「漢の武帝」(岡本好古)
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「漢の武帝」(岡本好古)

2020-07-03 00:00

    功罪あい半ばする皇帝である。気宇壮大な前半生と比較し、国を疲弊させた後半生。評価が変化していく人物を書くのは難しいことだと思う。

    小説として読みたいのは、晩節を汚した皇帝の心理的変化なのだが、そこが描き切れていないと感じてしまう。

    おそらく、武帝の心象は少しずつ変質していき、時代や情勢に対応できなくなってきたのであろうが、その変化を見せるエピソードや物語がないため、物語の都合で急に変化してしまったように見えてしまうのだろう。

    人物伝はその人物にどれだけ焦点を当てられるか、その人物像をはっきりと見せるかだと思う。そういう意味では漫画やアニメに代表されるキャラクターの作り方は理想的だろう。

    行動と思考を一致させることが必要なことなのであろうが、いっそ自分の書きたい人物像に合わせてエピソードを抜粋してしまえばいいのではないだろうか。歴史上の人物の本来の事績など、読者は別の方法で補完できてしまうのだから。


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