• 【Amorphis / Circle】カタログの中でも一際剛直な存在と意義

    2017-11-18 19:00
    市販の囲碁ソフトでも、ディープラーニング技術を取り入れたものが出てきて驚きました。上流からくる技術が身近なものになってる気がします。昨今のこのスピードの早さは驚きです。
     ここで思ったのがAlpha Go の分かりやすいインパクトと、それを作った会社の親会社Googleの理念としてある、世界中の情報を整理して世界中の人がアクセスできるようにするというもの。一種の崇高な理念な下に、我々の元にも来る恩恵の早さはとてもありがたいものだと思います。一まあ下手の横好き的な私にはこれ以上CPUが強くなっても困るのか、困らないのか。
     
     さて、分かりやすく噛み砕く意義は音楽の世界でもあると思います。このアルバム、アーティストはすごいと言われて聴いてみても私には何が良いのか分からない、なんて日常茶飯事ですし、おそらく他の皆さんにも経験した事はあるのではないかと思います。
     それで今回のお題になっている Amorphis です。でもAmorphis自体は比較的分かりやすいかと思います。ただ私には熱くなるほど好きというわけでなく、わりとあっさり聴いて、ヘビィローテーションすることもなかったです。 Circle までは!




                                  (2013年4月リリース)


     この作品は Amorphis のカタログの中でも割とストレート寄りなメタルだと思います。少々硬質さが増してるすこぶる分かりやすい
     一聴して気に入り、その後もよく聴き込み、その時はこれは良いアルバムだという結論に至りました。これまでのアルバムより多く聴きましたが、その時はここまで、と言う感じでもっと深く知るというような欲求は起こりませんでした。

     時は流れ次回作の Under the Red Cloud を聴くと、すごく分かるような不思議な感覚に襲われました。最初は単に良い出来だあ、という感じでしたが、いつものここまで感は無く、ずんずん聴くんですよ。どうもこれは違うぞと言うか、深く潜れるような感じで。
     その時はあまり気にしてませんでしたが、バックカタログを聴いた時にふと思いました。これはCircleのおかげなのでは……と。するとこの作品を再び良く聴くようになりました。そしてCircleは、実はとても偉大な作品なのではないかという考えが浮かびました。前述したように割とストレートで分かりやすい。だがあくまでAmorphisの中での粋のがしっかりある。
     聴き手である私がCircleを通過したからなのか、作り手がCircleを経由したからなのか、その両面なのか分かりませんが、良いと感じられる感覚がより身近になったような気がします

     私はAmorphisが難解だとは思いませんが、しかしこれまでは数ある良いアーティストのひとつという感じだったような気がします。そこをCircleで上手く噛み砕かれて消化出来るようになった結果、より深く味わえるようになったのでは。そう思うとこの作品の意義はとても大きいと思いました。
     長い歴史のあるアーティストですが、そういう定義付けできる一枚と思うと面白くありませんか? 私はロマンのようなものを感じて、そう思うようにしてます。
     勿論単に次回作が素晴らしかった可能性も大いにありますが、聴き返すほどCircleの存在が私の中で大きいのもまた確かなのです。

     もしも他の人にAmorphisを初めて聴くけど何から聴いたら良いかと尋ねられたら、私なら間違いなくCircleと答えるでしょう。

     ではでは。

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  • 【Septic Flesh / The Great Mass】荘厳かつ邪悪な雰囲気と音楽の絶妙なブレンド

    2017-08-26 19:00
    この独り言並みのブロマガも15回目と言うことで驚きです。読んでくれた方の中でも何人かが、ウンウンそうだねと同意得られれば最高というものです。

     先回メロディに対する表現で厳かと書きましたが、そう言えばこれもそうだよな、と思ったのが今回取り上げる一枚。ジャンルは結構違うのだけれど、クオリティにおいてはどちらも上々と言っても過言ではないでしょう。
     それは Septic FleshThe Great Mass です。




                                 (2011年4月頃リリース)


     音楽性はメロディを主軸としたデス、ブラック・メタルですが、このバンドの特色はオーケストレーションを上手く活用し、本格的な邪悪さを塗り込めているところ。これがメロディに活かされてて、ただならぬ雰囲気を醸し出します。

     淡白に書くと上記で終わるのですが、これが独自性と質の両面で大いに貢献してるのが素晴らしい。アイデア自体は割と他にも有りそうなのですが、アグレッションとメロディに厳粛なオーケストラをかみ合わせてる技量は相当なものだと思います。
     あと押し引きの良さが特筆に値すること。邪悪さの中から天上に引き込まれていくように嘆きメロディを入れてくる。このタイミングや曲順、メロディが本当に絶妙だと思います。押しから転じクールダウンして引く、じっくりと旋律を利(聴)かせる、これにより自然と聴く方も世界観に引き込まれる。
     そうなんですよ。ファスト一辺倒ではない点も私としては得点高いんですよ。添える程度に置かれる女性声音も実に効果的。5曲目のOcean of Greyはそういう意味で特に上手い。何というか、一々素晴らしい。

     個人的には良盤の域に達してる一品ですし、アーティスト的にも際立ったものを感じます。が、その割に少し過小評価されてる……かな? という気もします。

     それはそうと今月新譜が出るそうで、とても楽しみであります。個人的には現最新作 Titan はメロディ的にちょっとどうかな~と思ったので、ここでどう出るか楽しみです。
    蛇足ですが、2008年発の Communion も良い作品です。いつかこれも語ってみたいです。

     ではでは。 

  • 【Evanescence / Evanescence】じっくり聴かせながらも高揚感に浸れる一枚

    2017-08-05 19:00
    だんだん暑くなってきました。暑いとヘッドフォンも億劫になるので自然と視聴環境はイヤフォンになります。あと聴く音楽も涼しげな方へと、って訳ではないですが、最近書いてきたアルバムはスピード感のある作風が多かった気がするので、ちょっと抑え目な方でいってみましょう。

     基本的に丁寧に作曲編曲された楽曲に上手なヴォーカルが乗れば、そりゃあ良い一枚になる。書いてて何ですが、当たり前だなっ! と思います。
     だけど、どれほどのアルバムがこの当たり前を実践できているか。それに作り込むと衝動性やアーティスティックな発露など、鋭利な部分も消えてしまったりと難しいところかもしれません。しかしこれは良い。丹念なヴォーカルラインにハーモニーをエモーショナルに歌い上げて心を動かされます。それが Evanescence はセルフタイトルで Evanescence です。





                                 (2011年10月頃リリース)

     アルバムアートが暗いですがが、内容もやや落ち着いてダークっぽさがある気がします。しかし聴いてみてどうかと言えば、厳かでシリアスな面持ちの中で、分かりやすいメロディセンスと丹念に装飾されたヴォーカルハーモニーが素晴らしい。徐々に浮遊感に浸りながらある一点で突き抜ける高揚感が実に良い。雰囲気作りとメロディの相乗効果もセンスの賜物。
     
    ストレートに言えば高品質。だけど真剣味のある、一種の矜持のような物を感じさせるのはアーティスト的。大衆向けとか侮ると良い意味で裏切られる、この音楽性との両立はお見事。本当に心地良い一枚です。暑い日にも落ち着いて聴ける、冬に聴いても浸れると問題なしこと請け合い。

     特にアンテナはってるわけではありませんが、次回作の音沙汰が聞こえないのは少し心配です。実を言えば、私はEvanescenceをこの一枚しか聴いたことがないので、是非とも次回作を聴いてみたい。ここは是非とも過去作でなくて最新作を。
     理由は上手く言えませんが、そんな感じなのがこのアルバムにはあると思います。

     ではでは。