「ばけもの好む中将」(瀬川貴次)
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「ばけもの好む中将」(瀬川貴次)

2020-09-21 00:00

    少女小説出身の作家の実力は本当に高い。唯川恵や山本文緒を筆頭に、氷室冴子や久美沙織。赤川次郎もコバルト文庫で長期に活躍しているし、岩井志麻子や桐野夏生も少女小説で作家デビューをし、その後一般文芸に活躍の場を移している。

    少年向けと比べて少女向けのほうが活躍しやすいのは、少女向けのほうが恋愛要素などの機微に触れた作品を求められるからではないだろうか。最近はそうでも無くなってきているのかもしれないが、少年者の王道といえば冒険活劇である。

    この作品も冒険活劇としても魅力的な題材でありながら、人々の思惑や人間関係の方をより重視しており、少女小説の下地が十分生かされている。

    舞台を現代に置き換えても成立するであろうし、時代考証なども甘い点は多々あるのであろうが、それらを覆い隠すほどに読みやすく、面白いからこそシリーズ化されているのである。時代小説というのは、その時代の雰囲気を纏っていれば成立するのだ。


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