「道徳という名の少年」(桜庭一樹)
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

「道徳という名の少年」(桜庭一樹)

2020-07-10 00:00

    桜庭一樹は作品が明確に変質したと思う。「七竈」の第1章と第2章の間で急に変わったと思うのだが、いかがであろうか。

    前期は少女の箱庭感とかよく言われているが、どこか悲しさが漂う雰囲気の作品であったのに対し、後期では作品の根底に流れていた悲しさが無くなった代わりに、倒錯した性愛が話の中に組み込まれるようになった。

    この作品は後者の作品だ。なので、この作品では近親相姦やら親子で一人の女を愛するとか謎に異常性愛に満ちた作品である。一方で少女や子供が良く出てくるのだから、前期の作品のようにあの独特な雰囲気を味わえるのかと思いきや、それは味わえないというのが何とも言えないところである。

    あの雰囲気は自覚的に書いていたわけではないのであろうか。物語作家として成長していく過程で失われてしまったものなのであろうか。だとしたら、あの雰囲気が好きで読みたいがために桜庭一樹を追いかけていたのに、残念である。


    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。