• いいにおいのするKRALLICE JAPAN TOUR 2016

    2016-08-11 23:31







    USBMを代表するバンドの一つにまで成り上がったトレモロリフの鬼神Krallice初の来日公演ということで参戦してきました。何でも海外でライブをしたことがほとんどないつまりはレアな公演でもあるらしくコレは観ておかねばと思った次第。招集して下さったのは二度のAlcest公演を実現させてくれた大阪のブルータルオーケストラ集団Vampillia!只々感謝しか言いようがありませんね。そして何度見ても楽しいことに定評のある彼らのパフォーマンス最近観てないなぁってことや謎のグループVMOも気になるしで数ヶ月前から楽しみにしていました。その割には予約受付〆切りの30分前に駆け込みする慌てっぷりや向かう道中ポケストップに寄り道したりで時間ギリギリに到着したりと相変わらずのグダグダ具合ではありましたが(苦笑)場所は前回Pallbearerの公演でお邪魔したHUCK FINNで、この手のややアンダーグラウンド気味なメタルバンドの集客が非常に厳しいってことは今まで足を運んだイベントでも重々承知してたのでどんなもんかなぁと恐る恐る入場すると、満員とは言い難いものの後ろの方までそれなりに埋まってた気がするので、平日の名古屋ってことを踏まえれば十分健闘してた方だと思う。


    [VMO]


    招集元のVampilliaによる90年代初頭のノルウェイジャンブラックメタルバンドのオマージュのようなユニット。故にメンバーもカタカナでウルヴェルとかゴルゴロスなんて書かれた如何にもネタ臭漂うTシャツを着用しての登場でありました(ツイッター情報によると近々「クラリス」も追加予定らしいw)。ちなみに名古屋には今回が初上陸だったらしい。micci the mistake(ミッチ―)による社会問題となったアニメポケモンでのポリゴンショックのような演出や前方が危なくなるかもといった注意を含めたMC(茶番)がありました。始まると「時は~」みたいな冒頭のアナウンスやエクスペリメンタル/ドローンのような良からぬ雰囲気を形成していく謎の演出からして何が始めるのかマジで予測出来なかったのだけど、ストロボライトのチカチカする光の光彩がフロアに照り付けるとEDM的なドゥンドゥン揺らすトランスビートとBen Frost先生のようなインダス気味の高音ノイズが一斉に降りかかり狂乱の宴が始まった。ノリとしてはメタルのようなエクストリームな激しさはあれど、中央の暴れ隊4人を見るにステップを踏むようなかんじ広範囲で動き回っていたので、行ったことはないけどクラブイベントや所謂ウェーイ系のキッズ御用達邦バンドのライブってこういうかんじなのかなぁと冷静に観てました(ミット打たせてもらったけどねw)。それでも終盤ではポスト的な音の広がりを見せたりと本家Vampilliaらしさも窺えましたし、ツボに触れるような場面もそれなりにあったも事実。まぁ何にせよ当日最高気温38度という真夏日を印象付けるような会場の熱気も然る事ながら、前日の某オタクイベントとはまた違ったいい汗をかかせて頂きました。音源なんかも視野に活動して欲しいですね。

    [NOISECONCRETE×竜巻太郎]


    コチラは本イベントで初めて知ったのですが、後から調べてみると豊田市在住のGang up on againstのボーカリストによるインダストリアル/ノイズ系プロジェクトらしい。今回は以前Deafheavenの前座でも出演していたNice ViewやVampilliaのドラマー竜巻太郎氏が参加。音合わせの時点でエグい高音ノイズが結構耳にキテたのでコレはなんか危なそうだなと思ってましたが、案の定大音量ノイズの垂れ流しに手数の多いテクニカルなドラム捌きが融合したけたたましいスピード感で駆け抜けるノイズグラインドのようなナニカで、丁度私の真横で観てたKralliceの面々も大ウケしながら見入ってましたね。10分~15分程度の短さであってもかなりのインパクトを残してくれました。

    [Vampillia]


    たぶんコレで観るの4回目だと思う。音楽性だとかは2014年リリースのアルバムレビューでも散々褒めちぎったし、ライブの内容はAlcestのライブレポで触れているから今更全てを書いていく気には流石にならないのだけど、Kralliceの前座という位置だからかびずあるけいでいうところの暴れ曲が中心で、フロアの盛り上がりも最高潮に達していました。勿論脚立を中央に持ち込んだあのパフォーマンスや観客側への飛び込みも健在で、芸人バンドらしさも再確認出来ましたし、後半からは「ice fist」や「endress summer」といったVampilliaきっての名曲も披露していました。そしてラストにはMick Barr(写真左)を呼んでの「good religion」というサプライズ演出まであったりとこの公演でしかできないコラボレーションはホントレアだったと思うし、これだけでも観に行った価値がありましたね。しかし、中央前の暴れ隊の過激さにはライブだから多少はねと思いながらもちょっと引いた。特に悪目立ちしていたガタイのいいゴリはなんというかヤるにしても限度って知ってる?言ってあげたくなるくらいの猪突猛進っぷりでして、私含めたじっくり鑑賞したいためにある程度下がって距離を置いているところまで余裕で全力タックルしてきてたのにはアッってなった方はその場にもきっといたはず。それだけなかったら言うことなかったのになぁ。

    [Krallice]


    トリのKralliceです。彼らの全盛期と言える2nd「Dimensional Bleedthrough」~3rd「Diotima」あたりが好きでそれ以降は言うほどでもなかったりします。特に最新作「Ygg Huur」はエクスペリメンタル/テクデスといった今までにないサウンド方針であるため非常に取っつきにくく琴線に引っ掛からなかったのが事実で、レビューで取り上げたこともありませんでした。軽い音合わせを終えてスマートに楽曲へと移るのですが、やはり最新EP「Hyperion」を引っ提げたツアーということもあり、最近の前衛的な楽曲が中心。そのためさっきまでVampilliaでノリノリだった客層もほとんど棒立ち状態で鑑賞といったかんじ。特に私は最近の作品は一切予習せずに観ていたので、曲を聴くというよりメンバーによる渾身の演奏を必死で追うのが精一杯だったというのが本音と言ったところで、異次元に放り込まれたかのような轟音世界は異様でありました。二年前に観たメンバーのColin Marston(Ba/Gt)が在籍するGorgutsのライブのときのあの感覚にも似てる気がしますね。まぁでも中盤戦を超えたあたりからの初期の楽曲と思わしき(判別不能w)トレモロ波状攻撃による熱走に磨きが掛かり始めてからはまるで脳のリミッターが解除されたが如く必死で頭振って快感を得ていたので楽しいライブであったことには違いありません。というかCD音源余裕で超えてた。そしてMick Barr始め各メンバーバカテク揃いなのは今更言うまでもないのですが、中でも髭モジャがトレードマークのLev Weinstein(Dr)のドラミングが正確なのは勿論のことスローだろうがブラストだろうが一音一音がとにかく太くてデカイ!それだけで最高なくらいパワフル極まりない叩きっぷりで、今まで観た中でも特筆して凄腕のドラマーだったと思います。プレイタイムはアンコール含めて70分強。

    物販でコラボTくらい買おうかなと思ってたけど、全サイズ売り切れていたのでなし(後から注文は出来たみたい)。音源も好きな作品は全て揃えてるからいいけど最新作以外完売ということで肩透かし喰らった人もいたはず。私もサインくらい貰わねばと行く前に棚を漁ってたけど結局2ndしか発掘出来ませんでしたが、無事メンバー4人から頂くことが出来ました。とってもフレンドリーで良い方たちでした。更に招集をして下さったVampilliaのメンバーからも前回に引き続きサイン頂いてありがとうございました。次の外タレ枠は決まってないみたいだけど、来月にはAlcestが待望の新譜出しますし、ソレ引っ提げての三度目の来日公演なんてどうでしょう?(願望)




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  • さよならポニーテール/円盤ゆ~とぴあ

    2016-07-06 02:57



    [Disc-1 ~A面集で恋をして~]
    1. この恋の色は
    2. すーぱーすたー
    3. 放課後えすけいぷ
    4. 悲しいうわさ
    5. 夏の魔法feat.曽我部恵一+ザ・なつやすみバンド
    6. きみに恋したんだ
    7. 季節のクリシェ
    8. かわいいあのコ
    9. 光になって
    10. ななめライン急行
    11. 大事なコトバ
    12. 光る街へ

    [Disc-2 ~さよポニ・カレンダー~]
    1. ニューなイヤー
    2. どぎ☆まぎバレンタイン
    3. いろはにほへと
    4. えいぷりるふ~る
    5. ふわふわふ~る
    6. 天気予報の恋人
    7. 星たちのアバンチュ~ル
    8. さよポニの湯けむり音頭 Part1
    9. ふたりぼっち with 岸田メル
    10. ダンスフロアとカボチャのおばけ
    11. 勤労と感謝
    12. 冬物語
    13. ぼくたちの卒業

    [Disc-3 ~思春期の光と影~]
    1. ヘールシャム
    2. サムウェアインタイム
    3. ねこねころんだ
    4. エラーメッセージ
    5. 少し泣けたんだ
    6. さよなら、ありがとぉ
    7. アンジー
    8. ひとりぼっち

    国産サブカル系ポップス/アイドルユニットによる3rd。みぃな、あゆみん、なっちゃん、ゆゆ、しゅかの5人のヴォーカル率いる大所帯ポップスグループさよならポニーテール通称さよポニによる最新作。相変わらずアートワーク等のイラストのみでの登場と神秘性を守り抜いているさよポニですが、彼女らがタワレコのアイドル専門レーベルT-Paletteに移籍したと聞いたときはさぞ驚いた。しかもSwallow The Sunの最新作に対抗してかは知らないが、3枚組33曲のコンセプト作だと知った時は一流のアーティストであっても難しいこの難題を今の彼女らでどう表現するのかと不安が過った。当然、5人組になって楽曲のスケールやバラエティを増した2nd「青春ファンタジア」やアニメ「キルラキル」のEDシングル「新世界交響曲」でストリングスを用いたポストロックっぽいアプローチがあったりと、いつになく爽快でアップテンポな新たなさよポニの姿が確認出来ていた。もしかしたら次作凄いことになるかもしれないなんて予想すらしてた人なので、仮に従来のサウンドでなくとも多少の振れ幅くらい軽く許容出来るぜくらいに待ち構えていたら、その謎の大きな期待に日和ったのか良くも悪くもT-Paletteらしいアイドルポップセンスが前面に押し出されたような至って大衆的な作風であり、まだ3人ヴォーカル体制だった頃の「モミュの木の向こう側」や名盤「魔法のメロディ」のような胸焦がすほどにピュアであの甘酸っぱいノスタルジックなサウンドはもうココにはなかった。言い換えるなら僕らが送りたかった青春像を体現したような非モテオタク向けのワイらのためのポップ音楽→ド田舎から出てきた大学生的な空回り感を持った単なるサブカル野郎向けのポップ音楽への変化はマジでツラい。つうか、他のユニット活動やイラスト集なんて出してる場合かよって話。

    まず3枚組のメインとなっている[Disc-1 ~A面集で恋をして~]から→一枚目はポップソング集を意識して作られた円盤で、パーカッションによる緩やかなスタートを切る1. この恋の色はともかくとして、只々アップテンポに進行する2. すーぱーすたー、そして中華的なアプローチや如何にもな現代的歌詞を用いた3. 放課後えすけいぷにしても思いのほかあっさりと通り過ぎていく。少なくとも序盤の掴みは決していいとは言えず、同じ中華ライクなナンバーでも前作収録の「放課後れっすん」やモ!の「1!2!かんふー!」とはえらい違いだなと落胆した。更に、ピアノの優しい音色をバックにみぃなと曽我部恵一がゆったりとデュエットする5. 夏の魔法を聴いて、みぃなメインだからか初期の雰囲気を醸し出す楽曲にある種の懐かしさを感じながら、同時に渋谷系にまで手を染めるなんてと泣き崩れそうになった。その後は、ポップネスを弾けさせながら恥ずかし可愛い初々しさ満載の歌詞を歌い上げる6. きみに恋したんだ~7. 季節のクリシェの中盤の流れ、エレクトロ風味の4つ打ちリズムに緩めのラップリレーを乗せた10. ななめライン急行は従来のさよポニらしさが詰め込まれた良楽曲でそれなりには盛り上げてくれる。11. 大事なコトバも既聴感アリアリのバラードですが、前半パートに比べればまだ聴けるかなといったかんじで幕を閉じる。続く[Disc-2 ~さよポニ・カレンダー~]は1月~12月までの季節ソングとして月1でYoutubeにて公開されていた楽曲+1を集めた半ベスト的な内容。尺がないので気に入ったものだけ挙げると、ひな祭りをテーマにした3. いろはにほへと、エイプリルフールをテーマに爽快なアニソンライクなメロディで駆けていく4. えいぷりるふ~る、「恋愛サーキュレーション」のような可愛い電波飛びまくりな5. ふわふわふ~る、「放課後せれな~で」に続くイラストレーター岸田メルとのコラボ楽曲9. ふたりぼっち、ハロウィンをテーマにしたアップテンポな10. ダンスフロアとカボチャのおばけ、季節ソングから離れて卒業をテーマにした13. ぼくたちの卒業など幅広い楽曲が収められている。コレに関しては先んじて聴いてたリスナーにとっては今更感はあるかもしれませんが、私自身ほとんどチェックしてなかったことと制作時期が2ndからすぐなので新作として新鮮に聴けました。[Disc-3 ~思春期の光と影~]はみぃなオンリーの歌唱とアコースティックサウンドによる至ってシンプルな弾き語りソング集で、初期のような素朴さが確認出来たりで微笑ましいが、まぁ一回聴けばいいかな程度の内容。当然オススメはDisc-2ね。

    楽曲の話はさて置き、ここ数年でCDからストリーミングで音楽を聴く時代へと一気に加速したことで、気軽に音楽を楽しめるようになった。その半面、円盤の売上が伸びないといった問題もよく指摘されていますが、ちなみに私の意見としては年間ベスト邦楽の記事でも述べたとおり、聴きやすいスタイルを各自選択していけばいいと。つまり賛成派でして身内でもApple Musicに卒倒していくものが後を絶たないのを見てやはり流れがキテルなと思っている次第。しかし、歌詞カードやパッケージング、解説等フィジカルだからこそ楽しめる旨みもあるわけで、むしろ若者の円盤離れが顕著なこの時代によくこのテーマを提示してきたなとその勇気には称賛したい。それと同時に、そのテーマと本編の内容がかみ合っているかは正直微妙なところだが、改めて円盤ならではの良さについて考える機会をくれたことに対しては素直に感謝したいところ。



  • Chouchou/Alexandrite

    2016-07-05 03:14



    1. fjord
    2. Cloud 9
    3. LUNARIA
    4. CATASTROPHE
    5. Absolute zero
    6. spira
    7. landscape
    8. anemone
    9. eden
    10. SUPERNOVA
    11. snowdrop
    12. Innocence

    国産エレクトロニカ/アンビエント系ユニットの4th。インターネット上に存在する仮想世界「Second Life」にて結成されるという異色の経歴を持ったヴォーカリストJuliet HeberleとコンポーザーArabesque Chocheの二人組からなる音楽ユニットChouchouの最新作。ちなみに「Second Life」ってなんぞやと思ってググってみると、自らのアバターを作って現実世界とは異なる生活を送る~とかなんとか出てきたので、要は今で言うところのネトゲの先駆けみたいな存在なのかね?(適当)。光の色/温度によって変色効果があるという鉱石アレキサンドライトをコンセプトにした本作「Alexandrite」は、鉱石のカラーチェンジのように儚くも美しい癒しをもたらす本編と無限に広がるヴァーチャル世界だからこその無機質な雰囲気に包み込まれた実験的な電子系リミックスCDの二枚を対にして異なる世界をリスナーに味あわせてくれる色彩感覚溢れる作品になっています。「Chouchouとしてのポップ」を意識して原点回帰を狙った本編をベースに各曲解説していくと、ピアノの音色と僅かに入ってくる電子音のアンビエントにJulietによる透き通るようなウィスパーヴォイスを乗せた癒しナンバー1. fjordを始め、非現実的なひんやりとした無機質さを包容したエレクトロニカの2. Cloud 9、Pianaを彷彿とさせる優しく繊細なタッチで描かれる3. LUNARIA、元気ロケッツのような爽快なテクノ/ハウスポップ路線の4. CATASTROPHE、内省的な薄暗さとクラシカルな美しさが同居した5. Absolute zeroといった前半パート→歌モノの楽曲を挟むことで非現実と現実の間を交差するような構成になっている後半パートでは、聴き手の感情をより一層揺さぶってくる。蕩けるようなヴォーカルに儚げな哀愁メロディとフォーキーなアコギがそっと寄り添う8. anemoneや虚しさや憂鬱といったダークな感情と癒しの感情が入り混じった、まるで思春期のような虚ろでノスタルジックなメロディが織り成す12. InnocenceはLily Chou-Chou時代や1st「Landmark」までの全盛期Salyuを思い出したりでマジで心打たれます。徹底した拘りを感じるPVも必見。本作の理解をより深めたいのであれば是非二枚組仕様をオススメします。2015年ベスト作品。