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九十九折坂の狐さん のコメント

単純に過去現在未来の隠喩で誰に興味を持つかが選択肢と推理
何とか神話ではどれかが世界滅ぼしたはず
No.1
126ヶ月前
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 駅前を歩いていたら、続けて3人に声をかけられた。  ひとり目は少年だった。  小学校の低学年くらいの、野球帽をかぶった少年だ。 「どこにいくの?」  と少年は言った。きっと初対面だと思う。  その子は子犬がなにかみたいな、くりんとした大きな瞳で、じっとオレをみつめていた。オレはつい周囲を見渡して、誰か――少年の友達か母親か誰かがいないことを確認した。  人通りの多い駅前だが、みんなだいたい同じような速度で歩いていく。オレと少年だけが流れに取り残されている。 「どこにいくの?」  とまた少年は言った。  仕方なくオレは答える。 「その辺りで、飯でも食おうと思って」 「どうしてご飯を食べるの?」 「昼がまだなんだよ」 「昼がまだだと、ご飯を食べるの?」 「そりゃ、絶対に食べなきゃならないってこともないけど」  子供ってのは奇妙なことに興味を持つものだな、と思った。  身を屈めて、答える。 「お腹が空くとつらいだろ?」 「うん」 「身体が、そろそろご飯を食べようって言ってるんだ。生き物ってのはそういう風にできてるんだ。無理に逆らうことはないさ」  野球帽の少年は、何度か納得したように頷いて、それからどこかに走っていってしまった。  残されたオレは頭を掻いて、また歩き出した。  ふたり目はホームレスの男だった。  ニット帽をかぶり、ビーチサンダルを履いていた。もちろん髭なんてそっちゃいない。そのせいで年齢はよくわからなかったが、意外と若いような気もした。 「今日はオレの誕生日なんだ」  とその男は言った。大げさな笑顔を浮かべていた。 「祝ってくれないか?」  変わった物乞いだ。つい笑う。 「何か欲しいものがあるのかい?」 「金が欲しい」 「現金は贈らないことに決めてるんだ」 「なら電池と髭剃りが欲しい」  欲しがるものまで変わっている。 「何電池?」 「単一だよ。確か」 「今時、単一なんてあるのか?」 「古いラジカセなんだ。誕生日には音楽が必要だろう?」  オレはコンビニを覗いてみたけれど、やはり単一電池はなかった。  仕方なく一駅ほども歩いて大きな電気屋に行き、単一の電池と髭剃りを手に入れ、コンビニで買っておいたパック入りのショートケーキと一緒に男に渡した。合計1280円。 「ハッピーバースディ」  とオレは言った。 「ありがとう。君に幸福が訪れますように」  と男は言った。  ありがとう、とオレも応えた。  3人目はビラ配りの女性だった。  濃紺色の地味な、でも高級そうなスーツを着た女性だ。反面で目つきはどこかぼんやりとしていて現実味がなくて、なんだか得体が知れない。少なくとも、ビラ配りにはみえなかった。 「ねえ、ちょっといいかしら?」  と彼女は言った。 「なんです?」 「アルバイトを探しているのよ。少し変わった仕事なんだけど」  彼女はぞんざいな手つきで、一枚だけ持っていたビラをこちらに差し出した。思わず受け取る。 「貴方にぴったりだと思うわ」  一体、オレの何を知っているというのか。 「ちゃんと読んでね」  そう言い残して、彼女はこちらに背を向けた。  歩きながら、貰ったビラに視線を落とす。夏の太陽が白い紙に反射して目が痛い。  急募、と大きく書かれてる。聞いたことのない出版社の編集部が、臨時スタッフを募集しているようだ。業務内容は『ベートーヴェン』という雑誌の、取材助手とある。  ベートーヴェン。きっとクラシック音楽系の雑誌なのだろう。よく知らないジャンルだが、知らないなりにピアノは好きだ。どんな取材をするのか少し興味が湧いたし、それに日当もいい。  オレはビラを折りたたんで、ポケットに入れた。 かえ ‏@KaedeMattyalv   ついに3D小説始まった感じ?? みどばち ‏@midobachi3 久瀬君視点の小説キター リョウゼン シュウ ‏@shuu_ryouzen  しかしなんだか摩訶不思議系だな…。<始まった本編 ホームレスのくだりが不思議すぎる。なぜ久瀬は見ず知らずのホームレスのためあそこまでしたのか。 みどばち ‏@midobachi3   久瀬くん良い青年やないか  ひびき ‏@h62b8kingfivese   佐倉さんを巻き込む事件(?)が起きるのが12時ということなのかな? 冬_寂 ‏@mkmfgmbh   久瀬君も時間軸は我々と同じ。ホームレスの人に渡した単1電池は何本かなぁ……そして、ベートーベンのアルバイトをうけるのか? アンナ♡ヾノ。ÒㅅÓ)ノシ ‏@anyamix   久瀬くん目線(?)テキスト見たけどそわそわしてくるな( *´艸`)今夜0時から正式スタート。どういう風に進行していくんだろ。楽しみ!  しゅんまお@くま ‏@konkon4696   更新読んだ ビラ配りの女の人はビラを一枚しか持ってなかったってことは、最初から久瀬くんを狙っていた?  ※Twitter上の、文章中に「3D小説」を含むツイートを転載させていただいております。 お気に召さない場合は「転載元のアカウント」から「3D小説『bell』運営アカウント(   @superoresama )」にコメントをくださいましたら幸いです。早急に対処いたします。 なお、ツイート文からは、読みやすさを考慮してハッシュタグ「#3D小説」と「ツイートしてからどれくらいの時間がたったか」の表記を削除させていただいております。
3D小説「bell」本編
3D小説の楽しみ方



1.これは、「読者たち」が「絶望の中にいる少女」を救う物語です。少女を救う意志と情熱を持つ読者=あなたの参加をお待ちしております。



2.現実と作中の時間はリンクしています。たとえば主人公が8月1日にピンチを迎えるなら、読者のみなさんは8月1日までにその問題を解決しなければなりません。



3.ひとりの読者=あなたが、物語を変えます。作中のすべての問題を、あなたひとりが解決しなければいけないわけではありません。読者のうち、たったひとりでも問題を解決すれば、物語は先へと進んでいきます。



4.ルールは明示されません。物語を読み、想像し、自ら方法を見つけ出さなければならないのです。