「オーデュボンの祈り」(伊坂幸太郎)
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「オーデュボンの祈り」(伊坂幸太郎)

2020-07-02 00:00

    寓話性に満ちた味わい深い作品である。登場人物たちの内面の描写は削ぎ落しながら、特徴的でそれぞれの役割をしっかりと破綻なくこなしていく。

    これこそが物語の一つの極北ではないのであろうか。近現代の小説は人間の内面を描くこと、作家自身の内面描写に対する評価が大きすぎるのではないのだろうか。

    私小説や純文学ならいざ知らず、エンタメ系の物語であるならば、そのジャンルの構文や文脈を活用して、記号化したキャラクターを駆使しながら物語を紡いでいいのではないかと思うのだ。なろう小説やライトノベルがよく批判されるが、現代の寓話として世界観やキャラクター、ストーリーなどを共有し、省略するのはいいと思うのだ。作品の質の良し悪しは批判にさらされるべきだとは思うけど。

    これだけエンタメが活性化し、可処分所得を埋めるための手段が多様化している中、小説もいかに娯楽性の高い時間を過ごせたかで評価する時代が来てもいいと思うのだ。


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