「班超」(太佐順)
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

「班超」(太佐順)

2020-09-16 00:00

    平和な時代の武将というものほど、書きにくいものはないだろう。ましてや人生も後半になってから活躍しだした武将に関しては、その一生を書くのは非常に難しい。

    この本の大半は班超に係る血縁について語られているが、その前半生がほとんど世に出ていない武将であれば、その一族の状況をなぞるしかない。現在と比してかなり濃密で広範な血縁関係を端的にまとめているのが、白眉である。

    古代は現代とは異なる血縁の重要性であるということが余すことなく見て取ることが出来る。氏族制であるため、遠縁、外戚の重要性が現在とは段違いであり、連座制というのも現在の観点と違い、効果的であったのであろう。つまり、個を評価するのではなく、その氏族を評価するのであり、個人は氏族の構成員として存在している。その昔のムラクニ制から氏族制、貴族制、家族制、個人制とその構成範囲が狭まっていったのがひとの歴史であり、豊かさがもたらした変化であろう。


    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。