• Gold Panda/Good Luck and Do Your Best

    2016-12-26 00:30



    1. Metal Bird
    2. In My Car
    3. Chiba Nights
    4. Pink And Green
    5. Song For a Dead Friend
    6. I Am Real Punk
    7. Autumn Fall
    8. Halyards
    9. Time Eater
    10. Unthank
    11. Your Good Times are Just Beginning

    UKは首都ロンドンの都市ペッカム出身のグリッチ/インディトロニカ系アーティストの3rd。本作にて日本語タイトルの曲を制作したり、過去に日本に在住経験があったりとRivers Cuomo(Weezer)やJim O'Rourkeなどと同じく親日家としても知られているUKのプロデューサーGold PandaことDerwin Schleckerによるプロジェクトの最新作。ポスト・ダブステップなんて言葉が浸透し始めた時期にリリースされたデビュー作「Lucky Shiner」はほんのりと眩い光を放つシンセと人懐っこいメロディに緩やかなビートを反復させてユニークなEDMを鳴らしていた良質なアルバムで、「You」と「Marriage」という二大アンセムが収録されていたこともあって当時よくヘビロテしていたのを覚えています。その次にあたる2ndはスルーしてて聴くのは1st以来約6年ぶりとなります。その三作目となる本作「Good Luck and Do Your Bestは、広島で乗ったタクシーで降りる際に運転手から掛けられた言葉から名付けられたもので、そのアクティブな言葉からインスピレーションを得ていることから、より自然体かつポップな電子音楽を味わうことが出来る。淡々と揺らめくビートのリズムとノスタルジックなメロディが快楽的な聴き心地を与えてくれる導入曲1. Metal Birdを始め、名曲「You」の再来を思わせる琴線を揺さぶるような中華テイストのサンプリングを巧みに取り入れて独自の世界観を生み出している2. In My Car、妖艶な色気を塗した躍動感のある楽曲3. Chiba Nights、アンビエント風の穏やかな楽曲は禅が如く安らぎをもたらす6. I Am Real Punk、オリエンタルなムードを滲ませたダブステップ風味の8. Halyards~9. Time Eaterなど温かく包み込まれるようなセンチメンタルな美しいメロディに癒されます。ぼやけた光を灯しながら、どこまでも淡々とビートを刻み続ける牧歌的なフォークトロニカ路線を踏襲、ゲームミュージックかのようなユニークで多彩なアイデアや瑞々しい輝きを感じることは無くなったものの、至ってシンプルかつ丁寧に作り込まれた本作もまたどっぷりと浸れる優れた一枚です。


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  • Yndi Halda/Under Summer

    2016-12-24 10:00



    1. Together Those Leaves
    2. Golden Threads from the Sun
    3. Helena
    4. This Very Flight

    UKはケント州カンタベリー出身のポストロックバンドの2nd。2001年に結成、ヴァイオリン奏者を含む6人組で、バンド名のYndi Haldaとはアイスランド語で「永遠の至福を楽しむ」という意味があるとのこと。Daniel Nealによる儚くも美しいヴァイオリンの音色やJames Vella(Gt兼)のグロッケンシュピールといった楽器群が奏でる壮麗なクラシカルなフレーズとこの手の音楽の先駆者であるGodspeed You! Black Emperor由来のダイナミズムでもって、Mogwaiのような静と動の切り替えとは異なる、至って自然な流れでゆっくりとノスタルジックな情景を描き出すデビュー作「Enjoy Eternal Bliss」(2005年)は、ゼロ年代ポストロックの作品中において屈指の名盤として今もなお語り継がれています。それから約10年の長い沈黙期間を経てようやくリリースされたのが今作「Under Summer」で、本作を引っ提げた日本公演も6月に行われて、私も参戦した一人だったりします。長いスパンが空くと何らかしらの変化があったりするものですが、ヴォーカルパートが増加により、Sigur Rósのような親しみ易さを獲得した程度のことであり、10分を優に超える長尺にてしみじみと黄昏る情感豊かなポストロックサウンドはあの時のまま。かと言ってヴォーカルがメインになることはなく、優美なサウンドを形成する一要素として活躍しているにすぎないので、1st時のファンでも安心して手に取れるはず。静謐感を漂わせた緩やかなクラシカル/アンビエントを奏でる1. Together Those Leaves、ノスタルジックなメロディラインとクラシカル要素を交差させながら、リミッターを外すかのように凄まじい轟音サウンドを解放する名曲2. Golden Threads from the Sun、そして多幸感溢れるサウンドスケープが聴き手に感動をもたらす4. This Very Flightまでそのバンド名に恥じることのない美しい世界観を魅せてくれます。1stの壁が高過ぎるせいで流石に多少落ちる印象はありますが、10年の時を経て着実な進化を遂げた今の彼らの音もまた素晴らしいものがあると思います。ベスト候補。


  • Killswitch Engage/Incarnate

    2016-12-24 01:30



    1. Alone I Stand
    4. Strength Of The Mind
    5. Just Let Go
    6. Embrace The Journey...Upraised
    7. Quiet Distress
    8. Until The Day
    9. It Falls On Me
    10. The Great Deceit
    11. We Carry On
    12. Ascension
    13. Reignite (Bonus Track)
    14. Triumph Through Tragedy (Bonus Track)
    15. Loyalty (Bonus Track)

    USはマサチューセッツ州ウェストフィールド出身のメロディック/メタルコアバンドの7th。前作「Disarm the Descent」と言えば、ギタリストAdam Dutkiewiczと初期のヴォーカリストJesse LeachによるプロジェクトTimes Of Graceにて再び顔合わせするというワンクッションを置いて再度フロントマンへ返り咲いた復帰一作目の作品で、メロデスライクな程よい疾走感と優れたギターメロディによる王道のメタルコアサウンドは、彼らにとって久々の良作ラインを超える会心の出来で、KSEもとい私のメタルコアへの苦手意識を克服するきっかけになった一枚でもある。ここ日本でもそのアルバムを引っ提げたツアーを行うなど現メンバーの体制のまま精力的に活動を続けています。前作を聴いて再び興味を持った私は、2nd以降の作品を買い直すことになったわけですが、そのざっくりした感想としては2nd「Alive or Just Breathing」はメタルコア界屈指の名盤であること、そして、後任ヴォーカルHoward Jones期のアルバムや彼の現在率いているバンドDevil You Knowも含めてやっぱり生理的に受け付けないナニかがあったということ。つまり私がJesse派であったってことを改めて確認出来たってだけなんだけど。そんな前置きを踏まえて、約3年ぶりとなる新作「Incarnate」がリリースされた。

    Jesse復帰二作目となる本作は、KSE節とも言える王道のメタルコアをベースにしながらも、ハードコア由来の厚みのあるグル―ヴや吠えるようなシャウト、豪快なブレイクダウンによるアグレッシブなナンバーを多数収録しており、王道のメロデス/メタルコア路線だった前作とは少なからず趣が異なる。彩り豊かだったメロディも何処かダークな感触を覚え、ギターパートの比率自体も作風に合わせてか、随分と抑えめである。この時点でメロディックなKSEを求めるリスナーからすると肩透かし喰らうだろうなと何となしに予測が出来てしまう。しかし、単にハードコア寄りになったという考え方よりも、アルバムトータルでの曲進行や緩急を付け方一つ見ても、メタルコアという枠に囚われないUSメタル的なサウンドへと深化したと捉えた方がいいかもしれません。キャッチーなメロディ路線~ブラックメタル顔負けの怒涛のアグレッションを披露する楽曲など音の落差や作風の幅は前作以上に広がっていて、コレをバランスが良い作品と取るか中途半端な作品と取るかは聴き手の好みによるものとしか言えませんね。あと、ボートラ合わせて15曲はちと多い。個人的には単純明快な分かりやすさがあった前作のような曲を求めてしまうためか、リードトラックの2. Hate By Designを筆頭に、8. Until The Dayや10. The Great Deceitといった彼ららしい即効性の高いメタルコアナンバーばかり聴いてしまう現状ではありますが、満足度としてはそれなりだったんで良しとします。