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「二重低頭外交に向かう日本」小林よしのりライジング Vol.49
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「二重低頭外交に向かう日本」小林よしのりライジング Vol.49

2013-08-13 17:50
  • 74

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第49号 2013.8.13発行


「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、よしりんの心を揺さぶった“娯楽の数々”を紹介する「カルチャークラブ」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、珍妙な商品が盛り沢山(!?)の『おぼっちゃまくん』キャラクターグッズを紹介する「茶魔ちゃま秘宝館」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』、秘書によるよしりん観察記「今週のよしりん」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)


【今週のお知らせ】
※大サービス!!「ゴーマニズム宣言」2本立て!第1弾は麻生太郎の「ナチスの手口見習ったらどうかね」発言に見る二重三重の無知を指摘!果たして「反語的意味」という言い訳や「撤回」で済まされるほど、一国の副総理の発言は軽いものなのか!?マッチョを気取る政治家に潜む危険性を直視せよ!
※「ゴーマニズム宣言」第2弾は「安倍晋三、8月15日の靖國参拝見送る方針」さらにはそれを「中国側に伝達」という重大な問題を徹底的に斬る!歴代首相の誰もやらなかった売国行為を行なってしまった安倍晋三。さらにはそれを擁護し、中国への低頭外交も厭わなくなった自称保守派の自堕落。アメリカ・中国への二重低頭外交が始まった…!
※読者からの質問に、よしりんが直接回答する「Q&Aコーナー」!よしりんにとって描くことが難しいものって何?田舎VS都会論争再び!?地域活性化の具体的アイディアとは?大学教授と原爆を巡る口論をした大学生の憤り!よく歌う演歌は?よしりんがまとめサイトに書き込み!?「自分へのご褒美」に替わる新しい表現とは?“グリーンピース”はお好き?“脱アンチ発言”の真相とは?…等々、硬派な質問から脱力系の質問まで登場!


【今週の目次】
1.☆豪華2本立て!☆ ゴーマニズム宣言・第50回「麻生太郎の妄言ナチスジョークの国辱」
2.☆豪華2本立て!☆ ゴーマニズム宣言・第51回「靖國参拝は中国の許可が必要になったのか?」
3. しゃべらせてクリ!・第11回「上からぽっくん!の巻」
4. よしりんウィキ直し!・第3回「『人物』『趣味・好きなもの』『生活・健康』編」
5. Q&Aコーナー
6. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
7. 読者から寄せられた感想・ご要望など
8. 編集後記




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第50回「麻生太郎の妄言ナチスジョークの国辱」

 麻生太郎副総理兼財務相の「ナチスの手口見習ったらどうかね」発言は、さすがに自民党の御用新聞である産経新聞ですら擁護する気になれなかったようだ。
 産経は8月3日の社説で「お粗末な失言であり、撤回したのは当然である」「発言は日本のイメージや国益を損なった。麻生氏は重職にあることを自覚し猛省してほしい」「ナチスの行為を肯定すると受け取られかねない表現を用いたのはあまりに稚拙だった」「『いつの間にか』『誰も気づかないで』憲法が改正されるのが望ましいかのような表現は不適切だ」と批判している。珍しく、実に真っ当な社説である。

 ところがこんな麻生の失言まで徹底擁護する、デリカシーの欠けた自称保守言論人がいる。櫻井よしこだ。
 そもそも麻生の今回の失言は、櫻井が理事長を務める「公益財団法人 国家基本問題研究所(国基研)」のセミナーで飛び出したもので、櫻井はその主催者兼司会者という当事者中の当事者だった。
 立場上、擁護しなければならないのかもしれないが、その理屈はあまりにもデタラメだ。何しろ麻生の発言は正当なもので、朝日新聞が発言を「歪曲」して騒動を起こしたと言い張るのだから!

 櫻井は8月5日の産経新聞コラム「美しき勁き国へ」で「朝日の報道は麻生発言の意味を物の見事に反転させたと言わざるを得ない」と断じ、「朝日は前後の発言を省き、全体の文意に目をつぶり、失言部分だけを取り出して、麻生氏だけでなく日本を国際社会の笑い物にしようとした」と非難している。
 完全にネトウヨと同レベル、「都合の悪いことは何でもかんでも朝日新聞の陰謀!」という「朝日新聞陰謀論者」になっている。
 しかし今回は産経の社説も朝日とほぼ同じ批判をしているが、産経は「陰謀」じゃないのだろうか?


 朝日新聞が過去に政治家の片言隻句を文脈から切り取り、歪曲して「失言」をでっち上げたことがあるのは周知の事実だ。だが今回の麻生の発言は既に全文がネットに上がっていて、正当化しようがないシロモノなのは明白である。
 ところが櫻井は「一連の発言は、結局、『ワイマール体制の崩壊に至った過程からその失敗を学べ』という反語的意味だと私は受けとめた」と言うのだ。

 反語的意味?????
 ほとんどガキの言い訳だ。こんな言い逃れが通じるのなら、言いたい放題暴言吐いて、非難されたら「それは反語的意味で、真意は、逆のことを言いたかったのだ」と言えば済むことになってしまう。
 ところが「国基研」は団体の見解としても、「あれは反語」だと表明しているのだから、あきれ果てる。

 音声で聞くと麻生はいかにも冗談・軽口といった口調で「あの手口、学んだらどうかね」と言っており、それに対して会場から笑い声が上がっている。
 だが一国の副総理が公の場でナチスの手口、見習ったらどうかねなんて、たとえ冗談でも言えないことくらい常識のはずだ。しかもこの発言は文字に起こすと冗談とは一切伝わらない。

 さらにナチス云々を別にしても、憲法を「誰も気づかない間に変わった」手口に学んで改正しろというのは、あまりにも不謹慎、不適切であり到底正当化できるものではない。
 こんなことを軽率に口にできること自体が、憲法改正について真面目に考えていない証拠であり、冗談めかして言いながら実際には「誰も知らないうちに、こっそり憲法改正できたらいいな~」というのが本音だとしか思えない。
 これに笑っていた客席の感覚も異常だし、まして、これが「反語的意味」なんて解釈はどうひっくり返ったって不可能である。


 麻生の発言は二重にも三重にも無知が絡まり合っていて、もう一点根本的な誤りがある。朝日も産経も社説で指摘し、東京新聞(8月8日)が詳しく解説していたが、麻生はナチスの台頭に関する世界史の常識を全然知らないのだ。
 麻生は日本の憲法改正論議を「狂騒の中でやってほしくない」としたうえで、「ある日気づいたら、ワイマール憲法がナチス憲法に変わっていたんですよ。誰も気づかないで変わった」と言っている。

 まず第1に、「ナチス憲法」なんてものはない。ナチスは「全権委任法」を成立させて、ワイマール憲法を事実上死文化させたのである。
 しかもそれは「誰も気づかない間に」行なわれたのではない。それはまさに狂騒の中での出来事だったのである。

 
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他64件のコメントを表示

>>72
角栄生きる
青年ジェット
卑怯者の島 です。

No.74 130ヶ月前

猛暑の中、ゴーマニズム宣言2本立て配信ありがとうございます。

ラジオで麻生太郎の発言を最初に聞いた時、ナチスを引き合いに出したことに問題を感じつつも、
「今回の憲法の話も狂騒の中でやって欲しくない」というのは、高支持率の余勢をかって
改憲するんじゃなくて、しっかり議論をしてから改憲したいと言ってるのかと好意的に解釈していました。

しかし、今回のゴー宣を読んで麻生太郎の発言がどれだけ問題あるのかが分かり、発言の真意が見えず
好意的に解釈した自分の考えが浅はかだったことを思い知り、勉強不足を痛感しました。

第一次安倍内閣のときに従軍慰安婦問題でアメリカに謝罪したときに続いて靖国参拝中止を
中国に通達とやってはいけないことを平気で次々とやらかす安倍晋三はよしりん先生の指摘通り、
自分の権力を維持することしか考えてないのは明白です。いい加減、安倍晋三推し信者はフェイスブックに
書き込んでないで一刻も早く目を覚ますときではないでしょうか。

「よしりんウィキ直し!」のおかげでウィキペディアの記述に修正が入ったみたいで何よりです。
でも、今回も修正ツッコミが多くてトッキーさんツッコミきれるかなと心配です。

編集後記を読んで、よしりん先生が羨ましくてしょうがなかったです。だって、あんなに冷たいもの
食べてもお腹壊した様子がないんですもの!!僕が同じことしたら二~三日はお腹ピーピーになるのは
確実です。よしりん先生、血管だけでなく内蔵も若いんですね。てことは、三十路の私の内蔵は還暦!?


>>71
カレー千兵衛さん、企画お疲れ様です。

1.東大一直線
2.東大快進撃

よしりん漫画といえばこの二作品は外せないという気持ちと、
原点を読んでみたいという思いから選びました。

No.75 130ヶ月前

>>58
 mayuさん、返信ありがとうございます。今回の写真もカッコウいいですね。レンズパーフェクトブックは電機屋さんのデジカメコーナーで探してみます。掲示板も見てくださっているんですね。私のライジングや掲示板での論考を評価していただいてうれしく思います。ただ私は、むしろmayuさんのように現場報告にもとづいた実感と意見表明のコメントのほうが素晴らしいといつも思っています。職場の無理解なオヤジとの葛藤の報告は秀逸でした。
 ジブリ作品は私も大好きなのですが、日本におけるジブリ人気は戦後レイムダック生活に流され気味の日本人がジブリ作品の登場人物に見られるマジに惹かれるのかな?とも考えています。私は「猫の恩返し」が好きです。大猫ムタの「あそこ(猫の王国)は自分の時間を生きられない奴が行くところだ」という台詞はすごいです。自分の時間を生きられない=レイムダックですから。これは主人公ハルちゃんが自分の時間を生きられるようになる成長物語で、ハルちゃんを応援しつつも自分はどうか?と振り返らせてくれる作品です。

>>71
 カレーさん、お疲れ様です。
1.東大快進撃
2.○誅天罰研究会
3.卑怯者の島
 文庫を買い逃したものと、まだ完結せず発売計画もないものです(笑)。

 私信の応酬も発展があればいいものですね na85

No.77 130ヶ月前

>>74
角栄生きるは、ゴーマンガ大事典を読んで以来、ずっと読みたいと思っていたものです。角栄の父親と母親だったら、選ぶのは普通、母親でしょ?なのに、父親を選ぶって、悪党ですよね。よしりん先生の描く悪党って魅力的ですよ。
で、悪党といえば亜吐夢さま。推しているのですが、反則かな?
青年ジェットはただただ主人公の出鱈目ぶりを見たい。
卑怯者の島は支持率上げて続きを描いていただきたいなということで。

No.78 130ヶ月前

>>71
カレー千兵衛さん、企画お疲れ様です。
今月でライジング1周年なんですね。それに今月末は小林先生の誕生日ですよね!とても素晴らしい企画だと思います。
僕が読みたいのは
1・卑怯者の島
2・夫婦の絆
3・最終フェイス
上記3作品です。特に1・2は是非完成させてほしいです。

PS:現在、集英社の「ナツイチ」HPでAKBメンバーの読書感想文が掲載されていますが、みおりんの感想文が読めます。みおりんは「注文の多い料理店」の感想を書いていますが、見事な文章でした。閲覧には期限があるので小林先生、みおりん推しの方、是非お早めにご覧になって下さい。あとはみるきーやたかみなの感想文も読めます。
最後に時浦さん、道場ブログで僕の「女性天皇の時代」の感想、掲載して下さりありがとうございました。

No.79 130ヶ月前

>>71
カレー千衛兵さんへ

・最終フェイス
・厳格に訊け!
・どとーの愛

です。
無理矢理順番つけるなら、ね。
私はゴー宣は全部読んでますが、
ほかの漫画はあまり読んだことないので、
全て買いたいです…(*^^*)
だから、選べな~い♪

No.80 130ヶ月前

>>71 カレー千衛兵さん
・おぼっちゃまくん
・東大一直線
・東大快進撃
です。実はゴー宣以外の作品はあまり読んでいないので基本から。

No.81 130ヶ月前

>>74-81
皆様、本当にありがとうございます!!

今、みなぼん編集長は、よしりん漫画の電子書籍化に繋がる、ホームページを作成中とのことで、楽しみです♪♪
皆さんのコメントを読んで、私は感化されてしまいました。
一体どの作品から買えばいいのか、分からなくなってしまいました (^O^)
最終的には全作品を購入したいと思いました☆
そして、いつか未完の作品や新作漫画が電子書籍で発表されるようになったら、それはすごい画期的なことだとワクワクしました☆
「可能性」や「未来」を想像するのは、すごく楽しいですね♪♪

・・・それから。私ごときが、勢いにまかせて、コメント欄に変な企画ばっかり持ち込んで本当に恐縮です!いつも投稿後、後悔してます(ToT)
特に今回、皆様にお力添え頂くことになり、御礼申し上げます。
本当にありがとうございました!

2年目の『小林よしのりライジング』もこれまで通り、勉強になって、楽しくて、笑えるメルマガであることを祈っています o(^o^)o

No.82 130ヶ月前

よしりん先生がつくる会をやめる時、「見下げ果てた」とおっしゃられましたが、
麻生さんも、安倍さんもそんな感じですね。

麻生さんの発言をかばう人がいるなんて・・・
国基研って、原発の時も出てきましたよね。
売国行為を基本にしているのでしょうか。

安倍さんは以前、
「自国の伝統文化について、近隣諸国の誤解の無い様に努めるのは、
保守政治家のたしなみであると思います。」
(細かい表現は違うかもしれません)という趣旨の発言をされていました。

自国の伝統文化に他国が介入するのは、あってはならない事ですが、
政治家として、そういう対応も当然だとも思います。

しかし、実際やっている事は、他国の誤解を解くことではなく、
付け入る隙をどんどん与えているだけです。
靖国神社を中国大使館にしてしまったも同然です。
中国の領土だから、許可がいるという事ですよね。

安倍さんが売国奴で、
加藤紘一さんが保守政治家と認識する日がくるとは思いませんでした。

No.83 129ヶ月前

カレー千衛兵さん、遅れまして。
こっちでコメントしちゃいます。

3作品は、
「どとーの愛」
「最終フェイス」
「夫婦の絆」

夫婦の絆は続きが読みたいです。
大人の雰囲気があったり、ダークな展開があったりで、
凄く面白かったです。

よしりん先生は、スケジュールがいっぱいで、
傑作も書けない状況になってしまって、大変ですね。

No.84 129ヶ月前
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