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神保町映画祭リターンズ/「DEPARTURE」園田新監督インタビュー
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神保町映画祭リターンズ/「DEPARTURE」園田新監督インタビュー

2018-06-15 00:00

    ニコニコチャンネル(動画配信サイト)「東京ヘッズ」とのコラボレーションによる

    「神保町映画祭リターンズWEB」!

    今月の企画配信は「カタルシス映画」特集。梅雨のじめじめした気持ちを吹き飛ばすような爽快な余韻が残るオススメ作品をお届けします!配信と併せて監督インタビューもどうぞお楽しみください


    6/15(金)~6/22(木) 「DEPARTURE」17分 監督:園田新

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    配信URL:http://www.nicovideo.jp/watch/1528513114 

    ※期間中、上記URLより会員登録(540円/月額)後に、ご覧いただけます。


     

    園田 新(そのだ しん)

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    立教大学法学部国際比較法学科卒。大学在学中にニューヨークに留学し、映画づくりを学ぶ。テレビ番組のディレクターを経て、2007年、脚本、監督から配給、宣伝まで自らトータルプロデュースした初長編作品「Wiz/Out」が渋谷ユーロスペースにて公開、スマッシュヒットを記録。函館港イルミナシオン映画祭・シナリオ大賞にて自身の長編映画用脚本が2作品連続受賞。(2009年「記憶代理人」審査員奨励賞、2011年「リアルファミリー」グランプリ受賞)2013年、釜山国際映画祭が主催するアジアの新進映画作家支援プログラム・AFA(Asian Film Academy)の監督として選抜される。2017年、新作長編映画「リバースダイアリー」を製作。同作は現在までに国内外10を超える映画祭に招待され、最優秀作品賞、最優秀脚本賞を含む8つの賞を獲得。

     


    Q.制作の経緯について教えてください。
    2013年に釜山国際映画祭が毎年主催しているAFA(Asian Film Academy)というプロジェクトに参加したことが最初のきっかけです。

    AFAでは参加者が脚本を書いて、その中から選ばれたいくつかの脚本を4人程度のチームで短編映画化しますが、僕の書いた「DEPARTURE」が選ばれまして。
    AFAでは脚本を書いた本人が監督できないという規定で、「DEPARTURE」は他のアジア圏の若手監督4名が制作をしました。
    AFA版「DEPARTURE」も、それぞれのお国柄が出ていて良い仕上がりではあったのですが、どうしても日本人の感性で僕自身が日本を舞台に移しセルフ・リメイクしたいと思いました。

     

    Q.シナリオの着想はどいうったところから生まれましたか
    AFEでは期間中の数日間で撮影できることや、ロケ地も3~4か所程度という条件もあったので、極力シンプルな物語しようということは考えました。

    もともと『ストレンジャー・ザン・パラダイス』とか『パリ、テキサス』みたいなロードムービーが好きで、<移動していく中で変化していく>みたいな映画をいつか撮りたいとは思っていました。

    短編だけどロードムービーっていうのは余りないですしね。
    だから最初に「人が出会って」「一緒にどこかに行って」「最後は解放されて」というような構成が頭にあって、それに加えて感情がぎゅうぎゅうに詰まった作品にしたかったので、「復讐心」を軸にした物語の大筋は決まりました。

    その後は、そこに巻き込まれるヒロインは「どういう問題を抱えている人がよいか」という順で設定を決めてストーリーを組み立てました。
    わりと普段からストーリーをつくろうとして脚本を書き始めるよりも、どういう設定にしたらこの感情が強く描けるだろうか等、感覚的なイメージが先行で設定や物語を組み立てていく方法が多いです。

    日本版では脚本のシンプルさをを活かして、役者さんの芝居で魅せる演出を心がけました。どこまで役者さんと向き合えるかというのが、僕なりのチャレンジでもありました。

     

     

    Q.拘った点はありますか
    ラストの夕日のシーンの場所を最初に決めたのですが、ネットで「灯台」を検索して、いくつか実際にロケハンをして三浦海岸の城ケ島灯台にしました。

    どうしても海の方角に夕日が沈むことには拘りたくて、その条件に叶う限られた時期にスケジュール調整ができず、撮影を一年延期することにしました。
     

    Q.スタッフ・出演者はどのように集めましたか?
    主演のウダタカキさんは以前、別の作品でも出演して頂いたことがありまして、今回イメージにあったのでオファーさせていただきました。

    ウダさんの素晴らしいところは「技術面での演技力」だけではなくて、準備に余念がないところで、全力で役に向き合ってくださるところですね。
    存在感もあってカッコいいですし、あとは自分の一番パーソナルな部分も曝け出して役に反映して下さるので、本当にありがたい役者さんです。
    高校生役の笠原千尋さんは、もともとはインターネットからの募集がきっかけです。
    撮影が1年先に延びたので、エントリーの中身もあまり見ずに、一旦皆さんに撮影が延期になった旨のメールをしたのですが、その間にたまたま笠原さんがヒロインとして出演された「神奈川芸術大学映像学科研究室」のプロモーション記事を見ていて印象に残っていたので、いざキャスト探しを始めたときに改めて資料をみていたら、笠原さんの資料が目に留まったので、事務所経由で面談させてもらいまして、イメージに近かったのでお願いすることにしました。



    Q.撮影時の大変だったことはありますか?
    監督をしながら技術部以外のことを全て兼務しなければならなかったので、それが大変でした。キャストの演技を見てOKの判断をして、お弁当の手配や次の現場の入り時間を演者さんに伝えて…メイクルームへの移動を考えたり、いろいろなことを掛け持ちで行わなければならなかったので…。


    Q.現場での変更点はありましたか?
    雨が降ってしまったので凄く撮影がやりづらくなりましたね。
    カメラレンズに水滴がつかないように配慮したり、何をするにも通常よりも時間もかかりますし…カット数も大幅に減らしたので、よりシンプルになって、役者の芝居をじっくり見てもらえる仕上がりになったと思います。

    あとは小道具で傘が追加になりましたし。
    公園のシーンもキャストがなるべく雨に濡れないように屋根のある場所に変更したり限られた範囲でお芝居をしてもらったりはしました。

    ただ結果的には雨で良かったと思います。自然を味方にできたというか…雨じゃなかったらもっと違った作品になったと思うんですよ。

    ラストは綺麗な夕焼けと決めていたんですけど、最初雨で始まったからラストはよりドラマチックに、感動的なシーンになったと思います。

    2日間の撮影スケジュールで1日半程度で撮り終えたのですが、1日目の夕方だけ奇跡的に晴れてこれは「映画の神様がご褒美をくれた」のだと思いました。

     

    Q.映画を撮り始めたきかっけを教えてください
    昔から映画は好きで高校まではハリウッド映画を中心に規模の大きなお金のかかった映画ばかりをみていたのですが、大学のころにたまたま見た深夜番組で観たウォン・カーウァイ監督の「欲望の翼」を観て度肝を抜かれまして…。

    これまで観ていたハリウッド映画とは全く違った作風で、それでいて物凄く心動かされてしまって、見終わった後またすぐに録画を観返したくなっちゃうような…。
    ちょうどミニシアターブームでもあったので「トレインスポッティング」とか、「バッファロー’66」みたいなミニシアター系作品を積極的に観るようになりました。
    ミニシアター作品にハマってめり込んでいくうちに自主制作で映画のことを知って、そこから映画をつくることにも興味を持ちました。

    1996年当時はまだ日本には映画学校もなくて、アメリカでは映画を学問として学べる場所があって、専門の大学もあるというのを知りました。
    自分も映画づくりを学びたいと思い、大学を1年間休学して「映画づくり」を学ぶためにアメリカ留学をしました。
    その後、テレビ制作会社で映画紹介の番組ディレクターを経て、フリーランスになりましたが、仕事でカンヌ映画祭のレッドカーペットを取材したときのことが、人生の大きなターニングポイントになるくらい刺激を受けました。
    レッドカーペットの外側から撮らせてもらったのですが、そこを歩く人たちの本気度というか…これまで自分がやってきた映画の延長線上で、より本気度が高い人たちだということを感じましたね。自分はこんな本気度で映画に向き合ったことはあっただろうか…と沸き立つような気持ちが起こって、帰国して間もなく10日間ほどあった夏休みをつかって「Wiz/Out」という長編映画を撮りました。

    ただテレビの仕事に追われて、撮ったまま編集できない状況が続いてしまいまして…。
    それなりに規模が大きくなってしまったこともあり、覚悟を決めて会社を辞めました。
    それ以降はずっとフリーランスとして活動しています。



    Q.好きな監督、影響を受けた監督を教えてください
    僕が一番影響を受けたのは、やっぱり映画づくりをするきっかけになったウォン・カーウァイ監督ですかね。ウォン・カーウァイ監督の作品は全部好きです。
    他にはポール・トーマス・アンダーソン監督も好きですね。
    自分で脚本を書かれていて独特の世界観で。「DEPARTURE」とも共通する部分があるんですけど、人間の本性や奥底みたいなのをあらわにするみたいなアプローチをするのが好きです。
    あとは「21g」、「レヴェナント」とかのアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督。
    メジャーなところですと「インセプション」のクリストファーノーラン監督も好きです。
    高いレベルで商業性と作家性を成立させてるところが凄いなと感じます。



    Q.これまでの作品で共通しているテーマはありますか。
    これまでの作品に共通しているのは「現代的な孤独感」ですね。
    高度な科学技術によって人と人が繋がる事はどんどん容易になって世界はどんどん狭くなっているのに、人の孤独感はますます広がっているように感じています。
    すぐ繋がれる環境はあるのに本当の繋がりが得られないというか…断絶されたような感覚っていうのは、どの作品でも共通してるテーマです。

    今回の「DEPARTURE」でいうと彼らは出会う筈もなかったけど、何らかの「孤独感」「空虚感」みたいなもので繋がったのだと思っていて、そういう「人と人がつながる」ということを描いています。

     

    Q.映画をつくる原動力は何でしょうか
    僕の場合はとくに予算の有り無しに関わらず、映画をつくることはとても身近にあって、日常の中で欠かせないことなので、それが形になることが一番の歓びですね。
    でも決して自分一人のイメージにはおさまることは少なくて…色んな人が関わっていくことで、想像以上のより高まった状態の作品ができ上がります。

    もう一個のピークは劇場で観てもらったとき、お客さまに何かしら意味のある物として受け入れて頂けたときに満たされますね。




    Q.今後の方向性について
    一番には継続的にオリジナル脚本を映画化していきたいということ。
    それに加えて公開劇場を増やすとか自分の作品を観てもらうためにえる人を広げていきたいという想いはあります。

    それには出演者のバリューを考えたり、僕自身のバリューを高めていくっていうのも必要だと思いますし、そのための工夫はしていきたいですね。




    ー長時間のインタビューありがとうございました。




    取材・文:向日水ニャミ子



     

     

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