「絵を描きたい」という感情を久しく抱いていなかったらしい。わたしは浴槽の中であれこれ推察して、そんな結論に至った。
    少し、最近に描いた絵を思い返してみる。

    自作ゲームの立ち絵。
    新曲を、ニコニコ動画に上げる際につけるイメージイラスト。
    同人音楽のコンピレーションアルバムのジャケット絵。
    ボーカロイド関連のイベント向けフライヤー。

    どれもこれも、「絵を描きたい」という気持ちからはスタートしていない。
    最近のわたしは、もっぱら自分のゲームや音楽の作品を支えるために自分の絵を「利用」していた。そうでないときは、自分から有償無償の案件を拾いに走り、絵を描くネタをひたすらに外部に求めた。
    さらに思い返せば、音楽も同じ状態だった。自分のニコニコ動画のマイリストを見返すと、新作ゲームのイメージソング、コンピレーションアルバム企画に乗っかるために書いた新曲ばかりがずらりと並ぶ。単に曲が書きたいと思って書き始めた作品が見当たらない。




    ここでわたしは、ようやく「何か理由をつけないと何も行動できない」自分と対峙した。

    わたしはボーカロイドの音楽を作るようになり、これまで絵にかけていた時間のいくらかと、実生活の「無駄」な時間を、作曲活動に割り当てるようになった。
    学年が上がり、研究室に配属されて自由な時間が減ると、わたしは実生活・絵・作曲、それぞれの過程における「無駄」を探して切り詰め、至福である創作の時間を守り続けた。創作している最中も、常に少ない労力で成果を最大化することを意識するようになった。
    さらにここにゲーム制作が加わり、わたしは絵・作曲・ゲーム制作、どの選択肢を選んだら最も効率よく成果をあげられるかばかりを考えるようになった。

    それからさらに何年か経ち、最近では国家試験と就活の足音も聞こえてきた。今や、実生活・研究室・絵・作曲・ゲーム制作・勉強・就活 の一大バトルロワイヤルだ。あの名作スマッシュブラザーズだって4人対戦だというのに、なんとこれは7勢力もある。任天堂もびっくりだろう。



    ふとわたしが浴室の鏡を見ると、「無駄だから」と長かった髪はショートにして、就活で髪も黒く染め直した、なんだか精神的に余裕のなさそうな女がこちらを睨んでいた。
    そういうバケモノかと思った。これ以上自分の領域に踏み入ったら叩き斬るみたいな、そういう目をしていた。

    なるほど。
    こんな目をする奴が、「絵を描きたい」なんて言って目を輝かせるわけがない。そう思ったわたしは、急にどうしようもなく19歳の「わたし」が撮った写真を見たくなった。

    わたしは「感性を磨く手掛かりになる」とかなんとか理由をつけて家中を探したが、結論から言うと、ついにわたしは目的の写真たちを見ることはできなかった。
    探しているうちに、わたしは写真たちの行方を思い出したのだが……そういえば今のわたしは、写真たちを完全に「無駄」と見なしていたのだった。それで、いつだったかに、ハードディスクの容量がどうので邪魔になって、フォルダごと全部消してしまっていたのだ。

    こうしてわたしは、あっさりと19歳の「わたし」を失った。
    その写真の中には、魅力的な作品を作るための何かが、おそらくあっただろう。少なくとも、「絵を描きたい」と思ったときのわくわくした気持ちを、受け手に共有させるための何かが。わたしは「無駄」だと思って切り捨てた物に、無様に足元を掬われていた。

    作品作りの壁にぶち当たっていたわたしは、ついに19歳の「わたし」を「無駄」と切り捨てることは叶わなかった。あの形容できない感情を作品に盛り込みたいと思った。鮮やかにものを見ることができた当時の「わたし」の目を、純粋に羨んだ。
    だからこそ今、こうしてわたしは一種の敗北宣言とこれからの道標として、この文章を書いている(ここでもちゃっかり「無駄ではない理由」を添えるあたり、わたしは何も成長していないのかもしれないが)。


    まずは景色を見よう。

    そこから始めよう。


    本当に無駄なものと、そうではない可能性の原石を、一緒くたにして捨ててしまうのは、もうおしまい。創作の時間を「無駄」から守るために、自分自身を無用にすり減らすのは、もうおしまい。
    浴室の鏡の自分を見て微笑むことができるように、今はただ腐らずに生きよう。
    わたしはそう思った。


    そして、わたしは。







    風呂上がりに薄着で家中を探し回ったツケで、猛烈な湯冷めに襲われ、お腹を冷やしてしばらくトイレに閉じ込められた。
    他のどんな有象無象が可能性の原石だったとしても、この時間だけは正直無駄だと思った。


    おしまい。
  • 【ツクールMV Tips】キャラを魅せるテク:村人から注目される主人公は、プレイヤーからも注目される

    2017-02-26 10:38
    おはようございます。
    ストッキングどころかシーツや掛け布団、果ては床まで突き破る「斬鉄剣」の異名を持つ足の爪を持つterunonです。


    現在新作「AbsentAge:アブセントエイジ」の制作をちまちま進めています。国試と就活、他案件もあるので少しペースは落ちますが、少しずつ進めていければと思います。

    (ロゴのAを、ハートマークとト音記号をモチーフにしてみたのが我ながら結構お気に入りです。)

    さてさて、今回のテーマですが、いまわたしの周りでストーリーの練り直しが流行っているので、なにかご協力できないかと思いまして、「絵以外で」キャラを魅せるテクニックシリーズ・その3をお届けします。
    (その1,2はこちら:ar1070790ar1144621



    今回は一言で言うと、村人(モブ)などを使って主人公サイドを引き立てるという、単純簡単ですがとても重要で強力な方法です。
    内容は簡単、モブが主人公サイドを一目置いている描写を入れれば良いのです。手っ取り早いのは、キャラの容姿や性質を褒めることです。(主人公=プレイヤーのときは特にです。変なシチュエーションでないかぎり、ふつう容姿を褒められて嬉しくない人はいませんしね)



    プレイヤーさんは、美男美女というキャラ付けにはすごく反応します

    (これは、テレビ番組が一般人を特集するとき、イケメン○○とか、美人○○みたいな言い方で注目を煽ることからも明らかです。文句言いたいかもしれませんが事実です。)
    さらに、クズみたいな性格の主人公と、人として親しめる・尊敬できる要素を持つ主人公、どっちを操作したいかと言えば間違いなく後者です。
    ※完璧超人にしすぎてプレイヤーさんとの距離を広げすぎたり、逆にキャラの精神的な弱さを前面に押しすぎてプレイヤーさんに呆れられたりしないよう、ここはさじ加減が大事ですね。


    実例です。
    わたしが以前立ち読みノベルゲーム化を担当しました、鹿角フェフさん著・カドカワBOOKS『僕の妹はバケモノです。』(RPGアツマール:gm573、書籍:amazon)のプロローグ数ページに出てくる「ヒロイン(妹)の容姿・性質を褒めている言葉」をピックアップします。
    >「鈴の音を思わせる可愛らしい声」
    >「毎朝わざわざ兄を起こしに来るような献身的な性格」
    >「腰まで伸ばした黒髪にどこまでも透き通るような瞳」
    >「将来はいいお嫁さんになるなぁ」
    >「保護欲を誘う愛らしいその仕草」
    >「綺麗な瞳だ。ガラス細工みたいで、吸い込まれそうに深い。」
    >「小動物めいた仕草」


    これが冒頭数ページに、さりげなくもしっかりと凝縮されています。読むうちに、妹・夢衣にすごくスポットライトが照らされてキラキラしているのを感じ取れると思います。ヒロインの容姿を褒めるのは、男性主人公ものでは特に重要ですね。
    素晴らしい作品なので、是非本屋さんで手にとってみてください。

    これをRPGに落とし込むと、即興で考えましたがこんな感じになります。
    こういったフレーバーテキスト、なんとなく引き込まれませんか?
    (もちろんですが容姿や性質に関してモブに言及させるなら、敵を褒めるのも断然ありです。ライバルや四天王的な敵には、大抵一人は美男子いますよね。)

    宿屋の女将さん:
     あの事件が起こる前、青髪のたいそう男前な人が森に入っていくのを見たんだよ。
     年甲斐もなく見惚れてしまってねぇ、よく覚えているよ。

    長老の息子:
     あ、あのっ……は、はじめまして、○○さん!
    長老:
     なんだ息子よ、そんなに緊張して。魔物退治では村一番なのに、美人には弱いなぁ。

    仕事仲間の傭兵:
     つれないねェ。お前は口さえ開かなきゃ本当に良い女なのにな。

    井戸端会議:
     今の王子様は、まだ頼りないところもあるけど、とても勉強熱心な方で感心しているんだ。
     俺も頑張らなくっちゃ。

    部活仲間:
     ちょっと○○ちゃん、いつまで上の空になってるのさ愛しの王子様はもう行っちゃったよ?





    ちなみに拙作エイリアスエイクでは、主人公ノゾミはよく男性モブや幽霊モブにセクハラ……もといアタックされています。ハルカもハルカで、「失恋ロードの女」なんて薄気味悪がられつつも、なんとなく街の人から注目されるようにしています。
    こう書くとアレですが、フィクションにおいて噂話とセクハラはキャラを引き立てるのに使うには一番手っ取り早く有効です。(※現実世界ではやめてください)


    さてさて。
    以上のような手法、商業ゲームやノベルではかなり一般的な手法ですが、あまり意識する人がいないのか、フリーゲーム界隈ではあまり見かけなくて、もったいないなぁって思うことが多いんですよね。
    以下のような性質を一つ~複数持ったキャラ(特にヒーローやヒロイン)、流行っている作品ほどよく見かけませんか?

    ・重要人物が民衆から愛される王子様、姫など
    ・重要人物が絶世の美男美女、カリスマ
    ・重要人物が周囲から一目置かれる唯一存在(異世界転生や、異能力者)


    「あれ? ……これは。」

    もう気づかれましたでしょうか。
    そう、ライトノベル作品のエッセンスそのものですね。近頃はもうタイトルから上記特徴を明言した作品もたくさんあります。
    ライトノベルは、「絵なしでキャラクターの魅力を文章からの想像力だけで表現する」「プロローグで引き込む」ことに特化した技術の宝庫ですから、自然とつながってくるわけですね。

    (「そういうチャラチャラした作品を作りたいんじゃないんだ(キリッ」と言って聞き流そうとした方! 童話シンデレラの書き出しは「むかしむかしある国に、とても美しくて心優しい娘がいました」ですからね!! 物語の進行だけ見れば、必ずしも「美しい」と言う必要も「心優しい」と言う必要もないのに、です。)

    ほか、乙女ゲーム系に出てくる恋愛対象の男性は、圧倒的に主人公に容姿で惚れていることが多いですし、アニメのラブライブさんは、意識して見てみると主人公たちが周りのモブからやたら「かわいい!」と言われてます。ゲームで、DQ5のビアンカとフローラがやたら美人美人言われていたのは印象に残っている方も多いのではないでしょうか。

    容姿、性質、立場などなど、とにかく作品内で「モブ目線で見てそのキャラクターはどうなのか」、というのを意識してみるといいかもしれません。

    とりあえず、今回焦点に当てたのはいわゆるテキストの「隠し味」にあたる部分です。前面に押し出すべきものではありませんが、うまく使うとストーリーに彩りが出ます。使い方に気をつけてうまく活用してみるといいと思います。


    それでは、今回はここまでで!