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「セクハラとジャーナリストの覚悟」小林よしのりライジング Vol.267
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「セクハラとジャーナリストの覚悟」小林よしのりライジング Vol.267

2018-04-24 21:00
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第267号 2018.4.24発行

「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしの人たち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)

【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…福田財務事務次官のセクハラ問題、マスコミや一般人の多くが、「普通の人間は組織に依存せざるを得ず、個人では戦えない」「だから社員を会社が守るべきだ」と主張し、セクハラを理由に官僚バッシングに精を出している。官僚のトップは叩きやすいが、テレビ局や新聞社は叩きにくいらしい。セクハラ根絶のために欺瞞を粉砕せよ!
※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…フェイクが蔓延している昨今だが、今年、日本では初めてファクトチェック専門の団体である「FIJ」が設立され、ファクトチェックが本格始動した。一方、米国では「ポリティファクト」という団体が11年前から活動しており、大統領、ホワイトハウス、議員、立候補者、ロビイストや関係団体などの発言について検証を行っている。ファクトチェックの実態とは?
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!新ドラマを見る決め手は何?女性差別問題、欧米とは違う日本なりの解決法とは?よしりんファンだった父がネトウヨ化してしまった理由は?立憲主義的憲法改正と日米地位協定、どちらを先に改正すべき?男にとって仕事と商売は別?「透明感」って一体なんなの?…等々、よしりんの回答や如何に!?


【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第274回「セクハラとジャーナリストの覚悟」
2. しゃべらせてクリ!・第225回「ぽっくん落ち込み中! 愛の言葉をクリ~!の巻〈前編〉」
3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第78回「ファクトチェックとはなにか 米国編」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記




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第274回「セクハラとジャーナリストの覚悟」

『脱正義論』で薬害エイズ運動に嵌った学生たちに向かって、わしは将来、会社・組織に入っても、組織自体が悪を遂行している場合は、個人として戦い、腐敗した組織を変えよと演説した。
 それができぬのなら官僚バッシングをするなと言った。

 ところがわしの読者のみならず、マスコミや一般人の多くが、「普通の人間は組織に依存せざるを得ず、個人では戦えない」「だから社員を会社が守るべきだ」と主張し、セクハラを理由に官僚バッシングに精を出している。
 官僚のトップは叩きやすいが、テレビ局や新聞社は叩きにくいらしい。

 セクハラをなくすには、セクハラが起こるシステム自体を変えるしかない。
 それはむしろマスコミの側に責任があって、なぜ美人で才媛の女性記者が、官僚に深夜、電話一本で呼び出されて、酒を飲まねばならなかったのか、1年半に何度も二人きりで会食せねばならなかったのか、そこに人々の関心が向かないように、マスコミは財務事務次官にすべての「悪」を背負わせようとしている。

 悪いのはセクハラ発言をする「男」であり、「男一般」が女に性欲を感じなければよい、感じても封印する完全な紳士であればいい、品行方正な聖人になればいいと、教育しようとしている。

「記者を男にすればいい」と言えば、女性差別だと言い、女性だって深夜でも権力者の元に駆けつけて情報をとりたいのだと主張する。
 権力者がなぜ電話で女性記者を呼び出すのかと言えば、まちがいなく「下心」があるからであり、たまたま情報を漏らしたくなったからではない。情報を漏らしたいだけなら男性記者と会えばいい。
 女性記者は権力者の「下心」を百も承知でパジャマを着替えて駆けつけるのである。
 女性記者が「ジャーナリスト」ならば当然のことだし、あえて危険を顧みず、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の覚悟で飛び込んでいくのである。

 テレビ朝日やマスコミは、女性記者の役割りはそういうものだと割り切っている。くノ一のように女性記者は権力者の懐に飛び込んで、特ダネを取るのである。プロのジャーナリストはそういうもので、セクハラに遭わないように会社が守ってくれるものではない。
 それは大人の世界の常識のはずだが、マスコミもコメンテーターも、女性記者には「覚悟」は要らない。会社が守り、権力者がセクハラをしなければいいだけだとウルトラ欺瞞を主張している。
 戦場ジャーナリストには「覚悟」は要らない、スポンサーが守ってくれて、兵士やゲリラが銃撃しなければいいだけだと、そんな途方もない馬鹿を主張できるのか?

 わしの『新堕落論』を読んだ者なら、「弱者のルサンチマン」について少しは理解したはずだろうが、やっぱり読解できていないのがほとんどなのだろう。
 強者の傲慢さを見たら、自分と同じ弱者の位置まで引きずりおろすことしか考えていない。それを繰り返せば、社会には品行方正な小市民しかいなくなってしまうのだが。
 Me too運動を「国の将来のために」賛成したわしにも、バランス感覚が働く。それが「保守」の真髄だからだ。
 わしは、例え小児性愛者で、養女を性的虐待していたウディ・アレンでも、映画作りを止めろとは言わない。
 天才や秀才エリートの中には、品行方正ではない者が多いだろうが、わしは作品や仕事の能力を評価するのである。 
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他130件のコメントを表示

モクレンさんのブログで、今日のライジングはアラーキーの件とか。少し前に大学生の娘から聞いていたので(モデルからの告発)、モクレンさんがどう書くか興味津々です。
あのカメラマン、昔から女性のヌード撮ってたけど、モデルを物みたいに撮るので、凄いとは思うけど抵抗があったんですよね…。

No.151 72ヶ月前

朝日新聞の社説のブログ読みました。
朝日新聞って、時々おかしな記事を載せますよね。ずいぶん前では有明海の干潟の生き物に環境保護を訴えさせたりとか。今回のセクハラの社説もそうですが、結局、この記事を書いた記者が言いたいのは「同情」ではなく「共感」しろってことですね。当事者でもないのにどう「共感」しろっていうんでしょうね。「私は君だ」って、今からお前もセクハラされて被害者になれってことなのだろうか?記者のギャグのセンスは笑えますが、それを社説に載せるのはプロとしてどうかと思います。それとも朝日新聞は「共感ファンタジー」を社是にするという、コペルニクス的新展開を画策しているのでしょうか?謎ですね(笑)。
駄文、すみません。

No.153 72ヶ月前

誤字を見つけたので削除&再送します。

GWとは全く無縁の通常通りの仕事生活を送っていますが、
いつもライジングやブログは見ています。
(なかなかコメントできなくてすいません)
今日配信されたブログ「セクハラ 沈黙しているあなたへ」
を読みまして、思わず笑ってしまいました(笑)

そっかー、そういうことだよなぁ・・・
と、笑いと共に思いました。

福田事務次官の報道を聴いたときは、
「私が過ごした20年前の会社員時代のクソ上司共と
全く変わらないような発言を女性にしているおっさんが、
平成も終わろうとするこの時代にまだ存在してるのか?
昭和か!!!!」
と心の中で突っ込みを入れ、
自分の過去の経験を思い出して
相手の女性を庇い&守りたくなる気持ちになりました。

その一方で、(前回のライジングコメントにも書きましたが)
どんどん糾弾がエスカレートしていく全体主義のような様相に
モヤモヤモヤっとする自分もいました。
なんだかスッキリしない気持ち悪さを抱えたまま
その後のブログを読んでいるうちに、今日のブログです。

いつまでも弱者のままに置かれることを良しとしていたら、
弱者のルサンチマンのまま。
今の日本の状況と同じ堕落の運命を女性は辿るしかないですね。
女性への厳しくも温かいエールを送っている小林先生、
今日のブログありがとうございました。
これからスッキリと仕事へ行ってきます!

No.154 72ヶ月前

「あなたはおっぱいだ。」






「わたしがおっぱいだ。」





本気(マジ)笑った。

No.156 72ヶ月前

ポエムに吹いたw爆笑。

No.157 72ヶ月前

>>149
>前回のライジングで事務次官のセクハラや麻生大臣を
>痛烈に批判していた
多分書かないでしょうし、納得もしていないと思います、読者の女性から見たらやはり自分の事に弱者目線で置き換えてしまい、セクハラ・女性蔑視差別は憎むべき敵!に成ってしまうのかも知れません、私の周りの女性の方々もやはりそう言う論調になってますからね、それがマジョリティの意見かもです、残念ながら。
木蘭さんや笹さんやみなぼんさんや小林先生の奥様の方がひょっとしたらマイノリティの意見なのかも知れません、あくまでも個人的な感想ですけどね。

No.158 72ヶ月前

朝日新聞って結局「あたまのわるいひとびとをきりひらいていく」という感覚そのまんまなんでしょうね。

エンライトメントさせようという先進的でエリート主義的な感覚が社風にあるのでしょう。

詰まりは、先に進んでいるから正しいのであって、間違ったことは一切していないという認識でいるんでしょう。
系列のテレ朝がポカしたこととは言え、朝日新聞も吉田証言が嘘だったことを長らくほっといたりしていたし、過去に向き合うのは良い事ですが、エリート主義の陥穽と言うのでしょうか、間違ったことは一切ないと意地張っていましたからね。

エリート主義の論説委員様が「あたまのわるいおんなこどもをけいもうさせてやる」という感覚で書いたんでしょう。

共感さえすればいいという、今の感覚に沿った書き方なのでしょう。

これ、思うんですよ。

牛乳石鹸のCMが炎上したことや、熊本地震での被災地で生理用品が送り返されると言うデマがいまだに消えずに支持されていると言うことに似てますよね。

共感で歓心を買うって詐欺師の手口と全く同じなのですが、当人にとって事実とかどうでもいいのです。

共感し得る事が彼らにとっての「真実(ポスト・トゥルース)」ですから、子供扱いして守って貰う(社会から保護して貰う)と言うことが叶えば成人しているという事実または現実から目を背けることが出来ますからね。

折角同等の権利を得た筈なのにこんなんでは家父長制の時代に逆戻りですよ。

土俵に上げさせないという議論を実は彼等がちゃっかりと支えてしまっているようなものです。

でも最近の家父長制主義、パターナリズムの回帰って新自由主義に疲れた人々が切望しているようにも感じられるんですよね。
姦通罪の支持とか、潔癖すぎるほどの性への抑制、共謀罪が通ってしまったこと、親であるアメリカに防衛や外交さえも頼りきってしまうこと、安倍政権に対する絶対的な支持など、今の国民がそうなってしまっているようにも感じます。

No.159 72ヶ月前

山尾議員のツイッターから。5月3日のゴー宣道場拡大版が終わった後の19時半から文化放送の「田原総一朗 オフレコ!」に出演するそうです。ニコ生でも視聴できるそうです。至れり尽くせりですね。あ~さっきまで道場に出てた山尾議員だ~という雰囲気が味わえますね。笑
とても楽しみです。

山尾しおり
「5月3日(木・祝)19時半から、ラジオ文化放送「田原総一朗 オフレコ!」に出演します。テーマは「日本国憲法と日本の未来!護憲か改憲か?」です。是非ご視聴ください!
http://www.joqr.co.jp/tahara/
※ニコニコ生放送でもご視聴頂けます。」

No.160 72ヶ月前

昔の今よりもっと馬鹿だった自分は、ある生理痛で苦しむ女性に「生理って大変だよね。気持ちは分かるよ。」と言って怒られた事があります。
今度からこう言おう。
「生理って辛いよね、苦しいよね。私には、あなたの気持ちがわかる。あなたは私だ。」と・・・。
今度はブン殴られそう。

No.161 72ヶ月前

タブレットを自宅に忘れてしまい、『しゃべらせてクリ!』に応募出来ない!
あ、No.161の生理痛分かるよ発言はフェイクです。

No.162 72ヶ月前
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