アニメ『この素晴らしい世界に祝福を!』感想と『異世界転生』の考察
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アニメ『この素晴らしい世界に祝福を!』感想と『異世界転生』の考察

2016-01-31 02:04
    3話まで放送が終わった『この素晴らしき世界に祝福を!』ですが、またもや小説家になろう!』からアニメ化する作品が出てきましたね。

    『まおゆう』でお馴染みの橙乃ままれ原作『ログ・ホライズン』(画像右)や『オーバーロード』(画像左)など、何かと話題の異世界ファンタジーですが、今作も例によってなろう小説が原作です。



    出典:NHKアニメワールド『ログ・ホライズン』公式ページ

    出典:TVアニメ『オーバーロード』公式サイト

    来期には『Re:ゼロから始める異世界生活』のアニメ化が予定されていますし、一概に一過性の流行とは言えないのかもしれませんね。

    出典:『Re:ゼロから始める異世界生活』公式サイト


    Re:ゼロもこのすば!も、主人公が死んで異世界に転生するいわゆる『異世界転生』という奴ですが、異世界転移と異世界転生って、似ているようで全く違うジャンルだよなぁ、と個人的には思っています。
    このすば!は異世界転生の皮を被った異世界転移ものと言った方が正しいでしょう。

    転移は、『不思議の国のアリス』『オズの魔法使い』など、ファンタジー文学の元祖とも言うべき作品から既に取り入れられている手法で、辿っていけば古今東西の神話や民間伝承に見られる『異界信仰』にその起源があると言えます。

    この作品というかなろう小説を持ち上げたいわけではなく、単に作劇の手法として転移と転生は全く意味合いが違ってくるということが言いたいのです。

    夢オチに近いアリスはともかく、オズのドロシーがそうであったように、異世界に転移した人間にとっての命題は元の世界に帰ることです。

    それに対して転生は、もう死んでるんだから元の世界には戻れないし、生まれ変わって新しい人生をやり直したいという積極的な逃避とも言えます。究極のネガティブ思考。

    今生はもう駄目だから、来世に期待しよう……。

    そんな冗談を地でいってしまうのが異世界転生だと言えます。
    なろう小説における異世界転生小説の多くが引きこもりのニートであることは、もはや必然なのですね、一部『マギクラフト・マイスター』のような異世界転生ものもありますが。


    出典:MF文庫『マギクラフト・マイスターシリーズ』一覧



    どちらかと言うとRe:ゼロはマギ(ryに近いのかもしれませんね。全く違う話ですが。

    なろうにおいて異世界転生がこんなに流行ったのは、一概に言えませんが無職転生 - 異世界行ったら本気だす -が年間ランキング1位を維持していることが挙げられるでしょう。
    ちなみに、この作品も『トラック転生』していますよw



    卵が先か鶏が先か分かりませんが、無職転生は異世界転生ものというジャンルに読者が期待している『人生のやり直し』『現実逃避』という願望を高度に自覚し、むしろそこから脱却することを目的としているかのような作品なので、オタクの願望を満たすチーレムだと一概にバカに出来ない所があります

    そのシニカルな文体や、ゲームのような異世界を俯瞰して見ているメタ構造がどことなく『田中ロミオ』っぽい文体で、多分そこらへんも人気の秘密なのではと個人的に思っています。

    直球でなろう小説、徹底してテンプレ、ただ主人公がこのジャンルに最も投影しやすい引きこもり(それもテンプレ)であり、その責任が自分自身にあるという自覚を持っているため、人生をやり直したいという願望をさらけ出しています。

    別に引きこもりでなくともファンタジーに現実逃避を求めていると思いますが、34歳職歴無し住所不定無職童貞のニート』というどうあがいても絶望な状況では、無自覚な現実逃避をしていられないのでしょうね。

    あっ、実際には34歳くらいならまだなんとかやり直しがきくと思いますよ!!

    このすばの主人公は無職転生のように引き返せなくなった引きこもり程には堕ちていませんが、彼にもなんかしらの理由があるのでしょうか?

    Re:ゼロの主人公は特に理由もなく引きこもった高校生という設定ですが、年齢やキャラクター的にはこちらの方が近いですね。

    読者の共感という点で考えれば、引きこもりやニートという停滞はモラトリアム真っ只中の学生や、逃避したい社会人にとって理想的なのかもしれませんね。

    かくも世は生きづらい、と私だけでなく皆考えているのかも…?

    そういうところは昨今の日常系アニメの流行と根底は同じなのかもしれませんね。

    異世界転生の起源

    ファンタジー文学において異世界転生というジャンルを確立したのは……なんなんでしょうね?

    『転生』に関しては、例えばエジプト神話では死者の『再生』が信じられていましたし、日本には中世から『輪廻』の思想が根付いています。仏教伝来によって『極楽』という思想も根付きました。

    仏教が入ってくる以前から、『黄泉の国』『常世』のように死後の世界を現世とは違う異界(他界)として信仰していましたから、日本における最初の転生者は黄泉から還ってきたイザナミである、というのは強引でしょうか?転生者っていうか神ですけど。

    現世での生を無価値と考え、来世、あるいはここではないどこかに自分が本当に生きる価値のある世界が存在するという考え方は、ニーチェの言うニヒリズムですか、仏教の無常観に通じてもいますね。

    キリスト教やイスラム教の『復活』思想や仏教の『解脱』の先には『天国』『極楽』と対になる『地獄』という思想がありますが、これらの宗教には現世での行いが天国と地獄の道を分つ『因果応報』的な思想が根底にあるため、現世を悲観しての自殺や無気力な生活を戒めるストッパーになっていたと言えるかもしれません。

    だって死んだら自動的に天国に行って働かなくても幸せに暮らせるよ、なんて言われたら、多くの人が死を選んでしまいます。

    あれ……?これって大乗ぶっk(ry

    日本人特有の『無常観』が異世界転生という特殊なジャンルを醸成したと言えなくもないかも?

    現代では世界的にこの思想が蔓延していると言えなくもないのでしょうが、いわゆる『ニューエイジ思想』なんかは、日本以外でこの無常観が流行したということだと考えられます。

    というよりも、信仰を失ったと言っても良い戦後日本において、70年代のニューエイジ思想が日本に逆輸入してもたらしたのが転生によって魂が進化するという『リインカーネーション』型の転生観であり、『精神世界』であり、『スピリチュアルブーム』であるのだから、それは信仰を失った日本人にとって無常観の再獲得でもあったのではないでしょうか?

    であれば、80年代以降にスピリチュアルブームに乗っかって作られた多くの転生や前世をモチーフにした作品は、現在の異世界転生ものの直接的な起源と言えます。


    アニメ『この素晴らしい世界に祝福を!』
    第1話 『この自称女神と異世界転生を!』

    脚本/上江洲誠 絵コンテ/金崎貴臣 演出/吉田俊司 作画監督/北村友幸、鵜池一馬
     美術監督/三宅昌和

    これもう異世界転生の考察と分けた方が良かったかな……?
    このすば!のまとめから派生して異世界転生考察したのに、もうほとんど言うこと無いww

    あともう言えることなんて、監督とシリーズ構成が『これはゾンビですか?』のタッグで俺得だなぁくらいなもんですよ。なろう小説って所に引っかかりすぎたからね、しゃーなしだね。




    相変わらずのテンポの良さ、講成の上手さは、起承転結のしっかりしたギャグの集合でストーリーが構成されているからでしょうね。

    下手な4コマ漫画よりよっぽどしっかりしてますよ、ここまで普通に面白いと

    転生がどうとかオタクの願望がなんたらとかどうでもいいですよねーwwwww










    もっと細かいギャグがたくさんありましたけど、本当に秀逸でしたねw

    ラスト付近の壮大なノリ突っ込みも良かったです!!







    アニメ『この素晴らしい世界に祝福を!』

          『第2話 この中二病に爆焔を!』

    脚本/朱白あおい 絵コンテ/金崎貴臣 演出/三好正人 作画監督/木下ゆうき、清水勝祐 美術監督/三宅昌和

    1.2話は監督コンテ回だったからか、1話の引きが残って出落ちスタートになってましたね。



    巨大カエルとの戦闘も、惚れ惚れするような4コマ感が楽しかったです。










    天丼どころじゃなかったですが、絵と声優さんのノリが良くて楽しめました。




    この娘の既視感が半端無いんですけど……。
    この娘が主役のスピンオフ作品『この素晴らしい世界に爆焔を!』第2巻のタイトルが『中二病でも魔女がしたい!』なんだそうですよ、何のことでしょうね?








    謎の女騎士も加わって、とりあえずオープニングに出ているメインキャラは揃ったという感じでしょうか?なろう小説らしい展開の早さですねw


    面白い作品であることは間違いないので、視聴していきます!
    が、感想記事はもう書くことなさそうだな……w


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