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  • 宇野常寛 NewsX vol.9 ゲスト:岩佐琢磨「ものづくりの現在」【毎週金曜配信】

    2018-11-30 07:00  
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    宇野常寛が火曜日のキャスターを担当する番組「NewsX」(dTVチャンネル・ひかりTVチャンネル+にて放送中)の書き起こしをお届けします。10月9日に放送されたvol.9のテーマは「ものづくりの現在」。株式会社Shiftall代表取締役CEOの岩佐琢磨さんをゲストに迎えて、海外のハードウェアスタートアップの動向を踏まえながら、メイカーズムーブメントを総括。今後、日本の家電産業が、いかに活路を見い出すかについて考えます。(構成:籔和馬)
    NewsX vol.9岩佐琢磨「ものづくりの現在」2018年10月23日放送ゲスト:坂口孝則(株式会社Shiftall代表取締役CEO) アシスタント:加藤るみ(タレント) アーカイブ動画はこちら
    宇野常寛の担当する「NewsX」火曜日は毎週22:00より、dTVチャンネル、ひかりTVチャンネル+で生放送中です。アーカイブ動画は、「PLANETSチャンネル」「PLANETS CLUB」でも視聴できます。ご入会方法についての詳細は、以下のページをご覧ください。 ・PLANETSチャンネル ・PLANETS CLUB
    岩佐琢磨さんの過去の記事はこちら根津孝太×岩佐琢磨 「オープン」になる次世代自動車(前編・後編)Cerevo岩佐琢磨インタビュー「ものづくり2.0――DMM.make AKIBAとメーカーズ・ムーブメントの現在」(前編・後編)
    ものづくりのグローバルニッチ戦略
    加藤 NewsX火曜日、今日のゲストは株式会社Shiftall代表取締役CEOの岩佐琢磨さんです。宇野さんと岩佐さんはどういう経緯でお知り合いになられたんですか?
    宇野 5〜6年前に、現在はIT批評家で当時はGoogleに在籍していた尾原和啓さんがプライベートの勉強会を開催されていて、そこで知り合ったんですね。その後にNHKでも共演したことがあります。
    岩佐 あと共通点は同世代です。
    宇野 同い年で同じ大学なんだよ。当時、面識は全然ないけどね。
    加藤 今日のテーマは「ものづくりの現在」です。宇野さん、このテーマの意図は?
    宇野 岩佐さんは「Cerevo」という会社を最近まで率いていて。日本のハードウェアスタートアップを代表する会社として脚光を浴びていた。その岩佐さんが今年の4月に古巣のパナソニックに戻ったんですよ。もともとパナソニックを飛び出してCerevoをつくったんだけど、もう一回パナソニックに戻ったのでニュースになった。そこについてはいろんな評価があったんだけど、僕はすごくおもしろいと思った。そういう立場の岩佐さんから見える風景を語ってもらえば、今の日本のものづくりの本質がつかめると思って、今日はお呼びしました。
    加藤 今日も三つのキーワードでトークしていきます。まず一つ目が「岩佐琢磨のこれまでとこれから」です。
    岩佐 私を知らない人がほとんどだと思うので、簡単に自己紹介をします。大学を卒業して、新卒で当時の松下電器、今でいうパナソニックに入社して、5年間ぐらい勤めてから辞めました。その後、パナソニックとはまったく関係がない資本をベースに、数名のファウンダーたちと一緒に新しい事業を起業しました。それが「Cerevo」という会社です。起業したときのメンバーには最近有名になった人が多くて、メルカリの山田進太郎さん、あとはSenSproutという農業IoTベンチャーをやっている元ソニーの三根一仁さん。当時、IT業界で名前の通っていた人たちに力を借りて、3人ぐらいでCerevoを立ち上げました。山田さんたちは非常勤だったので、最初は常勤1人からのスタートで、10年で100人ぐらいの規模まで大きくしました。 今年、Cerevoを二つに分けて「Shiftall」という新会社をつくりました。そのShiftallをパナソニックグループに売却する形で、パナソニックグループの傘下に加わりました。現在の私はそのShiftallの代表を務めています。というのが大まかな私のキャリアです。
    宇野 超大雑把に説明すると、一念発起してパナソニックを飛び出して、ベンチャーをやっていた人間を、パナソニックが戦略的に呼び戻したんだよね。
    岩佐 ポイントは、私が個人で戻ったわけではないということで、そこがこの話のおもろしろいところです。大企業は新しい事業をやりたいとき、ヘッドハントでスゴいやつを外部から採用してくるんですが、現場がついてこないんですよ。その人がいくら旗を振っても、彼の部下になる人たちはもともとその組織にいた人なので、なかなか変わらないケースが多いんです。今回のShiftallの買収劇は、Cerevoの社員約30名が、ひとつのチームとしてパナソニックに加わっているんですね。
    宇野 はっきり言ってしまうと、パナソニックは本当はCerevoを丸ごと欲しかったんだけれど、さすがにCerevoにも事業があるからですよね。
    岩佐 あまり大きな声では言えないので、僕はなんとも言いません。
    宇野 みんなそのことはわかっているわけだよ。
    岩佐 パナソニックが規模的に大きい会社であったことと、あとCerevoも資金調達したかったんですよ。一部を切り出してパナソニックに売却することで、Cerevoも対価を得られますから。Cerevoは新しい社長を立てて、そのお金でまた新しいビジネスをやっている。いちおう八方良し。
    宇野 これは異例のことだと思う。
    岩佐 特に日本ではね。
    宇野 パナソニックがそこまでして呼び戻したかった岩佐琢磨は、これまで何をやってきたのか、Cerevoとはどんな会社なのかをまずは紹介してもらおうと思っています。
    岩佐 私はもうCerevoを離れているので、ウェブページにある程度の情報しか知らないんですよね。これはCerevoのウェブページですが、こんな感じで約30製品くらい扱っています。一番よく売れていた製品は「LiveShell」。これは手のひらに乗るような小さい箱で、これにビデオカメラをつなぐと、インターネットに映像と音声の生放送・生配信ができるんです。YouTubeライブとかニコ生とか、最近サービスを終了しましたが、Ustreamとかに映像配信ができる製品ですね。
    ▲LiveShell
    岩佐 もうひとつ、Cerevoは知らなくてもこれは知っているという人は多いんじゃないでしょうか。
    ▲ドミネーター
    宇野 当時ニュースになったもんね。
    加藤 これは何ですか?
    岩佐 「ドミネーター」という大人向けのおもちゃです。レプリカの銃ですが、いくらすると思います?
    加藤 1万5000円ぐらいですかね?
    岩佐 税抜きで8万9800円、税込だと9万円ぐらいします。
    宇野 これは『PSYCHO-PASS』という深夜アニメに出てくる銃なんだけど、キーアイテムなんだよね。『PSYCHO-PASS』を象徴するアイテムで、ファンは絶対にほしいんだよ。
    加藤 ファンにしたら、たまらない感じなんですね。
    岩佐 『仮面ライダー』における変身ベルトのような、すごく重要なアイテムなんですが、深夜のアニメだったので視聴者の大半が大人なんですね。最近、大人の方もアニメを観るじゃないですか。そういう人たち向けに、ものすごくハイテクなギミックを入れて商品を作ってみましょうということで、それを実演しているのがこちらの動画になります。

    岩佐 ただ光るだけの銃だと普通のおもちゃなんですが、これにはスマホのスクリーンについているようなタッチセンサーを内蔵していて、握ると動き始める。どこにもボタンは付いてないんですよ。そして、変形機構もある。
    宇野 ムダに完全再現しているよね。
    岩佐 音声もちゃんとアニメの声優さんを呼んで音録りをしました。コスプレイヤーの方がこれを持って演技したいとき、普通のおもちゃのスピーカーは内蔵スピーカーなので、音が聴こえないことがありますが、Bluetooth接続ができるので、レイヤーさんがポーズをとっているときに、大きなBluetoothスピーカーを置いておけば、アニメと同様に銃がしゃべっている様子を再現できるんですね。
    加藤 ハイテクすぎますね。おもちゃにしてはすごい性能じゃないですか。
    岩佐 そうなんです。かなり値段も高いんですが、これが飛ぶように売れました。ドミネーターもLiveShellもそうですが、Cerevoでは商材の多品種少量生産をずっとやっていて、全世界で70ぐらいの国と地域に、商品をデリバリーしていました。これはすごく面白い戦略で、1カ国で1万台売るのはやっぱり大変なんですよ。ベンチャー企業は知名度ががないし、僕らが作っている商品はすごくニッチですから、こんなので1万個も売れるのかという話なんですけれども、1カ国500台なら売れるかなと考えたんです。その考え方で20カ国に売れば、1万台いけるという話になった。さらに40カ国だと1カ国250台でよくなる。宇野さんくらいフォロワー数がいれば、250人ぐらいになら何でも売れそうな気がしません?
    宇野 絶対にする。
    岩佐 250台なら売れますよね。それを世界中でちょっとずつやっていけば、積み上がるでしょ。
    宇野 俺みたいな物書きは言葉の壁があるから海外には売れないけど、ものだったら言葉の壁を超越しちゃうじゃん。
    岩佐 極論を言うと、もう言葉はいらないんですよ。ドバイに行って実演すると「ドミネーター!」とみんな感嘆するし、中国に行っても「PSYCHO-PASSのドミネーターだ」と中国語で言ってくれる。言葉が通じなくても、「これはいくらするの?」と電卓を出してくるくらい、ものの強さは見てわかるし、触った瞬間に感嘆する。たとえ言葉が通じなくても、その場で札束が出てくる。 おもしろい話があって、AX(Anime Expo)という、アメリカのアニメファンが集う一番大きな展示会にブースを出して、その場で即売会をやったんですが、コスプレイヤーさんやアニメ好きな人たちが大勢買いに来るんです。Squareでクレジットカード決済ができるようにして売っていたら、ピカチュウのコスプレをしたお兄ちゃんが「ほしい!買う!」と言って、ポケットからブラックのカードをスッと出すんですよ(笑)。
    宇野 シュールな光景だな(笑)。
    岩佐 「今ほしい!すぐくれよ!」と言う人が多くて、そういう人はやっぱりお金を持っていらっしゃる。世界に目を向けると、そういう方は本当にたくさんいて、グローバルにニッチな商品を売っていくアプローチはおもしろかったですね。
    宇野 グローバルニッチ戦略がとれるからこそ、少ロット生産を主にするハードウェアスタートアップが成立することを、僕は数年前に岩佐琢磨から聞いて、なるほどと思った。 ハードウェアスタートアップに関しては日本はむしろ遅れていて、海外では情報環境と流通環境の整備によって、小規模なものづくりメーカーがいっぱい出てきている。それがメイカーズムーブメントなんだけど、その潮流が今どうなっているのか、特に日本においてはどうだったのかについて、日本のメイカーズムーブメントの第一人者である岩佐琢磨に、あらためて聞いてみたいんですよ。
    メイカーズムーブメントの正体と現在地
    加藤 次のキーワードは「日本におけるメイカーズムーブメントはなんだったのか」です。
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  • 本日21:00から放送!宇野常寛の〈木曜解放区 〉 2018.11.29

    2018-11-29 07:30  
    本日21:00からは、宇野常寛の〈木曜解放区 〉

    21:00から、宇野常寛の〈木曜放区 〉生放送です!〈木曜解放区〉は、評論家の宇野常寛が政治からサブカルチャーまで、既存のメディアでは物足りない、欲張りな視聴者のために思う存分語り尽くす番組です。今夜の放送もお見逃しなく!
    ★★今夜のラインナップ★★メールテーマ「大人の遊び方」アシナビコーナー「加藤るみの映画館の女神」and more…今夜の放送もお見逃しなく!
    ▼放送情報放送日時:本日11月29日(木)21:00〜22:45☆☆放送URLはこちら☆☆
    ▼出演者
    ナビゲーター:宇野常寛アシスタントナビ:加藤るみ(タレント)
    ▼ハッシュタグ
    Twitterのハッシュタグは「#木曜解放区」です。
    ▼おたより募集中!
    番組では、皆さんからのおたよりを募集しています。番組へのご意見・ご感想、宇野に聞いてみたいこと、お悩み相談、近況報告まで、なんで
  • 脚本家・井上敏樹エッセイ『男と×××』第43回「男と食 14」【毎月末配信】

    2018-11-29 07:00  
    550pt

    平成仮面ライダーシリーズなどでおなじみ、脚本家・井上敏樹先生のエッセイ『男と×××』。以前、上海蟹にハマったことがあるという敏樹先生。上海蟹の老酒漬けを友人に振るうべく、大量の上海蟹を調理していたところ、目を離した隙に一部の蟹が鍋から脱走。部屋中を探し回りますが、どうしても3匹の蟹が見つかりません。
    男 と 食  14      井上敏樹 
    先日、地図を買った。日本地図である。なんとなれば私は呆れ果てるぐらい地理に弱いからだ。昔から興味がなかった。自分は日本人だ、日本中、どこに行ってもそこは日本だ。それだけ分かっていればいいと思っていた。なにしろ広島は東北だと思っていたし、名古屋は『市』ではなく『県』だと信じていたぐらいである。友達と旅行の計画を立てていても『長野と愛媛に行きたい店がある。昼飯は長野、夜は愛媛でどうよ』などと言って顰蹙を買う始末だ。京都奈良間も三鷹から吉祥寺ぐらいの距離かと思ってタクシーに乗ったら一時間半もかかってしまった。これまではそんな感じで強引に生きて来たが、これではいかんと反省し、地図を買ったわけである。最近では夜寝る前に日本地図を眺めている。おかげで四国四県を言えるようになった。人間、幾つになっても勉強である。さて、今回は蟹の話。当然、蟹にも色々あるが、上海蟹の話である。この蟹は名前の通り中国で採れる淡水蟹でモズク蟹の仲間である。中国では蟹は海より川、川より湖のものが良いとされるが、これは上海蟹への讃歌だろう。中国では自動販売機で上海蟹を売っていて、まさに国民食と言っていい。私も、はまった。
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  • PLANETS公式オンラインストアにて『ウルトラマンと戦後サブカルチャーの風景』『PLANETS vol.10』の特典冊子付きキャンペーン実施中!【号外】

    2018-11-28 12:00  

    現在、PLANETS公式オンラインストアでは、特典冊子付きで、福嶋亮大さん最新刊『ウルトラマンと戦後サブカルチャーの風景』先行予約&『PLANETS vol.10』キャンペーンを実施中です!年末の読書のおともに、ぜひチェックしてみてください!PLANETS公式オンラインストアはこちら
    福嶋亮大『ウルトラマンと戦後サブカルチャーの風景』対談特典付き先行予約受付中!(数量限定・なくなり次第終了)

    福嶋亮大さんの最新刊『ウルトラマンと戦後サブカルチャーの風景』の一般発売に先駆けて、PLANETS公式オンラインストアでご予約いただくと、先行発売として12月8日(土)前後にお届けします。特典として、脚本家・上原正三さんと福嶋さんの特別対談を収めた冊子が付属します。数量限定につき、在庫がなくなり次第終了しますので、ご予約はお早めに!※一般発売は12月17日(月)を予定しています。
    【特別対談】上原
  • 【インタビュー】柴野大造 「世界一のジェラート」はなぜ能登から生まれたのかーー地方の職人の世界との戦い方

    2018-11-28 07:19  
    550pt

    石川県能登町でジェラートショップ「マルガージェラート」を営む柴野大造さん。ジェラートの世界大会でアジア人初の世界チャンピオンとなるなど職人として国際的な評価も高い柴野さんにとっての地元・能登の価値とは? 地方から新しい「モノ」と「コト」を生み出していく方法について、柴野さんに伺いました。(取材:PLANETS編集部 構成:友光だんご)
    柴野さんも登場する石川県能登町「春蘭の里」の旅のレポートはこちら 奥能登の知られざる魅力を満喫!奇跡の地方創成モデル「春蘭の里」訪問記(前編・後編)
    外の世界へ出て気づいた、実家の牧場でつくる生乳の価値
    ―― まず、柴野さんはなぜ能登でジェラート作りを?
    柴野 僕は能登で生まれ育ったんですが、実家が牧場だったんです。東京農大で勉強したあと、家業を継ぐために能登へ戻ってきました。当時は農産物自由化や生産調整など、酪農家を取り巻く環境が非常に厳しい状況で、なんとかしたいという思いがありました。乳加工品のなかで一番幅広い年代の方に好まれる食品を考えた時に、アイスクリーム、とりわけジェラートだったんです。
    ―― 家業を継ぐにあたって、葛藤みたいなものはなかったんですか?
    柴野 はい。というのも、牛乳の価値に衝撃を受けた経験がありまして。大学3年の夏休みに実家の牧場を手伝っていて、冷蔵庫に入ってる牛乳を何気なく飲んだら、驚くほど美味しかったんですよ。
    ―― それは、今まで意識したことはなかった?
    柴野 ええ。当時は実家を離れて、一人暮らしをしていた時期。近くにいたら見えないけれど、外に出て改めて価値に気づかされることってあると思うんです。僕にとっては、それが牛乳でした。その時の「このおいしさをもっと多くの人に知ってもらいたい」という気持ちが原点にありますね。
    ―― 実家で搾る生乳のポテンシャルを活かそうと思って、その手段がジェラートだったと。
    柴野 あとは、牧場を継いだときに「生産者と消費者の遠さ」を感じたんです。僕たちが情熱をかけて搾った生乳が、飲んだ人にどんな感想を持たれているのかなかなか伝わってこない。当時ブームになり始めていた「6次産業化」のように、酪農家自身がブランドを立ち上げて消費者に直接届けることで、消費者と近づくことができるメリットもありました。

    「組成理論」との出合いがジェラートを変えた
    ―― 柴野さんのジェラートを先ほどいただきましたが、本当においしかった。ただ、それだけではなく、ジェラートの世界大会で入賞したり、「世界ジェラート大使」にアジアから初めて選ばれるなど、国際的にも高い評価を受けていますよね。先ほどの「実家の牛乳の素晴らしさを知ってもらいたい」という動機から、ここまでのレベルのジェラートをつくってしまうことの間には、相当な距離があると思うのですが。
    柴野 独学で始めて、10年目くらいでジェラートの本場であるイタリアを意識し始めたんです。地方でやっていると情報も回ってきづらいし、自分オリジナルの味が本場でどう評価されるのか知りたくて、イタリアの大会へ出場するようになりました。ただ、箸にも棒にもかからないわけです。それで3回目か4回目になぜ自分の味が通用しないのか、一から研究し始めました。
    ―― その原因はなんだったんでしょうか?
    柴野 エクセレントなジェラートをつくるためには、組成理論(composizione gelato finito) に裏付けされた基本ルールがあったんです。つまり、ベストなジェラートの水分率・固形分率・空気含有率の配合比率は既に決まっており、もっと言えばイタリアで通用する固形分の中の脂肪分のパーセンテージも実は化学的根拠のもとに決まっている。その基本ルールの中で既存の素材同士をどう組み合わせるかが職人の想像力の見せ所です。そこに自分のエッセンスを少し加えることが、世界で通用する日本のジェラートを生み出すコツ。そのことが、イタリアの職人と交流してわかってきました。 日本人はここのfantasia(ファンタジー)の世界がどうしても弱い。どの食品の組み合わせでどのような味わいを目指すのか。イタリアの職人たちは普段の何気ない感性に至るまで圧倒的に上の領域にいましたね。 そこからイタリアで売られている分厚い専門書を買って、自分で翻訳して勉強しました。新しい味を生み出す基礎となる構成理論が身についてくると、どんな素材がきても食品成分データベースに照らし合わせて、固形分やたんぱく質の割合を調べて、そこに自分の感性をぶつけることができるようになってきました。すると、世界大会で次々とタイトルをとることができたんです。
    ―― ジェラート作りには化学理論が必要というのは面白いですね。どんな素材が出て来ても取り入れられるのはすごいと思うのですが、何かロールモデルのような人はいるんですか?
    柴野 「ガストロノミージェラートの父」と呼ばれるクラウディオ・トルチェという人がローマにいるんです。その人がアンチョビのジェラートやモルタデッラハムのジェラートを作っていて(笑)。しょっぱい味でもおいしいジェラートになるんだと衝撃を受けて、ジェラートの概念が変わりました。
    ―― それはちょっと、味が想像もつかないですね。
    柴野 全部に砂糖が入って、ジェラートの固形分を構成するんです。本当に奥深いんですよね、ジェラートの世界は。
    <
    「地方だからこそ」のアドバンテージがある
    ―― 柴野さんのお話を伺っていると、地方だからこそのアドバンテージみたいなものを感じます。結果論かもしれませんが、ジェラートが好きだったからではなく、「自分の持っている手持ちのカードを最大限活かす方法」としてジェラートを選んだことが、マルガージェラートのユニークさになったのかなと。
    柴野 なるほど。本場のイタリアで言葉の壁を超えていろんな理論を教えてもらえたのも、僕のジェラートへの情熱ゆえだったと思うんです。その情熱も、情報が少ない地方にいるからこそ生まれたのかなと。
    ―― マルガージェラートは石川県内の2店舗のみですよね。メディア露出も多いですし、県外出店の話は来たりしないんですか?
    柴野 たくさんありますが、すべてお断りしています。東京や大阪に行った時に、大量消費の波に飲み込まれるんじゃないかっていう怖さもあるし。味の監修などの店舗プロデュースや期間限定のデパート出店は時々実施しますが、やはり”出来たての生きているジェラート”は石川県に来ないと食べられない状況ですね。
    ―― 能登のお店も金沢近郊のお店も、ずいぶん駅から遠いですよね。車でないとたどり着けないような。それでも、遠方からお客さんがいらっしゃっていると聞きます。
    柴野 僕が狙っていた状態ですね。これはFC展開していたら起こっていなかったと思うんです。「ここに来なければ体験できない」「ここに来なければ食べれない」「ここに来なければ会えない」……これらがすべてのキーワードかなと思ってます。僕のジェラートをきっかけに、世界中から能登へ人が集まってくる仕組みを生む起爆剤になるんじゃないかと。
    地域素材をジェラートに加工することもできますから、地域の生産者さんと連携することで、彼らに自信を取り戻してほしい。顔の見える生産者さんとお付き合いして、農産物の背景を知り、その人の空気に触れることで、お客様にジェラートとして提供する際にそのストーリーを語りたいですよね。そこが商品の価値だと思うので。
    ―― 猫も杓子も「地方創生」と叫ばれて、どこにでもあるようなご当地コロッケやゆるキャラを作るような現状がある。そこには実は東京の同じ代理店が関わっていて、東京のシーンに合わせて地方が背伸びをしている。この状況は、絶対に間違いだと思うんです。地方で何かしようとしている人たちが「東京からいかに人と金を引っ張ってくるか」を考えすぎている。でも、本当はマルガージェラートのように、東京や大阪の人たちをいかに地方に来させるか、合わさせるかのゲームをやらなければいけない。
    柴野 体感してる時間も流れている空気感も都心と地方ではまったく違うので、こちらのペースで自分たちが継続していける仕組みができればいいと思いますね。
    ―― これだけインターネットも流通も発達すると、鮮度は落ちるけど遠方のモノを食べるハードルは下がっている。そこで、いかに実際に足を運んで人に会う経験を作るか。そこには物語が必要です。モノではなくてコト込みで人に価値を提供するということがないと、独自性は存在し得ないと思うんです。「Amazonでポチれるものに人は物語を感じられるのか」って話ですよ。
    柴野 マルガージェラートに来ないと、この圧倒的に美しい能登の風景には出会えませんから。面白いことに、金沢近郊のお店と能登のお店で食べるのでは、ジェラートの味が違うって言われるんです。ミルクもレシピも使ってる機械も同じなのに。雰囲気や空気感も、味を作る大きな要素なんだなと思います。

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  • 橘宏樹『GQーーGovernment Curation』第8回 説明責任 狡猾な正義は、曖昧な恥の文化をハックできるか~平成29年度決算検査報告~

    2018-11-27 07:00  
    550pt

    現役官僚の橘宏樹さんが「官報」から政府の活動を読み取る連載、『GQーーGovernment Curation』。今回は「会計検査報告」について取り上げます。行政が正しく機能しているか、国民に代わって説明責任を問う会計検査院。公務員が恐れる機関でもありますが、一方で、その強大な権限を利用して組織内部の改革を進めようとする、志ある公務員もいるようです。
    ▲会計検査院長(代行)が総理に会計検査報告を手渡す様子。(2018年11月9日 首相官邸HPより)
     こんにちは。橘宏樹です。国家公務員をしております。このGovernment Curation(略してGQ)は、霞が関で働く国民のひとりとして、国家経営上本当は重要なはずなのに、マスメディアやネットでは埋もれがちな情報を「官報」から選んで取り上げていくという連載です。どんな省益も特定利益にも与さず、また玄人っぽくニッチな話を取り上げるわけでもなく、主権者である僕たちの間で一緒に考えたいことやその理由を、ピンポイントで指摘するという姿勢で書いて参ります。より詳しい連載のポリシーについては、第一回にしたためさせていただきました。
    【新連載】橘宏樹『GQーーGovernment Curation』第1回「官報」から世の中を考えてみよう/EBPMについて
     2018年10月も色々な出来事がありました。本庶佑京都大学特別教授のノーベル医学生理学賞受賞はおめでたいニュースでした。シリアで拘束されていたフリージャーナリスト安田純平氏の解放に際しては「自己責任論」で世論が割れたりしました。国際社会では、ブラジル大統領選では極右のボルソナロ氏が当選、トランプ大統領は中距離核兵器撤廃条約から離脱と、大国の右傾化傾向は引き続き世界に不安感を与えているように報道されています。  永田町では、第4次安倍内閣が発足。2019年10月からの消費税増税が明言されました。これに歩調を合わせるように、日銀総裁も消費税増税が景気に与える影響について条件付きながら楽観論を表明しました。10月24日に召集された第197回臨時国会の、総理所信表明演説では、社会保障の「全世代型化」などについて語られました。そして、審議される法案の一本目には、外国人労働者の受け入れ拡大に関する法案が上がってきています。
     ちなみに、僕は、年に一度在邦外国人と日本人が100名以上集まって外国人と日本人の「共生」について議論する「トーキョー会議」というイベントの運営にかかわっています。これには昨年、我らが宇野常寛PLANETS編集長にも基調講演やパネルディスカッションに登壇していただきました。外国人向け住宅市場、コミュニティの場の創生、日本の人材採用の慣習、都市の国際化などについて議論しました。
    「トーキョー会議2017」開催のご報告
     次回トーキョー会議は2019年1月14日(祝)に開かれるようですが、この外国人受け入れ拡大法案をめぐる審議と相まって非常にホットな会になりそうです。日本語でも英語でもOKなので、皆様もぜひご参加ください。
     一方、霞が関では、毎年この時期、各省にとっては正直あまり楽しくはないニュースが、毎日のように発信されます。何でしょうか。そう、会計検査報告です。最近「税金の無駄遣い〇〇億円、会計検査院の指摘」といった見出しのニュースを目にした方も多いのではないでしょうか。
    税金の無駄遣い1156億円 指摘件数は過去10年で最少 会計検査院の決算報告(産経新聞2018年11月9日)
    国立病院機構運営65病院が経営悪化、改善計画達成できず...会計検査院指摘(読売新聞 2018年11月11日)
    鳥インフルのワクチン代、3千万円過大 検査院試算(日経新聞2018年10月29日)
    会計検査院調査高校奨学金代理受領12府県制度化せず(毎日新聞2018年10月23日)
    2億円超かけたデータベース、中身すかすか 検査院指摘(朝日新聞2018年10月15日)
    などなど、ずらり。
     会計検査報告とは、会計検査院という役所が、行政のパフォーマンスを独立中立の立場からチェックした結果をまとめたものです。内閣はこれを決算に添えて国会に提出します。換言すると「平成29年度予算が適切に用いられているか調べたところ、こういうマズい点がありましたよ」ということを国会と国民に直接報告するシステムなのです。
    決算検査報告とは(会計検査院ウェブサイト)
     毎年10月頃になると、ぽつりぽつりと発表され、11月初旬には、それらをとりまとめた分厚い書類を会計検査院長が総理に手渡しする様子が報道されます。冒頭の写真がそれです。 また、今年は特に、森友問題の関連でメディアに出てきたことも多かったように思います。「なぜあんなに値引きされたのか調べろ」と国会に要請され、一度調べて、「わからないことが多い」と報告したのですが「なら、もう一度よく調べろ」ということになり、今も調査しています。この問題は、財務省や総理夫人のスキャンダルとして報道されることが多いわけなのですが、会計検査院の検査報告の原文を直接読まれたことがある方はどのくらいおられるでしょうか。僕も今号を機に少し読みかじってみたところ、大部ではありますが、断片を読むだけでも、現地の具体的な状況のイメージが湧いてきました。
    学校法人森友学園に対する国有地の売却等に関する会計検査の結果について(会計検査院ウェブサイト2017年11月22日)
    森友、改ざん文書提出「法違反」検査院、国会に中間報告(共同通信2018年6月19日)
     実は、この会計検査院、僕たち公務員にとってとは非常に「恐ろしい」存在です。なぜ恐ろしいのか。それは、以下で述べるように、会計検査院とその調査官が非常に強い権限を有しているからです。何をどのように検査するか(アジェンダ・セッティング)がほぼ完全に自由ですし、質問は予測し切れません。会計検査対応が「当たる」と、調査官の質問に答えきれるよう、資料の整理や準備、業務のそもそも論の理解など、非常に大量の準備をしないといけません。日ごろからちゃんとしていれば、急に準備する必要はないじゃないかとお叱りを受けるかもしれませんが、日常業務に追われていたり、新任だったりすると、なかなかそうもいかないのがリアルです。なので、おそらく、すべての公務員は、会計検査対応に関しては、正直、非常にめんどくさいという本音を抱いていると思います。他方で、調査官に激詰めされるなかで、日ごろおざなりになりがちな、あるべき姿を直視させられる良い機会にもなっているというのも確かなようです。
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  • モラトリアムを受け止めるために ――山下敦弘と「間違えた男たち」の青春(PLANETSアーカイブス)

    2018-11-26 07:00  
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    今朝のPLANETSアーカイブスは、『観ずに死ねるか ! 傑作青春シネマ邦画編』に宇野常寛が書き下ろした「山下敦弘論」を掲載します。『マイ・バック・ページ』以降、従来のモチーフを捨て、「少女」を撮り始めた山下監督の新たな展開とは――?(初出:『観ずに死ねるか ! 傑作青春シネマ邦画編』鉄人社) ※この記事は2014年6月12日に配信した記事の再配信です。
    ▲『もらとりあむタマ子』
    ■前田敦子の正しく死んだような目
     
     去年(2013年)の夏のことだったと思うのだが、山下監督と夕食を食べる機会があった。意外なところに共通の知り合いがいて、じゃあ久しぶりに、という話の流れになったのだと記憶している。
     僕の事務所のある高田馬場に監督はひょっこり現れて、世間話をしながら箸を進めた。監督と食事をするのははじめてだったけれど、よく飲む人だった。
     話題が一段落したところで、「あ、そういえばこれを宇野さんに渡そうと思って」と言って取り出したのが、「もらとりあむタマ子」のサンプルディスクだった。終電近くまで飲み食いして、自宅に戻ってすぐに観た。主役の前田敦子は、正しく死んだような目をしていた。もちろん、褒め言葉だ。
     本作において前田敦子が演じているのは、大学卒業後特に就職もせずに自宅でごろごろしている無職女性だ。自意識が強いくせに、いや強いからこそ何者にもなれない自分を受け入れられなくて、何もやろうとしない。そんなヒロインを前田敦子は十二分に演じてるし、いや、それ以上に前田敦子のあの、勃興期のAKB48の激流の中にあってもマイペースを守り続けたデタッチメントの姿勢はこのヒロインと高いシンクロニシティを発揮していたと思う。実際どうなのかはともかく、観ている人間に「あっちゃんって本当にこういう奴なんだろうな」と思わせる佇まいをこのヒロイン・タマ子は獲得しているし、それが山下監督の狙いだったのだとも思う。
     しかし、見終わったあと、僕には妙に引っかかるものがあった。もちろん、映画の出来に不満があったわけではない。企画の発端は監督自身から聞いていたが、なし崩し的に長編映画になっていった企画とは思えないくらい、過不足のない出来だったと思う。だから僕が引っかかったのは別のことで、それは言ってみれば山下敦弘にしては珍しく、この映画には自分自身の「いま」が現れてしまっているように見えたことだ。
     もっとはっきり言ってしまえばこの「モラトリアム」とはあっちゃんのことではなく監督自身のことだ、というのが僕の感想なのだ。
     
     
    ■「気まずい現実」を他人事としてしかコミットできない諦念
     
     山下敦弘はずっと青春映画を撮ってきた監督だと僕は思っている。たとえば90年代に青春期を過ごした多くの同世代の作家たちが、何も起こらない世界に暮らす、何ものにもなれない人たちの青春を描き続けて来たと言える。
     「政治と文学」という古い言葉が体現する世界と個人との距離感の問題は若者文化から後退して久しく、そんな「政治の季節から消費社会へ」のダイナミズムでものを語れた時代も(空騒ぎして見せることに意味のあった時代も)バブルの崩壊と同時に遠い過去のことになってしまった。その結果、90年代に多感なお年頃を生きた僕たちに残されたのは、そんな何もない世界(「終わりなき日常」でも「平坦な戦場」でもなんでもいい)でいかに生きて行くか、だった。だから彼らの作品とその観客達が往々にして自意識過剰なのは当然の話で、個人の自意識にどう決着を付けるのか、という問題だけがどこまでも肥大していったのが90年代のサブカルチャーであり、そんな90年代「サブカル」の自意識を引きずったまま中年になってしまった団塊ジュニア達の憂鬱の種はここにあるからだ。
     そんな時代を背景に山下という作家が撮り続けていたのは、自意識の問題だけが肥大せざるを得ない世界(何もない、何も起こらない世界)を受け止めながらも、自分の自意識語りでその欠落をすら埋められない、決して自分自身は主人公になり得ないという感覚だったと言える。もはや自分の人生と自意識しか語るべきことはない世界に放り出されていながらも、山下の描く世界の住人たちはその主人公としてドラマチックに自らを語る権利を与えられないのだ。山下の映画に登場する人々は、「カッコ悪い自分/何ものにもなれない自分の自意識を語る」ことでその無様さを引き受けている自分という最後のナルシシズムの砦すらも奪われている。
     たとえば「リアリズムの宿」(03)の二人組の佇まいそのものがそうだし、「どんてん生活」(99)のラストシーンで示される滑稽で不格好な「気まずい現実」でさえも他人事としてしかコミットできないという諦念がそうだ。「その男・狂棒に突き」(03/短編)の他人の滑稽さを通してしか世界を眺めることのできない寂しさの背景にあるのも、こうした諦念だろう。
     矮小で滑稽なものにすぎない個人の自意識の問題に開き直り、それを語り続けることでしか当事者になることができない(「平坦な戦場」を生き延びることができない)のが90年代のサブカルチャーに仮託された若者の感覚だとするのならば、そこから半歩ずれた山下敦弘の映画が切り取っていたのは、その矮小さと滑稽の当事者にすらなれないという絶望未満の諦念だったのだと僕は思う。
     
     
    ■撃つべき対象が見つからない
     
     だから「松ヶ根乱射事件」(06/同作はある時期までの山下映画の集大成と言える)の結末で主人公が「乱射」するのは、彼が撃つべき対象を見つけられないからだ。撃つべき対象(たとえば大文字の「政治」)を失い、自分自身しか撃てなくなった世界が90年代だとするのなら、山下が描いていたのは自分自身すら撃てない世界だ。だから松ヶ根乱射事件の主人公・光太郎は銃を「乱射」するしかなかったのだ。そう、「乱射」とはターゲットを持たない狙撃のことをいう。自分という物語すら信じられない光太郎は撃つべき対象をどこにも(自分の内面にすらも)見つけられず、「乱射」するしかなかったのだ。
     対象を失った結果、自分を撃つしかなくなり、そして自分すらも撃てなくなったのが現代ならばそのルーツはどこにあるのか? 山下が「マイ・バック・ページ」(11)で学生反乱の時代にそのルーツを求めたのは必然だったと言える。■PLANETSチャンネルの月額会員になると…・入会月以降の記事を読むことができるようになります。・PLANETSチャンネルの生放送や動画アーカイブが視聴できます。
     
  • 【号外】音喜多駿/乙武洋匡/佐渡島庸平/竹下隆一郎/浜田敬子/堀潤/箕輪厚介/宇野常寛が登場!12/9(日)開催「PLANETS大忘年会2018」

    2018-11-22 12:00  
    東急電鉄とPLANETSのコラボ企画として定期的におこなっているトークショー、「渋谷セカンドステージ」。その最新回を、毎年多数のご参加をいただいております年末の特別企画「PLANETS大忘年会2018」として、12/9(日)に開催いたします!
    ★お申込み・詳細はこちらから
    ▼登壇者 音喜多駿(東京都都議会議員・あたらしい党代表) 乙武洋匡(作家) 佐渡島庸平(コルク代表) 竹下隆一郎(ハフポスト日本版 編集長) 浜田敬子(Business Insider Japan統括編集長) 堀潤(ジャーナリスト、市民ニュースサイト「8bitNews」代表) 箕輪厚介(幻冬舎 編集者) 宇野常寛(評論家/批評誌「PLANETS」編集長)
    1日に3つのトークショーという大ボリューム!! また、イベントの最後には交流会も予定しております。
    毎年売り切れ必至のイベントですので、迷っている方もお早めにお申込みく
  • 本日21:00から放送!宇野常寛の〈木曜解放区 〉 2018.11.22

    2018-11-22 07:30  
    本日21:00からは、宇野常寛の〈木曜解放区 〉

    21:00から、宇野常寛の〈木曜放区 〉生放送です!〈木曜解放区〉は、評論家の宇野常寛が政治からサブカルチャーまで、既存のメディアでは物足りない、欲張りな視聴者のために思う存分語り尽くす番組です。今夜の放送もお見逃しなく!
    ★★今夜のラインナップ★★メールテーマ「勘違い」アシナビコーナー「ハセリョーPicks」and more…今夜の放送もお見逃しなく!
    ▼放送情報放送日時:本日11月22日(木)21:00〜22:45☆☆放送URLはこちら☆☆
    ▼出演者
    ナビゲーター:宇野常寛アシスタントナビ:長谷川リョー(株式会社モメンタム・ホース代表)
    ▼ハッシュタグ
    Twitterのハッシュタグは「#木曜解放区」です。
    ▼おたより募集中!
    番組では、皆さんからのおたよりを募集しています。番組へのご意見・ご感想、宇野に聞いてみたいこと、お悩み相談、近
  • 宇野常寛 NewsX vol.8 ゲスト:坂口孝則「未来の稼ぎ方」

    2018-11-22 07:00  
    550pt

    宇野常寛が火曜日のキャスターを担当する番組「NewsX」(dTVチャンネル・ひかりTVチャンネル+にて放送中)の書き起こしをお届けします。10月23日に放送されたvol.8のテーマは「未来の稼ぎ方」。ゲストに坂口孝則さんを迎えて、高齢化問題や空き家問題など、今後20年の間に日本が向き合うことになる問題にいかに対処すべきかを議論しました。(構成:籔和馬)
    NewsX vol.8「未来の稼ぎ方」2018年10月23日放送ゲスト:坂口孝則(調達・購買コンサルタント) アシスタント:加藤るみ(タレント) アーカイブ動画はこちら
    宇野常寛の担当する「NewsX」火曜日は毎週22:00より、dTVチャンネル、ひかりTVチャンネル+で生放送中です。アーカイブ動画は、「PLANETSチャンネル」「PLANETS CLUB」でも視聴できます。ご入会方法についての詳細は、以下のページをご覧ください。 ・PLANETSチャンネル ・PLANETS CLUB
    坂口孝則さんの過去の記事はこちら3.11が発見した新しい消費者像――コンビニエンスストアの商品戦略と展開から(坂口孝則)
    データから未来を予測する楽しさ
    加藤 NewsX火曜日、今日のゲストは調達・購買コンサルタントの坂口孝則さんです。宇野さんと坂口さんはどういう経緯でお知り合いになられたんですか?
    宇野 実は「スッキリ」で共演する直前に知り合っていて、三年前に出た「PLANETS vol.9」で、坂口さんに寄稿してもらったんですね。
    加藤 「スッキリ」の前からお知り合いだったんですね。
    坂口 そのあとに、たまたまテレビの話をしていたら、話の最後に宇野さんから「実は今度「スッキリ」のレギュラーコメンテーターになる」と告白されて、そこから番組自体は2年半ですから、合計3年ぐらいご一緒して、そのあとメルマガに寄稿することもあった。
    宇野 メルマガとかにも書いてもらったし、あと僕がやっているインターネット生放送にも来てもらったりとか、ちょくちょく一緒に仕事をしています。
    加藤 今日のトークのテーマは「未来の稼ぎ方」です。これは坂口さんが出したばかりの本のタイトルになっているんですよね。
    ▲『未来の稼ぎ方』
    坂口 そうなんですよ。2019年から2038年までの20年間に1年に1つずつのトピックを挙げて、それぞれの年度でどういうことが起きるかをあくまでも統計とか事実をベースに書いていきました。コメンテーターとしての違いですけど、僕はデータを活用して、できるだけ杓子定規のことしか言わないように努めています。宇野さんってビジョナリーなところがあるでしょ。そこに対して、うまくバランスをとっていたつもりなんですけどね。だから、あくまでデータを重視したいわけですよ。 たとえば、「のんある気分」が目の前にあるんですけど、ノンアルコールで炭酸の組み合わせの飲料が一番伸びているんでんすよ。データを見るだけだったら誰でも語れるんですけど、その商品をどんな理由で買っているのかを見ていくとすごく面白かったりします。雰囲気的に飲みたいけど飲めないという理由が上位にくると思うんですけど、意外な理由もあって、飲料として安いからなんですよ。あるいは、ノンアルコール飲料は透明のものが売れているんですね。なんで、透明かつ炭酸が売れているかというと、アンケートとか見てみると、歯を汚くしたくない理由があるんですよ。
    加藤 着色料とかですね。
    坂口 だから、統計と同時に現場のヒアリングをしたら、面白いことがわかるんじゃないかなということで、僕はそろそろ40歳になるんですけど、60歳になるまでどういうことが起きていくのかを予想して書いたという内容です。
    加藤 坂口さんの本『未来の稼ぎ方 ビジネス年表2019-2038』に出てくる、これから儲かる20の業界を表にしてみました。こちらは2019〜2028年までの表になります。2019年、セブンイレブンが沖縄進出。2024年、アフリカで富裕層が急増。2028年、世界人口が80億人を突破。

    宇野 早いですね。
    坂口 最近まで60〜70億人といっていたのが、わずか10年で80億人を突破ですよ。
    加藤 続いて左の表なんですが、2029年から2038年ですね。 2029年、中国が人口のピークを迎える。2032年、インドのGDPが日本を超える。2037年、トヨタ自動車が100周年。

    坂口 日本の代表的な製造業社が100周年ですから、エポックメイキングな年になると思いますね。
    愛国心を持つ若者の増加、その実態から見えてくるものとは
    加藤 この中から宇野さんにキーワードを選んでもらって、トークしてもらいたいと思います。
    宇野 前半と後半で一つずつ選ぼうと思っていて、前半は「2026年 若者マーケティングのキーはSNSと愛国」について話したいですね。
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