「百億の昼と千億の夜」(光瀬龍)
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「百億の昼と千億の夜」(光瀬龍)

2020-07-08 00:00

    SFの古典的名作である。未来を描くSFで古さを感じるのはどういうときなのだろうか。ストーリーのアイデアやあらすじは意外に時代を感じない。というよりも名作の主題は時を超え、時代が変わっても変わらず物語の主題として幾度も作品が作られ続けていくことになるのだと思う。

    やはりディティールに時代を感じてしまうのだ。固有名詞や登場する物品の古めかしさもあるとは思うが、それ以上に時代を感じるのは、ストーリーが直截的であり、現代のほうが複雑で何層にもサイドストーリーを積み重ねたり、細かい揺り戻しや伏線を作ったりするという点だ。

    平和な時代であればあるほど、複雑化し巧緻なものが好まれるのが歴史の常だと思うのだが、終戦から75年。文化としては爛熟期を迎えている時代ではないかと思う。ビジネスの世界もそうだが、とにかくニッチな領域に細分化され、情報量や書き込み量が多いほど尊ばれるのが現在の文化の大きな特徴ではないだろうか。


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