「ラブレス」(桜木紫乃)
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「ラブレス」(桜木紫乃)

2020-09-17 00:00

    面白い作品であることは間違いない。一人の女性を主人公に前後三代を描く作品で、桜庭一樹をはじめ、女性作家による家族史の物語はちょうどこのぐらいの時期に流行っていたような気がする

    どの作品も客観的に見ると幸せな人生を歩んでいるわけではないのだが、アルシュ羨ましいように感じてしまうのは、根っこが定まらない流浪の人生が、会社勤めで一処に定住している我が身と比べて、軽やかで自由なところに憧れるからであろう。人類は農耕を始めるまでは定住せず流々転々としていたというが、その本能が残っていることを実感させられる。

    自分一人の身であれば、思い立ったときにふらっとすべてを捨て去り、流浪して生きてみたいと思うのだが、再就職のことや収入のことを考えると、実行できない。せめて手に職を持てるようになれば、どこにでも行けるのかもしれないだろうが、会社勤めより収入水準は落ちていたのだろうなと考えると、どちらも一長一短である。


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