• 【ブロマガ】山形の酒は俺の嫁 第37回 酒造好適米 出羽燦々 【非動画】

    2016-09-27 15:291

    主任でございます。今回はお酒の原料米についてお話ししようと思います。
    山形県の酒造好適米の主力品種 出羽燦々であります。

    20数年前、醸造技術が底上げされた山形県の醸造界では吟醸王国であることを全国にアピールしたかったのですが、同時に地酒とは言いながら実情は使用米は県外からの「輸入」に頼らざるを得ない状況でした。

    大吟醸は兵庫県の山田錦が圧倒的。吟醸酒は山形県でも広く栽培されていた美山錦が主流でしたが、これも長野県原産米。
    山形県原産米としては、北日本のほぼ全てのお米の先祖にあたる亀の尾がありましたが、当時はまだ幻の米で細々と栽培されていたに過ぎませんでした。



    そこで山形県は栽培・醸造に実績のあった美山錦の改良米として出羽燦々を開発しました。

    山形県酒造組合では、この出羽燦々及び山形酵母、麹菌オリーゼ山形を使用した、完全山形産原材料の純米吟醸酒を共通ブランド 純正山形酒「DEWA33」と銘打って全国に山形吟醸酒をアピールすることができたのでした。
    この「DEWA33」はクオリティを保つために品質チェックが設けられ、これをクリアして初めて名乗ることができます。したがって山形のお酒を選ぶお手軽な目安にもなっています。

    山形に旅行された際、お土産にお酒を買いたいけれど帰りの飛行機や電車の時間が差し迫っていて酒屋に寄る時間がない…。そんな場合は、駅や空港のお酒売り場でこの「DEWA33」を探してみてはいかがでしょう。
    スーパーやコンビニでも置いていることがあります。いい時代になったものです。
    またそれ以外でも出羽燦々は純米酒から純米大吟醸まで、様々なタイプのお酒に使用されています




    最近ではグランドジャンプ連載の「いっぽん!! 〜しあわせの日本酒〜」第4話にて、六歌仙の純米吟醸「山法師」が紹介され、地元の日本酒好きの間でも注目されました。
    ブルーボトルに黄色のラベル、メタリックレッドの箔押し文字が印象に残る1本です。
    こちらも出羽燦々を使用したお酒で、作中でも触れている通り燗酒がオススメのお酒です。これからの季節にぴったりですね。
    一時期品薄となっていましたが、最近は酒屋さんでも黄色いラベルが目につくようになってきました。非常にインパクトのあるボトルですので、すぐにわかります。

    さて、次回は出羽燦々の後に開発された出羽の里についてお話ししたいと思います。


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  • 【ブロマガ】山形の酒は俺の嫁 第36回 大山 特別純米酒 生酒【非動画】

    2016-05-17 19:14102

     お晩でございます、主任でございます。

     動画更新の無いまま月日は流れ時は移ろい…。
     それでもお酒は醸され酒屋に並び、主任は新酒に心奪われ、酒屋のおっ母さんに飽きられながらも次から次へと地酒を買い漁っては至福の夜を過ごしております。

     最近動画をアップしなかった理由はと言いますと、まぁ…、撮影の仕方の問題もありますが、私の動画が非常に絵的に動きが少なく退屈であるのがずっと気がかりでありました。
     動画編集も退屈な動画一辺倒ではやる気が起きないなんて…、まぁ言い訳であります。
     しかしながら動画のぶっつけ本番のおしゃべりに言い間違いや勘違い発言などもありえますし、文章ですと推敲も可能でありますので、とりあえず自分のやりやすい文章でやってみようと思います。




     さて今回は「酒は大山愛の酒」で有名な加藤嘉八郎酒造さんの大山 特別純米酒の限定生酒を頂いております。

     大山といえば地元山形でも知名度の高い銘柄でして、やはり特別純米酒や本醸造のコストパフォーマンスの高いお酒が馴染み深いと思います。

     今回の特別純米酒はキリッとした辛口酒ですが、この生酒は非常に滑らかな口当たりで程よい蜜柑の果汁感が出ており、しっとりとした熟女感があます。
     その反面後飲感に玄米のコクが感じられ、芯のしっかりとした気骨あるお酒に仕上がっています。まずはキンと冷やして楽しみたいものです。

     この時期ですと山菜をさっと湯掻いてお浸しで頂いたり、白身魚を塩焼きでアテにしたいものです。
     先週は太刀魚が良さげだったので塩焼きでしたが、本日はどうにもやる気のない太刀魚ばかりだったのでパスしました。

     代わりにお祭りの屋台で買った鮎の塩焼き、これは塩が効きすぎで前哨戦としてビールで頂きました。本当は岩魚を買いたかったのですが、売り切れだったので鮎で妥協であります。



     はてさて、本日は屋台で唐揚げとか食べてきたので、おつまみは軽く済ませます。



     天然石鯛をお刺身でいただきます。身がコリコリしていて、噛み応えがありますね。
     一度は釣ってみたいお魚ではありますが、いかんせん石鯛を釣り上げるほどの技術も知識も道具も持ち合わせておりません。知り合いの割烹のおやっさんに今度連れて行ってもらいたいものです。

     お酒が室温に馴染んできました。肩が張った緊張感が和らいで、まろやかな口当たりです。これは夜遅くまで延々と飲んでいくパターンですね。いつもの事です。

    大山
    加藤嘉八郎酒造 特別純米酒 生酒

    原料米:出羽の里
    精米歩合:60%
    日本酒度:+2
    酵母:山形酵母 山形KA
    酸度:1.7
    アミノ酸度:1.0
    アルコール度数:15.9%


  • - デザインの遺伝子 - 酒器のかたち 西洋編2 〜牛の角〜

    2014-08-11 06:2521
    注:この記事は主任の古い記憶とうんちくによって構成されており、実際の事象・神話・歴史・人類学・醸造史・工芸史とは少し逸脱している場合があります。嘘をついているつもりはありませんが、なにせうんちくですので話半分、酒の肴として読んで頂ければ幸いであります。昔むかしの酒杯のお話でございます。


     前回は羊の角杯から取手付きのカップを経てジョッキ、ピッチャー等の酒器へと進化していった話をしました。
     今回は牛の角杯から話を進めていきましょう。

     牛も羊も古くから牧畜として人間に飼われていました。羊は食肉だけではなく羊毛が採れましたし、皮革(羊皮紙)としても重要な産物でした。
     牛も食用のほか、牛乳が採れましたのでそのまま飲用したりバターやチーズに加工して保存性を高めた食品も考案されました。チーズは今もお酒の良きパートナーであります。もちろん皮も利用されましたし、何より力持ちでしたので牛車や田畑の耕運の重要な労働力としても有効でした。

     そしてその角は羊と同様、角杯として利用されてきました。羊の角ほど複雑ではないものの、牛の角はやや湾曲している程度のシンプルな円錐形でしたので取り扱いはずっと楽でした。

     しかしどちらの角もひとつ難点がありました。その形状のため自立しないので、飲みかけの杯から手を離すことができないのです。そのため腰ベルトに挿したり皮ホルダーを付けて肩から下げたり、専用のスタンドが作られたりしました。
     やがて石や木材に穴をあけて、そこに角杯の先を差し込みました。こうして角杯は好きな場所に立てて置くことができるようになりました。


    ビールメーカー GARGERY のリュトン・グラス。(画像はGARGERYサイトの壁紙)
    角杯をイメージした円錐形のグラスと台座で構成されている。酒器の原点回帰ともいえるデザイン。


     さて、時は流れ文明も発展すると人口も増えてきます。日々の酒飲みの為に、いつまでも1頭の牛から2本しか採れない角で杯を作る訳にはいきません。前回と同様にもっと生産性の高い素材が必要になりました。

     ある時、良く角杯を倒してしまう気の短い人が「長過ぎるから倒れるんだ!」と角杯の先っぽをぶった切っちゃいました。盛大に穴があいたのでここを塞いで底を平らにしました。
     この形状を洗練させていくと、もうこれ以上無いほどにシンプルな器が完成しました。


    一般的にタンブラー(コップ)と呼ばれる形状。
    成形の都合上、下部がすぼまっているものが多いが、円錐状の牛角の形状を受け継いでいるともいえる。


     そう、タンブラー(語源:倒れる)です。コップともいいます。角杯とは筒であるという哲学的な解釈であります。
     底から口まで同径のものもありますが、多くは底の径が小さく口側が大きな径であるものが一般的でした。
     その方が飲みやすく、持ちやすく、また「ろくろ」で粘土を成形するのも容易だったからです。金属板を絞ったりプレス成形する場合も、型でガラスを成形する場合もその方が効率が良かったのでした。
     タンブラーの背を低くすればロックグラスになりました。ウイスキー等、アルコールの高いお酒を飲むのには、さほど量が入らなくても良いからです。

     話を牛角まで巻き戻します。牛角は円錐状の形をしていたので、角の先の方が細く持ちやすくなっていました。この持ちやすさと倒れない台座の形を踏まえていくと、ゴブレットが誕生しました。足付きコップです。


    細い脚の持ちやすさと、安定した台座を持ったゴブレット。
    この形状は長らく用い続けられていった。


     そしてこの持ちやすさをもっと洗練させていくと、ついにワイングラスに完成を見ることになります。


    ボルドータイプのワイングラス。
    基本的に本体、脚、台の3部品から構成されており、ゴブレットからの派生である。


     この美しく機能美にあふれるワイングラスも、デザインの遺伝子をたどれば牛の角だったのでした。

     タンブラーもゴブレットもワイングラスもその形は多彩ですが、これら西洋発端の酒器の多くが、日本の杯やぐい飲み、升などと比較しても背の高いものが多いのは、そのすべてが角の長い形状をデザインの遺伝子として受け継いでいるからに他なりません。


     今回はこのへんでおしまい。
    
 次回は日本の伝統的な酒器のデザインの遺伝子についてお話したいと思います。