【公聴録】幻樂団の歴史 ~Chart of a Strange Creator. 【前半】
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【公聴録】幻樂団の歴史 ~Chart of a Strange Creator. 【前半】

2015-12-31 15:12
  • 4

幻樂団の歴史 ~Chart of a Strange Creator. 公聴録

  • 会場:京大熊野寮食堂
  • 日時:平成27年11月28日 14:00~16:00
  • 講演者:ZUN(上海アリス幻樂団)
  • 司会:中村(以下「司会N」と表記)、下内(以下「司会S」と表記)

前半の部

~Introduction~

<ZUN氏入場>(BGM:童祭 ~ Innocent Treasures …(※1))
ZUNよろしくお願いします。全然準備してなかった。突然(扉が)開けられたからびっくりしたよ今。
司会Nその割にはだいぶ速足でしたが(笑)。今日は遠路はるばるありがとうございます。ではよろしくお願いします。
ZUNよろしくおねがいします。
司会Nまずは軽く一言ご挨拶の方を。
ZUNあ、はいはい。でも…ビールがまだ…
司会N挨拶中に来ます。そういう段取りになってますので
ZUNはいはい(笑)。えーと、まあみんながこの京大熊野寮がどういった場所かよく知ってるかは分からないですけど、なかなかここに来るって勇気のいることですよね。僕としてもちょっと見てみたいなとは思ってたんですけど、いざ見てみると「あぁ、これかぁ~」てなって。ここでああいう事件がいろいろと起きてきたんだなぁと(笑)。ちょっと魔窟な感じがして楽しいかなと。ただね、これやってる途中にもしかしたらねぇ、なんかガサ入れとかあるかもしれない。(笑)
司会Nまぁ、無いとは思いますけど(笑)
ZUNたぶんここの人たちには関係ないはずですけど、もしそういう可能性のある人がいたら早いうちに自己申告していただけると(笑)。という感じです。皆さんありがとうございます。今日は、こっちも酒飲みながらやるし、一応東方ということじゃなくて今まで割とどういうことやってきたかということをまあだらだらと話していこうかとおもっていますのでよろしくお願いします。
<会場内拍手>
司会Nビールが遅れているため乾杯ができないんです。
司会S前の方で我々三人で飲んで勝手に酔っぱらってるかもしんないですけど、まあそういうもんだと思って諦めて頂いて。まあどうぞ気楽に聞いて頂いたらと。
ZUNビール来るまでにちょっと軽く質問していい?皆、大学生はどのくらいいるのかな、ここに。大学生の方、手挙げて。
<会場内半分ほど挙手>
ZUNでもまぁ、半数以上大学生だな~。じゃあ、一応それ以外の人。
<会場内半分ほど挙手>
ZUNまあ、大学生の方が多いかな。
司会N高校生とかもいるようですけど。
ZUN社会人の人はどのくらいいます?
<会場内そこそこ挙手>
ZUNあぁ、でも結構いるね。1/3くらい?
司会Nなかなかビールがきませんねぇ(笑)。
司会Sじゃあ、ちょっと学生時代のお話を
ZUNあぁ、始めちゃう?いいっすよ、いいっすよ。どうせ時間もそんな長くないし。
司会Sそうですね。そしたら…お酒が来たらお酒の話をして頂くとして、先にちょっと紹介させて下さい。今回ネット上で皆さんから質問の方を受け付けておりまして、全部で150通ほど頂きました。これを全部ここで言ってるとそれだけで終わってしまいますので全部は拾えないですけど、できるだけ絡ませながら話していきます。じゃあ早速いくつか紹介しましょうか。
ZUNいきなりネットで募集した質問(笑)。
司会Nあ、ビールが来たようです。
<ビール登場>一同:よろしくおねがいします。乾杯~。
ZUNなんかサイズがまちまちの気がするんですけど(笑)。では、でかいの貰うよ。大は小を兼ねる。じゃあちょっとずるいかもしんないけどこちらだけ始めちゃうよ。今日いい天気だったしねぇ。
司会Nそうですね。お酒がおいしい日和で。
<会場内拍手>
ZUN今日午前中に京都御苑に行ってそのあと二条城行ってきたんです。天気よかったんでふらふら歩いたりしてたんで、すげぇ飲みたかった(笑)。
司会Nちょっと(ここに)来るとき道に迷っちゃったようですが(…※2)
ZUNそうそう。Googleマップで調べると違う場所が出るんだよ。ちょっとずれた場所に出てさ。他に二、三人同じように迷ってる人いたよ。
司会N受付の方にもそんな問い合わせきてまして、一応対応したんですけど

I.はじまり ~ 1996-2004

司会Sじゃあお酒の話を。
司会N最近なんか大学の方からもお酒の飲み方について結構口うるさいんですけど、その辺についてZUNさんは一家言、ニ家言もってそうなのでお聞きしたいんですが。
ZUN大学の方っていうと体育会系の飲み方の事?
司会Nまぁ、「未成年以下はもうほんとに全面禁止‼」みたいな。
ZUNそうだよね。まぁ、それはもう大学が禁止しなくても法律で禁止されてるから(笑)。
司会NSまぁ確かに(笑)。
ZUNでも僕は大学生が18歳だからお酒も18歳以上にしてもいいと思うんだよね。成人も18歳以上にする流れっぽいからいずれそうなるんじゃないかと思ってる。だって、無理だよ(笑)。大学で新歓コンパで新入生喜ばせるのに、新入生だけお酒飲めないってさ。
司会SZUNさん、そのお酒との付き合い方や飲み方について何かお話しあったらお願いします。
ZUN大学生の時にみんな大体失敗するんだよね、お酒って。それでお酒嫌いになるって人、結構居るんだよ。勿体ないことだよね。やっぱ結構いいお酒の飲み方をした方がいいと思う。社会人になってもいい酒を飲む人と付き合った方がいいと思う。まぁお酒飲めない人は無理して飲む必要ないですけど、飲める人は…飲んだ方が…。普段の生活楽しいよ。経済効果にもつながるし(笑)。10年前くらいになるかもしれないけど、結構大学の講演の方もちょくちょく行ってて、その、お酒禁止の大学もある。
司会N東大のほうでも取り上げられたとか(…※3)
ZUN東大でやった時は、「お酒大丈夫ですよ」って言われてお酒持ってきて飲んでたら、途中で取り上げられて僕が怒られるっていう。あれは酷い(笑)。ちょうど一、二年生が多い場所だったので、そこで飲むなって言われたけど言われたってねぇ。
司会Nまあ今日はそんなことはないと思います。
ZUN明大でやった時(…※4)はもう全面酒禁止。酒で事故した奴がいて、それに対して禁止とかね。大体厳しいよみんな。
司会Sそんな中、お酒ありのイベントがあったとか。
ZUN昔あったんだよね。同人即売会でお酒OKのイベントがあったんだよ、東方の。何だっけ、えーと…縁側。博麗神社の縁側だったかな。あれはねぇ今だから言えるけど、結構救急車来たりで阿鼻叫喚だったんだよね。僕も各サークル回ると各サークルで即売会なのにみんな本を売るというより持ち寄った酒をみんなで飲み合って(笑)。サークル全部回るころには一日かけてすげぇ飲んで。ようやく終わったからトイレでも行こうと思ったらトイレの前が死屍累々で。廊下で倒れてるわ。んで、トイレ入ろうとしたら「今そっち入んない方がいいですよ。便器割った奴いますよ」って(笑)。これはもうやべぇ、事件になるかなって思ったら、帰り際に会場から「あんなに人が集まったの初めてなので、またやって下さい」とか言われたらしいけど、さすがに申し訳なくてそれ以降会場できなかったらしい。
司会N調べたら最近はやってるようですよ。
ZUNもう凄かった。あれはちょっとねぇ、今やったら完全に炎上するよ(笑)。「今からイベント始めまーす」って言って鏡割りやったりしてさ。あれは…だめだったね。
司会Sでは先程のネット上の質問から一つご紹介します。
質問「初めてお酒というものに興味が湧いて、呑んでみたいと思うようになったのはいくつの時ですか?東方Projectはアルコール成分何%で構成されていますか?」
ZUNお酒は勿論二十歳ですよ。そりゃそうだよねぇ(笑)。
<会場内爆笑>
司会N飲んでみたいなぁと思ったのは?
ZUN飲んでみたいと思ったのも…二十歳ですよ(笑)。
司会S皆さんもそうあってほしいものですよね。
ZUNそうですね。そりゃそうですよ。…そりゃそうですよ(笑)。
司会N今回メールにも書きましたので。(…※5)
ZUNそうそう、二十歳です。
司会Sあと、東方projectはアルコール何%ですかと
ZUNそれはねぇ…まあどういう質問かよく分からないけど(笑)、普通でビールを飲んでるから5%くらいじゃない?
司会Sではそのくらいでお酒の話は終わりにしますか。
ZUNお酒話し始めたら尽きないからね。たくさん入れ始めたらね、こっちが。
司会N講演の趣旨が変わっちゃいますしね。
司会Sそれではそろそろ本題の創作活動の話に移らせて頂きましょう。ここからは時間の流れに沿ってその時々の話を聞いていきたいと思います。
司会N大学時代から制作始められたという話ですけど、当時はどういう生活して作ってたんですか?
ZUN大変だったよ。もう20年近く前だからね。当時はね、あんまり学校に行ってなくて最低限の単位だけ取る感じだった。もちろんあれだよ、留年はしてないよ(笑)。ちゃんと単位とる分ぐらいは行って、それ以外はもう…週に5回くらいしか起きない。一週間が5日くらいしかなかった。起きたらゲーム作ったり、ゲーセン行ったりしてる状態で。
司会Nフリーダムですねぇ。
ZUNフリーダムだったねぇ。大学生はフリーダムだよ。体調的にその方が合ってたんだよ。長く寝て長く起きてを繰り返してた。
司会N結構そういう寮生もいますね
ZUN一日24時間だともう忙しなくて、結構きついって感じてたんだよね。こたつの上にパソコン置いて、こたつで寝て、起きてパソコンの電源つけて。ピコ、ピコって鳴るんだよ昔のやつ。んでまたゲーム作ったりして、パソコン消して寝てた。インターネットとかも繋がってないからほんとにパソコンだけだよ。
司会Nほんとにゲーム作るためだけに
ZUNそうそう。そこでネットサーフィンとかしてるわけじゃない。
司会Sでは次の話につなげる前に、作品の内容というかそれに関わる質問を幾つか述べさせていただきたいと思います。
質問「どういった経緯で東方の世界感を考案したのでしょうか。また、どういった手順で構築していったのでしょうか(例えばキャラを作ってから世界感を作りました、など)」
 という質問ですけれども、最初に思いついて作られた時の思い付きとかどんなことだったんでしょうか。
ZUN当時ね、巫女さんってほとんどキャラクターとして存在しなかったの。で、すげぇ巫女さんを使いたくて。巫女さんの出てくるゲームなんてほとんど無かったからね。ゲーム限らず作品で。だからすごいマイナーな存在だったの。んで使いたくて、だから東方って名前にして作ったと。その後から急に巫女ブームが始まったんだけど(笑)。いろんなゲームに必ず1巫女がいるみたいな。
司会Sではその巫女つながりで妖怪とかも出たという感じにしたんですね。  
ZUNそうそう。やっぱねぇ、今だとそう映らないかもしれないけど巫女を出すだけで特徴があった。そういう時代だった。今になると参考にはならないけど。キャラクターもすごく多くなっちゃったし。もう世の中キャラクター化してないものなんて無いみたいな状態だからね。
司会Nやり尽された感がありますね。
ZUNそうじゃなかったからね。当時は。
司会Sそしたら、もう一点だけいいですか。
質問「東方projectが製作開始から20年が経ちますが、同人活動を始めた時はどのような未来構造図を持ってたんですか?また同人活動を始めたのが学生の時だとお聞きしましたが、当時どのような困難がありましたか?」
ZUN大学の時は同人っていう単語も知らなかったから。コミケの存在も知らなかったし。普通にパソコンを初めて大学で触ったので、まぁ、ゲーム作れるなら作ってみようかなって感じでしたよ。将来的にはゲーム会社に入ってゲームを作ろうかなと思ってたので、大学中に勉強しとけばなと。必死になって勉強して、必死に作ってって感じでしたよ。結果それは同人っていう枠があってそれに入ったという感じなんですけど、大学の当時は何にも考えてなかったです。ゲーム会社に入って将来ゲームを作るために勉強してるって感じ。

Ⅱ.一つの区切り ~ 2004-2006

司会Nでは次の話題に。その後、上海アリス幻樂団として復活されて紅魔郷、妖々夢と作品を作られていったんですけど、2004年に香霖堂の連載を始められましたよね。
ZUNもうあれ11年前になるんだよね。
司会N見てるとこの小説が連載作品の始まりになるわけですが、まずこちらどういうきっかけから始まったのかとか、どういうあれで始められたのかお聞きしたいのですが。
ZUNそれは話を持ってきた人がいるんですよ。いまどうしてるのかあまりよく知らないんですけど。当時、僕から始めたいっていうのじゃなくて、「仕事としてこういうのやってみない?」って来たのが最初でした。小説でエロゲ—雑誌というね、かなり特殊な状態でしたけど。あの当時、同人からメジャー化していくっていうのが若干夢がある話だったの。まあ今もあるのかもしれないですけど(笑)。今の直接ツールになるとかじゃなくてちょうど月姫さんがあって、ってな時代だったからその流れで東方もやるのかなって感じでしたね。
司会Nそういったところに、商業への進出とかそういうことに関してはZUNさんもの凄く気を使っているというのが皆さんの認識だと思うんですけど、そういうところはどう考えて話を受けられたのでしょうか。
ZUNあまりあの小説自体も商業でやってるイメージが無いんだよ。無かったんだよ当時も。
司会Sでは商業だからちょっと変えるとかいう思考は全然無しと
ZUN無くて、あれに関してはちょっと他の場面から見て小説を書いたらゲーム自体がすごく面白くなるんじゃないかと思ってやってたという感じです。
司会N同人でのゲーム制作の延長みたいな
ZUNWindows版になってからキャラクターを凄い重視するようにして、キャラクターで世界を作って一つのゲームを作るようにしたので、そのキャラクターの魅力を作るために小説とかあったらよりよくなるんじゃないかって考え方です。それでゲームも面白くなるであろうと。
司会S世界を広げていくというような感じで。
ZUNそうそう。今ではそこの流れでほとんど東方は成り立っている。ゲームだけで完結させるのは難しかったんだよね。
司会Nそういう意味ではちょうどいい時にちょうどいい話が来た感じですね。
司会Sそのあたりから世界観がどんどん広がってちゃんとしたものになっていったっていう話なんですかね。
ZUNそうそうそうそう。ゲームだけだとね。ゲームのキャラクターだと絶対倒さなきゃいけないし倒せば死ぬしもうワンパターンになるんだよ。シューティングで負けイベントとか作りづらいじゃん(笑)。嫌じゃんそういうの。RPGとかでもあんま好きじゃないんだけど。なんか負けイベントあるとすげぇイラッとするんだよ。
司会Nわざわざ負けないといけませんからね。
ZUNガチで戦って普通に倒せそうなのも嫌だし、どうやっても倒せないなってのも興ざめだし、あまり好きじゃないんだよ。ストーリー的にはそうしないとしょうがないということがどうしても出てくるんだよね。
司会S香霖堂で一つ広がったというかそれに関して一つ質問を紹介したいんですけれども
質問「どうして東方projectは、最初に男性を主人公にしなかったのですか。最初に男性が主人公でもよかったのでわないでしょうか。どうか教えてください。東方projectはもう一人の男性主人公を作ることは、ありますか。」
ZUN今の話でいうと巫女さんに釣られたからだよ(笑)
<会場内爆笑>
ZUNそのあとにあんまり男キャラが出てこないのは…
<ここで寮内放送>
ZUNなんか言ってるぞ(笑)。出てこないのは女の子たちが戦ってるところに男が出てくるとシリアスにするしかなくなると思うんです、戦いが。きゃっきゃわいわいうまくいいバランスできているところにガチな奴が入ってきてしかもそいつやられるじゃん。恥ずかしいじゃん(笑)。そんなキャラクターすげぇ作りづらいって。そうするとしょうがないかなって。
司会Nなんか大きな事件あっても結局何も無かったみたいな感じで終わっちゃいますしね。
ZUNあと弾幕ってあんまり男性的じゃないと思う。もっと男性的なキャラクター作りたかったら大砲でドーンって感じですよ。戦闘機のねってイメージですよ。世界にあんま合ってないかなって。女の子の方がたぶん受ける(笑)。
司会N確かにちゃんと受けてますね(笑)。
司会Sさっきの質問の続きでもう一人男性の主人公を作ることはありますか。このもう一人っていうのは要するに霖之助のことを考えてだと思うんですけど。まあそれはあまり可能性としては
ZUNでもあるっちゃあるよ。全然ゲーム以外でなら可能性あるよ。
司会Sじゃあ要するに弾幕撃って戦う人じゃなければっていうことですか。
ZUNそうそう。まあ需要はあるかどうかていうのもね(笑)。
司会N香霖堂の話ありますけど、同人から商業に入っていってそれからノベル化なりアニメ化なりどんどん展開していってコンテンツがよく分からなくなるという話もありますがそういう所に関してZUNさんどう考えておられるのでしょうか。
ZUNそうなんだよね。ちょうど00年代って言い方もあれですけど10年前くらいはさっき言ったように同人からアニメ化までして成功する流れってのが結構あって、まあひぐらしさんとか。あと結構ちょこちょこそれを狙ってるノベルゲームってあったんですよ。そのレールに乗っているっていうね。僕は単純にそれがすごい心配だったので。使い捨てされるんだろうなって思ったのでその時に乗らなかったってのはある。そこで使い捨てされなかったのはType-Moonくらいなんじゃねぇのと思っちゃうんだけど(笑)。
司会N今でも健在ですからね。
司会Sまあ使われ続けてるというか。
ZUNあれとかもうまいバランスでやってるんだろうなって思いますよ。
司会S質問の中にも一個一個は紹介しませんけれども、アニメ化は考えてますかとか、アニメをいつか作ってくださいとか、アニメにするんだったら原作のゲームから作るんですかとかアニメ化に関してはいろいろ質問頂いてるんですけど。
司会Nみんな求めてるんでしょうね。
ZUNアニメはね求められることはあるのかもしれないけどね、わかんないね。今のままのアニメだとちょっと参加しづらいっていう話かな。
司会Sそれは作り方の問題とか?
ZUN作り方だし、アニメ業界も今のままじゃないでしょうからほんといろいろ変わってくる。ただその時は分かんないでしょうね。
司会S作るとしたらご自身も参加して作りたいというようなことは
ZUNそうだね。作るんだったらそれ専用の世界、ストーリーにしないといけないじゃん。とするとその手間めんどくさいんだよね(笑)。僕あんまアニメ見ないからアニメの面白さも研究しなくちゃいけないんでそれが若干めんどくさい。
司会Nよく実写でやりたいとか仰ってますが
ZUN実写ね面白そうだもん(笑)。実写いいよね。でも結構二次創作で実写やってる人いるんだよ。もう馬鹿げてるやつ。今年の例大祭の秋、秋季例大祭行ったら実写の格ゲーがあって、全員男たちがコスプレしてるっていう。
<会場内爆笑>
ZUNあれ面白れぇなって立ち止まったら、僕その時、取材受けてて取材の人も回ってたんですけど、フランスのドキュメンタリー映画で凄ぇ撮ってて、「撮っていいですか?」って撮ってたからもしかしたら使われるかもしれない(笑)。これふざけてるね。よく途中でモチベーション落ちないねっていう。一枚一枚撮ってるカットは面白いけど、あれをゲームにするまでやったら結構疲れる。そういう実写のバカっぽいのはいいなと思ってる。
司会S世の中のコンテンツがいろんなメディアに展開してメディアミックスというのは昔よく言われましたけど、それがアニメになったりしてすごく複雑になってますよね。いったい誰がこの作品を作ってるのか分からないというか
ZUNそれがやなんだよね。誰もコントロールできない状態になってる作品って多いと思うんだよ。特に漫画やラノベからアニメ化したものだと原作者がもうアニメに口出せないという。で、勝手に話変えられてるみたいなことはたぶんあると思う。
司会Sアニメだけの展開とかいう
ZUNで、もう自分でグッズ作ろうと思ったらアニメの製作元から止められるということはあるので、それはちょっと避けたい。
司会S版権とか権利の問題とか色々ありますしね。
ZUNたぶんアニメ化したら二次創作がアニメの会社から止められる可能性もある。だから結構めんどくさいことになると思うんだよ。
司会Sではなかなかアニメ化というところは難しいと
ZUNアニメはグッズで稼ごうとか思ってるわけだから、それを勝手に二次創作で作られたらもうアニメ作ったってしょうがない。
司会S今までのは商業の流れに乗ってもっとメジャーになってくという話でしたけど、ちょっと質問で頂いてるのが
質問「二次創作を条件下で許したきっかけとかありますか。」
ZUN条件付きで許したっていう考え方はちょっと間違いで、勝手に二次創作はみんなし始めたわけだよ。それに対してあとからルールをつけているわけだから後から条件が付いているわけだよね。
司会N逆なんですね。
ZUNそうそう。二次創作が先にあるんだよ。許可したからじゃないんだよ。先にもう既にある状態でこっちが条件をつけていると。
司会Sそれはどういう観点でこれは条件を与えた方がいいなと考えたのですか。
ZUN条件はね求められるんですよ。単純に。「すみません。これいいんですか?いいんですか?」って言われると困るから、じゃあ最初にこちらでガイドラインを出しときますよと。
司会SじゃあZUNさんが絞ってるわけじゃなくて、みんなに聞かれるから用意するしかなくなったと。
司会N自然な流れでできてったんですね。
ZUNその時のいわゆる慣例的な同人っていうのがどういうものかを見てそれでルールをつけた。そのルールはそんな厳しいものじゃないはずなのね。その時だったらみんなが暗黙の了解でやってたようなルール。
司会Nこのスタンスっていうのは、サブカル業界の中でもかなり珍しい。
ZUN今だからこそ二次創作に寛容なとこも結構多いですけど、当時は…今でもみんなそういうと思うんですけど、「見逃してもらってるんだ」くらいの感覚でみんなやってたわけだよね。実際見てる方も「見逃してやってるんだ」的な感じの見方をしてたと思うんだけど、明文化は…して成功してる例ももちろんありますけど、やっぱりそこも元々二次創作が多かったから明文化したって感じだと思うんですよね。初音ミクとか。
司会N必要に求められて。
ZUNでもやっぱ先に二次創作する人の方が多いしパワーもあるので、ほとんどルールはそっちで決まるんですよ。
司会Nある程度でもコントロールできているってのはやっぱ珍しいですよね。
ZUN作品が結局僕一人で作ってるからコントロールしやすいというのもあると思います。僕がダメって言えばダメっていうルールなわけですよ。
司会S今の話でいくとご自身で出されるゲームとかは100%ZUNというわけですけど、三月精とか漫画の作品となるとどうなんでしょうか。
ZUNそうなると若干心配なところあるよね。キャラクターや設定に関してなら僕で問題ないんですけど、例えば三月精っていう名前を使おうと思うとそれは角川に一旦許可が必要になるでしょうし。まあ角川も緩いんでね(笑)。東方に関しては緩いですよ。
司会N両者がうまく合致して今の状況というわけで
ZUNあまり派手なことやると怖いからその辺はなかなかね。
司会S格闘ゲームとかで黄昏フロンティアさんと一緒にやったりするのはまた違うんでしょうか。
ZUNあれもまた別…別でもないですけど。
司会S部分的に自分の手から離れるというのがあると思うんですけどそういう所はどういう感じで。
ZUNどちらかっていうと重要な部分は基本僕が作ってるわけですよ、このゲームの。重要っていうか僕が作んなきゃいけない所。それ以外の要は技術的な部分を担うのも、実際の作業量分的なところはまあ僕がやろうがなんだろうが…もうプロに任せればいいよっていう感じだと。
司会NコンテンツとしてはZUNさんにあると
ZUN例えば普通のゲームデザイナーとかもみんなそうですよ。細かいところまで作んなきゃ自分で作ったって言えないことはない。例えば格ゲーだと一人で作れないからね、いくらなんでも。
司会N作業量が尋常じゃないですからね。
ZUNそうそう。もうドット絵の数とか半端じゃない。そこを全部自分でやんなきゃ自分で作ったとは言えないということはないです。
司会Sでは一つ質問を紹介させて頂くんですけど
質問「東方20周年、おめでとうございます。私は紅魔郷時代の作品が特に好きです。質問ですが、作品製作や世界観において、2002年頃の上海アリスが誕生した時から変わっていない信念や思想があれば、教えていただけると嬉しいです。」
 難しいことなんですけど、今まで順番に見てきまして最初御一人で作られていたところから、絵柄とかシステムとかを多少他の人に任せるようなふうに変わって来たりしたわけですが、何か考え方の変化などはあったのでしょうか。
ZUNそうですね、僕はもちろん変えようとしてます。もし信念があるとしたらその時代に合わせてできる限り変えていこうと。自分を。それがその最初から変わっていない信念かなと。
司会Sむしろ柔軟に対応していくこと自体が信念と
ZUNその時々に合わせて変化できるようにしたい。それは昔から変わってない。
司会Sその要請でたまたま仲間ができたから一緒にやるというような。
ZUNいろいろやってみたり、ちょっと新しいのは例えばPSの方に出してみましょうとか、そういうのも当時の信念のままなの。やってるからあるって感じかな。
司会N流れに乗るにしてもZUNさん乗り方がもの凄くうまいですよね。雑誌に関してもそうですし。ああいうのその場その場でどう考えてるんですか。
ZUN感覚かな。雰囲気で「ああこれはあかんやつだ」と思ったら触らないとか。もちろん失敗することも多いですからね(笑)。
司会S結構質問でも失敗談とか苦労話みたいなのをぜひ紹介してほしいというようなお声があったんですけど、何かそういうエピソードはありますか?
ZUN(考え中)…これは完全に失敗だったとかじゃないんですけど、すごい今同人ソフトっていうものがコミケの中での立ち位置が危うくなっている感じがするんですよね。それは…僕のせいではないとは思ってるんだけど、もしかしたら東方のせいもあるのかなと思ったりして、あまり僕が同人、同人言い過ぎることが良くなかったなと思ってる。それが今、ちょっとした失敗かなと思ってる。あんまりゲーム業界にいい影響じゃなかったかもしれないけど。もうちょっと自由に、やっぱり東方ってものが同人で出てる程度にしといた方がよかったのかなと思ってる。
司会N巨大になり過ぎたというか
ZUNそうそう。同人ソフト全体の影響力よりでかくなったよってなるともうあんまり下手なこと言っちゃいけない。て、思いました。今更ですけど。
司会S常に持ってらっしゃる視点が大きいんだなというのを感じますね。
ZUN別に今だから大きいんだよ。当時は何も考えてないです。寝ながらパソコンとモニターしか見てなかった(笑)。
司会Nだんだん大きくなってきたんですね。
ZUNそれは仕方がない。それもやっぱり自分をその時に合わせて変えるっていう信念を持ってるからだよ。
司会Sそれは、やっぱり対応するには周りを見なきゃということでしょうね。
ZUNずーっと自分だけ見て内にだけこもってるわけにもいかなくなったんだよね。
司会Sなんとなく分かってきたような気がします。
ZUNでも今こうやって言ってるけどやっぱり10年以上前の話ってあんま覚えてないんだよね(笑)。あの時どう思ったのかなぁって言われても、心の事はほとんど分かんなくて。今だってあの時あれが辛かったとか、あれが楽しかったぐらいしか覚えてない。ほんと、ゲーム作るのは必死だったっていうのだけは覚えてる。睡眠時間とかもあんま取れないし、精々会社でちょっと寝るみたいな、昼休みに寝るくらいの感じでしたけど。
司会Nその時その時は必死だったと
ZUNそう必死。必死だけど仕事としてやってるというよりは必死が楽しいというね。
司会Sお仕事始められて以降の作品となると…?
ZUN2002年からだから紅魔郷からになるね。
司会Sじゃあこの辺りはずっと会社で仕事しながらこっちはこっちでつくりながらという生活で
ZUN会社終わるのが1時くらいでさ、帰ってきて3時くらいまで勉強して、今までWindowsのプログラミングもしたことなかったから勉強して作るっていう毎日でした。でももう、昔より全然楽だよねパソコン触るの。もうインターネットで調べれば作り方が分かるみたいな状態だったし。すぐでしたよ、そのまま。
司会Nなかなかにハードなスケジュールですよね。
ZUNハードでした。だから今考えると、そこまで頑張んなくてもよかったなと。あれで成功したからいいけどさ、しなかったらたぶんほんとに後悔だけだよ。
司会Sそしたらこの商業ベースで小説とかを出されてた時もまだ勤めてらっしゃったんですか。
ZUNまあ勤めてたね。
司会S会社からなんかそういうこと言われたりとかしなかったんですか?
ZUNえぇ、言われた言われた。お前会社で原稿書いてるのばれてるぞみたいな(笑)。
<会場内爆笑>
司会N逆に会社からこんなの作りたいみたいな提案とかはなかったんですか?
ZUN言われたねそれも。 会社で作ろうよ、会社で出そうよって。いやいや、嫌ですって(笑)。
司会Sそれはやっぱ会社ではできないと
ZUN一応その、それまで結構ほかの会社から出そうってのがあったんです。結構大手なゲーム会社幾つかからこれでアーケード出そうとかコンシューマー出そうっていう話はすげぇ来てて、全部「実はこう見えて僕ゲーム会社勤めてて、そういうこと出来ないんですよ」って言ってたら、自社から言われて(笑)。自社から言われたら「んーどうしよっかな。じゃあ、嫌です」と(笑)。言い訳がなくなっちゃうよ。
<会場内爆笑>
ZUN嫌だったのは会社で作るともうその後コンテンツは全部会社のものになるので自分ではもうほとんどできない。
司会Nやってること全部統一されちゃうんですね。
ZUNそう。だから勿体ないなと思って、それは。
司会Sずっと手元に残しとく方がいいと
ZUNそうだし、作るのも楽しいから自由に作れなかったらもうそれは僕の中では作品としては終わりで、それはおしまいにして次行こうって気になっちゃうよね。
司会N作品をずっと手元に残しておきたいという所はずっと変わらないように見えますが、今のコンテンツに対する考え方というのはどうなっているのでしょうか?
ZUN勿論コンテンツは自分の手元に置きたい。むしろコントロール下にあることが幸せの一つかなと思ってる。人によってそれは幸せの感じ方違うので自分は成功したものを次々と出した方が嬉しい人もいるかもしれないし、もう既に有名なものにちょっと自分が触れることが嬉しいっていう人もいるでしょう。僕はもうそのまま有名になんなくてもいいけど、自分で自由にできるものがここに存在するっていうことの方が幸せ。
司会NSありがとうございます。
ZUN大学卒業したのが98年だったかな。それから2002年まで4年間くらいゲーム作んなかったんですけど。ていうか僕の中では98年で一応東方projectはそれでおしまいの予定だったんだよね。大学卒業したらさすがにゲーム会社に就職しているときにゲーム作るわけねぇだろって(笑)。って、思ったんだけど、いろいろあったんですよ。会社で企画を持ってきてっていうのがあって、でシューティング作ろうって話になって、でシューティングの企画をみんな集めましょうって言って企画書書いて出したんだよ。それが今の紅魔郷とほぼ一緒なんですけど、スペルカードシステムがあってキャラクターを最初に持たせることによってそのゲームが面白くなりますっていう風に言ってたんだけど、そのシューティングを作ろうっていう企画自体がポシャって。その企画が没になるもなにも、結局シューティングが作れなかったのでまた不満が。これ今出したら売れるな、絶対売れるなって思ったんだよ、この企画で。
司会Sそれは、出しとけば良かったですね(笑)。
ZUNやっぱ絶対キャラクターの時代が来ると思ったんだよ。でシューティング、特に弾幕シューティングはキャラクターに向いてると思った。で実際、大学の時作ってた時代でもその片鱗があったのでじゃあこれは全然いけるなと。ほっとけばたぶんCAVEさんかどっかが勝手にやるなと思ってたくらい。

~Q&A~

司会Sコンテンツの話が一区切りついたので。今回の講演は創作のスタンスとか展開について詳しく掘り下げていくわけなのですが、そこからこぼれそうな質問の方をこの場で紹介させて頂きます。一つは音楽の話。これはZUNさん話すの難しいと仰いますけど、皆さん聞きたい質問でもありますので質問させて頂きます。
質問「東方の初期の頃は音楽を聴いてもらいたいためにゲームを作ったというお話をよく耳にしますが、20年経ってそのスタンスに変化はあったのでしょうか?」
ZUNそれはインタビューで何度も言ってる通り、最初はそうだったんだよね。ゲームミュージックが作りたかったんです、大学の時に。だけど、ゲームミュージックつくるためにはゲームがなきゃいけないんだね。その当時、いきなりゲームミュージック作りたいんですって言って作った曲がゲームに入るなんて想像出来ないので、ゲームも作るしかなかったのね。無きゃ作るという感覚でした。
司会S他の質問で例えば、作品において最も重視している要素は何ですかという質問もあるんですけど、最初は音楽を作りたいからでそれからやりたいことは変わっていかれた?
ZUN勿論変わるよね。それは最初のきっかけなので。今でも自分の曲をゲームに流したいと思ったらわざわざ作ることなんかしないで他のゲームに依頼受けてやればいいじゃんっていう。まあ今だったらできますけど。それでもいいんですけど。それからスタンス変わってゲーム作りたくなってきてゲームを作る、にはなります。
司会Sあとは多かったのは、音楽だけじゃないんですけど必要な技術、例えば作曲、プログラミング、キャラデザインなどそういうものをどういう風に勉強したのかというような質問も頂いてますけども。
ZUNそれを聞いてどうするかって言ったらたぶん同じことやるんでしょうけど(笑)、独学です。全く何かに習ったとかでもないです。
司会N見てきたもの聞いてきたもの
ZUNそうそう、見てきて自分でどうすればいいかすら自分で試行錯誤しかない。今もそうです。ずっとそれの延長だよ、試行錯誤試行錯誤。あまり近道はないね。あるのかもしれないけど、部分的には。
司会Sでもやっぱりそういう近道には興味がないと。
ZUNないです。そこ近道してできるやつは結果みんな出来るものなので、いくら技術が高くても無駄ですよ。無駄っていうか…無駄ではないですけど。そういうのを売りにすることは出来るでしょうけど、僕としては無駄だよ。
司会Nどこかでこう生きてくるというか。そういう回り道が。
ZUNそうそう。作品の結果が欲しいわけじゃないからね。その間に作るものがすごく作りたいわけだから。ほんとに作品メーカー、東方メーカーってボタン押したら東方ができるみたいなものを望んでるわけじゃないんですよ。
司会Nあくまで過程で。じゃあ作った後の作品にはあまり興味ないと
ZUNそうそう(笑)。それはもうあんま変わってないね。作りたいから作るんだからそりゃそうだよ。出来たゲームが欲しいわけじゃないからね。
司会Sあえて自分の方法論開示して別にみんなに倣ってほしいということも思わない。
ZUN特に思わない。僕通りにやったからと言って、同じゲームが…もしかしたらできるかもしれないけど、それを望んでるような人とは考え方が違う。
司会Nそれは結果がほしいだけですからね。多くの人は結果が欲しいんでしょうけれど。
ZUN結果がね。結果が欲しい人は大体うまくいかないんだよね。
司会Sなんかこの今日会場にいらっしゃってる方々の熱心さというか、ものすごい一生懸命メモとってる方もいらっしゃるし。
ZUNでも大学生が多いとかなるとそうだよね。これから先…今ならまだ、まだ大丈夫だからね(笑)。まだ可能性はあるからね。
司会S勉強しに来られてるんやろうなというような感じで
ZUNいやでもちょっとねぇ、勉強するような内容ほどではない。こっちも酔っ払って話してるとこあるので(笑)。
<会場内笑>
ZUN話半分に聞きながら「ああなるほどな。共感できるとこもあるなぁ。いやそれは共感できないなぁ」って感覚で見てもらえたらいいかな。
司会Sまあそれが大事ですね。
ZUNああいう考え方してる人もいるんだなって感じで。  
司会Sあと一つ、これは僕も興味があってお聞きしたい。
質問「ゲーム内での曲をCDにてアレンジする際、何を考えていますか? CDの曲はゲームよりも落ち着いた感じがして、通勤時間に聴いております。」
ZUN落ち着いて感じっていうか、全体的にテンポが遅い。ゲームの方がどうしても速くなる。それはゲームに合わせようとして作ってるからしょうがないし、でもあれをそのまま聞くとちょっと速過ぎるんだよね。
司会N今日も開始前に音楽流してて、最初ゲームの曲使おうかと思ったんですけど激しすぎて聞けないんですよ。
ZUN疲れちゃうでしょ。あまり長時間聞けないんです。やっぱりその元々バックグラウンドミュージックというか、何かメインのものがあってそれを演出するための曲って考え方だから、ゲームの曲はもう完全にシューティングってものに向いた速い、アップテンポの曲になってる。そういう考え方の差があります。CDの方はまあ、もう、そんなにねぇ(笑)。割と自由に作っていいのかなと。おまけみたいなものですし。CDをメインにするってやっぱ難しくて。音楽でやってる人は当然それがメインな訳なんですけど、僕が作ってる音楽CDなんかよりは全然もっといろんなこときっと考えて作ってると思うんですよ。特にボーカルあるやつとかね。かなり考えて作んないといけないと思うんだよね。
司会SZUNさんがきっと言葉にならないようなところをきっと音楽にされているんですよね。で面白いと思うのが二次創作で東方の曲と言ったらボーカル曲がすごく人気になるんですよね。でやっぱメロディがすごく印象的でそれを何とか詩に合わせて、苦労して考えてボーカル曲作ってらっしゃると思うんですけど、そういったところどういう感じで見ているんですか?
ZUNボーカル曲がね、例えば10年前、ニコニコが始まった当時ぐらいでもボーカル曲ってあんまなかったんだよね、二次創作で。ほとんどは打ち込みだけ、生演奏もほとんどないって感じだったんですけど。もちろんちょこちょこありましたけど。それがいつの間にかボーカルばっかりになったのは別にその、東方とかじゃなくてボーカルで作るってこと自体の技術が上がったんだよ。そうしたらやっぱりもう出来るんだったらボーカルつけようかなっていう人のが多いんじゃないかなと思ってます。その方がライブ映えもしますしね。大体曲を作ったり編曲をしているいかついあんちゃんたちの真ん中にきれいな女の子がいれば見映えするかなって考えると思う(笑)。そりゃあ、アーティストの事馬鹿にしているわけじゃないんですけど、音楽を作っている人たちは場面に出てライブするまでがワンセットでの世界ですからね。そこまでちゃんと演出しないといけないですよ。僕はそういうことがしたいわけじゃないから音楽CDに関しては割とおまけというか、創作のメインにはしてない。それをメインにしちゃうと結構大変だろうなって思って。
司会S小説とかはさっき世界観を広げるためと仰ってたんですけど、じゃあ音楽CDとかは?
ZUNあれはほんと箸休めです(笑)。たまにゲームに使えない曲とか作ってみたくなるんですよ。ゲームの曲なんて激しい曲ばっかですから。シューティングだからしょうがないんだけど。もちろん東方らしさを失わないような曲なんだけど、ゲームでは使いにくい曲って、まぁ作りたくなるんだよ。そういう作りたくなったのを入れたものって感じ。
司会S音楽の話以外でこれはいいなと思ったのがあるんですけど
質問「ZUNさんが思う、作品のモチーフになっている、日本伝奇などの一番の魅力とは何でしょうか?」
ZUN結構大きく出た話ですね。魅力と言えばやっぱみんな知ってることじゃないかな。ある程度。妖怪とかやっぱ知ってるもんね。河童とか。
司会N詳しく分かるわけではないけどなんとなく知っているという感じ。
ZUNその知ってるものが出てきて、東方でしかない解釈の仕方が出てくるところに面白味を感じるのかな。やっぱ全然知らない国の、例えばすごいマイナーな神話持ってきて、これはこういう感じですって言うんだったらもう架空でも変わんないわけですよ。そういうのと違うのは予備知識をみんな持っている。特に民話とか神話なり歴史なりは大体みんなある程度知ってるからそこは利点かなと。
司会S逆にある程度みんな知ってそうなものを意識して選ばれるとかは?
ZUNそれはそうだね。あまりマニアックすぎると独りよがりになるんだよ(笑)。結構あるけど。なりすぎないくらいで。
司会S元ネタ関係でこれも勉強の話になるんですが、どういう所で調べられたり本に出合われたりとかしてるんですか?
ZUNまあ、本は本屋だね(笑)。それが一番だと思うな。
司会S確かに(笑)。
ZUNなかなかAmazonだと探せないから、やっぱ本屋さんはいいなって。あと他のものだと意外と…京都なんてすげぇ面白いじゃん。その辺歩いてるだけでいっぱいネタが転がってる。それは別に京都じゃなくても実はそういう、どこにいってもそんなもの神社でも何でもあるから見てると面白いよ。
司会N何を自分で工夫して出すかということですね
ZUN何かひっかかったなと思ったらそこを深く掘り下げればいいだけかなと。
司会Sもうちょっといけるかな。あと一つくらい。
<質問選考中>
司会Nではこちらの質問を
質問「神社仏閣等の史跡を取材する際に、どういった点に重きを置いて見ているのですか?」
ZUNいやまあ、普通の観光の仕方してますよ(笑)。あーすげぇなー、こんなーひろいなーみたいな感じですよ。
司会Nそしたら自然とネタが見えてくると
ZUNまあネタがあればいいなと。ほとんどネタ探しに行ってるわけじゃなくて、興味ある所に行っててたまにネタがあればいいかな程度です、考えてるのは。
司会Sじゃあ先に作品があって取材に行くという感じではあまりないんですね。
ZUN僕はそれあんましない。したこともありますけど、ほぼ意味ないね。ネットで調べた方が早い(笑)。
司会Nふとした拍子に思いつくと
ZUN面白いもの転がってるわって感じです。
司会Sでは時間もちょうどですので前半はここまでで。あっという間でしたね。では今から10分ほど休憩とします。
司会N今から2曲流しますのでそれが終わる頃になったら帰ってきてください。
<休憩> (BGM 1.蓬莱幻想 ~ far East 2.花映塚 ~ after Higan Retour)

~休憩中の会話から~

放送『ZUNさん講演会後中庭でメントスコーラチャレンジを行います。』
ZUNなにこれ?
司会Nメントス食べてからコーラ飲むらしいですよ。
司会Sそれ死ぬじゃん。
ZUN死ぬよ。救急車必要だよ。
放送『ZUNさんもぜひご参加ください』
<会場内大爆笑>
ZUNビールなら(笑)。メントスビールはやらんの?ダメ?シュワシュワすんのかな?
司会Nすると思いますよ。炭酸ですし。
ZUN炭酸弱いからね。コーラ炭酸強いんだよ。メントスコーラ、その誘いに乗ってやっちゃだめだよ。危ないよ(笑)。
司会N特別な訓練を受けた方だけが参加してください(笑)。
ZUN京大生のみね
司会N私そんな訓練受けた覚えないですけどね(笑)。
…というような会話がおこなわれておりました。
(ちなみにZUNさんはメントスビールはやらずにお帰りになりました)
後半はこちら
注釈
  • ※1…童祭が流れるはずだったのですがどうも手違いで流れなかったようです。
  • ※2…公式ホームページに貼っていたgoogleマップが示す京大熊野寮の位置が全く別の場所で、当日寮を訪れる方々の多くが道に迷うというトラブルがありました。本当に申し訳ありませんでした。
  • ※3…2010年11月23日に東大駒場祭にて行われた講演のこと
  • ※4…2004年に明治大学で行われた講演会「東方の夜明け」のこと
  • ※5…当選メールおよびホームページの注意事項に「未成年者の飲酒は法律で禁止されておりますのでご注意下さい」との文言を入れておりました。
文責:熊野寮 中村
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