• 【ブロマガ】山形の酒は俺の嫁 第36回 大山 特別純米酒 生酒【非動画】

    2016-05-17 19:14102

     お晩でございます、主任でございます。

     動画更新の無いまま月日は流れ時は移ろい…。
     それでもお酒は醸され酒屋に並び、主任は新酒に心奪われ、酒屋のおっ母さんに飽きられながらも次から次へと地酒を買い漁っては至福の夜を過ごしております。

     最近動画をアップしなかった理由はと言いますと、まぁ…、撮影の仕方の問題もありますが、私の動画が非常に絵的に動きが少なく退屈であるのがずっと気がかりでありました。
     動画編集も退屈な動画一辺倒ではやる気が起きないなんて…、まぁ言い訳であります。
     しかしながら動画のぶっつけ本番のおしゃべりに言い間違いや勘違い発言などもありえますし、文章ですと推敲も可能でありますので、とりあえず自分のやりやすい文章でやってみようと思います。




     さて今回は「酒は大山愛の酒」で有名な加藤嘉八郎酒造さんの大山 特別純米酒の限定生酒を頂いております。

     大山といえば地元山形でも知名度の高い銘柄でして、やはり特別純米酒や本醸造のコストパフォーマンスの高いお酒が馴染み深いと思います。

     今回の特別純米酒はキリッとした辛口酒ですが、この生酒は非常に滑らかな口当たりで程よい蜜柑の果汁感が出ており、しっとりとした熟女感があます。
     その反面後飲感に玄米のコクが感じられ、芯のしっかりとした気骨あるお酒に仕上がっています。まずはキンと冷やして楽しみたいものです。

     この時期ですと山菜をさっと湯掻いてお浸しで頂いたり、白身魚を塩焼きでアテにしたいものです。
     先週は太刀魚が良さげだったので塩焼きでしたが、本日はどうにもやる気のない太刀魚ばかりだったのでパスしました。

     代わりにお祭りの屋台で買った鮎の塩焼き、これは塩が効きすぎで前哨戦としてビールで頂きました。本当は岩魚を買いたかったのですが、売り切れだったので鮎で妥協であります。



     はてさて、本日は屋台で唐揚げとか食べてきたので、おつまみは軽く済ませます。



     天然石鯛をお刺身でいただきます。身がコリコリしていて、噛み応えがありますね。
     一度は釣ってみたいお魚ではありますが、いかんせん石鯛を釣り上げるほどの技術も知識も道具も持ち合わせておりません。知り合いの割烹のおやっさんに今度連れて行ってもらいたいものです。

     お酒が室温に馴染んできました。肩が張った緊張感が和らいで、まろやかな口当たりです。これは夜遅くまで延々と飲んでいくパターンですね。いつもの事です。

    大山
    加藤嘉八郎酒造 特別純米酒 生酒

    原料米:出羽の里
    精米歩合:60%
    日本酒度:+2
    酵母:山形酵母 山形KA
    酸度:1.7
    アミノ酸度:1.0
    アルコール度数:15.9%


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  • - デザインの遺伝子 - 酒器のかたち 西洋編2 〜牛の角〜

    2014-08-11 06:2521
    注:この記事は主任の古い記憶とうんちくによって構成されており、実際の事象・神話・歴史・人類学・醸造史・工芸史とは少し逸脱している場合があります。嘘をついているつもりはありませんが、なにせうんちくですので話半分、酒の肴として読んで頂ければ幸いであります。昔むかしの酒杯のお話でございます。


     前回は羊の角杯から取手付きのカップを経てジョッキ、ピッチャー等の酒器へと進化していった話をしました。
     今回は牛の角杯から話を進めていきましょう。

     牛も羊も古くから牧畜として人間に飼われていました。羊は食肉だけではなく羊毛が採れましたし、皮革(羊皮紙)としても重要な産物でした。
     牛も食用のほか、牛乳が採れましたのでそのまま飲用したりバターやチーズに加工して保存性を高めた食品も考案されました。チーズは今もお酒の良きパートナーであります。もちろん皮も利用されましたし、何より力持ちでしたので牛車や田畑の耕運の重要な労働力としても有効でした。

     そしてその角は羊と同様、角杯として利用されてきました。羊の角ほど複雑ではないものの、牛の角はやや湾曲している程度のシンプルな円錐形でしたので取り扱いはずっと楽でした。

     しかしどちらの角もひとつ難点がありました。その形状のため自立しないので、飲みかけの杯から手を離すことができないのです。そのため腰ベルトに挿したり皮ホルダーを付けて肩から下げたり、専用のスタンドが作られたりしました。
     やがて石や木材に穴をあけて、そこに角杯の先を差し込みました。こうして角杯は好きな場所に立てて置くことができるようになりました。


    ビールメーカー GARGERY のリュトン・グラス。(画像はGARGERYサイトの壁紙)
    角杯をイメージした円錐形のグラスと台座で構成されている。酒器の原点回帰ともいえるデザイン。


     さて、時は流れ文明も発展すると人口も増えてきます。日々の酒飲みの為に、いつまでも1頭の牛から2本しか採れない角で杯を作る訳にはいきません。前回と同様にもっと生産性の高い素材が必要になりました。

     ある時、良く角杯を倒してしまう気の短い人が「長過ぎるから倒れるんだ!」と角杯の先っぽをぶった切っちゃいました。盛大に穴があいたのでここを塞いで底を平らにしました。
     この形状を洗練させていくと、もうこれ以上無いほどにシンプルな器が完成しました。


    一般的にタンブラー(コップ)と呼ばれる形状。
    成形の都合上、下部がすぼまっているものが多いが、円錐状の牛角の形状を受け継いでいるともいえる。


     そう、タンブラー(語源:倒れる)です。コップともいいます。角杯とは筒であるという哲学的な解釈であります。
     底から口まで同径のものもありますが、多くは底の径が小さく口側が大きな径であるものが一般的でした。
     その方が飲みやすく、持ちやすく、また「ろくろ」で粘土を成形するのも容易だったからです。金属板を絞ったりプレス成形する場合も、型でガラスを成形する場合もその方が効率が良かったのでした。
     タンブラーの背を低くすればロックグラスになりました。ウイスキー等、アルコールの高いお酒を飲むのには、さほど量が入らなくても良いからです。

     話を牛角まで巻き戻します。牛角は円錐状の形をしていたので、角の先の方が細く持ちやすくなっていました。この持ちやすさと倒れない台座の形を踏まえていくと、ゴブレットが誕生しました。足付きコップです。


    細い脚の持ちやすさと、安定した台座を持ったゴブレット。
    この形状は長らく用い続けられていった。


     そしてこの持ちやすさをもっと洗練させていくと、ついにワイングラスに完成を見ることになります。


    ボルドータイプのワイングラス。
    基本的に本体、脚、台の3部品から構成されており、ゴブレットからの派生である。


     この美しく機能美にあふれるワイングラスも、デザインの遺伝子をたどれば牛の角だったのでした。

     タンブラーもゴブレットもワイングラスもその形は多彩ですが、これら西洋発端の酒器の多くが、日本の杯やぐい飲み、升などと比較しても背の高いものが多いのは、そのすべてが角の長い形状をデザインの遺伝子として受け継いでいるからに他なりません。


     今回はこのへんでおしまい。
    
 次回は日本の伝統的な酒器のデザインの遺伝子についてお話したいと思います。
  • - デザインの遺伝子 - 酒器のかたち 西洋編1 〜羊の角〜

    2014-07-30 17:5041

    注:この記事は主任の古い記憶とうんちくによって構成されており、実際の事象・神話・歴史・人類学・醸造史・工芸史とは少し逸脱している場合があります。嘘をついているつもりはありませんが、なにせうんちくですので話半分、酒の肴として読んで頂ければ幸いであります。昔むかしの酒杯のお話でございます。

     昔むかし人は牛や羊などの獣角をお酒の杯として使っていました。「角杯」っていうやつです。獣角は筒状の構造になっているのでお酒を飲むのにちょうど良い。それに頑丈な素材でもあったのです。

     また、角杯を所持している事は、ひとつのステータスシンボルでもありました。
    たとえば「オレはこんなにでっかい角を持った牛を倒した勇敢なハンターなんだぜ!」とか「私はこの立派な角を持つ羊を沢山所有している裕福な族長である。」などと言った具合に、角杯それ自体が武勇伝や富の象徴でもあったのです。

     そしてこれらの元の動物はその地域での守護神や聖獣であったりするので、その角からお酒に神聖な力が宿ると信じられるようになり、その一部は儀式に用いられるようになりました。


    リュトン:ルーブル美術館所蔵
    リュトンは上方から酒を注ぎ、下部にある穴から杯に注ぐようになっている。
    動物(神の化身)の意匠が象られており、酒がリュトンを通過することで神聖な力が宿るとされていた。
    形状が似通っているため混同されやすいが、リュトンは杯に注ぎ分けるための道具であり、角杯のような個人使用目的の酒杯ではない。

     ちょっと脱線しますが、お酒はビールであれワインであれ農作物から作られます。半羊の姿である牧神パンは羊飼いの神様、そして田園の神様でもあります。牧神パンの息子からディオニュソス(バッカス)にブドウの栽培と醸造が伝わり、やがて人間にワインが広まりました。羊(の角)とワイン(酒)には、密接な関係があったのです。

     さて、時は流れ文明も発展すると人口も増えてきます。日々の酒飲みの為に、いつまでも1頭の羊から2本しか採れない角で杯を作る訳にはいきません。もっと生産性の高い素材が必要になりました。

     古くは石や木を削っていたのでしょうが、やがて粘土や金属という加工性に優れた素材にとって代わります。加工性に優れるということは、やがて装飾も施されるということですが、ここでは割愛して純粋に器としての形状そのものに注目していきます。

     金属(青銅や金銀)はまだ希少品だったので、まずは羊の角をお手本に粘土で杯を作っていくとしましょう。羊の角は先がくるんと丸まっていて、これが持ち手として実に具合が良い。この機能を守りつつ形を洗練させていくと…。

    写真:CarbonNY


     取手付きのカップへと進化しました。取手は器の上部をひも状に切り出して曲げたり、別パーツとして作った後、器に接着するなどしました。ガラス鋳造や素材がプラスチックに置き換わると、一体成形も可能になりました。取手は壁のフックに引っ掛けて収納することにも使えました。


    写真:55Laney69

     そしてこの取手は樽などの大きな容器からお酒を汲み出すのにも一役買いました。
     取手のない普通のコップだとやり難いし、間違って樽の中にコップを落としてしまいかねません。カップが樽底まで届くように取手をまっすぐに伸ばして長くすると柄杓(ひしゃく)になりました。
     とはいえ樽底まで手を伸ばすのは面倒だし、樽の蓋を開けっ放しにするとゴミが入ったりお酒の気が抜けるので、後に樽に穴をあけてそこから注ぐようになります。

    「樽の前に人が群がって混雑する。効率よく皆にビールを注いで廻りたい。」
     そんな居酒屋的事情から、カップは大型化してピッチャーになりました。はじめは水差しで代用していました。


    ピーテル・ブリューゲル:農民の結婚式 ウィーン美術史美術館所蔵
    左手前に水差しからジョッキにビールを注ぐ男性(花婿?)の姿が確認できる。

    「ちまちま注いでなんてやってらんねぇ!もうコイツでビールを飲んじゃえ!」


    写真:caba1

     そんな欲張りさんのためにピッチャーを飲みやすい大きさにサイズダウンして注ぎ口も無くしちゃうとジョッキへと生まれ変わります。カップのサイズアップとも言えます。

     結局の所、陶器や磁器、金属やガラスへと素材が変わろうと、またカップやジョッキへと形態が変わろうと、その取手の原型は、実は羊の角の丸まった部分にさかのぼることが出来るのです。

     これをデザインの遺伝子といいます。でもこの単語は主任が勝手に使っているだけです。


     今回はこのへんでおしまい。
     本当にただのうんちくですので鵜呑みにしないで下さいね。でも九割五分くらいは合っているはずです。
     次回、気が向いたら牛の角から話を進めていこうと思います。