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記事 8件
  • 捨て続けられる人だけがエッジを保てる(尾原和啓のビジネス人生相談『情熱と存在のヴァース』第8回) 【毎月第3木曜配信】☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.570 ☆

    2016-04-21 07:00  
    540pt

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    捨て続けられる人だけがエッジを保てる(尾原和啓のビジネス人生相談『情熱と存在のヴァース』第8回) 【毎月第3木曜配信】
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.4.21 vol.570
    http://wakusei2nd.com


    今朝は『ITビジネスの原理』『ザ・プラットフォーム』著者の尾原和啓さんによるビジネス人生相談連載『情熱と存在のヴァース』第8回をお届けします。最終回となる今回は視聴者に代わり、当メルマガ主宰者である宇野常寛が、尾原さんに人生相談する番外編。経営者・宇野常寛の切実な悩みに、尾原さんがビジネスのスペシャリストとして回答していきます。
    ▼プロフィール
    尾原和啓(おばら・かずひろ)
    1970年生。京都大学大学院工学研究科修了。マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタートし、NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援、リクルート、ケイ・ラボラトリー(現:KLab)、コーポレートディレクション、サイバード、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、Googleなどの事業企画、投資、新規事業に従事。また、ボランティアで「TED」カンファレンスの日本オーディションにも携わる。米国西海岸カウンターカルチャー事情にも詳しい。著書に『ITビジネスの原理』(NHK出版)、『ザ・プラットフォーム――IT企業はなぜ世界を変えるのか?』(NHK出版)がある。◎構成:菅 葉奈
    本メルマガで連載中のビジネス人生相談『情熱と存在のヴァース』これまでの連載はこちらのリンクから。
    前回:「クリエイティビティを効率的に上げる方法とは?」(尾原和啓のビジネス人生相談 『情熱と存在のヴァース』第7回)
    ■ QCD最適化で事務仕事のわずらわしさを解消しよう
    宇野 今回は、尾原さんの人生相談の最終回ということで、特別編です。次回から僕が聞き手になる人生論の連載を尾原さんにははじめていただく予定ですが、いつもの視聴者の皆さんからの質問に代わって、宇野常寛が日頃の悩みをストレートに尾原さんにぶつけてみたいと思います。
    尾原 はい。よろしくお願いします(笑)

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  • クリエイティビティを効率的に上げる方法とは? (尾原和啓のビジネス人生相談『情熱と存在のヴァース』第7回) 【毎月第3木曜配信】 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.543 ☆

    2016-03-17 07:00  
    216pt

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    クリエイティビティを効率的に上げる方法とは?(尾原和啓のビジネス人生相談『情熱と存在のヴァース』第7回)【毎月第3木曜配信】
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.3.17 vol.543
    http://wakusei2nd.com


    今朝は『ITビジネスの原理』『ザ・プラットフォーム』著者の尾原和啓さんによるビジネス人生相談連載『情熱と存在のヴァース』第7回をお届けします。今回は少し趣向を変えて、世界の「今」と「未来」を切り出すお話。世界中、場所を選ばない働き方とは? Google流クリエイティビティを生み出す「マインドフルネス」ってどんなもの? などなど、尾原さんならではの視点で新しいビジネスパーソンの在りかたをアドバイスしていきます。
    ▼放送時の動画はこちらから!
    http://www.nicovideo.jp/watch/1453192353
    放送日:2016年1月14日
    ▼プロフィール
    尾原和啓(おばら・かずひろ)
    1970年生。京都大学大学院工学研究科修了。マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタートし、NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援、リクルート、ケイ・ラボラトリー(現:KLab)、コーポレートディレクション、サイバード、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、Googleなどの事業企画、投資、新規事業に従事。また、ボランティアで「TED」カンファレンスの日本オーディションにも携わる。米国西海岸カウンターカルチャー事情にも詳しい。著書に『ITビジネスの原理』(NHK出版)、『ザ・プラットフォーム――IT企業はなぜ世界を変えるのか?』(NHK出版)がある。◎構成:菅 葉奈
    本メルマガで連載中のビジネス人生相談『情熱と存在のヴァース』これまでの連載はこちらのリンクから。
    前回:『魔法の世紀』はApple的?それともGoogle的?(尾原和啓のビジネス人生相談 『情熱と存在のヴァース』第6回)
     みなさんこんばんは、バリ島の自宅からお届けしています。まだちょっと明るいね。バリ島は時差が1時間早いのでまだ夜の7時です。ただ、こっちは夜中になるとそんなに明かりはつけないので、ここからどっぷり暗くなっていきます。昔の昭和40年代の田舎みたいなものです。さて、新年年明けの人生相談ですが、今回はこのニコ生自体をどういう風にしていくかということについて、企画会議的に皆さんと相談しながら進めていければと思っています。
     
    ■Wi-Fi環境向上が実現するバリでのリモート生活
     近況報告を先に言っておくと、私が楽天を離れたのは2015年の1月末で、バリ島に来たのが4月なので、こういうフリーの生活を始めてほぼ1年、バリ島に来て8カ月になります。ただ毎月、1週間ぐらいは日本に帰っているんですが、ガルーダ航空のバリ島-日本間直行便なら、深夜24時半にバリ島を発てば朝の8時に日本の成田に着きます。そこから2時間かけて東京の都心に出れば、朝10時半の会議には間に合うので、極端な話、前日の夕方に困った事案が発生しても、翌日朝には東京にいられるんですね。実際に1回だけそうやって行ったことがありますが、比較的、自由に生活できています。
     ここ2、3年で、空港で入手できるSIMカードもWi-Fi環境も良くなりました。携帯電話のSIMは3Gが当たり前、場合によっては4Gも空港で気軽に買えるようになっています。一昔前はSIMを買いたくても、遠くにあるキャリアショップや怪しい屋台などでしか売っていませんでしたが、最近は空港の前に必ず店があるので、通信に関してはどこの国でも不便はありません。Wi-Fi環境は、東南アジアに関して言うと、カフェに行くと基本的に無線LANが入っていて無料で使えます。ホテルのような良い場所に行くと、無線LANでビデオ会議ができるし、ビデオは無理でも音声会議はできるぐらいの回線はありますから、困ることはありません。私の場合はバリ島でのリモートの生活が当たり前になっているので、このニコ生もそうですが、パートナーからすると、私がバリにいようが、シンガポールにいようが、アメリカにいようが、世界中どこにいても全く関係なくなりました。
    ■日本のコワーキングスペースと海外のコワーキングスペースとの違い
     今、ものすごい勢いで世界中にコワーキングスペースができています。日本のコワーキングスペースはどちらかというと独立事業者が自分たちでオフィスを持つまでの間に使う場所というイメージがありますが、海外のコワーキングスペースは世界中、どこでも働ける人たちが仕事をするために、現地でふらっと立ち寄る場所という側面があります。ここバリ島でも、シリコンバレーのITベンチャーのディレクターみたいな人が、1カ月だけリラックスも兼ねてコワーキングスペースに仕事をしに来て、リモートでビデオ会議をしたりするような状態は当たり前です。僕も最近、東京-バリ島間の往復では、直行便を使わず敢えてマレーシアのクアラルンプール経由にして、クアラルンプールのコワーキングスペースで仕事をするようにしています。直行便を使うと、行きはいいのですが帰りは昼間に飛ばないといけないので、その時間が無駄になるんですね。でもエアアジアを使い、深夜便で羽田を発って朝7時にクアラルンプール着、空港からすぐコワーキングスペースに行って1日みっちり仕事して、夜9時の便に乗って12時にバリ島着、それから家に帰って寝る、という移動にすると、日中帯はほぼ100パーセント仕事できて、なおかつ、コワーキングスペースで現地の人たちとのネットワークを広げられます。
     あともう1つの特長は、コワーキングスペースがグローバルでネット化していることです。僕が入っているコワーキングスペースでは、会員になると、シンガポール、フィリピン、台湾など世界中のコワーキングスペースをどこでも使えるようになります。日本のコワーキングスペースだと、まだこんな風に、グローバルにネットワーク化されていませんね。英語で外国人客のトラブルに対応できる日本人スタッフが、日本のコワーキングスペースに不足しているのがその理由なのかもしれません。
     
    ■日本的なコミュニケーション消費ビジネスがようやくアメリカで動き出す
     今年はアメリカでの情報発信も増やしていこうと思っています。iPhoneが生まれて9年ですが、アメリカでは「つなぎっぱなしのモバイル」状態が当たり前の2000年生まれ以降の人たちを「ミレニアムズ」といって特別視しています。それに対して日本は、iモードが先にあったので、そういう状態をもう17年間経験していて、この8年差は大きい。僕個人の感覚で言うと、中学生の時のメディア経験がそのあとのコミュニケーションを大きく価値観形成します。そういう意味では、アメリカは14歳のころにiPhoneを触った人たちがようやく今年から社会人になるわけです。
     今まで日本的なハイコンテクストなコミュニケーションを楽しんでいたスマホネイティブなアメリカの学生たちが、今度は社会人として、日本的なコミュニケーション消費ビジネスを動かしだすので、そういったところに対して情報発信していくことが大事だと思っています。アメリカが日本化するというか、これまで日本や韓国だけで需要が大きかったLINEやカカオのスタンプのようなものが、アメリカでも明確な市場になっていきます。Google時代の自分自身を振り返ってもよく分かるのですが、上の世代はそういうものを本質的に楽しんでいないのに、「アジアで流行っているから入れておこう」みたいな感じで入れているからつまらなかった。その辺の感覚がようやくすり合ってくるので楽しみです。
     
    ■原油安はファンダメンタルで見ると実はプラスになる
     経済的には今年、不安定さ(ボラティリティ)が増える年になります。その中で、ビジネスインパクトとして一番大きいのはやはり中国の動きです。ただ僕の見立てだと、昔の日本のバブル崩壊みたいなハードランディングはしそうになくて、ソフトランディングになる。とはいえ、あれだけの規模の経済が停滞するわけですから、いろいろなところに波及効果は起こるでしょう。それと、アメリカのシェールガスの問題を皮切りにした原油安も大きい。ただ原油安で経済的な不安定さが増して株や為替が動くとしても、ファンダメンタルでみるとプラスです。これは単純な話で、日本は原子力をほぼ止めているのでエネルギー生産を火力発電に頼っていて、さらに天然ガスや石油を海外から輸入するのでコストは高いのですが、ここ1年ほどで原油価格が半分以下になっている。だから、日本の貿易収支で考えるとプラスだし、かつアベノミクスで経済高揚はされているので、数字は良くなっています。問題は、将来が分からないから企業も人もお金を使わないことですね。結局お金は天下の回りもので、使っていかないと新しい生産って生まれないので、その循環をどうするかが大事です。
     
    ■GDPはオワコン!?
     ただこの考え方自体も、僕自身は少しダウトなところがあります。先週、僕が委員になっている経済産業省の対外政策委員学会でプレゼンをしてきたんですが、そこで僕が話したのは、「GDPはもうオワコンじゃないか?」という話です。GDPというのは、新しいモノやサービスをつくって売れる金額の総額のことを言います。でも僕たちは、その金額に相当するモノをつくらなくても楽しめる世代ですよね。このニコ生もそうだし、ニコ生における二次創作もほとんどがそうです。それが、デジタルコンテンツだけではなく物的消費においても広がっている。新しいモノをつくらなくても、シェアすることで楽しみって十分作れるぜ! というのがこの5年ぐらいで起こるだろう変化です。例えば、分かりやすい話でいうと、メルカリやモバイルフリマがそうで、僕はそこで新しいゲームを中古で買って、1週間くらい遊んで、中古でまた売っています。そうするとあまり価格が減らないので、送料だけでゲームを遊べてしまうんです。それと同じで、女の子たちも、普段は使わないけれどこの一点もののバッグをパーティーで使いたいなとか、こういうシチュエーションだから新しい服にちょっとチャレンジしてみたいというときに、中古で買って中古で売ると、限りなく送料だけでモノを楽しめます。
     そうなると、GDP的には新しいモノが作られていないので経済成長していないように見えますが、いち消費者の観点からすると、安い値段で色々試せるし、ましてや少ないお金で楽しめるから、普段やらないことやってみる気になる。そうすると生活が豊かになるわけで、むしろこちらの高揚の方を考えたほうが良い。アメリカではこのように経済が循環していく形を「サーキュラーエコノミー」と言いますが、このサーキュラーエコノミーをどのようにつくるかを考えたほうが健全です。
    ■デジタル社会が切り開く新しい経済のカタチ
     そこで問題になってくるのが、モノをつくるときに最初のアイデアを出した人たちにきちんとした対価が払われなくなる、ということです。ここに関してはいくつか解決策があります。

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  • 『魔法の世紀』はApple的?それともGoogle的?(尾原和啓のビジネス人生相談 『情熱と存在のヴァース』第6回)【毎月第3木曜配信】 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.522 ☆

    2016-02-18 07:00  
    216pt

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    『魔法の世紀』はApple的?それともGoogle的?尾原和啓のビジネス人生相談 『情熱と存在のヴァース』第6回【毎月第3木曜配信】
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.2.18 vol.522
    http://wakusei2nd.com


    今朝は『ITビジネスの原理』『ザ・プラットフォーム』著者の尾原和啓さんによるビジネス人生相談連載『情熱と存在のヴァース』第6回をお届けします。今回は『ザ・プラットフォーム』に関する質問がテーマです。『魔法の世紀』からAppleWatch、Google+、さらには仮想通貨からイスラム国まで、プラットフォーム的な思想をより深く広範に論じていきます。
    ▼放送時の動画はこちらから!
    http://www.nicovideo.jp/watch/so27927279
    放送日:2015年12月17日
    ▼プロフィール
    尾原和啓(おばら・かずひろ)
    1970年生。京都大学大学院工学研究科修了。マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタートし、NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援、リクルート、ケイ・ラボラトリー(現:KLab)、コーポレートディレクション、サイバード、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、Googleなどの事業企画、投資、新規事業に従事。また、ボランティアで「TED」カンファレンスの日本オーディションにも携わる。米国西海岸カウンターカルチャー事情にも詳しい。著書に『ITビジネスの原理』(NHK出版)、『ザ・プラットフォーム――IT企業はなぜ世界を変えるのか?』(NHK出版)がある。
    本メルマガで連載中のビジネス人生相談『情熱と存在のヴァース』これまでの連載はこちらのリンクから。
    前回:非正規雇用の時代のキャリアの築き方 (尾原和啓のビジネス人生相談 『情熱と存在のヴァース』第5回)
     皆さん、こんばんは。実は今、日本に帰ってきております。今日は朝からずっと外出していて家に帰ることができず、新橋駅前ビックカメラ横のマクドナルドの3階からの配信です。ということで、バリではないですけど、新橋駅前マクドナルドから愛を込めて人生相談させていただきます。では、質問に入っていきましょう。
    ■ 『魔法の世紀』はApple的?それともGoogle的?

    Q 僕は落合陽一さんのファンで、尾原さんの『ザ・プラットフォーム』と落合さんの『魔法の世紀』の両方を読んだのですが、近いことが書いてあると感じました。落合さんは最新技術がディスプレイの外側に作用すると言っていて、これはAppleよりGoogleの考えに近いのではないかと思いました。尾原さんの『魔法の世紀』への感想を教えてください。(オーティスさんからの質問)

     落合陽一さんとは、たまたま本の執筆時期が近かったこともあり交流させてもらって、互いに考えを磨きあったところもあるんですよね。彼と僕のスタンスの違いを言うと、彼は「魔法の時代」と言っていて、僕は「文脈の時代」とか「原理の時代」と言っている。
     僕はインターネットの力は、自分の指向性や特殊性に合う仲間を見つけられることだと考えています。インターネットの広大な空間の中で、仲間と一緒に微妙な機微を楽しみあうコミュニケーション消費が重要だと思っているし、そのコミュニケーション消費の中で、自分にしかない差異を研ぎ澄ましていくことで自己実現に至るというのが僕のスタンスなんですね。
     それに対して落合陽一さんは、価値観が多様化して隣人と共通の文脈を持つことが難しい時代に人々を動かすには、現実空間を揺り動かす強力なインパクトを生み出すしかないというスタンス。つまり、「魔法」的な表現が与える体験を力の源泉とするのが落合陽一さんで、僕はインターネットでは言葉の壁を超えて仲間を見つけられるから、より細かな差異を楽しめるという主義。
    同じ現実に対して、どちらからアプローチしているかの違いなんです。
     そういう意味で2人で見ていて一番面白いのはやっぱりディズニーだよね。
    ちょうど明日から始まる『スターウォーズ フォースの覚醒』で、彼らがスターウォーズをどう調理するかなんだけれど、たぶん結論は見えていて、『アナと雪の女王』と同じ手法を使うと思うんです。
    『魔法の世紀』にも書かれていた話ですが、『アナ雪』って単に姉妹がケンカして仲直りして終わる、というだけのストーリーなんです。それになぜ人が感動するのかというと、特許や論文になるほどの高度な技術を使った精緻な映像、具体的には雪のシミュレーションにあるんですね。現実世界の雪を模倣しながらも魔法の力でコントロールされている雪の表現が、人間の原始的な部分を感覚レベルで刺激する。極端な話、物語は何でもいいわけです。圧倒的な映像の力があれば、心が動いてしまう。しかもディズニー、正確に言うとピクサーのチームが、世界中の姉妹にまつわるエピソードを集めて、グローバルに感動できる物語を組み上げている。姉妹愛や肉親の情といった、誰もが共感できる人間の原理に根ざしたコンテクストによって感動を醸成させる素晴らしい脚本なわけです。
    これが『ベイマックス』になると、今度はそれに加えてドラゴンボール立ちとか宮崎駿の飛行シーンといった日本アニメのエッセンスをパッチワークして作っています。
     いずれにしても「ハイコンテクスト」ではなくて、「ローコンテクスト」なんです。正確には「プリミティブなハイコンテクスト」と表現したほうがいいかな。人間の原始的な感情の中に眠る共通のコンテクストを上手く利用していて、恐らく『スターウォーズ』もそういうふうになるんだろうと思います。
     質問ではもうひとつ、「落合さんの考え方はAppleよりGoogleに近いのではないか」という指摘がありましたが、落合さんはAppleとGoogleのミックスなんですよね。彼は、物理世界がすべてメディアとして作用すると言っているから、それは自分自身の拡張という意味ではApple的だし、自然そのものを変化させて人間に接近させるという意味ではGoogle的でもありますね。

    Q Apple Watchの敗因はなんだと思いますか?(コメントからの質問)

     Apple Watchは敗れたわけではなくて、単純に値段と効用が合わないだけです。あの程度のメリットの製品に対して、あの金額は払えないという話だと思います。
     そういう意味で実験作だと考えるべきだし、それ以上に、Appleが製品の機能面で他社との差別化ができなくなってきたので、新たにブランド的な装いを作る必要性があった、というのが、落合さんと僕とで一致した見解です。ラグジュアリーとしてのブランドを作るときに、時計を選ぶのは戦略的には非常に正しいやり方です。製品戦略というよりは、マーケティング戦略としてApple Watchを出したというのが近いんじゃないかな。
     彼らは、ラグジュアリーメーカーのプランドマネージャーやプロダクトマネージャーをすごい勢いで雇用しています。ハードウェア・ソフトウェア含めたブランドエクスペリエンスを、どうやってユーザーに届けていくか、それを研ぎ澄ましていくための人材確保の道具がApple Watchだったとも考えられます。
     だから、世の中に出たプロダクトが売れなかったからといって、必ずしもその行為自体が失敗だとはくくれないと思うんだよね。それによってAppleのイメージが作られ、人を採用することができて次の戦略が打てるようになる、ということもあるからね。
     正直なところ、Appleもモノを売るのではなく、サービス売らざるを得なくなっているんですよ。ただし、残念ながら、Appleは必ずしもサービスがうまくない。iTunes MusicだったりNewsstandだったり、いろんなトライをしているけれども、あまりうまくいっていないですよね。この点は課題だと思います。
    ■ Google+の評価を分けるプラットフォームの表と裏

    Q 最近、Google+に勢いがないと個人的に感じているのですが、プラットフォームでうまくいくものといかないものが出てくる原因はなんでしょうか。(よねやんさんからの質問)

     一応、私、Google時代にGoogle+の事業責任者をやっていたんです。
     その立場で端的に言うと、ソーシャルストリームとしてのGoogle+は失敗しました。ソーシャルストリームというのは、Facebookのように皆さんのポストが流れていく画面としてのGoogle+です。みんながポストをアップして、それを共有していく空間としてのGoogle+は失敗しました。
     その反面、Google+はすごく成功しているとも言えます。それはソーシャルID、あるいは写真を共有する空間としてのGoogle+という話ですね。コメントには「両方狙っていた?」という指摘がありましたが、それはもちろん、両方狙っていましたよ。
     あとでGoogleから怒られるかもしれないので穏当なところから話しますが、そもそもなぜGoogleがソーシャルに参入しようと考えたかというと、Googleは"Organize the world's information and make it universally accessible and useful”という会社のミッションを忠実に実現しようとしているからです。世界中にある情報を有機的に整理し、それをモバイルだろうがPCだろうがテレビだろうが、外だろうが家の中だろうが、どこからでもアクセスできて簡単に利用できるようにする、というのがGoogleのビジョンなんですよね。
     ところが近年、Googleが触れられない重要な情報がどんどん増えてます。その代表的なものがFacebookをはじめとしたソーシャルなわけです。ソーシャルな情報にも2種類あって、ひとつは人がオープンにポストする情報。もうひとつは、例えば僕が宇野さんに「ちょっとヤバい本を見つけたんですけど、この本読んでみません?」と言うときのような情報ですね。どっちが重要かというと、やっぱり後者のほうですよね。
     Googleとしては、友だち間でやり取りされている情報を、個人のプライバシーを守りつつフィードバックをかけていくことがとても重要なわけです。しかし、残念ながらFacebookはGoogleの検索を許してくれない。かつ今のところFacebookって検索性能が悪くて過去のポストを見つけられないんですよね。さらに、閉じた世界になっていてGoogleからも検索できないので、情報を再利用できない。
     Googleとしては検索によって再利用できる形で、プライバシーに触れない範囲のパーソナルな情報――正確に言うと、自分が利用するときだけプライバシー情報をフィードバックさせたり、家族で共有されている情報を家族間でのみ検索可能にするといった形で、ソーシャルな情報を適切に使えるようにしたかった。それをやるためには、Facebookと同じようにプラットフォームを持っていたほうが得だということで、Google+のソーシャルストリームはあったんです。
     さて、このGoogle+のソーシャルストリームは、Googleが想定していた以上に強力なプラットフォームとして結実しました。それがAndroidです。Android上には電話番号やアドレス帳があるし、多くのユーザーはGmailを使っているので、どの友達を招待するかといった情報を扱えます。さらには、Androidのカメラで写真を撮ると自動的にネットワークにアップロードされて、バックアップとして保存されます。
     つまり、Androidというハードウェア的なプラットフォームと結びついたことで、Facebookのようなソーシャルのプラットフォームを持たずとも、人間関係に基づいた情報を個人のプライバシーに配慮しながらユーザーに提供できるようになったわけです。
     こうした方法で、裏側から皆さんのソーシャルの活動を支援するという形にスタンスが変わっていったんです。そういう意味で、Google+というバックグラウンドで働くプラットフォームは大成功。なんだけど、表側のポストしていくプラットフォームとしては負けました、っていう話なんですね。
     なぜ表側は負けたかというと単純な話で、コミュニケーションするためのプラットフォームの価値は、ポストを共有してくれる友達の数次第なんです。だから、友達の多いプラットフォームがどんどん強くなっていくので、グローバルでいえばやはりFacebookが強い。使う友達が多いと、その数だけで価値が増すから、1位がどんどん強くなる構造にあるわけですね。
     なので、ソーシャルポストとしてのGoogle+は、先行するFacebookやLINEには残念ながら勝てなくて、裏側のソーシャルIDとしてのGoogle+が残ったという話ですね。
     では、今後のGoogleの戦略はといえば、写真系を大きな武器にしていくということを、今のGoogle+部門のトップは言っています。それはやはり"organize the world's information"という話と一緒で、自動的に情報を整理する価値を強化していくということです。
     プライバシーの懸念があるから、なかなかアクティベーションされていかないけれど、例えば、あなたがGoogle+にログインして検索をかけると、検索結果の中に自分が友達と共有した写真が「友達にシェアした写真ですよね」というふうに表示されるわけですね。パブリックな検索結果の中に、個人のプライバシーを守りながら、その人にしか出さない情報を表示していく。そういう方向に少しずつGoogleは変わっていっています。
     さきほどコメントに「AKBを使った」とありましたが、それは日本だけの話です。これに関してはさっきも言いましたが、ソーシャルは基本的にある程度の仲間が使っていないと無価値なので、コミュニティを丸ごと連れてくるのが一番楽なんです。仲間がGoogle+を使っていたら「私もGoogle+を使おう」となるし、友達の半分以上がGoogle+を使っていれば、AKBに関心のない人でもGoogle+を使い始める。
     濃いコア層を作り、そこから波紋のように利用者を広げていくのがコミュニティの逆転戦略の基本です。Google+はAKBのファンの間には広がったのだけれど、思ったよりその先に広がらなかったのは、担当の不甲斐なさを含めての反省点でした。
     
    ■ 3Dプリンタの悪用を防ぐのは倫理・道徳の社会設計
     

    Q 韓国の軍隊が3Dプリンタで兵器の部品を生産したという報道を目にしました。『ザ・プラットフォーム』では3Dプリンタによって個人の開発が盛んになる期待が書かれていましたが、その一方で、国家が3Dプリンタで安価に兵器の製造を行うようなことがこれから増えていくと思いますが、今後このような3Dプリンタの使用法に規制をかけるべきでしょうか? (もえの朱雀さん)

     うーん。結論から言うと、これは基本的に「切り出しナイフを小学校で禁止しますか?」という話ですよね。道具は善にも悪にも使えるので、そこを規制するよりも、悪用する意味をなくするという、道徳とか規律の話になると思います。
     質問にある韓国の3Dプリンタの話をしっかり把握していないんですが、現時点では、3Dプリンタ製の銃は高くつきます。なぜかというと、3Dプリンタって、そんなに細かな精度で印刷できるわけではなく、ちゃんとした拳銃のパーツ作ろうとすれば、一丁作るのに1日か2日はかかってしまいます。生産効率が悪いんです。
     さらに言うと、最近やっとチタンなどを出力できる3Dプリンタが出てきましたが、基本的にはプラスチック系なので、強度が足りずに1〜2発打つと壊れちゃう。しかも精度的にも非常に怪しい。実用性の高い拳銃のレベルを作り出すなら、その分3Dプリンタも高額になります。国家がお金を出すのであれば、普通に金型から作った方が安いくらいです。その辺は道具に踊らされないことが大事だと思います。
     もちろん、3Dプリンタのデータを事前に解析して、拳銃みたいな凶器を生産できないようにすることも可能です。「このデータをプリントアウトしたらログが警察に行きます」みたいな警告文を流して、自主規制を促すような仕組みを作ることもできるでしょう。
     ただ、基本的には包丁だって人を殺せるわけで、そこで抑止力として働くのはやっぱり道徳だと思います。もっと言えば、人を殺すメリットよりも、その後に捕まって人生を台無しにするデメリットのほうが大きいという計算ができる人は、基本的に人を殺さないという社会全体の仕組みを作るほうが大事だと思います。やっぱり、暴力に訴えて一時的にお金を手に入れて逃げ切れる社会があるから、チートしようとするんだよね。だからそのチートをいかに許さないか、経済や罰則のシステムが大事だと思いますね。
     えーと、次の質問行きましょう。本とは関係のない質問だけど、一個受けちゃいます。
    ■エンジニアに必要なのは独学力と問題発見力
     

    Q 私は大学3年の文系大学生で、ITベンチャーの就職を希望しています。プログラミングの経験がないので、基本的に総合職(ウェブマーケティングディレクター)の職種でエントリーし、未経験でもエンジニア職を募集しているところにはエンジニア職でもエントリーしています。
     将来的に人々をワクワクさせるようなプロダクトや、かゆいところに手が届くようなサービスを作り広めていこうと考えていて、それにはエンジニアリングの知識やノウハウだけでは物足りないと思い、可能ならばエンジニアでファーストキャリアを進めていこうと考えています。そこで質問ですが、未経験エンジニアとして新人社員が当面気をつけていくべきこととは何でしょうか。(こうへいさん@TOTOさん)

     答えはふたつあるんですが、そもそもプログラミングって、始めたければいつでもできるんだよね。僕自身、プログラムを組み始めたのは小学校6年生のときです。当時はプログラミングの本なんてないから、他人のプログラムを見て、リバースエンジニアリングして、仕組みを自力で解析して学んでいきました。

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  • 非正規雇用の時代のキャリアの築き方 (尾原和啓のビジネス人生相談 『情熱と存在のヴァース』第5回)【毎月第3木曜配信】 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.499 ☆

    2016-01-21 07:00  
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    非正規雇用の時代のキャリアの築き方 (尾原和啓のビジネス人生相談 『情熱と存在のヴァース』第5回)【毎月第3木曜配信】
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.1.21 vol.499
    http://wakusei2nd.com



    今朝は『ITビジネスの原理』『ザ・プラットフォーム』著者の尾原和啓さんによるビジネス人生相談連載『情熱と存在のヴァース』第5回をお届けします。テーマは「働き方・キャリア」。
    非正規雇用が増大し将来への不安を抱えながら働く人が増えている中、いかに仕事に意味を見つけてキャリアを積んでいけばいいのか。尾原さんの経験と知見からアドバイスします。

    ▼プロフィール
    尾原和啓(おばら・かずひろ)
    1970年生。京都大学大学院工学研究科修了。マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタートし、NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援、リクルート、ケイ・ラボラトリー(現:KLab)、コーポレートディレクション、サイバード、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、Googleなどの事業企画、投資、新規事業に従事。また、ボランティアで「TED」カンファレンスの日本オーディションにも携わる。米国西海岸カウンターカルチャー事情にも詳しい。著書に『ITビジネスの原理』(NHK出版)、『ザ・プラットフォーム――IT企業はなぜ世界を変えるのか?』(NHK出版)がある。
    本メルマガで連載中のビジネス人生相談『情熱と存在のヴァース』これまでの連載はこちらのリンクから。
    前回:「人生の最適化問題をいかに解くか? 目的関数と制約関数を押さえよう」(尾原和啓のビジネス人生相談『情熱と存在のヴァース』第4回)
     みなさんこんばんは。今日はバリ島から配信です。今回のテーマは「働き方・キャリア」ということで、皆さんからの質問も多かったですね。基本的に暗い内容が多いんですが、そこはズバズバと明るい感じに変換していければなあと思います。じゃあ最初の質問からいってみましょうか。

    ■ リモートワークは海外・地方で生活コスト圧縮を考えよう

    Q1:パソコン1台だけで好きな場所で仕事をするのは本当に可能?
    職場の人間関係が悪くてストレスがたまってしまう毎日です。今の職場を辞めようと思っています。最近はインターネットやスマートフォンの普及で働き方が多様化し、パソコンを一台持っていればどこでも仕事ができる人がいると聞きます。そういう働き方をうらやましく感じているのですが、実際に可能なのでしょうか。(SS5さん)

     まさに僕がそういう働き方をしていますよね。ちょうど今週、東京から帰ってきたんですが、あえて東京からバリの直行便は使っていないんです。今回、AirAsiaのクアラルンプール経由の便が安くて、バリ・東京間の片道チケットが2万円ちょっとでした。AirAsiaの場合、荷物の重量や座席指定などで手数料を積み上げていくんですが、私みたいに生活用品を現地に置いたまま移動すると、手荷物だけでふらっと行って帰ってこれるので、ほとんど追加料金もかからないんですね。
     夜22時に東京を発って、朝6時にクアラルンプールに到着します。クアラルンプールからバリ島までは3時間程度なので、次の乗り継ぎ便を20時くらいの遅めのフライトにしておくと、朝6時から夜20時まで、クアラルンプールで過ごせます。最近の空港はたいていWi-Fiの環境設備があるので、空港で日本のクライアントとテレビ会議をしたり、コアキングスペースのような共同オフィスで仕事をしたり。最近のコワーキンスペースはネットワーク化が進んでいて、シンガポールやマレーシアのコワーキングスペースと提携しているので、一箇所入っていると、どこででも働けるんですよね。
     当然、その国で起業しているベンチャーの人たちがいるので、「ランチタイムに日本のベンチャーの状況についてスピーチするよ」と事前に言っておくと、興味を持った人たちが来てくれる。そこで知り合いになって、シンガポールでも同じようなことをして知り合いが増えると、今度はシンガポールの起業家にマレーシアの同業者を紹介したりして。
     いずれにしても、インターネットによる知的な問題解決っていう意味では、場所は関係なく働けるようになってきています。その問題解決は、私のように経験を持った人間がノウハウを提供する場合もあれば、単純に時間あたりの作業として提供している場合もあります。
     よく話す例としては、米国のコールセンターがそうですね。英語が公用語のフィリピンやインドに移っています。人件費の安さが理由ですが、それでもフィリピンやインドの給与水準からすると充分な時給なんですね。
     
     要は、知的に問題解決をしていく作業や、単純なデータのやりとりだけで行える仕事は、リモートワークができます。ただ、今のところ遠く離れた場所で全く同じクオリティーの仕事ができるのかというと、ちょっと不便もあるので、値段を安くするとか、早く対応できるとか、深夜や土日でも対応できるとか、そういったバリューをつけないと同じ値段は取れない状況ですね。
     リモートワークのいいところは生活コスト下げられることで、こちらで生活していると一食の値段が200円くらいで済むんです。多少収入が下がっても、生活レベルを豊かにできるんですよね。これは沖縄や福岡といった日本の地方都市に移住しても、同じような効果が期待できると思います。
     SS5さんの話に戻ると、結局、何を選ぶかですよね。パソコンに向かって粛々と単純作業ができれば、多少給料が下がっても構わないという考え方で、地方の環境のいいところで暮らすことを選択できるなら、今すぐにでも可能だと思います。
     そういった仕事の中でも、たとえば最初は音声データの書き起こしとか、そういったところから紙の編集に入って、電子出版のサポートをしたりとか、ウェブ系のライティングとか、プログラミングとか、なんらかの形で手に職をつけて時給をアップしていくといった方法が考えられます。
     あとはどのスキルで勝負していくのかの選択ですよね。スキルの価値については、クラウドワークスのサイトに行くと募集条件と単価が見れるので、それを参考にするといいと思います。
    ■ 非正規が当たり前の時代いかに充実して働くか

    Q2:非正規雇用の人はどうやってキャリアを積んでいけばいい?
    日本も3人に1人が非正規雇用の時代になりました。非正規雇用からのキャリア設計についての質問です。まず、非正規から正規雇用へのキャリアアップを目指すには、どのような能力や資質が求められるのでしょうか。次に、非正規雇用から正社員に登用されるのが難しいと分かっている場合、どのようなキャリアプランを構築していけばいいのか。最後に、これから非正規雇用と正規雇用はどのような分布になっていくのか、お聞きしたいです。(地蔵堂さん)

     そもそも論として「正規雇用って何よ?」って話になるんですよね。Googleやマッキンゼーでは基本的に年俸制を採用していて、上司との間で設定した基準に達しなかったのが重なるとGO OUTです。マッキンゼーだとUP OR OUTって言い方をしていて、マッキンゼー内部で上を目指すか、もしくは外に出てマッキンゼー出身者として活躍してネットワークを広げていくか、というような働き方ですね。
     日本は雇用者が守られていてクビにしづらい国なので、今のところ正規雇用と非正規雇用の壁は大きいですが、それもだんだん崩れつつあるので、基本的には正規であろうと非正規であろうと、長く働けることを前提条件としないほうがいいです。今は非正規の割合は3人に1人ですが、これからは確実に40%を越えますし、そうなると非正規雇用もスタンダードと言われるようになると思います。
     そうなると、非正規雇用は不安定な代わりに、自分の生活やコスト環境を自由に設定できるメリットもあるわけですよね。高度経済成長期以降、我々は売り上げが上がり続ける社会にいましたが、これからのネット社会では効率化が進みます。一番分かりやすい話でいうと、Kindleが登場して書店や取次会社が中抜けしていくんですよね。
     もうひとつ例を挙げると、衣食住のうち「着るもの」の流動化が進んでいて、たとえば「メルカリ」っていうフリーマーケットのアプリがありますが、ユーザーの話を聞いていると、最初から中古で売る前提で中古品を買っているんですね。この服は2週間着たら飽きちゃうだろうなと思っても、中古で買って中古で売ると値段はそんなに下がらないので、送料だけで実質的にレンタルすることができる。そうすると所有する衣類はユニクロみたいなベーシックなアイテムが何点かあれば充分で、普段着ないような衣類は手元に置かず循環的にしておける。
     最近、地方で話を聞いていると、本当にメルカリのユーザーが多いんですね。新しい服を買うときも、メルカリで次の人に売ることを前提にしていて、その服はたまたま自分が1番目に買っているに過ぎないし、もしかしたら別の商品は5番目に買うかもしれない、という風な発想で、衣類にかけるコストをどんどん下げていってるんです。でも、コストを下げる=貧しいということではなくて、コストを下げても無駄を楽しむことができる生活を作っていくことが、すごく大事じゃないかなと思います。
     一方で、非正規雇用になったときに、どうやって売上を上げていくかに関しては、さっき話した通り「売れるスキル」をどう身につけていくかが大事です。これは相場観なので、その中でやっていくしかないよね。相場観については、クラウドワークスのサイトが株価のチャートみたいなものなので、どこの領域が高くなるかってことを見ながら冷静にスキルを身に付けていくっていうのが一番ですね。
    ■ コンサルタントとして働くために必要な3つの知識

    Q3:一流コンサルタントとして働くために必要な知識は?
    私の主人は経営コンサルタントになるべく、日々勉強中です。現在の仕事からの転職を計画し、長年積み上げてきたスキルや資格を持って新しい世界に踏み込もうとする主人を応援したい気持ちはあるのですが、主人には学歴がありません。主人は地方の三流大学の卒業、しかも文学部です。一流の経営コンサルタントというと、高学歴だったりMBAを取得したり、世間離れした学歴をお持ちの方が多い印象ですが、主人のような努力だけで頑張ろうとする人間でも一流を目指すことはできるのでしょうか。あるいは主人のような学歴のない人間に必要とされるものを教えて頂きたいです。(ぷんぷんさん)

     一流の経営コンサルタントって何なんでしょうね。自分が仕事をし続けるうえで、何百社も相手にする必要はないわけで。たとえばコンサルタントとして普通に食べていこうと思えば、常時3、4社のクライアントがいればいいわけですし。短期間の仕事を循環させるにしても、せいぜい1年間に20社くらいだよね。
     だとしたら、世の中全体で誰からも選ばれる人になる必要はなくて、自分の近くにある20社に選ばれる人になればいいわけです。ちなみに僕も世間的には高学歴と言われる京大工学部の修士を卒業してますが、MBAなんて取ったことないし、いわゆる経営学をお金を払って学んだことはなくて、基本的には実学なんですよ。
     1年間に20社のクライアントを見つけられる資質が何かというと、もちろんMBAで習うような論理的な経営学も大事なんだけど、それはコンサルタントにとって必要な3つの知識のひとつに過ぎないんですね。残り2つが大きくて、そのひとつがExpertise(エクスパティーズ)と言われる、職種・業種の固有の知識です。

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  • 人生の最適化問題をいかに解くか? 目的関数と制約関数を押さえよう(尾原和啓のビジネス人生相談『情熱と存在のヴァース』第4回)【毎月第3木曜配信】 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.474 ☆

    2015-12-17 07:00  
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    2015.12.17 vol.474
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    今朝は『ITビジネスの原理』『ザ・プラットフォーム』著者の尾原和啓さんによるビジネス人生相談ニコ生『情熱と存在のヴァース』の、メルマガ版第4回をお届けします。
    前回に続いて、「自分のお金やリソースをどこにどう投資するか」という観点から、皆さんから寄せられた相談にお答えします。
    ▼放送時の動画はこちらから!
    http://www.nicovideo.jp/watch/1449807910
    放送日:2015年10月29日
    【ニコ生の第6回は本日23:00〜放送予定です!】
    尾原和啓「情熱と存在のヴァース vol.6」
    http://live.nicovideo.jp/gate/lv242623406
    テーマ:『ITビジネスの原理』『ザ・プラットフォーム』について
    ☆今回は、ご自身の著書への質問を大募集です!
    質問はこちらから→http://bit.ly/obaraQA
    ▼プロフィール
    尾原和啓(おばら・かずひろ)
    1970年生。京都大学大学院工学研究科修了。マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタートし、NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援、リクルート、ケイ・ラボラトリー(現:KLab)、コーポレートディレクション、サイバード、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、Googleなどの事業企画、投資、新規事業に従事。また、ボランティアで「TED」カンファレンスの日本オーディションにも携わる。米国西海岸カウンターカルチャー事情にも詳しい。著書に『ITビジネスの原理』(NHK出版)、『ザ・プラットフォーム――IT企業はなぜ世界を変えるのか?』(NHK出版)がある。
    本メルマガで連載中のビジネス人生相談『情熱と存在のヴァース』これまでの連載はこちらのリンクから。
    ◎構成:稲葉ほたて
    前回:お金に振り回されない賢い人生への投資とは? (尾原和啓のビジネス人生相談『情熱と存在のヴァース』第3回)
     本日はバリからの放送になっております。
     今日の放送は少し環境が良いはずなのですが、いかがでしょうか。バリ島では火山の影響が減ってきてネット環境が良くなったというのと、先ほど自分でDNSを組んで、日本にアクセスしやすくなるように対応してみたんです。
     ちなみに、前回の「お金の話」が意外と反響が良くて、少しビックリしています。Facebookなどで反応が定期的に来るんですね。
     日常生活がネットで上書きされている一方で、実際に使えるライフハックへつなげていく回路が、みんなあまり見えていないのかな……と、そんな感想も持ちました。こういう部分が自分で確かめられると、インターネットで自分が自由になっているのを実感できますから、私に教えられるものは伝えていこうかなと思っています。
    ■ Q1.学生時代にしていたこと
     それでは、今日のひとつ目の質問です。

    『ITビジネスの原理』の冒頭で、尾原さんが学生時代にバスの転売をしていたという話がありましたが、学生時代に最も熱心に打ち込んでいたことはなんでしょうか。当時考えていたこと、趣味、学問の話などをもっと聞かせてください。

     学生時代に熱心にやっていたのは、一言で言えば「社会人は絶対にやらない、効率の悪いことに時間を費やすこと」ですね。そもそも中古バスを東南アジアや中国に売る仕事なんて、社会人からすればとても不安定な行為で、博打でしかありません。
     あと、自分が通っていた京都大学に「家庭教師派遣センター」というのを作って、ビラを置いて家庭教師の派遣仲介を勝手にやってましたね。あとは学生課の掲示板に、家庭教師をやりたい人の情報が出ていたりしたので、バイト情報を僕の方で流したりしていました。
     それから、IT系のこともやっていました。まだネットが始まったばかりで、ホームページを作るのが結構なビジネスだったんですね。いろんなホテルのページをつくって、やり取りのフォームなんかを用意して、その部分の運用の費用を月額でいくらかいただいて、ちょっと美味しい思いをしたりしていました。
     面白いところでは、自分が見ているBBSを効率的に周回してオフラインで読めるツールを売ろうとしたこともありました。ダイヤルアップ接続の時代だったので、ネットに繋ぐの自体が一苦労だったんです。
     それから……一番変な話では、インフォシークの権利を買おうと交渉したこともありました(笑)。インフォシークって、当時は革新的だったんですよ。でも、学生だったので頑張った挙句に、本社と交渉して得たのは翻訳権だけ。これではほとんどお金になりません。結局、後に伊藤穰一さんがその本体を手に入れて、後に数十億円の売却益を得ています。
     まあ、そういうブローカー的な仕事やITのビジネスもありましたけど、普通にバイトもやっていました。
     よく例に出す、オペレーションのマニュアルを知りたくてマクドナルドでバイトしたのや、祇園に近い会員制のバーでバーテンをして、普通では会うことのない人たちと縁を得たのも、この時期のことです。京都には何代も続く老舗があったり、お坊さんが意外にも一番お金を落としてくれたり、というのがあって、そういう方々との出会いはどんどん次の縁に繋がっていくんですね。同じ発想で大学付属のホテルでもバイトをしていて、海外の人に京都を案内して仲良くなったりしていました。
     他には、習い事もしていましたね。
     茶道をやっていたのですが、男の学生で習いに来る人はいないので、希少なんです。しかも茶道の世界には男を立てる文化があるので、茶道歴が浅い僕のような男でも重客扱いされてしまう。すると茶会で色んな振る舞いをしなければいけなくなり、貴重な体験をすることが増えます。そうなると、普段は入れない茶室だとか文化遺産にも入っていけるわけです。
     しかも、僕はインターネットにも詳しかったので、そこで知り合った人のホームページの相談に乗ったりしていました。こういうふうに新しい場所に飛び込んで、自分がマイノリティとして珍しがられることで、情報のハブになるというのは僕が現在もやっていることです。
     あと、僕のいた京都大学では、他の学部の講義を受けても怒られなかったので、工学部で人工知能を研究しながら、教育学部でカウンセラーを学んで臨床心理学の研究会に入ったり、経済学部のゼミに参加したり……と、色んなことをやっていました。
     他にもいろいろとありますが、ひとまずこんな感じでしょうか。こういうふうに自分の幅を広げるような行動をするのは学生時代のコツです。でも、自由という意味では今の学生の方が上だと思います。インターンの制度もあるし、海外で起業するのだってできます。
     有名な人だと、e-Educationの税所さん(税所篤快氏)は新興国に行って、そこの一流の人たちの授業をDVDに撮ってその地域に住んでいない子供たちに学習させるという仕組みを作っています。これ、実は彼が学生時代に早稲田に入学することができた東進ハイスクールのビデオ授業のやり方の横展開なんですね。こういうのは、まさに学生時代だからこそ取れるリスクだと思います。
    ■ Q2.会社の派閥問題に巻き込まれた

     教育関係の職場で仕事をしています。
     この仕事の担当者が私一人という事もあり、これまでは派閥問題に巻き込まれる事なくやっていたのですが、最近二つの派閥の人から私を取り込もうとしているようです。お互いに相手の派閥を否定する話題で、私の反応を見ているのを感じます。
     私の職場は誰に対しても依頼者からのリファレンスにはキチンと受けるのが責務なので、このままそれを貫き通していきたいと思ってますが、単なる八方美人で終わらないためにも、専門職の一人として職場で独立した考えを保つためにアドバイスを下さい。

     すごくしっかりした方だと思います。
     まず、質問者さんの考え方が正しいですよね……その上でぶっちゃけた話をすると、「で、あなた派閥に入って出世したいのですか?」という点が気になります。派閥というゲームは、その中に組み込まれると、自動的にその派閥の中で出世していけるという仕組みです。そのゲームに乗りたいですか? というのは考えたほうがいいと思います。
     ちなみに、僕はそもそも一つの会社に縛られずに生きているので、派閥のゲームからは逸脱しています。
     たとえば、僕の場合は新しいプロジェクトが立ち上がると興味がなくなるので、必然的にそれを誰かに引き渡していきます。
     これって派閥の人からすれば、「尾原は仲間にならないかもしれなけど、確実に果実を育てて出て行くから、それをあとから貰えばいいか」という話になるんです。だから、僕を敵にすることに意味はありません。代わりに、僕は会社の外にネットワークというものを持っていて、そのバランスは考えていますね。まあ、これがみんなに出来ることかは、また別の話でしょう。
     ただ、質問者さんの場合は専門資格をお持ちですから、地方で働くことも視野に入れるのであれば、比較的選択肢のある状況だと思います。専門職を究めることで、会社に帰属しないオプションを得ていく選択肢があるはずです。一つの会社で働き続けられる時代でもないですし、その選択肢は決して悪いものではないと思います。
     ……それが難しければ、関西人の考え方ではありますが、「頭を下げるのはタダですよね」という話かもしれないです。手っ取り早くどこかの派閥に入った方がいいという、身も蓋もない選択肢も最後には残っています。別に昔みたいに「土日も派閥のゴルフ付き合いに捧げろ」という人も減っているので、自分のすべてを捧げることにはならないと思いますしね。
    ■ Q3.再雇用を受けるべきか

     現在59歳になる中堅企業のサラリーマンです。
     私は来年、定年になりますが、再雇用を受けて会社に残るかどうかを悩んでいます。
     現在の肩書きがなくなり、今まで部下だった人のもとで働くことになりますが、私は今まで仕事のために部下に厳しく指導していました。その反動で部下からの嫌がらせを受けそうで大変不安感を感じております。また今後、私の上司になるであろう人とはあまり相性がよくありません。
     給料も今の4割以上減ることがわかっておりますので、安い給料で嫌な職場環境で勤めることを考えると、高齢者を雇ってくれる別の企業に転職する方が自分のためによいのではないかと思います。確かに高齢者の転職は簡単なことではないと思いますが、私の考え方は甘いのでしょうか?

     自分の幸せが何の目的関数によっているか――というのが大事です。
     肩書きなのか、仕事の中身なのか、良好な人間関係なのか、給料なのか、どれがあなたにとって欲しいものかを決めるべきです。
     この手の最適化の問題では、問題を二つに振り分けるんです。一つは、「何を最大化したいのか」という目的について。あともう一つは、「最低限これはないと困る」という制約関数です。この二つを明確にしましょう。
     「年収として最低限いくら欲しいのか」「生きがいを感じられる職種は何なのか」などを明確にした上で、あくまでも大事なものがたとえば「会社の名前」であったとすれば、会社の中でいじめられようが仕方のないことと割り切るべきです。一方で、職場での良好な人間関係が大事であるとすれば、それが可能な転職先を探すべきです。
     具体的には、自分が選択肢にできる項目を書き出して、ランク付けをしましょう。そして一番ランクの高いものを最大化・最小化しましょう。2番目以下のものは最低限必要なものを明確にして解いていきましょう。
     少し現実的な話をすると、今後年金が減っていく中で、自分の生計をどう立てていくかは考えるべきだと思います。正直なところ、この問題に悩むには少し遅い年齢ではあると思います。
     また、制約条件を疑うことも大事です。あなたにとって本当に大事なのは仕事なのかを疑ってみてもいいと思います。たとえば、単純に社会的にステータスがあって、周りから尊敬されることが大事なのであれば、地方の田舎に行って自分の社会人として培ったスキルを使う手だってあります。
     または、仕事としての稼ぎを最低限に設定して、夜や週末をボランティア活動に使って、良好な人間関係や人からの尊敬を得る道もあります。こんなふうに遠いところでそれを得られないかを考えてみるのも手です。
    ■ Q4.年金は今後どうなるべきか
    ちょっとニコ生のコメントから質問が来ています。

    「年金のシステムは今後どうなるべきですか?」
    「尾原さんは投資もやっていますが、忙しくてもできるものなんですか?」

    という二つの質問に答えようと思います。
     まず、「年金が破綻しないわけがない」ということは大前提です。
     だって、日本の人口は減少していくんです。
     日本は世界の中で一番平均寿命が高い国です。僕の住んでいるインドネシアでは平均年齢がまだ27歳ですが、日本は47歳です。47歳の国が27歳の国にエネルギーの面で勝てるわけがないですよね。ちなみに、ヨーロッパの国々も平均寿命が40台に乗っかっています。アメリカは平均年齢37歳でとどまっていますが、それは若い移民を受け入れるシステムが出来ているからです。

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  • お金に振り回されない賢い人生への投資とは? (尾原和啓のビジネス人生相談『情熱と存在のヴァース』第3回) ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.449 ☆

    2015-11-12 07:00  
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    お金に振り回されない賢い人生への投資とは?
    尾原和啓のビジネス人生相談『情熱と存在のヴァース』第3回

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    2015.11.12 vol.449
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    今朝は『ITビジネスの原理』『ザ・プラットフォーム』著者の尾原和啓さんによるビジネス人生相談連載『情熱と存在のヴァース』第3回をお届けします。
    テーマは「お金に関する悩み」。住宅、社会保険、キャリアプラン、株式投資……誰もが直面する「お金をどう使うべきか」という悩みに、尾原さん流の「投資」という観点から答えていきます。

    尾原和啓のビジネス人生相談『情熱と存在のヴァース』これまでの連載はこちらのリンクから。
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    尾原和啓(おばら・かずひろ)
    1970年生。京都大学大学院工学研究科修了。マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタートし、NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援、リクルート、ケイ・ラボラトリー(現:KLab)、コーポレートディレクション、サイバード、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、Googleなどの事業企画、投資、新規事業に従事。また、ボランティアで「TED」カンファレンスの日本オーディションにも携わる。米国西海岸カウンターカルチャー事情にも詳しい。著書に『ITビジネスの原理』(NHK出版)、『ザ・プラットフォーム――IT企業はなぜ世界を変えるのか?』(NHK出版)がある。
    ◎構成:中野慧
    ▼本記事の放送時の動画はこちらから!
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    放送日:2015年9月17日
    ※ニコ生の第5回は11/19(木)20:00〜放送予定です!
    タイムシフト予約は下記URLから。
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     みなさんこんにちは。バリ島からお届けしている尾原和啓の人生相談『情熱と存在のヴァース』、今回で第3回目になります。ここは赤道近くとはいえ南半球なので日本と季節が反対なのですが、今はもうじき雨季ということもあって大変過ごしやすい気候です。日本で言えば軽井沢の避暑地にいるような感覚かもしれないですね。
     それではさっそく質問に答えていきましょう。
    ■ 株式投資では「損切りのライン」をどう設定するべき?

    Q1:株価が乱高下している今のようなタイミングでどのような投資をすべき?(カンクロウさん)
     最近、中国経済の減速が深刻になり、中国株も不安定になっています。アメリカも年内に利上げがあるかどうかわからない状態で、日本の株も乱高下しています。こういう状態のときは、無理に投資せず相場が安定するのを待ったほうがいいのでしょうか。それとも、このような不安定で相場の変動幅が大きいときにこそ投資をすべきなのでしょうか。もし後者の場合、どのようなところが投資先として有望なのでしょうか?

     今はおっしゃるとおり、世界同時株安の状態になっていて、一日でドルが110円台に突入したり、逆にその反動で、特に何も大きな経済的事件があったわけでもないのに日経平均株価が急上昇したりと非常に不安定になっていますね。こういうときはカンクロウさんのように「無理せずに相場が安定してから投資しよう」もしくは「むしろ不安定だからこそリスクを取って投資するんだ」という二択で考えてしまうんですが、その二択の問題設定自体が間違っているんですよ。
     投資の鉄則は「投資しちゃいけないときに投資をしない/投資をすべきときだけ投資する」ということなので、個人で投資をやっている人に関しては「相場が安定してから投資する」というスタンスを僕は基本的には支持します。
     ですがより正確に言うと、相場が不安定で株価が短期的に大きく上下動していたとしても、長期で考えたときに絶対に得をするラインというのがあるんですよ。だから「いまこの株価はこんなに低くなっているけど、長期で考えたら絶対に戻る、それどころか上がる」というポイントを狙っていくべきですね。
     その上で大事なのは「死なない程度のレバレッジをかける」ということですね。投資におけるもう一つのポイントって、「リスクの倍率をどうコントロールするか」なんです。極端な例えで言うと、等倍で投資していればその株が0円にならないかぎり、元手がゼロになることはないわけです。でも一方で、100倍とかでレバレッジをかけて投資すると――まあ、今の日本では法規制があって20倍までしかできないですけど――株価が5%下がっただけでゼロになってしまう。今のような乱高下した状況では、平気で5%ぐらい下がってしまいます。だからこういうときはレバレッジをせいぜい3倍にしておくとか、そういう観点で考えていくことが大事です。
     こういう不安定なときって、そこを突けば巨大な利益を上げることができるので、ヘッジファンドがどこかの国の株式市場や為替相場をターゲットにしているということはあります。ここからはあくまでも個人的な意見なので、あくまで自己責任で参考にしてほしいんですが、今はアメリカや中国というよりも、中国と輸出入の関係が強くなおかつ米ドル建てで借金をしているような国が狙われる可能性が高いように思います。そうなると米ドルとかがとんでもない通貨クラッシュを起こすかもしれないので、現金ポジションは高めに設定しつつ通貨クラッシュが起きたら即そっちに張れるような準備を僕はしています。
     株式投資をはじめとした経済問題を考える際に重要なことは2つあって、一つは「負けない打ち方をすること」。ファンドのような情報の豊富な人たちに比べると圧倒的に僕らは素人なので、短期的な利得でお金を儲けようとすると絶対に負けます。だから時には「投資をしない勇気」というのも大事。その上で大事なのは「損切り」ですね。
     僕が損切りをする際に判断基準にしているのは、「自分の気持ちを平静に保てなくなるのはどのラインか」ということです。人間って気持ちを平静に保つことができなくなると投資判断を誤るんですよ。
     エベレスト登頂を中継したりして話題になっている登山家の栗城史多(くりき・のぶかず)さんという方がいますが、彼は登山をするときに「楽しくないって思ったら絶対に降りる」ということを原則にしているそうです。
     で、これはPLANETSでも連載している石川善樹さんがおっしゃっていたのですが、栗城さんの言っていることは脳生理学的にも正しいらしいんですね。人って、楽しいと思っているときの方が感覚が鋭敏になって、いろんなリスクに対して敏感になることができるんです。逆に楽しくなくなると鈍感になっていくんですね。負けると自暴自棄になってしまって、リスクを低く見積もってしまって「これぐらいの金額なら捨ててもOKかな」というふうになってしまう。ギャンブルで大負けしてしまう人ってそういう心理状態になってしまっているわけですね。
     この「楽しくなくなるライン」って、やっぱり生活の余裕だったりお金を使える自由度によって変わってくるということはありますが、基本的にその「自分にとって楽しく投資ができるライン」を越えてしまうようだったら絶対に損切りする。そういうルールを決めておくのが、登山と同じく投資においても重要なことですね。
    ■ 尾原和啓はなぜバリ島に移住したのか

     (コメントにて)「尾原さんは投資をやっていますか?忙しくてもできるものですか?」

     さっき言ったように僕の場合はマクロ投資、つまり3年から5年単位で見たときにどう考えてもこれは儲かるよねっていうものしかしてないです。1番わかりやすいところでいうと金利があって、日本の金利って0.1パーセントぐらいですよね。でもバリってある程度金額を寄せると、8パーセントくらいで定期預金が回るんですよ。為替や金利自体が高い国はたくさんあって、たとえばモロッコって15%ぐらいだったりします。
     それは決して裏付けのないことではなくて、バリ島のあるインドネシアって放っておいても経済成長していく国なんです。基本的に金利はその国の経済の成長率に比例するんですが、なぜかというと経済成長する国はインフレしていくのが基本なので、それ以上に金利を設定しておかないと、逆に銀行に預けたほうが価値が目減りしてしまうからです。
     もちろん政変が起こって銀行口座が凍結されてしまう可能性もゼロではありません。外国人の口座ってもっとも保全されないものですからね。そのあたりの判断のラインも、さきほど言った「自分の中で楽しく思ってできる」というところに僕は設定していますね。
     投資でも人間の成長でもなんでもそうですが、基本的には「成長する場所に対して投資をする」という発想が一番大事です。
     放っておいても成長するところにいれば自分も成長するし、お金も成長するし、人脈も成長するわけです。僕がバリ島に来ている理由もそこにあります。今はノマドワーカーという言われ方をしますが、PCとネット環境さえあれば世界のどこでも働けるようになってきていますし、そうなると「どうせどこでも働けるんだったら、生活環境がよくて、クリエイティビティが生まれるところで仕事がしたい」っていう人が当然増えてきます。だからクリエイティブ・ワークをしている人がいまバリ島にどんどん集まってきて仕事をしていて、TEDでスピーチをしているような人たちがごろごろいるんですよね。そういった方々と仕事をするために、僕はバリ島に来ているというところがあります。
    ■ 生活コストを下げたいなら海外移住も検討の余地あり?
     それでは次の質問に行きましょう。

    Q2:自分の貯蓄と両親の生活費のために、効率よく貯金をする方法はないでしょうか?(いちごみるくさん、20代女性)
     尾原さん、こんにちは。今回はお金がテーマとのことですが、私は自分自身および両親の老後に関して不安があります。両親は60代で、今は自営業をしながら生計を立てていますが、いつ働けない状態になるか分かりません。私の大学の授業料を全く出せなかったくらいなので、親自身の貯蓄はたぶんないと思います。かといって、私に親を養えるような収入もなく、日々の生活で精一杯です。自分自身の老後のために貯蓄をしなければいけないと思うので、親の生活費を出さなければいけなくなったときは、どうしたらよいのだろうと思います。自分の貯金を増やせないかと、日々貯金をしているのですが、すこしでも効率よくお金を貯めていける方法はないでしょうか?漠然とした質問で申し訳ないですが、ぜひご教示いただきたいです。

     これは切実な相談ですね。ただ相談に正面から答える前にコメントしておきたいのが、そもそもご両親は60代で自営業ということでした。たとえば僕はいま44歳で、僕の世代は年金を支払った額と貰える額がマイナス500万円ぐらいになってしまうという試算もありますが、50〜60代以上になればほぼ確実にプラスで回せるはずなので、基本的に年金で暮らしていくことができるはずです。
     会社勤めであれば国民年金に加えて厚生年金も支払っているのですが、自営業の方は「小規模企業共済」というものに入っていることが多いですね。これは自営業者向けの公的な退職金のようなものです。どういった社会保険に加入しているかの事情は一人ひとり違うでしょうけど、まずはそこがどうなっているかを率直にご両親に確認したほうがいいと思いますね。
     僕が一番問題だなと思うのは、お金に関する悩みって人生の悩みのすごく大きな部分を占めるにも関わらず、日本人ってその話をあまり詳(つまび)らかにしようとしないんですよ。ちゃんと聞いてみれば意外と問題の数が少ないケースが多いので、まずはご両親に年金や共済を含め、今後の生活資金の予定をしっかりと聞き取りしたほうがいいと思います。
     一方で、いまコメントにもありましたけど、今は生活コストを下げる手段はいろいろあります。たとえばバリ島って平均月収が1.5万円なんですよ。なので現地の人と同じ生活レベルであれば1.5万円あれば生きていくことがでいます。もちろん現地の平均の衛生レベルや食事のレベルよりは、日本のレベルに近い環境で暮らしたいと思うわけですが、それでもかなり安く暮らすことができるんですね。発展途上国では海外から退職後に来てもらうことを前提に、リタイアメントビザというかたちでシニアの方が介護も受けられるような特別なビザを提供していたりします。フィリピンなんかは日本語で利用できる医療施設・介護施設も用意してくれてたりしますね。
     日本の方はいくら「貯金が少ない」「年収が低い」といっても、発展途上国からしてみれば相当レベルが高いんです。今僕はニンジンを食べながら話していますが、近くの八百屋で30円ぐらいで買ったものです。あとビネガーとレーズンで嫁が作ってくれたもので、非常においしいです(笑)。
     1番極端な例でいうと、僕の友人にシンガポールで医者をやっている人がいるんですよ。彼は英語が喋れるわけでもないしシンガポールの医師免許も持っていない。それでなぜシンガポールで医者ができるかというと、シンガポールって国策として日本人のお金持ちにどんどん移住してもらおうということをやっているんですが、前提条件として、安心して来てもらえるように医療環境もちゃんと整備しないといけない。そこで「20人だけ」と限定して、日本の医師免許があればシンガポールで暮らして治療行為もしていいよ、という特別な免許を提供しているんですね。日本人医師のほうも20人だけなので、彼らも患者に困らないというバランスのなかで医師免許と永住権の両方を提供しているわけです。まあシンガポールの場合はどちからというと金持ち優遇政策の側面が強いので我々庶民にはあんまり関係ないですけど、「生活コストを下げるために海外移住する」という選択肢についてはメリットはたくさんあるので、一度真剣に調べて検討してみる価値はあると思いますよ。

    「(コメントにて)いまインドネシアって景気いいですか?」

     まあ経済成長という観点でいえば景気はいいですよね。いろんな経済レポートでも明らかなように、インドネシアって10年後には確実に世界のトップ10に入ってくるんですよ。なぜかというと、単純に言えばまず人口が多い。いますでに2.5億人いて世界で4位ですね。それと、平均年齢も27歳とかなり若いです。日本の平均年齢ってもう46歳なんですよ。(国立社会保障・人口問題研究所の二次データ)普通に考えたら平均年齢40代の国と20代の国で、どっちの方が活力があるかっていったら明らかですよね。だからそういった観点でも、「成長国でいろんな経験をしてみる」という選択肢を考えてみてもいいんじゃないかと思います。
    ■ 20代なら「自分の成長への投資」をしてみよう
     いちごみるくさんの相談にはもうひとつ、「自分の貯蓄をどうすればいいか」というものがありましたね。この相談はいちごみるくさんの状況が細かくわからないのでアドバイスしにくいところはあるんだけど、僕は基本的に20代であれば投資というのは貯蓄ではなく「自分の成長」に対してやっていくべきだと思います。いまは幸運なことに、仕事に関して学歴だとか女性であるとか、一般職/総合職と分けられていて出世に限界があったりとか、そういうことがどんどんなくなってきています。そうなると「どう手に職をつけるか」が問題になるんですが、1番わかりやすいのがプログラミングの技術ですよね。他にも専門的な技量をつけるやり方はいろいろあると思います。

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  • 効率よくバイトを頑張ったら給料が減った? ライフハックを使いこなすためには(尾原和啓のビジネス人生相談『情熱と存在のヴァース』第2回) ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.420 ☆

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    効率よくバイトを頑張ったら給料が減った?ライフハックを使いこなすためには尾原和啓のビジネス人生相談『情熱と存在のヴァース』第2回
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2015.10.1 vol.420
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    今朝のメルマガは尾原和啓さんによるビジネス相談連載『情熱と存在のヴァース』第2回をお届けします。今回のテーマは「ライフハック」。ネットにも本にも「こうすれば物事が効率化する」というノウハウが溢れていますが、ライフハックに振り回されるのではなく「使いこなす」にはどうすればいいのか?を解説していきます。
    ▼本記事の放送時の動画はこちらから!
    http://www.nicovideo.jp/watch/1442387039
    ニコ生の第4回は10/29(木)20:00〜放送予定です!
     今回もバリ島から生放送をしています。
     前回は人生相談ということで重めの話をしましたが、今回はライフハック的な明るい話題を、軽いものからさくさく答えていこうと思います。皆さんも、コメント・Twitter・メールで質問があれば、随時言っていただければと思います。よろしくお願いいたします。
     それでは、最初の質問です。

    Q1:効率よくバイトを頑張ったら給料が減った
     ライフハックとの付き合い方についてご質問です。
     時給制のアルバイトをしていたときに、自分の仕事の効率を上げて、テキパキと仕事をこなすように努力したところ、仕事がなくなってしまいました。その結果、早上がりが増えて給料が減ってしまったのです。ライフハックとの適当な付き合い方を知りたいと思います。

     身も蓋もない質問ですね(笑)。
     自分の仕事の効率が上がったら、勤務時間が減ってしまって給料が下がった――これはもう2つしか選択肢はないですね。一つは、そもそも結果をちゃんと出しているのだから、「給料をください」と交渉することです。もう一つの選択肢はその逆ですね。そもそもあなたの効率が、今のあなたの仕事の時給と合わなくなってしまってるんですよ。ですから、次の仕事を探すことです。
     ただ、個人的には、最後に書かれている「質問の意図」が危険だと思いました。「ライフハックとの適度な付き合い方を知りたいです」という言い方をされています。つまり、時給を増やすためには、あまり効率化しない方がいいのではないかと仰っているんだと思います。逆に言ってしまえば、成長しないでダラダラ過ごしたほうが、結局はお金儲けができる……という話ですよね。
     個人的には、オススメしません。
     確かに、あなたはアルバイト先の中では、優秀で効率的すぎるがゆえに、結果的に人よりも早く上がってしまうのでしょう。でも、それはあなたのアルバイト先の中での競争原理に過ぎません。大事なのは、あなたがその次の戦場に立ったときに、本当に競争優位性を持てるのかを考えることです。
     そう考えると、やはり自分の能力を磨き続けたほうがいいと思います。前回も話しましたが、もう現代は世界中の人と強制的に戦わざるをえない時代です。もうアメリカではコールセンターの仕事は消えていて、フィリピンの人たちが月給が4分の1とか3分の1とかで、働くようになっています。向こうは深夜時間なので人件費は割高なのですが、それでもアメリカで雇うよりは安い。しかも、フィリピンの中ではかなり待遇の良い仕事なので、熱意があって優秀な人たちが集まっている。
     もちろん、逃げきれる仕事もあるとは思いますが、ここにもう一個の戦いとして、人工知能やITによる自動化という流れもあるんですよ。
     実はIBMのワトソン研究所がまさに人工知能で、自動的にコールセンターで答えさせる計画を進めています。もうシンプルな質問には、本当に人工知能が答えてしまうんですね。そうなると残るのは、人間力を必要とするような難易度の高い仕事だけです。自分でハックをしっかりと出来て、効率的に自分の仕事を組み立てられる人にしか仕事が残らない可能性は高いんですね。
     だから、給料の交渉の仕方もハックした方がいいし、それがダメなら良い時給の仕事を探す方法もハックした方がいい。
     世の中はハックし続けるしかない――これが、僕の結論ですね。
    ■人工知能が出来ないこととは

    (ニコ生のコメントで)逆に人工知能ができないことはなんですか?

     基本的には、人工知能は「与えられた問題を解決する」ことが得意なんです。でも、そもそも問題が与えられている状況って、実は人生の中ではあまりないんですよ。
     そして、この「問題をつくる能力」が凄いのが人間です。しかも、世の中がどんどん複雑になっていく中で、原子力のような複雑な問題が増えています。実際のところ、原子力なんて科学のみの問題にとどまらず、世界中の有限のエネルギー資源をどう活用して、さらに国家戦略にまつわるマクロ経済学をどう考えていくかまで含めて議論しなきゃいけないものです。
     結局、もうシングルイシューの問題なんてほとんどなくて、複雑に絡み合ってる問題をどう上手く切り取って解決していくのかが問われる時代になっているんです。
     でも、これこそが本来の意味でのハックです。日本では、「ハック」はライフハックのように、人生の問題をお手軽にショートカットする方法みたいに思われていますが、本当は物事の裏側にあるメタ構造を解き明かして、いかに向上させるかを考えることです。これは自分の頭で課題設定をする能力に他ならない以上、当然ながら人工知能の時代においてますます大事になります。
     ちなみに、先ほど未来の働き方について話した際に、コメントでベーシックインカムについて指摘がありました。
     これは本当に鋭い指摘なんです。というのも人工知能はロボットの一種ですから、勝手に付加価値を生み出してくれる存在なんですね。言葉を選ばずに言うと、ロボットという「現代における奴隷」が付加価値を作ってくれる時代が来ていると言ってもいいでしょう。
     そうなると、重要な問題はむしろ再配分をどう行っていくかという話になります。この問題については、様々な国の法学者の人たちなどが色々と話していますが、現状ではGoogleのような一部のロボットを製造している企業の従業員にだけ利益が分配されていきそうです。とはいえ、そういう企業の人間からお金を徴収するのも変な話です。
     ここにおいて、ベーシックインカムが一つの選択肢になりえるんですね。
    ■ベーシックインカムの先にあるバリ島
     こういうふうに仕事がなくなっていくと、何が起きるのかも重要な問題です。
     僕は、実はバリ島に人工知能が広まった先の未来を見ているんです。バリ島には1年間で200日くらいのお祭りがあります。
     南国だからそこら辺に食物があるし、海に行けば魚が捕れるから死なない。だから、別に仕事なんてしなくていいんです。代わりに、彼らは神様に感謝する行為を仕事にしています。バンジャールというムラ社会があって、「今日は知恵の神さまへのお祈りだから、お前はこういう役割な」と言い合うんです。そうすることで、彼らは現実の季節の機微みたいなものを味わいながら、幸せに生きてるんですよ。
     でも、これって僕たちがニコ動でやってる、「歌ってみた」や「踊ってみた」のコミュニケーション消費と一緒だと思いませんか。
     僕らは生主やうp主の中に神を見つけて、たむろっているわけですよ。そして、そこから新しくゲームやビジネスが生まれていく。人工知能が発達した先の社会には、そういう「遊び」をビジネスにしていく世界が広がっていると思います。
     まとめます。まずは人工知能やIT化で仕事が失われていく中で、僕たちは「人間と人間が対峙する場所で上手くやる能力」と「仕事をハックする能力」が求められていきます。そして、そのあとに全てが自動化して、働かなくて良くなった時代には、いかに「遊び」を仕事にするかが必要になるわけです。

    Q2:ライフハック好きの部下が地道な努力をしない
     ライフハックが好きな部下がいるのですが、何事にも仕事の効率を追求しすぎて、地道な努力を要する仕事にまったく手をつけようとしません。効率化できない仕事はやる気がないようです。
     世の中には必要なムダがあるということを、どうすれば分かってもらえるのでしょうか。

     さっきの人工知能の話からつなげて、遠い未来からの回答を言うと、「効率化」できるものは、むしろ消えていくんですね。そして、むしろ効率化できないようなムダをいかに楽しむかが、今後仕事においては重要になっていくでしょう……ということになります。
     ただ、少し真面目な話をすると、仕事の9割はルーチンワークですよ。
     イチローのような天才でさえも、地道な素振りなどのトレーニングの上に輝ける場所を築いているんです。そういう"足腰の鍛錬"をしっかりやりきれるかで仕事は本当に変わります。素振りのような時間はムダかもしれないので、なかなか効率化が見えなくて辛いこともあります。でも、これによる成功体験があると、深い暗闇をただ穴を掘るだけという作業にも耐えられるようになります。そうなると、大きな仕事ができるようになります。
     例えば、僕の関わった事例では、iモードがそうでした。
     サービスが始まったのは99年だけど、開発をはじめたのは97年ですよ。2年間も世の中に出ないまま作り続けるのは辛いのだけど、それが出来上がってみたら、待ち合わせをせずに人と会えるようになったり、駅の乗り換えも簡単になったりして、人間がもっとコストを掛けずに自由に動き回れる社会が来たんです。
     そういう体験をしていると、何回でも「暗闇」を楽しめるようになります。

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  • 【新連載】尾原和啓のビジネス人生相談『情熱と存在のヴァース』第1回「メンタルが壊れた人はどう立ち直るか」 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.402 ☆

    2015-09-03 07:00  
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    【新連載】尾原和啓のビジネス人生相談『情熱と存在のヴァース』第1回「メンタルが壊れた人はどう立ち直るか」
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2015.9.3 vol.402
    http://wakusei2nd.com



    今年6月に出版された『ザ・プラットフォーム――IT企業はなぜ世界を変えるのか?』が好評の尾原和啓さん。今月よりPLANETSメルマガではその尾原さんによるビジネス人生相談を掲載します。転職、就職、そして起業まで……あなたの働き方に関するお悩みに、バリ島から徹底的にお答えします!

     7月からPLANETSチャンネルで「情熱と存在のヴァース」という番組が始まりました。
     毎月、皆さんから就職・転職・起業、さらに働き方や生き方に関したお悩み相談をいただいて、尾原がそれに答えていきます。Twitterのハッシュタグは#尾原QAでやっていて、こちらからも質問を送れます。
    ▼本記事の放送時の動画はこちらから!


    ▼ニコ生の第3回は9/17(木)20:00〜放送予定です!
    今回の質問テーマはズバリ「お金」。「(お金を)ためること、つかうこと、まわすこと」。お悩み相談はメールフォームから。

     それでは、さっそく最初の質問に行きたいと思います。
    ■ Q1.「うつ病にかかってから、転職を繰り返しています」

    尾原さん、こんにちは。いつも放送を拝見しております。
    就労について質問があります。私は42歳の独身男性で、無職期間が1年2ヶ月になります。恥ずかしくもまだ実家住まいで、両親の年金と70歳で現役の父に食べさせてもらっている身です。
    都内の三流文系私大文学部を一浪一留で卒業し、就職は映像コンテンツ会社などを志望しましたが叶いませんでした。学生時代に点々とバイトばかりしていたので、適性はあるかと思って家電量販店に就職しましたが、4年間で退職しました。
    その後、紆余曲折あり、32歳からIT業界の特定派遣会社へと転職しました。ネットワークやサーバーのインフラのアソシエイトレベルの仕事をしましたが、2年目に体調が悪くなってから、だんだん出社できなくなり、鬱病と診断されました。その後、休職を何度か繰り返して、医師と相談しながら職場復帰を目指しましたが、ろくにも配属されることなく社内放置され、退社せざるを得なくなりました。現在も、睡眠薬や抗鬱剤を飲み続けている状態です。
    それから、35歳で再びIT業界の特定派遣会社に入りました。しかし、3ヶ月ごとに職場を移動することになり、1年ほどで仕事の負荷に耐えられなくなり退職しました。40歳のときには最後のチャレンジと思い、3社目の特定派遣会社に入社しました。しかし、コミュニケーション能力の低さから社内イジメを受けて、退職いたしました。
    30代に何も築くことができず、今は死んでるもの生きてるのも分からない状態です。
    転職サイトにも複数登録しています。精神的負荷の大きい技術職志望は精神的に避けるべきではないかと考えながらも、42歳から未経験の業界職種で働けるものかを考えて、目の前が真っ暗になっております。仕事から逃げ続けていた自分の人生を反省しております。

     まず、ここまで赤裸々な相談をしていただけたことを、本当にありがたく思います。そして、あなたは逃げてはいません。こうやって質問してくださったこと自体が、大変に勇気あることだと思います。
     いくつかの話があると思いますが、まずはメンタルですね。一度メンタルの危機期に陥った人がどうキャリアを再び作っていくのかという問題です。
     で、ここまで書いていただけたので、僕も告白します。実は、僕も一回「バーンアウト」しています。
     3職目のときにベンチャー立ち上げ期の取締役をやったのですが、あまりに苛烈な仕事環境で「燃え尽き症候群」というのをやってしまいました。もう働きながら涙が止まらなくなって、仕事ができなくなる状態に追い込まれました。今ここにいるのは、そこから戻ってきた状態なんです。
     メンタルというのは論理の問題ではありません。メンタル機能の低下というのは、生物学的には、「脳がメチル化する」という言い方になります。この「メチル化」からの回復能力を脳は本来持っているのですが、ストレスがかけられると低下してしまい、ついには劣化して戻りにくくなってしまいます。つまり、アレルギーと一緒で再発を繰り返すほどに、再発性が高まってしまうんですね。逆に言えば、アレルギーと一緒で再発しない期間を続けるほどに、どんどん再発しにくくなります。
     ですから、とにかく一度徹底的に休むしかありません。
     僕の場合はベンチャーを退職させてもらい、ロンドンに飛んで一ヶ月間くらい大英博物館に通いました。イギリスの博物館というのは寄付制なので、最初に1万円分くらいお金を放り込んだら、1ヶ月ずっと大英博物館とテイト・ギャラリーに入り浸っていました。特に僕は、テイト・ギャラリーにあるロセッティというラファエル前派の画家が描いたベアトリーチェ――ダンテの『神曲』に出てくる理想の女の子です――の絵が好きで、もうずっと毎日見ていました。そうやって、とにかくストレスを解放して、自分の好きなものだけをひたすら愛で続けたんです。
     そうしたら、徐々に自分の中で仕事をしたい気持ちが復活してきました。でも、やっぱりすぐにハードな仕事に復帰できる自信はないんですね。そこで、最初の職場であったコンサルティング系の、でも人と触れ合いながら復活できそうな、地方の再生系コンサルティング会社に入りました。そうして、なんとか自分をリセットして、現在の場所に戻ってきたんですよ。
     正直に言うと、ストレスのない環境で症状を起こさない時間を作るのは、本当に難しいと思います。ただ、僕もその時点で特に貯金があったわけではないんですよ。退職した会社のストックオプションも返していて、現金という意味ではわりとギリギリの状態でした。でも、一度移動してしまえば生活費はそれほどかからないので、とにかくストレスのない環境で症状を起こさないように徹底的に休養したんです。辞めさせてくれたその時の会社には本当に感謝しています。そういう意味では、親御さんのスネをかじる辛さはあるかもしれないですが、一度症状が出なくなるまで自分のストレスを減らしてみてはどうかと思います。
    ■ 次の課題――仕事の階段をどう登るか
     そして、その先にもう一つの課題があります――それは、仕事の階段をどう登っていくかです。
     ただ、この方の場合は幸いなことに、特定派遣のIT系のインフラ業務という、スキルだけで戦える階段を見つけていらっしゃいます。ストレス負荷のほとんどはコミュニケーションに起因するものですから、この方向性でのステップアップは理想的なスキルの積み上げ方になると思います。
     もちろん、いじめのような問題はあると思いますが、これは職場のマッチングにおける確率論でもあります。派遣のメリットだと割りきって、3カ月くらいで派遣先を変えていって、自分にフィットする職場を見つけるのが大事だと思います。
     ただ、これも大事なことですが、年齢的な問題で派遣先の紹介が減っていくのも事実です。そこは自分のスキルセットで市場性の高いものを作っていくのは大事でしょう。
    (コメントで「ベーシックインカムが5年後に始まるから頑張れ」と流れる)
     あー、これは本当にそういう可能性があるので、最後に僕らしいアドバイスとして話しましょう。実は今後20年間で、ITによってアメリカにある702の職業の半数近くがなくなり、半数近い47%の労働人口が吹き飛ぶ、というオックスフォードの有名なレポートがあるんですよ。「マジか!」ですよね。
     技術的に言うと、本当にそれがそろそろ来ると思ってよいと思います。実はこれは、IT化における2つの流れが同時に重なったものです。
     1つは、インターネットによるフラット化です。例えば、アメリカからは現在コールセンターという職業が消えています。フィリピンやベトナムのような、労働賃金がアメリカの5分の1とか10分の1とかの安い国にシフトしてしまったんです。しかも、現地の人からすれば、時差があるから夜に働く必要はあるけど、他の人たちの倍くらいの給料を得られるというハッピーな状況なんですね。
     ここにさらに追い打ちをかけてきたのが、人工知能です。
     例えば、最近IBMのワトソン研究所では、このコールセンターをそもそも人工知能で全て自動化しようという計画が出ています。そもそも、もう既にコールセンターのオペレーションは、その人物の過去の質問内容の傾向から回答のレコメンデーションをしていたりするんですよ。ここに音声認識と自動音声読み上げが来れば、人を介さずにコールセンターのオペレーションの8割くらいの質問は答えられると言われています。とすれば、人間は残りの2割だけをやるわけですが、そこはさっきも言ったように、アジアの低賃金の人々が担当するわけですよ。
     かくして、我々から仕事がなくなりつつあるんですね。
     ちなみに、この調査結果は国によって反応が真逆でした。面白いですよね。ちなみに、最もネガティブだったのは日本で、他国の倍くらいあったそうです。一方、ヨーロッパは「働かなくても食えるんですか! やった!」となりました。まあ、向こうには貴族制があったからね。しっかり自動化が付加価値を産んで再分配も機能するのであれば、奴隷が働いたから貴族は働かずに済むという話に近いとも言えます。
     ただ、ここで注意する必要があるのですが、別にこの自動化による収益が本当に日本に入ってくるかは別問題なんですよ。それこそGoogleという法人がその利益を独占して、ほとんどの日本人は恩恵を受けられない可能性も十分にあります。これは、本来は国家戦略として考えていくべき事柄です。
    ■ Q2.「いつも上司とソリが合わない」

    私は会社を二回転職しています。理由は上司とうまくいかなかったからです。
    高校のアルバイトのときもそうでしたが、どうしても上司とぶつかってしまいます。同僚や後輩とは仲良くなれるのに、上司とは会社を辞めたくなるほど合わない。何かうまくやる方法があれば教えていただきたいです。

     同僚や後輩とはうまくやれるが上司とは会社を辞めたくなるほど合わなくて、上手くやる方法を教えてほしいということですが……まずそもそも上司なんて、自分と性格が合うシチュエーションのほうが少ないです!
     残念ながら、自分の行く部署を選べるような幸運な人は少ないので、会社のデフォルトは上司とぶつかるゲームなのだと認識しましょう。僕の場合は、かれこれ12回転職していて、基本的には誰かの思いを実現させるための傭兵として契約しています。なので、その上司とは仲良くやれるわけですが、会社の中にいる上司は一人ではありません。当然、その人たちとぶつかることはあるんです。
     もう、僕はこれをゲームだと認識しています。
     結局、上司とぶつかるときは「行動原理」が違う場合なんですよ。ですから、相手の行動原理をハックして、そのやり方に合わせていくゲームだと考えるんです。「自分が相手に合わせるんだ」と思うとプライドみたいな面倒なものが頭をもたげてくるけど、もう「これはゲームなんだ」と視点を切り替えれば、意外と楽しめる。まあ、この辺は僕が関西人だからというのはあります。関西人には「瞬間土下座」という芸があるんですよ。自分が恥をかいて物事が円滑に進むんなら、いくらでも土下座するのが関西人です。でも、このくらいのゲーム感覚が大事ですよ。
     例えば、僕の場合を言うと、かつて完璧主義の上司に当たってしまい、どれだけ頑張っても些細な指摘で「これはダメ」とやり直しを命じられることがありました。
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