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どのコンテンツも「優しさと理想」を売る時代が来ているというお話。
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どのコンテンツも「優しさと理想」を売る時代が来ているというお話。

2021-10-01 00:48

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    ※当記事は2019-10-07にユーザーブロマガに公開されていたものを
    サービス終了に伴いこちらのブロマガサイトへ複製・移行したものです
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    この前、ワイドナショーで‬指原莉乃さんが‬
    ‪「最近の芸人さんとかって
    貶し合う関係より、仲良い方が人気ある。‬
    ‪あれなんでですかね?」‬
    ‪的な事をおっしゃってました。‬

    前から書こうと思っていた
    「テレビ離れした世代が求めているコンテンツ」
    に対する自分の答えと重なる部分があったので
    良い機会だと思いPCに向かっている次第です。

    なお、僕の勝手な推測によるものなので
    めちゃくちゃ見当違いかもしれません。
    ご了承ください。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    ①SNS×スマホが作った「監視社会」
    ②日常に疲弊する世代が求める「理想体験」
    ③「テレビ世代」と「ネット世代」の違い
    ④エゴをさらに求めない若者たち
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    SNS×スマホが作った「監視社会」

    2010年以降。SNSやスマホの普及により
    僕らは簡単に「情報」を
    手に入れる事ができるようになりました。

    それは「美味しいお店を探す事」や
    「より安く商品を買う事」などを簡単にすると同時に、
    「いけないことをしている人」を晒し上げて
    社会的に制裁を加える事、を可能にしました。

    冷蔵庫に入る店員、七味の容器を鼻に入れる学生。
    炎上の例は多岐に渡り、あっという間に社会は
    「監視し合う環境」
    へと様変わりしました。

    どれだけ些細な「いけないこと」でも叩かれるようになり
    これ以降、芸能人の不倫などが炎上するようになりました。
    また人々も気を使うようになっていきます。

    自転車の2人乗り、未成年飲酒、浮気
    空き地などへの不法侵入、信号無視…

    誰もが人生で1度はやりかねないような事でも
    やらないように、バレないように、写真を撮らないように。

    生きていく日々自体に気を使うようになった人々は
    確実にストレスを感じ、精神的に疲れていきます。

    日常に疲弊する世代が求める「理想体験」

    ‪インスタで映える写真を撮る人たちが増えました。‬

    カラフルな食べ物、キラキラしたアクセサリー、
    ランドマークを背景にポーズを決める自分。

    スマホが撮影する写真は
    画質の高さと加工による幻想的な雰囲気で
    理想的な生活を自分が送っている、かのように
    一瞬でも錯覚させてくれます。

    「いいね」の数は、自分の人生を肯定させてくれます。


    異世界転生モノの本がヒットし始めました。

    普段は冴えない会社員が事故死…
    するとゲームで見たような冒険の世界へと転生。
    皆が持つような「一般常識や勤勉な性格」等で
    「無双できる」ような物語が人気です。

    死ぬ前は自分と似たような一般人。
    しかし、異世界の登場人物からは
    主人公が絶賛、尊敬される。
    もしかすると冴えない主人公に
    自分を重ねて夢を見ている、のかもしれません。

    この生活を離れて「自分に優しい環境」へ行きたい。
    言い換えれば現実では夢を持てないのかもしれません。

    「テレビ世代」と「ネット世代」の違い


    年金問題、少子高齢化、増税…
    未来とお金に不安を抱えて育った世代に
    監視社会という環境がぶつかった結果、
    日々触れるコンテンツだけでも
    現実を忘れて「理想的な自分」になれるよう、
    一瞬でも「自分に優しい世界」へと身を置けるもの。
    それを無意識で求める世代になっていきました。

    一昔前の世代、
    欲求に素直で今よりも自信があった親から上の世代。
    あの頃の消費者がテレビやコンテンツに求めたのは
    「刺激的なもの」「非日常」でした。
    欲求に従順で、いわば「正」を求める世代です。

    対して今の若い世代は、なるだけストレスから離れたい
    「負」を求めない世代です。
    リスクがあるものには触れようとしません。
    特に人間関係の不仲なんてのは
    「負そのもの」かつ「現実そのもの」です。
    ゆえにコンテンツには、なるだけその側面を求めません。

    最初に書いた所へ戻ってきますが、
    ゆえに芸人コンビも仲が良い人達を見たいのです。
    選択肢が多様にある中でわざわざ不仲を見る必要がないのです。

    エゴをさらに求めない若者たち

    シリーズ作品、小説の映画化、漫画の実写化。
    ネットで評判が見える昨今、
    「作品愛が無い」と炎上する作品が多々ありますが
    それを生んでいるのはクリエイター達のエゴです。

    「前回とは全く違う展開にしよう」
    「10周年作品だから裏切ったものにしよう」
    「映画の尺に合わせて原作からこのキャラ消そう」

    全国のクリエイターさん。
    今の時代、フルでエゴを発揮していいのは
    「オリジナル」「初回」だけです。
    作品を見に来る人達の中で1番、熱量が高いのは
    「原作ファン・シリーズファン」です。
    そこを第一に考えて作るのが最優先です。

    昔も叩かれたでしょう。
    しかし今叩く若者の層は前述の通り「負」を嫌う層です。
    SNS効果も相まって更に叩かれます。

    本当に作品でエゴやりたいだけなら
    ネットへの動画投稿で欲求を済ませましょう。
    それを見るのは「あなたのファン」ですから。
    「原作のファン」はあなたのエゴを見に来たんじゃありません。

    ーーーーーーーーーーあとがきーーーーーーーーーー


    この前、風邪を引いた時に近くの病院を検索すると
    「A病院★4.4 B病院★2.9」
    みたいな評価が出ていて
    「病院すらコンテンツとして評価されてきていて、
    優しさを装ったり、誠実な対応をしないといけないのか」
    と思うと同時に、
    「そこで働く人々って昔より疲れるよね…」
    と、息苦しさが倍でのしかかってるのだなぁと感じました。

    ネット監視されるこの環境になってまだ数年。
    これが向こう20年、30年と続いていくと
    僕らはどういう限界を迎えるのでしょうか。

    そしてその時代に求められるコンテンツは
    どういうものに変化しているのでしょうか。


    倭寇(わこう)

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