• 【Septic Flesh / The Great Mass】荘厳かつ邪悪な雰囲気と音楽の絶妙なブレンド

    2017-08-26 19:00
    この独り言並みのブロマガも15回目と言うことで驚きです。読んでくれた方の中でも何人かが、ウンウンそうだねと同意得られれば最高というものです。

     先回メロディに対する表現で厳かと書きましたが、そう言えばこれもそうだよな、と思ったのが今回取り上げる一枚。ジャンルは結構違うのだけれど、クオリティにおいてはどちらも上々と言っても過言ではないでしょう。
     それは Septic FleshThe Great Mass です。




                                 (2011年4月頃リリース)


     音楽性はメロディを主軸としたデス、ブラック・メタルですが、このバンドの特色はオーケストレーションを上手く活用し、本格的な邪悪さを塗り込めているところ。これがメロディに活かされてて、ただならぬ雰囲気を醸し出します。

     淡白に書くと上記で終わるのですが、これが独自性と質の両面で大いに貢献してるのが素晴らしい。アイデア自体は割と他にも有りそうなのですが、アグレッションとメロディに厳粛なオーケストラをかみ合わせてる技量は相当なものだと思います。
     あと押し引きの良さが特筆に値すること。邪悪さの中から天上に引き込まれていくように嘆きメロディを入れてくる。このタイミングや曲順、メロディが本当に絶妙だと思います。押しから転じクールダウンして引く、じっくりと旋律を利(聴)かせる、これにより自然と聴く方も世界観に引き込まれる。
     そうなんですよ。ファスト一辺倒ではない点も私としては得点高いんですよ。添える程度に置かれる女性声音も実に効果的。5曲目のOcean of Greyはそういう意味で特に上手い。何というか、一々素晴らしい。

     個人的には良盤の域に達してる一品ですし、アーティスト的にも際立ったものを感じます。が、その割に少し過小評価されてる……かな? という気もします。

     それはそうと今月新譜が出るそうで、とても楽しみであります。個人的には現最新作 Titan はメロディ的にちょっとどうかな~と思ったので、ここでどう出るか楽しみです。
    蛇足ですが、2008年発の Communion も良い作品です。いつかこれも語ってみたいです。

     ではでは。 

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  • 【Evanescence / Evanescence】じっくり聴かせながらも高揚感に浸れる一枚

    2017-08-05 19:00
    だんだん暑くなってきました。暑いとヘッドフォンも億劫になるので自然と視聴環境はイヤフォンになります。あと聴く音楽も涼しげな方へと、って訳ではないですが、最近書いてきたアルバムはスピード感のある作風が多かった気がするので、ちょっと抑え目な方でいってみましょう。

     基本的に丁寧に作曲編曲された楽曲に上手なヴォーカルが乗れば、そりゃあ良い一枚になる。書いてて何ですが、当たり前だなっ! と思います。
     だけど、どれほどのアルバムがこの当たり前を実践できているか。それに作り込むと衝動性やアーティスティックな発露など、鋭利な部分も消えてしまったりと難しいところかもしれません。しかしこれは良い。丹念なヴォーカルラインにハーモニーをエモーショナルに歌い上げて心を動かされます。それが Evanescence はセルフタイトルで Evanescence です。





                                 (2011年10月頃リリース)

     アルバムアートが暗いですがが、内容もやや落ち着いてダークっぽさがある気がします。しかし聴いてみてどうかと言えば、厳かでシリアスな面持ちの中で、分かりやすいメロディセンスと丹念に装飾されたヴォーカルハーモニーが素晴らしい。徐々に浮遊感に浸りながらある一点で突き抜ける高揚感が実に良い。雰囲気作りとメロディの相乗効果もセンスの賜物。
     
    ストレートに言えば高品質。だけど真剣味のある、一種の矜持のような物を感じさせるのはアーティスト的。大衆向けとか侮ると良い意味で裏切られる、この音楽性との両立はお見事。本当に心地良い一枚です。暑い日にも落ち着いて聴ける、冬に聴いても浸れると問題なしこと請け合い。

     特にアンテナはってるわけではありませんが、次回作の音沙汰が聞こえないのは少し心配です。実を言えば、私はEvanescenceをこの一枚しか聴いたことがないので、是非とも次回作を聴いてみたい。ここは是非とも過去作でなくて最新作を。
     理由は上手く言えませんが、そんな感じなのがこのアルバムにはあると思います。

     ではでは。
  • 【The Crown / Crowned in Terror】世界に一つだけの激怒と悲哀と感動の高次元融合アルバム

    2017-05-06 19:00
    今回もKreatorを軸にして語るのですが、だから何でThe Crownなの? と思う諸氏も多いかと思います。でも前回のPretty Maidsよりは近い方向性ですよね。
     で、今回の共通点ですがそもそもスラッシュメタルの範疇で語ってよいと思いますし、結構どちらもベテラン、活動低迷または停滞、休止時期がある、だけど今回は再開後のアルバムがどうもいまひとつ宜しくないのが、私がThe Crownに持つ印象です。それもこれもこのアルバム、Crowned in Terrorの所為かもしれないです。




                               (2002年リリース)


     正直このアルバムはすごいと思います。端的に言って傑作の類ではないかと思うほどです。
    ジャンルとして言うなればスラッシュメタルにデスメタルでロックンロールも加えてるけど北欧的な哀愁美もある感じです。なにそれ? ですけど、これらを全てひっくるめてThe Crownで煮詰めることが可能と言う時点で、このバンドのすごさがあると思います。
     ベースはスラッシュメタルでもデスメタルでもあるようで、ロックンロールもあるんで、デスラッシュ’n・ロールとか言われてた気もします。くどいですね、すみません。だけどこんなバンド、アーティストは他にいない気がしますので。

     デスメタリックなデスやスラッシュ、メロディ主軸のメロデスなら他でも有るでしょう。しかしこのアルバムは単純なようでいながら割り切れない、有機的に結合したものを感じます。
     滾々湧き出る悲哀を基調とする北欧の流麗な哀愁美(メロディ)、それに慟哭とともに叩き付ける狂気(デス、スラッシュ)、そして戦車のごとき踏み潰しては進む重厚さ(メタル)、最後に高トルク超スピードで唸りを上げ回転し全てを巻き込む力(ロックンロール)、それら全てが非常に高いレベルで融合し実を結んだのが、このCrowed in Terrorだと思います。

     この前作Deathrace Kingもとても良い作品で、この盤に至っては更に完成度を誇れるほどの出来と来て、もう何も心配はないと思ってたのですが……。次回作は少し首を捻る出来でその後は活動休止?(分裂?)状態が続き、合流して再起動後の二枚は、個人的にはあまり宜しくない出来と思ってます。あくまで個人的には、ですが。
     正直私は、前回語ったKreatorPretty Maidsのように(復活、再開後は)出せば良作の域に達してくれてると思ってたので、何だか残念でなりません。普通にありふれたアーティストならそれほど悔やむ事は無かったと思いますが、このCrowed in Terrorの燦然と輝く充実作っぶりに当てられた今は、残念無念の一言です。

     しかし、活動を続けることが肝要なのは言うまでもありません。これからもアルバムを発表し、ライブを重ね、いつかまた、今のThe Crownが最高と言える日を楽しみに待ってます。そしてそれを影ながら応援いたす所存です。

     ではでは。