「No.6」(あさのあつこ)
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「No.6」(あさのあつこ)

2020-09-19 00:00

    よくある物語だとは思うが、ストーリーは面白い。サクサクと読み進めることが出来るし、先が何となく予想できる分、物語の細部が楽しめる。

    この作品の架空社会の強度が甘いのが残念なところである。描きたい社会がはっきりして負いたいほど伝わってくるのだが、一方で描きたいことがはっきりしすぎていて、現象のみが詳述され、その原因が考察されていない。それゆえに微妙に矛盾するところや不合理なシーンが存在し、それが強度の甘さにつながっているのだ。

    児童書と違うのは大人はやることなすことすべてに理由をつけたがるところだろう。悪にも悪なりの論理があり、その論理に沿っていることが重要視される。単純な勧善懲悪ではなく、お互いの論理のぶつかり合いが求められ、そこをどう判断し、評価するかが読者に委ねられている。善悪の判断基準があると思われている大人と、まだ未成熟と思われている子供との違いを意識すべきだったと思うのだ。



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